中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > 格闘技 > コラム・撃戦記一覧 > 記事

ここから本文

【コラム 撃戦記】

興毅の王座統一に二重丸つけたい

2012年12月22日

 暮れにきてボクシングの好試合が続いた。WBC世界バンタム級王者山中慎介(帝拳)がトマス・ロハス(メキシコ)を7回KO。大阪ではWBA世界バンタム級王座統一戦では王者亀田興毅(亀田)が暫定王者ウーゴ・ルイス(メキシコ)に2−1の僅差判定で王座統一。海外では6階級制覇のパッキャオ(フィリピン)がウエルター級ノンタイトル戦でマルケス(メキシコ)に6回KOで敗れる大波乱。WOWOWの中継に手に汗握った。

 私は興毅の王座統一に二重丸を付けたい。理由は、これまで指名試合を避けてきたことを批判されてきたが、そんな技術や精神面の疑問をルイス戦で見事に一蹴して見せたからだ。強打のルイスに左右の動きでカウンターを狙わせず、機先を制するノーモーションの左ストレート。鋭い攻め込みも、かつての興毅にはなかった。

 試合の批評の中には厳しいものもあった。ルイスの実力を疑うものもあった。だが、それは団体の乱立を容認するボクシング業界が問題であって、興毅に問うのは筋違いだ。亀田ジムは協栄から独立し、会員は3兄弟のみ。一般練習生を持たない経営に疑問がないわけではないが、テレビ局の視聴率は今回も平均で20%を突破した。

 今や世界のスーパーファイトは複数階級王者同士の戦い。日本人で4階級制覇を目前にするのは興毅だけ。誰もまねのできない家族愛が業界を変革している。 (格闘技評論家)

 

この記事を印刷する

PR情報

おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ