ミャンマー最大の都市ヤンゴンはいま、日本車でごった返している。昨年9月に中古車の輸入制限が緩められたのをきっかけに急増した。道路整備が遅れていることもあって市の中心部は交通渋滞が当たり前。2年前には考えられなかった変化だ。
昨年3月に軍事政権から民政への移管にともなって発足したテイン・セイン政権は、目に見える形で国民生活と経済に躍動感をもたらしているといえよう。同国の消費者が日本製品に寄せる信頼の厚さも、うかがえる。
新たな投資先として注目する日本企業も増えている。視察ラッシュでヤンゴンはホテルの確保が難しく、宿泊料金はうなぎ登りだ。
ところが、同国の経済界や政官界からは、日本企業に対するいらだちの声が聞こえて来る。「視察ばかりで実際の投資につながらない」という。
投資や進出を考える企業が様々なリスクを見極めようとするのは当然だ。ミャンマーは民政移管から2年もたっていない。政治不安の心配は簡単に拭いきれるものではなかろう。
11月にできたばかりの新しい外国投資法はあいまいな条文が多いなど、法律面の不安もある。道路だけでなく電力や通信などインフラの立ち遅れは深刻だ。
一方で、リスクのない世界はない。リスクが低いほど見返りも小さくなる傾向は、ビジネスの世界では常識だろう。果敢にリスクをとって収益の拡大をめざす姿勢こそ企業家精神だとすれば、日本企業では企業家精神が衰えているようにみえる。
日本政府の対ミャンマー政策もスピード感を欠く。両国政府は今月11日、投資協定の締結交渉を始めたが、交渉開始で原則合意してからおよそ1年たっている。
昨年12月には玄葉光一郎外相が日本の外相としては9年ぶりにミャンマー入りしたが、米国務長官としては56年ぶりというクリントン長官の訪問の後だった。
先月には米大統領として初めてオバマ大統領が訪問した。対して日本の首相の同国入りは、1977年の福田赳夫首相を最後に途絶えたままだ。
現在のミャンマーでは中国の存在感が圧倒的だ。ただ、国民の中には親日的な人が少なくない。かつて日本は最大の援助国でもあった。官民が手を携えて、改革を支援し発展を促していきたい。
テイン・セイン、オバマ、玄葉光一郎、ミャンマー、福田赳夫
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