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【精神科女医のつぶやき】片田珠美(9)恐怖による支配が生んだ尼崎事件の「君主論」
警察に通報は無駄…恐怖が恐怖を加速“雪だるま”
兵庫県尼崎市の連続変死・行方不明事件が不気味な広がりをみせている。事件に巻き込まれた可能性のある行方不明者は増え続ける一方だ。人が次々と消えているのに、誰も気づかなかったのか? 事件がこんなに大きくなるまで、警察は一体何をしていたのか?
さまざまな要因がからみ合っているのだろうが、特に重要なのは、主犯格の女性が繰り返し近所とトラブルを起こしたり因縁をつけたりしていたために、近隣住民が恐れて、できるだけ関わりを避けるようにしていたことのように思われる。警察に通報などしたら、どんな仕返しをされるかわからないという恐怖ゆえに、見て見ぬふりをせざるを得なかった可能性が高い。
いじめは、いじめっ子(加害者)といじめられっ子(被害者)という直接の当事者のみによって起こるわけではなく、はやしたてておもしろそうにながめる「観衆」や見て見ぬふりをする「傍観者」も加わった四層構造から成り立っていることを、大阪市立大の森田洋司名誉教授が指摘している。今回の事件でも、「傍観者」の割合が高かったことが大きく関与しているのではないか。
(次ページ)「逃げても無駄…」と思わせる技
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