東日本大震災:福島第1原発事故 被ばく調査、乳歯保存「拒否」 「子供守る責任放棄」 歯科医、県の対応批判
毎日新聞 2012年12月19日 東京朝刊
乳歯による内部被ばく検査を巡っては、千葉県松戸市の歯科医院「きょうどう歯科新八柱(しんやはしら)」が保護者らに提出を呼びかけ米国の分析機関に乳歯を送って検査する活動をしている。約200人の乳歯が集まったという。藤野健正(たけまさ)院長は「福島県が、呼びかけることすら嫌がるなんて信じられない。子供を守る責任を放棄している」とあきれたように話す。
県が提案を退けるための「理論武装」に頼ったのは、全県民を対象に実施している県民健康管理調査について話し合う検討委員会のメンバー。検討委を巡っては、約1年半にわたって秘密裏に準備会(秘密会)を開いて事前に意見を調整したり、議事録から内部被ばくに関する記述を削除して情報公開したりするなど、不透明な運営が次々と発覚。県は10月に内部調査を実施したが、報告書はこのメールについては一切触れていない。
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◆担当者が送ったメール全文◆
「県民健康管理調査」
検討委員会 各委員様
健康管理調査室 ○○○○
(※原文は実名)
明日から開会の9月議会の質問で、自民党柳沼純子議員から「将来的な、ストロンチウム90の内部被ばく分析のため、乳歯の保存を県民に呼びかけてはどうか?」という内容があがってきています。