羽生、大会最高SP断トツ発進!/フィギュア
サンケイスポーツ 12月22日(土)7時51分配信
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驚異的な97.68点を出し、男子SPで首位に立った羽生。怖いもの知らずの18歳が全日本初制覇に突っ走る(撮影・高橋茂夫)(写真:サンケイスポーツ) |
フィギュアスケート・全日本選手権第1日(21日、北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ)来年3月の世界選手権(カナダ・ロンドン)代表選考を兼ねて開幕。男子ショートプログラム(SP)は、初優勝を目指す羽生結弦(18)=宮城・東北高=が、非公認ながら自らの世界最高を上回る大会史上最高の97・68点をマークし、ぶっちぎりの首位に立った。2連覇を狙う高橋大輔(26)=関大大学院=が88・04点で2位、小塚崇彦(23)=トヨタ自動車=が84・58点で3位につけた。22日にフリーが行われる。
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会場が18歳のブルースに酔いしれた。3つのジャンプを完璧に決めた羽生は、スタンディングオベーションまで出た拍手の中で右拳を突き上げ演技終了。余韻を味わうようにたっぷり5秒間、そのまま静止した。
「時が止まったような感じ。(その間は)『顔が作れなかった』『雰囲気を作れなかった』と反省していました」
自らが11月のNHK杯(宮城)で出した国際連盟公認大会でのSP世界最高95・32点を2・36点“更新”、昨年の高橋大輔の96・05点も上回る大会最高の97・68点。ことし1月のカナダ選手権でパトリック・チャン(カナダ)がマークした非公認の101・33点には及ばなかったが、ジャッジペーパー上もすべての演技要素に加点され、文字通りノーミスだった。
反省の原因は「緊張していた」こと。4回転ジャンプにも成功した直前の6分間練習が本人としては感覚的な不安要素になったようで、若く繊細な感性の持ち主はそれほど集中力を高めていた。最終の滑走順も「(SP4位だった)昨年と同じでいいイメージがなかった」など、次々にわく不安で「足が震えていた」と苦笑いで明かした。
見た目は色白で線の細い少年だが、中身は「自分はプレッシャーを感じないタイプ」などと普段から語る豪傑。そんな若武者が自分を見失いかけたのは「全日本王者にはこだわりがすごくある」ためだった。
2年前までジュニアで大会に出場していた羽生にとって、五輪にも出場した高橋や小塚、織田は名前の後に「先輩」と敬称をつけるあこがれの相手。「先輩は先輩、ボクはボク」とする一方で、今年は「優勝争いに絡んでいかなければ」と気負うほどの成長を実感していた。2位の高橋に過去最大差となる9・64点差をつけてのぶっちぎり首位で、2014年ソチ五輪を1年2カ月後に控えたこの時期に、世代交代を強く印象づけた。
「先輩たちがいたからやってこられた。強い日本にしていきたい」
緊張と興奮のSPが終わり、22日には初の全日本制覇がかかるフリー。冷静さを取り戻した羽生は「攻めるも何もプログラムは一緒ですから。(2位だった)グランプリファイナル以上にいい演技をしたい」。
戦国ニッポン男子の主役に躍り出た高校3年生は、ひたすら目の前の演技に集中し、成長を続けていくつもりだ。
最終更新:12月22日(土)11時12分
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