2試合連続の延長戦を制し、苦しみながらも初のファイナル進出を決めた千葉。中1日で迎える決勝の相手は、リーグ戦で2009年から8連敗を喫している“天敵”のINAC神戸だ。伊賀戦で先制ゴールを決めたFW小川にとっては古巣との一戦になる。「個人的にはINACで悔しい思いをしているので、絶対に点を決めて勝ちたい」と決戦へ意気込んだ。
小川は2010年のリーグ開幕直後、その身体能力の高さを評価され、千葉からINACへ移籍。加入当初は途中出場で起用されていたが、シーズン途中に星川監督が就任すると出番は激減し、今シーズンから千葉に復帰することになった。
MF澤、FW川澄ら日本代表の精鋭がそろうINACに対し、千葉にはプロ契約の選手は1人もおらず、小川自身も日中はアパレルの倉庫業務をして生計を立てている。「私たちは仕事をしながら、夜にサッカーの練習をしている。そういう環境でやっているので気持ちが強い」と話すなど勝負への気迫、執念では全く負けていない。
今季はリーグ6位に終わったが、準々決勝ではリーグ2位の日テレ・ベレーザから金星を挙げた。小川は言う。「今の自分たちには勢いがある。いけるんじゃないか」。“雑草軍団”が破竹の勢いでクラブ初の栄冠を狙う。 (岩谷純一)
この記事を印刷する