福島第1原発事故:浪江町、染色体検査へ 18歳以下、福島の自治体で初
2012年12月23日
東京電力福島第1原発事故で全町避難が続く福島県浪江町は来月から、震災時18歳以下の希望者を対象に血液中の染色体検査を行うことを決めた。
放射線による染色体損傷の有無を確認すれば医療に活用できるため、86年のチェルノブイリ原発事故時の作業員や周辺住民、99年に茨城県東海村で起きたJCO臨界事故時の作業員らに用いられてきた。福島県内の自治体で行うのは初めてという。
同町によると、対象は約3700人で保護者の同意が条件。ホールボディーカウンター(WBC)による内部被ばく検査では、ほとんどの人が健康に影響がない水準だった。ただしWBCによる検査が始まったのは昨年6月と遅く、初期被ばくの影響調査も兼ねる。
検査には弘前大被ばく医療総合研究所の吉田光明教授(細胞遺伝学)が協力し、結果が出るまで半年ほどかかる見込み。【泉谷由梨子】