ブロック別大選挙区に
参院選 「格差」「二大政党化」の課題に対応
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竹中治堅 政策研究大学院大学教授の講演から(要旨)
公明新聞:2011年8月9日付
3日の公明党政治改革本部(東順治本部長=衆院議員)で「参院の選挙制度」をテーマに行われた竹中治堅政策研究大学院大学教授の講演要旨を紹介する。
参院の選挙制度を考える上でポイントが二つある。それは1票の価値の格差問題と、参院においても二大政党化が進み、国会の立法活動への抑制が効き過ぎるようになっている現状だ。
1票の格差が生じる最大の理由は、都道府県ごとに選挙区を設けていることにある。(2007年参院選では)鳥取の1票の価値が重くて神奈川の価値は軽く、5倍もの格差があった。多くの1人区、2人区で人口が少ないのに、人口に比べて多くの国会議員が選出されている。
日本国憲法では連邦制を認めておらず、「地方代表」を理由に格差を認めるのも難しい。憲法第14条の平等原則に照らして、選挙権を国民が等しく持つ権利とするならその価値が違うことは問題だ。
このため、09年の最高裁判決で07年参院選について、「合憲」としつつも今の選挙区のあり方を抜本的に見直すべきと指摘。直近の参院選については、高裁で「違憲」「違憲状態」判決が相次いでいる。
もう一つの過度の抑制という参院の影響力に関しては、日本の二院制はほぼ対等のため、強い権力を持つ参院で1票の格差が出ているのは問題だ。また、1994年に衆院で(小選挙区比例代表並立制への)選挙制度改革を行った結果、反射的に参院でも二大政党化が進み、(衆参で多数派が異なる)ねじれが起きている。衆院の野党第1党が参院で過半数近い議席を持ち、参院で内閣の政策を阻止する傾向が強まっている。
参院で二大政党化が進んでいる大きな要因が参院の選挙制度にある。制度のあり方を考える場合、この二大政党制を促進する1人区、2人区をどうするか、1票の格差を平等にすることと併せて考えていくべきだ。
94年に(衆院選挙制度の)政治改革を行った時、どういう影響を参院の側に及ぼすかが考えられてこなかった。フタを開けてみると、参院でも二大政党化が進み、ねじれが起きてにっちもさっちもいかなくなっている。
参院はなぜ影響力が強いのか。議院内閣制の日本では、国会の多数派が内閣を選び、内閣は国会を解散できる。この関係は衆院と内閣の間で成立するが、参院と内閣の間では成立しない。憲法の規定による衆院の再可決は実際には難しいので、法案については参院はほぼ衆院と同等の権限を持っている。意外かもしれないが、首相にとっては解散権を行使できない参院の方が法案を成立させることが難しいのである。
参院は法案審議過程のみならず、首相指名から組閣、内閣の政策立案など政策決定プロセスに影響を及ぼしている。近年、抑制を効かせ過ぎているのは、国全体のことを考えた時に問題だ。
そうしたことを踏まえ、参院の選挙制度改革をどうするかといえば、1票の格差問題を解消し、参院の過度の抑制を防ぐことだ。抑制を防ぐには、妥協の成立を促進しなければならず、そのために、中小政党と無所属議員を当選しやすくし、各県ごとの選挙区を見直すとともに、1人区、2人区を解消すべきだ。この点が反映されたのが西岡武夫参院議長が4月に提案した9ブロック・大選挙区制の改革案だ(1票の格差は1.13倍)。これに対して、民主党は(有権者の少ない選挙区を統合する)合区案で格差は2.967倍。自民党は4.48倍で「8増12減」案を発表。公明党も「11ブロック・大選挙区」案(同1.385倍)を示している。
1票の格差解消と参院での妥協促進のために、もう少し中小政党が進出しやすい選挙制度にする。その一つがブロック別大選挙区制ではないか。全国1区の超大選挙区というのもあるが、かつての旧全国区は(候補者の負担が)大変で問題があった。
【参院の選挙制度改革】現行制度は、都道府県ごとの選挙区(146議席)と比例代表(96議席)を組み合わせたもので、各半数が3年ごとに改選される。選挙区は1人区が29、2人区が12、3人区が5、5人区が1。選挙区の「1票の格差」問題などから、参院で各党は昨年12月に、制度見直しへの本格的協議を開始し、各党による改革案の発表が相次いでいる。
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