日医の横倉会長「自然増削減もうない」−衆院選前に安倍氏と意見交換

　日本医師会(日医)の横倉義武会長は19日の定例記者会見で、26日に首相に就任する自民党の安倍晋三総裁と、社会保障費の自然増圧縮をめぐり、衆院選前に意見交換していたことを明らかにした。

　06年に発足した安倍政権では、それまでの小泉政権の方針を引き継ぎ、社会保障費の自然増を年2200億円削減した経緯がある。しかし、横倉会長は同日の会見で、「自然増を圧縮した結果、医療崩壊が起き、さまざまな地域で医療の提供が困難になったことを、(安倍総裁は)よく見て聞いて、理解しておられる」と述べ、これからは機械的な削減はしないとの見方を強調。その上で、自然増の削減をめぐって安倍総裁と衆院選前に意見交換したことを明らかにした。

　横倉会長はまた、「国民皆保険の堅持は、わが国の社会保障の主軸」と述べ、医療保険の給付範囲の縮小などが起きないよう、新政権に働き掛ける考えを示した。【兼松昭夫】