これ興味深い問題ですねー
#SmartNews が便利すぎ!ニュース記事を全文転載し圏外でも利用可能に – NAVER まとめ
ブログの転載は嬉しい
僕のブログもBLOGOS経由でSmartNewsに配信されていたりするので、当事者として書いてみます。
BLOGOSへの転載をしているように、基本的に僕は転載OK派です。転載による読者の獲得・認知度向上の効果が、転載による不利益(広告収入の損失、サイトPV減少)を上回るだろうという、経済的な価値観にもとづく判断です。感情的の問題というより、非常にビジネス的な視点ですね。
BLOGOSは転載によって事実PVを食われている(気がする)のですが、それでもあの空間に掲載される意義は大きいです。細かいのですが、アフィリエイトタグは変えずに掲載してくれていますしね。
一方で、ゆかたん氏のような「タダ乗りでは?」という意見もよくわかります。一般的には、メディアとしての収益性が下がるのも事実でしょうし。
自分が書いた記事がSmartNewsのスマートモードに全文転載されていて、とても悲しい気持ちになった。スマートモードはユーザーには便利だが、完全タダ乗りだと思う…書き手やメディアを悲しくさせるよ… lockerz.com/s/270337055
— ゆかたん (IT戦士・岡田有花)さん (@yukatan) 12月 20, 2012
これはライターの価値観や収益ポートフォリオの組み方によって、かなり意見が分かれそうなテーマです。僕は特段の実害がないので、個人的には静観です。ユーザーとしても、便利なので普通に使い続けます。
コンテンツ閲覧のあり方に合わせて、ビジネスモデルも変える必要あり
サイトコンテンツの転載問題って、今後も出てくるような気がするんですよね。そういえばNAVERまとめも話題になってましたね。ウェブ上のコンテンツは増え続けているわけで、価値があるコンテンツは、黙っていても誰かが整理して見せ直してしまうのです。
今までは「コンテンツを見る」というのは一つの方法しか提供されてきませんでした。このブログを読みたければ、このブログまでアクセスする必要がありました。テレビを見ることができるのは、あくまでテレビの中だけでした。本を読むことができるのは、あくまで本というパッケージの中だけのことでした。
が、テクノロジーの進化とコンテンツの増加は、閲覧のあり方を変えました。
今では一つのコンテンツが複数のメディア、デバイスで閲覧されることは珍しくありません。YouTubeやニコニコ動画に行けばテレビコンテンツを見ることができますし、電子書籍も様々なデバイスで読むことができます。このブログも、ここだけではなく、BLOGOSやSmartNews、Googleリーダーなどで読むことができます。
というわけで、「一つのコンテンツが複数のメディア、デバイスで閲覧される」というのは、不可避のトレンドであるように思います。よいコンテンツであればあるほど、違法的・合法的にコンテンツは拡散していきます。
これからは、メディアもライターも、この変化に合わせて新しいビジネスモデルを模索しなくてはいけないのでしょう(僕も日々悩んでおります…)。最近見られる「バナー広告からの脱却」は、この観点からも合理性がありますね。このビジネスモデルを採用すれば、むしろ転載は歓迎すべきことになるでしょう。
関連記事:バナー広告から「スポンサー記事」にシフトするウェブメディアのマネタイズ戦略 | ihayato.news
補償するか、無償提供に限るか
とりあえずSmartNews問題の解決は、
・逸失したであろう利益をメディアやライターに補償する
もしくは
・逸失利益は補償せず、まずはコンテンツの無償提供にメリットを感じるパブリッシャーに限定して配信する(BLOGOS型)
というざっくり2択になるのでしょう。アプリのマネタイズの状況にもよりますが、現実的には後者のやり方になるのかもしれません。個人的にはスポンサー記事などによるマネタイズ&レベニューシェアを模索してほしいところですが…。
ちなみに海外の同系列のサービス(zite、Pulse、Flipboard)などはコンテンツ提供者と契約を結んでいるようです(契約の中身はよくわかりませんでした…Flipboardはレベニューシェアですね)。Pulseはどこまで引用するかをパブリッシャーが設定できるようになってるんですね(参考)。
アプリとしての完成度は非常に高いので、まだお使いになっていない方はぜひ。
(そんなことを書くと、あら探しが好きな粘着アカたちが「犯罪幇助だ!」とか正義を振りかざしてきそうな気がしますが、僕は応援しておりますし、おすすめさせていただきます)