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誘導開始からまだ5分も経っていない。だが半開きの口を見ればすでに催眠状態に入りつつあるのは明らかだ。 「もう目も疲れたきたかな。目を閉じてもいいよ・・・。閉じたらもっと気持ちよくなるよ・・・。」 目の前にかざした手を下げながら言う。つられてまぶたが落ちてきた。 |
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耳元でささやくように語り掛ける。 「もう私の声しか聞こえない。私の言ったことが頭に響いてくるよ・・・。」 一言一言を確かめるようにゆっくりと。 「これからは私の言うことには素直に従う。私の言うことに逆らわない。そして・・・。」 時間はたっぷりある。入念に暗示をかけていった。 |
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「今言ったことは決して忘れないのよ。」 「は・・・い。」 (これでよし。明日から楽しみだわ・・・。) その光景を想像して唇を吊り上げる。そして部屋を後にした。 |