全米ライフル協会 銃規制より学校警備を12月22日 6時35分
アメリカ東部の小学校で男が銃を乱射し、児童ら26人が死亡した事件のあと、銃の規制強化を求める声が高まっていることを受けて、銃の規制に反対する有力な団体は、すべての学校に銃を持った警察官を配置するべきだと主張し、改めて規制強化に反対する姿勢を示しました。
銃の規制に強く反対し、大きな政治力を持つことで知られるNRA=全米ライフル協会は21日、首都ワシントンで記者会見を開きました。
この中で、NRAのラピエール副会長は「メディアは、さらなる銃規制がわれわれを守るという間違った考えを言い続けている。子どもたちをどう守るのかという最も大切なことを誰も話していない」と述べ、アメリカのメディアや規制強化を求める人々を批判しました。
そのうえで、「銃を持った悪人を止めることができるのは、銃を持った善人だけだ。すべての学校に武装した警察官を配置するため、必要な措置を今すぐに取るよう議会に求める」と述べて、銃の規制ではなく学校の警備こそを強化するべきだと強調しました。
アメリカでは今回の事件を受けて、オバマ大統領が銃の規制強化を目指す姿勢を示しているほか、これまで、規制に慎重だった議員の一部も支持する姿勢に転じ、規制強化に向けた機運が高まっています。
このため、NRAがどのような姿勢を示すのか大きな注目を集めていましたが、改めて規制強化に反対する姿勢を示したことで、今後、議論がさらに激しくなるものとみられます。
NRAに抗議のデモ 会見中断も
NRA=全米ライフル協会が記者会見を開いたワシントン市内のホテルの前には、銃規制の強化を求める人々が集まって、「銃犯罪を止めろ」などと訴え、規制に反対し続けてきたNRAに抗議するデモが行われました。
また、ホテル内の会見場で、NRAのラピエール副会長が声明を読み上げている最中には、突然、規制賛成派が横断幕を掲げてNRAを批判し、会見が2度にわたって中断する事態も起きました。
アメリカでは年間およそ1万人が銃によって殺害されていて、乱射事件が起きるたびに、規制強化を求める声が上がりますが、銃の所持は憲法に定められた権利だとして規制に反対する人も多く、社会を二分する議論が続いています。
今回の事件では、多くの子どもが犠牲になったことから、何らかの対策を求める声が高まっていますが、多額の政治献金を行うなど大きな政治力を持つNRAの影響力もあり、今後、銃規制を巡り、激しい議論が交わされるものとみられます。
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