ライフ【精神科女医のつぶやき】片田珠美(9)恐怖による支配が生んだ尼崎事件の「君主論」+(1/3ページ)(2012.11.1 10:52

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ライフ

【精神科女医のつぶやき】
片田珠美(9)恐怖による支配が生んだ尼崎事件の「君主論」

2012.11.1 10:52 (1/3ページ)うつ病・心のケア
尼崎連続変死・行方不明時間の相関図。次々と新事実が発見されている

尼崎連続変死・行方不明時間の相関図。次々と新事実が発見されている

警察に通報は無駄…恐怖が恐怖を加速“雪だるま”

 兵庫県尼崎市の連続変死・行方不明事件が不気味な広がりをみせている。事件に巻き込まれた可能性のある行方不明者は増え続ける一方だ。人が次々と消えているのに、誰も気づかなかったのか? 事件がこんなに大きくなるまで、警察は一体何をしていたのか?

 さまざまな要因がからみ合っているのだろうが、特に重要なのは、主犯格の女性が繰り返し近所とトラブルを起こしたり因縁をつけたりしていたために、近隣住民が恐れて、できるだけ関わりを避けるようにしていたことのように思われる。警察に通報などしたら、どんな仕返しをされるかわからないという恐怖ゆえに、見て見ぬふりをせざるを得なかった可能性が高い。

 いじめは、いじめっ子(加害者)といじめられっ子(被害者)という直接の当事者のみによって起こるわけではなく、はやしたてておもしろそうにながめる「観衆」や見て見ぬふりをする「傍観者」も加わった四層構造から成り立っていることを、大阪市立大の森田洋司名誉教授が指摘している。今回の事件でも、「傍観者」の割合が高かったことが大きく関与しているのではないか。

(次ページ)「逃げても無駄…」と思わせる技

このニュースの写真

日生町の漁港の海中捜索のため、飛び込む兵庫県警のダイバー。遺体の入ったドラム缶が見つかった=30日午前8時2分、岡山県備前市日生町(山田哲司撮影)
海中から引き揚げられたドラム缶。中から橋本次郎さんの遺体が発見された=10月30日、岡山県備前市日生町(山田哲司撮影)
行方不明男性の遺体が遺棄された漁港付近で、引き揚げ作業の準備をするダイバーら=30日午前10時16分、岡山県備前市(本社ヘリから)
行方不明男性の遺体が遺棄された漁港で、海中から引き揚げたドラム缶をトラックに積み込む捜査関係者=30日午後0時11分、岡山県備前市(本社ヘリから)
行方不明になっている男性の遺体が遺棄されたとする漁港付近で、引き揚げ作業の準備をするダイバーら=30日午前10時16分、岡山県備前市(本社ヘリから)
海中の捜索が行われている漁港で、ドラム缶とみられる物体の引き揚げ準備をする兵庫県警の捜査員ら=30日午前9時50分、岡山県備前市で共同通信社ヘリから
海中の捜索が行われている漁港で、網をダイバーに投げる捜査員=30日午前10時14分、岡山県備前市
海中の捜索が行われている漁港で、ドラム缶とみられる物体の引き揚げ準備をする兵庫県警の捜査員ら=30日午前10時13分、岡山県備前市
海中の捜索が行われている漁港で、ドラム缶とみられる物体の引き揚げ準備をする兵庫県警の捜査員ら=30日午前9時49分、岡山県備前市で共同通信社ヘリから

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