山田町災害復興支援隊

山田町災害復興支援隊は、厚生労働省が実施した緊急雇用創出事業により、山田町から特定非営利法人大雪りばぁねっとへ事業が委託され、東日本大震災により被災された方々を雇用し新たに「山田町災害復興支援隊」を編成。行方不明者捜索や復旧・復興支援活動を行っています。(2012年6月現在140名を雇用)

災害特務中隊

嵐の爪痕

船越漁協から、山田町の山の内漁港で漁船「輝丸」が転覆し海中に沈んだため引き上げに協力してほしいとの依頼を受け、特務中隊は引き上げ作業に向かいました。   この船は、先日の爆弾低気圧「春の嵐」によって沈没したもの。 
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がれきの引き上げと同様の工程で、まずは船にワイヤーを取り付け。船体から多数のロープが出ているため、絡まないように注意しながらの作業。
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その後大型クレーンで一気に引き上げます。 船がうっすらと見えてきました。
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水面まで上がると、特務中隊と漁協の方皆で陸に引き寄せます。
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無事に引き上げ完了!
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「春の嵐」はこんな大きい漁船が完全に沈むほど勢力が強かったんですね・・
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山田町災害復興支援隊・災害特務中隊は東日本大震災による復旧作業だけでなく、日常の事故・火災・今回のような事案にも対応し、災害対応支援を行っています。

一斉捜索番外編

今月5日から9日にかけ5日間実施された一斉捜索を終え、震災から一年が過ぎました。日中はあたたかい春の気配も感じられるほどになりましたね。

大雪りばぁねっと・山田町災害復興支援隊・K38JAPANによる山田町一斉捜索の期間中は毎日が雨や雪、風に見舞われ、とても過酷な状況のなかでの捜索となりました。
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潜水部隊として海中での捜索を担った山田町災害復興支援隊特務中隊。緊急雇用創出事業により雇用された山田町の若手のホープ8名が、それこそ雨にも負けず風にも負けず、雪にも寒さにも負けず、体調を崩すことなく無事に乗り切ることができました。

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最年少は19歳。一番上が37歳。体格、体力もそれぞれ違います。ついていけない者は追いつくまであきらめず、前にいる者は後ろを向きながら仲間に声をかけ、決して先に行くことはありません。誰に言われるでもなく自然とそんな雰囲気になるのです。
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捜索後には、部隊長との恒例のスキンシップも。最後の最後に海へのダイブ!

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 ここで終わる特務ではありません。とうとう、部隊長を・・・!


突き落とした~~
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「お前らこの~~!」と叫びながらも楽しそう!
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部隊長が投げ込まれ大喜びして大笑い
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もはや疲れている部隊長。全身ずぶ濡れ。寒い~
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こんなことができるのも、いつも厳しいながらも最後には冗談を言って笑いに変える部隊長の人柄なのかもしれませんね。

 この厳しい気象状況の中での捜索を乗り越えることができたのは、なによりもどこにも負けない「仲間」意識だということがひしひしと伝わってきます。毎日の訓練や行動を見ていれば誰でもそう感じるほどに、ただ仲良いだけではない、とっっても雰囲気の良い特務中隊です。
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TRR講習

災害特務中隊では今週一週間、TRR(Tecnical  Rope  Rescue=テクニカルロープレスキュー)講習を行いました。この講習は峡谷や崖、あるいはビルや鉄塔、地下道や洞窟など、足場が不安定で高低差がある場所でロープを使用した組織的レスキュー活動を行う際に必要となる知識や技術、また安全確保などを3日間の行程で学ぶプログラムで、消防士、森林警備隊、山岳救助隊などの訓練プログラムとして活用されています。

山田町災害復興支援隊はレスキューの経験がないため特別に5日間の講習日を設けていただきました。
講師の先生は、AED講習でもおなじみのレスキューインストラクター 北原 大先生。
山田町災害復興支援隊が発足してから、 支援隊のために何度も山田町船越のセンター本部に滞在し、応急処置やレスキュー講師、また先日の一斉捜索での統括監などで支援をしていただいています。
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まずは救助者に必要となるレスキュー哲学や装備に関しての学科と基本的なロープワークを学びます。
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実習では学科で学んだ応用として傾斜面においての上昇・下降および救助法を習得します。 
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TRRはロープワークが重要。救助方法によってさまざまな結び方があります。
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 最終日の今日は組織的なロープレスキューを身につけるため、センターから場所を移動して船越小学校跡地へ。船越湾を望み、高台に建っていたのですが大津波で一階部分が流され、現在はすべて取り壊され更地となっています。土台として残っていた垂直壁を利用して上昇・降下および救助法を実習しました。

ゼトロスもレスキュー訓練のお手伝い
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挑むのは高さ5Mの垂直の壁。念入りな復習と安全確認をし、本格的なレスキュー実践。

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崖下に降りる人と、上でロープを支え操作をしている人で声を掛け合いながら、ゆっくりと下に降りていきます。
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その後要救助者を保護し、ゆっくりと上昇。
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講習で学ぶ技術や知識は、山岳や崖でのレスキュー活動はもちろん、高層建築物、洞穴、密閉空間、倒壊家屋やビルなどにおけるさまざまなレスキューに対応できます。

震災時山田町は甚大な被害を受け、消防・自衛隊だけでなく、町を熟知した山田町民の力が必要となりました。あらゆる災害に対応できる人員を増やすことは必要不可欠です。  

レスキューインストラクター北原 大先生のサイト→Keep it simple

大島から浦の浜へ・・

災害特務中隊では今年に入り 新たに山田町民が4名加わり、総勢11名になりました。この日はまだまだ若く経験のない新人隊員に災害支援要員としての自覚を持たせることと、自分に自信をつけさせ精神面を鍛えること、また体力をつけるために、特別な訓練方法として、 部隊長直伝の大島から船越の浦の浜「復興かき小屋」のある岸壁まで、約2キロ超を泳ぐという司令が下されました!

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山田漁港を出向したのは午後4時過ぎ。そろそろ陽が傾いてきました。

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大島に着くころには、きれいな夕焼けの空・・ 

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大島への入口は苔が張り付きつるつる滑るので要注意!
 
まずは準備運動がてら大島をランニング
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お決まりの掛け声をかけながら、夕日に照らされる大島を山の方まで駆け上がる隊員。
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拡声器で激を飛ばす部隊長は、厳しいながらも最後まで見守ります。
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この後はいよいよ遠泳へ・・夜まで泳ぎ続けるのを想定して、シュノーケルの先に暗闇で光るペンライトを取り付け。
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岸壁から海中へダイブ!いよいよ始まってしまいました・・・
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二人一組でバディを組み、なるべく皆離れないように、体力のある隊員が泳ぎながら先導していきます。
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目指すは2キロ先の浦の浜。午後5時、遠泳の開始です。

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泳ぐ隣を磯船から見守りながら、隊員の様子を確認し進む方向を誘導していきます。 


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波があるため、前に進んでいるつもりでも斜めに流されてしまい、なかなかゴールまでの距離が縮まりません。それでも泳ぎながら常に声を掛け合い、一人遅れたら追いつくまで待ち、がんばれと励ましあい、少しずつ進んでいきます。

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太陽が沈み暗くなり始めました。小島の木に泊まっているカラスたちもめったにない光景に上から様子を伺っていました。

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 泳ぎ続けるために途中海面で休憩もします。なるべく体に負担がかからないように 隊員が輪になり腕を取り合い浮力を使って休みます。


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 時間は午後7時。ライトを消せば何も見えないほど真っ暗です。寒さも一層増しています。泳ぎ始めてから2時間、一時も離れることなく、泳ぐ隊員の隣を並走しながら、体調を気遣い励ましの言葉をかけ見守ります。

そして2時間半後の午後7時30分、一人もリタイアすることなく、無事浦の浜に泳ぎ着きました。 聞くところによると、船長さんたちも子供のころいつもこれくらいの距離を泳いでいたそうで。

今日のこの経験は、今後の仕事に役立つことはもちろん、やればできるという自信にもつながりました。 さて、次の司令はいかに・・・!?

今日の特務

船越湾に船が沈んでいるとの連絡を受け、災害特務中隊は漁協の方と一緒に撤去作業へ。  田の浜沖にある、岸壁から近い場所に沈んでいるとのこと。 漁協さんが用意してくれた磯船に乗り込み、作業地点へ向かいます。

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この日は3人が潜り、1人が緊急時に備え船上で待機です。
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沈んだ船の位置を確認するため 「箱鏡(はこかがみ)」が活躍。漁師さんが アワビ漁で使用している、海の中がとても鮮明に見える昔ながらの漁具。さすが先人が生んだ知恵はいつまでも消えることがないですね。
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漁師さんの指示により船のある場所が確認されると、ダイバーはボンベを背負い早々と潜る準備。
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今日は引き上げるための縄を取り付け、引き揚げ作業は後日行われます。
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livedoor プロフィール
山田町災害復興支援隊

〒028-1371
岩手県下閉伊郡山田町
船越9-10-1
B&G海洋センター

TEL;0193-89-7515
mail;npodrn1@gmail.com





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