大学秋入学:全面移行、関関同立は否定的 就活への支障など理由
毎日新聞 2012年12月23日 大阪朝刊
秋入学への全面移行について、関西の有力私大「関関同立」の4大学がいずれも否定的であることが、毎日新聞の取材で分かった。入学や卒業が半年ずれることで、高校卒業後の空白期間の問題や就職活動への支障が出ることなどが理由。京都大も当面見送りの方針で、全面移行へのハードルが高い現状が浮き彫りになった。
関関同立は、関西大(大阪府吹田市)、関西学院大(兵庫県西宮市)、同志社大、立命館大(ともに京都市)の4大学。各大学とも留学生や帰国生徒らを対象に秋入学を一部導入しているか、導入実績がある。
立命館大は11年から国際関係学部の一部(1学年15人)で9月入学を始めた。書類審査や面接によるAO入試で、英語による授業で単位を取得できるコース。石井秀則教学部長は「グローバルな人材が求められる中、優秀な留学生の存在は日本人学生にも刺激になる」と、大学の国際化の観点から秋入学の効果を認める。しかし、「一般学生を対象にするには、小学校から秋入学にするくらいの社会変革が必要だ」とし、大学が先行して秋入学に移行するのは困難との見方を示した。
関西学院大は総合政策学部の一部で95〜04年度に秋入学を行ったが、「学生があまり集まらず、就職活動の問題もあった」(学長室大学課)として廃止。関西大は94年度開設の総合情報学部で秋入学を導入しているが、入学者は毎年数人程度という。
同志社大も11年から英語で履修できるコース「国際教育インスティテュート」で秋入学を導入したが、全面移行については、「情報収集しているが、具体的に検討する段階ではない」(広報課)としている。【五十嵐和大】