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宮城・亘理の荒浜小が登下校時災害に備え 安心カード導入
 | 児童と話し合いながら確認カードに避難場所などを書き入れる保護者 |
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宮城県亘理町荒浜小(児童166人)は、児童が登下校時などに災害に遭遇した際の避難場所を事前に記入する「避難・安否確認カード」を導入した。同様の取り組みは先行例があるが、同校の試みは通学の交通手段や災害発生時の通行地点などを細かく項目分けしたのが特徴。関係者は「災害時に子どもたちの居場所をより特定しやすくなる」と期待する。
荒浜小は東日本大震災の津波で損壊し、来春まで内陸の逢隈小で一緒に学ぶ。児童の大半が被災し、町内の仮設住宅や町内外のみなし仮設などからスクールバスや鉄道など、多様な交通手段を使って通学する。 このため、確認カードは登、下校で二つずつの通学方法に項目分けした。それぞれ、自宅から逢隈小まで(下校は同校から自宅まで)「4分の1」「半分」「4分の3」の3分割した移動距離に応じ、避難場所を記入できるようにした。 自宅に1人でいた時の避難場所も、2カ所を到着までの所要時間とともに書き入れる。 児童と保護者に11月末に集まってもらい、学校側がカードの記入方法などを説明。参加した親子は「通学路の近くに高い建物はある?」などと話し合いながら、決めた避難場所を書き入れた。 1年生の長女が通う菅原純子さん(45)は「居場所のめどが付けば安心できるし、子どもも心強いと思う」と話した。 カードは児童の家族と荒浜小が1枚ずつ保管し、災害時の児童の安否確認や引き渡しなどに活用する。 取り組みを提案した同校防災担当の渡辺英明教諭(51)は「親子で避難行動について一緒に考えることが大事。町内の各小中学校にも同様の試みを広げていきたい」と話した。
2012年12月23日日曜日
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