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『ヒカリしらべ』鹿又利行
鹿又さんは、決して失敗作を描かない人。前回の作品も、一度トライしてもらったネームも、唸らされるポイントが必ずありました。この作品もいわゆる王道の少年漫画ではないと思いますが、とらえどころのないふわっとした魅力に、強い作家性を感じます。一番いいと思ったのは、善人ばかり登場するのに、きちんとドラマがあり、印象的なラストで締めていること。主人公のヒカリちゃんはじめ、登場人物すべてを応援したくなるのには、並々ならぬ才能を感じます。作画だけは課題と思いますが、どの方向に持っていくのかが結構難しいところかもしれませんね‥。 |
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『赤いスマッシュ』稲葉 誠
入部早々なぜか分不相応に歓迎される新入部員、というのはままある展開ですが面白い。熱いバドミントン漫画。動きの迫力もさることながら、シャトルやグリップにいたるまで、それぞれに考えたアングルで丁寧に描いているところ(ラストシーンなど)印象的でした。若々しい人物絵もいいです。キャラ付けに関しては、「名前が変わっている」ところがアイデアの肝なので仕方がないかもしれませんが、「親の離婚=無口でも仕方ない」「試合前日の親の離婚=もう本気のバドはこりごり」といった描写は説得力十分とはいえず、読み手の感情移入を妨げると思いました。しかし、伸び盛りという印象がある方。 |
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