浦和に勝利し、サポーターの声援に応えるINAC神戸の澤(中央左)、星川監督(右端)ら=NACK5スタジアム大宮で
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◇皇后杯<準決勝> INAC神戸1−0浦和
サッカーの皇后杯全日本女子選手権第8日は22日、さいたま市のNACK5スタジアム大宮で準決勝2試合を行い、なでしこリーグ覇者で3連覇を狙うINAC神戸と初優勝を目指す千葉が24日の決勝に勝ち上がった。INAC神戸は2大会ぶりの決勝進出を狙った浦和に1−0で辛勝した。前半7分に相手GKのミスを突いてゴーベルヤネズが挙げた先制点を守り抜いた。千葉は伊賀と1−1のまま延長を終了。PK戦を4−3で制し、初の決勝進出を決めた。
監督退任余波は、女王チームには障壁とならなかった。動揺することもなければ、下を向くこともなかった。星川監督は「ちょっと必要以上に勝ちにこだわっていた」と苦言を呈したが、それは去りゆく監督のことを思ってのことだった。
今季4度目の対戦。浦和はINACのパスサッカーを封じようと、試合開始から高い位置で激しいプレスをかけてきた。これで、確かに過去3度のような圧勝ムードは影を潜めた。それでも前半7分に相手GKにチャージをかけてゴーベルヤネズがゴール。早々と先制し、リードを最後まで守り切った。
前日21日に星川監督の退任が発表された。2010年11月から指揮を執り、ここまで全日本選手権連覇、リーグ戦も連覇。MF澤が「伸びしろを広げてくれた」と言うように心酔している選手は多い。
「INACはこの時期シビア。自分から辞めていく選手もいれば、クビになる人も毎年いる。だから気持ちの変化はない」とFW川澄。日本ナンバーワンクラブだからこそ、裏にはシビアな現実がある。そんな現実にさらされてきたから、動じることなどなかった。
これで決勝へ進出。3連覇に王手をかけた。澤は「このメンバーで試合をするのは最後だし、監督に有終の美を飾ってもらいたい」と言った。選手全員同じ思いだろう。勝って、クリスマスイブが最高のフィナーレとなる。 (島田明)
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