ロート製薬恐喝事件まで起こした在特会のルポ。在特会の成立から興隆、そして暴走まで描かれている。関係者へのインタビューを軸にテンポ良く、描いており、読む価値大。しかし、本書の真価は最後の在特会に引き寄せられる人々の分析。人々は「加害者意識」でなく、「被害者意識」を原動力に引き寄せられているとした点。失われた「幸福」の代償として「ヘイトスピーチ」にあけくれる。そして最後に、在特会に引き寄せられる人々の中に見出すものは・・・。あとはご自分でよんでください。「癒しのナショナリズム」を思いまします。
★​ - コメント(0) - 05/12

この感想・レビューにナイスした読書家さんと感想

下品で幼稚なヘイトスピーチを相手を選ばず実践する究極のネトウヨ集団「在特会」。当然、既存の民族派や右翼からは、毛嫌いされている。 「(個々のメンバーは)会ってみるとパッとしないけど意外といいやつ。」著者のそんなナマアタタカイ若干上から目線がなんとも痛い。カビの生えた道徳観では、彼らや彼らの支持者を説得できないような気がする。 本筋とは関係ないが、ある保守系活動家が公安から資金援助を受けていることをあっさり認めたところがちょっと驚いた。(^_^;)
★​★​★​ - コメント(0) - 05/15


感想・レビュー投稿者

30冊/8643ページ/男性

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