カオスラとか上祐史浩について書いておきます

とりあえず今度出す同人誌で上祐史浩との対談やカオスラウンジとの座談会が収録されることになった件について、Twitterでいくつも問い合わせがあったため答えさせていただく。

まず上祐史浩との対談の経緯はと言えば、九十年代にメディア露出が多くあり、「ああ言えば上祐」や「上祐ギャル」などのブームを起こした彼が、いま現在どのような活動をしているのかに興味があったためだ。宗教が学術的に言って極めて重要であることはデュルケームやウェーバーの宗教社会学を参照するまでもなく自明である。上祐氏のところには一度だけお伺いし、お話させていただいた。対談の内容は、いずれ本誌をご確認いただければ解る通り、基本的に宗教を通して見た現代社会論であり、彼の団体であり「ひかりの輪」に無批判に協力するつもりでは毛頭ない。実際的に言って、公安の監視下に置かれ、(アレフと違い)会員数も少ないひかりの輪が、だいそれた事件を起こすことは現実的に不可能であるという点を確認し、そのうえで掲載の運びとなった。

また、カオスラウンジについて。カオスラウンジが「キメこな」などの問題で批判を浴びていることはもちろん知っており、それは著作権などに関わる極めてセンシティブな問題であり、今後も議論が必要な課題であると思う。その点で僕はカオスラ擁護派ではなく、むしろ現代の問題を象徴する一例として接触しているにすぎない(もちろん仲の良いメンバーもいるが)。しかし、生産的な議論と、「カオスラが関わっているからとりあえず叩く」というのとはまったく異なる話であることは言を要しない。僕の見たところ、現在上祐の件について叩いているのは多くがアンチカオスラである。

「キメこな問題」はふたば☆ちゃんねるの画像を梅ラボが無断でコラージュしたことに端を発したように、ふたば☆ちゃんねるでは今現在もカオスラの動向についての監視が続いている。

知人からこの同人誌についてふたばで話題になっていると連絡があったため確認してみたが、「カオスラウンジが同人誌を出す」「カオスラウンジが上祐史浩と対談している」「カオスラと上祐の関係の背後には東浩紀が動いている」などの事実誤認と妄想の山だった。本誌はカオスラウンジが座談会に出ており、表紙を藤城嘘が描いているということ以外はカオスラウンジはまったく関与しておらず、主催者はカオスラウンジメンバーではない。またカオスラと上祐に接触はなく、もちろん今回の件について僕や彼らに東浩紀との接触はない。

一部には公安から監視されている上祐が同人誌に対談を載せるということ自体を問題視する向きもあるが、それは暴論と言うべきだろう。彼にも当然のこととして発言権はあり、そして事実、彼は最近『オウム事件 17年目の告白』という単著を扶桑社から出している。もし僕が彼との対談を出すことに問題があるというのなら、彼の単著を出した扶桑社ももちろん非難されてしかるべきという論理になるはずだろう。

今回、「はるしにゃんはオウムに協力していてけしからん」などの意見があったため、ここで本誌がカオスラウンジと上祐史浩現代社会において良くも悪くも興味深い立ち位置にいる存在として取り上げたにすぎないことを断言しておこう。