KITA 2008/2/14 (Thurs.) 22:36:35
初めて投稿させて頂きます。どうぞよろしくお願い致します。「三時に別れの鐘が鳴る」でルパンのナニが済むまで廊下で待つ次元です。脚本では食事になっていますけど原作のパターンからして食事ではないですよね本当は。
ところで「健在ルパン帝国」では私は次元の妹さんはルパンに助けられたと思っています。(妹さんの生死については私自身がどっちにも転ぶ可能性はあって、以下はどうか考え方のひとつとして楽しんでくださるとよいのですが。しかも長くてすみません。)
「だがもうやつをこわがる必要はねェ・・・・・・」というルパンのセリフですが、次元が全ての恐れから解放されるにはキングの死だけでは不十分だと思われるからです。次元にとって肝心なのは妹です。
また、ルパンが次元の妹を救ったと思う理由はルパンのある種の責任感です。なぜルパンが責任を感じなければならないか。次元の妹がキングに捕らえられ命の危険にさらされたのはキングが一方的に仕掛けてきたとは言え、自分とキングの戦いに巻き込まれたせいだからです。
しかもルパンはキングの行いによって乱れた事象をどうしても正す必要があるのです。なぜならルパンは再びこの地の王とならなければならないのだから。
次元は機械のように殺し屋として動くのみですがルパンが自分を赦すことは想定外だったと思います。もちろん通常の人間同士だったら遺恨を残さないわけがないと思います。
でも、ルパンはそうはさせなかった。次元をも救済します。次元を救済するとは、変わらず自分側の人間、おさななじみとして扱い、次元を責めないどころか、肉親を人質にとられ他人の意のままとなっているその辛い立場から解放することだけをひたすら行うこと。「次元、もうやつをこわがる必要はない。もう大丈夫だぞ。」
そして王としてすべてを正す。ルパン帝国は健在。
そしてルパンのおかげで取り戻された世界と自分を見た次元は、以降、それまでの肉親や半端な自我などの弱みや甘さをすべて切り捨てて、比類なきかの「ルパンの相棒」となる覚悟を決める。妹は助け出されたけど、次元にとって、以降、その存在は消えている。
と想像してますがいかがでしょうか。
「その上義理堅く、頼りになる男。」義理堅いというのはどういう意味か。単に義理を重んじる性格というだけの意味なのか。それともひょっとして次元はルパンに何かでかい恩義があるのか。と仮定してみるのも一興かなと。もちろんそれだけどころのつながりとは思いませんけど。そして恩義があったとしてもルパンがそれを振り回すはずもないとは思います。
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Re:チックタック・・・・・・・・
MIYAGI 2008/2/16 (Sat.) 02:34:40
KITAさん、こんばんは。
この次元さん、「古き良き時代の洋画」を彷彿とさせるものでかなりツボにはまってます。
静謐を身にまとって佇む次元。まるで時が止まったかのようにも見えます。
娼婦の母親に「ママのお仕事が済むまでいい子だからお外で遊んでてね」と言われて、廊下で寂しそうにしている子供の姿なんかもイメージとして浮かんできました。
>次元はルパンに何かでかい恩義があるのか
恩義があるとしたら、やはり「健在ルパン帝国」の回で妹を助けてもらったことに他ならないのではないでしょうか。
ウラ娑婆の住人にしては珍しく義理を重んじる次元の性格に魅かれたからこそ、一匹狼だったルパンも次元と共に険しく長い旅路を歩む気になったのではないかと思っています。
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Re:チックタック・・・・・・・・
KITA 2008/2/16 (Sat.) 18:12:56
MIYAGIさんへ
素敵コメントどうもありがとうございます。
アクション掲載時の順番では次元の初登場は「健在…」ですよね。とても重要な話。
でもルパンシリーズが永遠なのは旧ルが初めから人間関係がほぼ決まっていて始まりも終わりもないつくりになっているからと聞くので放置されてよかったのかも〜と思います。
原作の迷宮っぷりや説明のなさ加減もかえってリアル(ホントの歴史をみてるみたい。ホントの歴史では理由や説明はいちいち他人に示されない)で、みんながいろいろ想像できるところがいいんですよね。
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初投稿ありがとうございますv
コルト 2008/2/17 (Sun.) 04:19:23
KITAさん、PC無事お帰りになって良かったですね!こちらもKITAさんの絵にこうして他の方もコメントをつけられるようになって、とても嬉しいです。私ひとりじゃ勿体無いですよ。MIYAGIさんも言われてますが、本当に古いセピア色のフィルムがカタカタ回っているようなイラストですね。いつもの写メの陰影も今回はフィルムの露光が所々漏れてるようにも見えて面白いです。スウッと一筋伸びた次元の首の後ろの細い光、柱でほんの少し折れ曲がった影など、シンプルなのに物憂げな夕暮れを感じさせるいい絵ですね。
>娼婦の母親に「ママのお仕事が済むまでいい子だからお外で遊んでてね」と言われて、廊下で寂しそうにしている子供の姿
MIYAGI さんのコメントも、いつもはっとするような例えがあるので読むのを楽しみにしています。次元って時々私には「少年」に見えます。「小さくても僕は男だ」と頑張ってるような少年の心が、そのまんま大人の男の美学になっちゃってる感じ。
>次元の妹
もし、妹が生きていたとすると「血が繋がった家族よりルパンを取る」次元も凄いな〜と思いますね。『王としてすべてを正す。ルパン帝国は健在。』この結論もスカッとしていて好きです。これもアリの解釈だと思います。
◇
私の妄想では、妹はキングに捕らわれた後すぐに殺されてしまい(妹は病弱だが気が強く、抵抗した事故による死、と妄想)、キングはそれをヤバいと思いつつ「生きてる」と信じこませて次元を利用したんじゃないのかな、と思ってます。で、次元は薄々妹が既にいない事には気付いてるんだけど、それでも一縷の望みの無事を信じて、決して諦めない。生きているルパンより死んでるかもしれない妹の命を優先する。その時点ではまだルパンは次元にとっては帝国の王子という認識の方が強く、幼馴染という友情と愛着はあっても、それ以上の意味は持ってない。
ところが孤高の存在だったルパンにとっては小さい頃幼馴染だった次元は、唯一対等につき合える貴重な存在だった。彼は帝国からの手紙で次元がそこに来ている事を知って、汽車の中で彼に会える事を楽しみにしていた。
だが、次元は夢みていた思い出の中の彼ではなかった。ルパンを妹の命を救うための生贄にしようとした。しかし束の間に見た幸せな夢。その「夢の中の男」が苦しんでいるのを知り、ルパンは彼を「悪夢」から解放するため自分を殺そうとした男を許し、子供の頃大好きだった幼馴染と彼の妹を助けた。それが「父が殺され、帝国に帰ってきても敵しかいない」ルパンの「過去の夢の清算」でもあった。帝国を奪い返した上で新しい世界を作る。王子ではなくなった彼の、王としての最初の仕事。
ルパンは次元の為に妹の墓をつくり、自分は何も言わず消える。誰も信じるなと言われてきたのに次元に甘い幼馴染の夢を重ねていた自分は甘く、やはり一人なのだ、と悟ったのだ。
次元はルパンに殺される事を、妹を助けると決めた時点で覚悟していた。それがルパンという男だと思っていた。
しかし許された事に彼は戸惑う。そして例え亡くなっていたとはいえ、最後に妹を助けてくれたのはルパンだったという事に気づく。自分も妹もキングから自由にしてくれたルパンに対し、今までにない大きな世界に触れたような啓司を受ける。
妹の声が聞こえる。『もう行っていい、自分はさびしくない。助けてくれたルパンの為に、今度は一人になった彼の側にいて助けてやって欲しい。私たち家族には兄は危険で大きすぎた(次元は平凡な家族の中では一人、ヤクザな息子だった、と妄想)。ルパンのような男こそが、きっと一番兄にふさわしい生き場所なのだ』次元はその声に新しい生き方を見つける。そしてふっきれた晴れやかな顔で土に眠る妹に別れを告げる。
◇
…こんな感じの妄想でした。お気に召さない点や「違うのでは」と思われるかもしれませんが、最早これは考察というより二次創作なのでお許しを(^^ゞほんと原作って何もかも判り易く説明しようとせずシンプルで、色んな解釈や妄想を広げられて楽しいですね。
>ルパンシリーズが永遠
企画段階では最初のアニメ設定は「重すぎる」と却下されてましたね。テレビシリーズ自体もアンニュイがテーマだったみたいなんで、ドラマに深入りすると当時の世相からいっても、力んだ「謳いあげ」の演出方法にされたかもしれないので、そうでなくて良かったです。まだスポコンの匂いは世間にも十分にありましたし。
一方で、私は「原作ルパンの、薄暗い危険で不思議なドラマ性」を本当に面白く演出してもらえるなら、パラレルワールドのひとつとして、そういう嗜好性で作られたシリーズも別枠であったら興味深く思います。ジャリやルパン正体不明説や不二子全キャラ別人格(妖精)設定も、真実か幻か、一瞬に過ぎ去る影のような存在で、深夜枠に短時間でサーーと流れ消え去るみたいな感じで短くシリーズも終わらせて。でも、それは今のアニメ界の実情からして色んな意味で無理だろうと思うので、ない方がいいです。
最後になりましたが、メールでのモンキーさんの原画展パンフレットの全スキャン、ありがとうございます!お手数がかかったでしょうに本当感謝します。
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Re:チックタック・・・・・・・・
KITA 2008/2/17 (Sun.) 18:48:23
コルトさんへ
こんにちは!お言葉どうもありがとうございます。
なんだか影がいい感じに流れたので…。
次元の選択についてはルパンを選ぶというよりこの世界をいくからには身内についてはいつかは腹くくらなきゃいけないんじゃないか、と考えたのです。そのとき既に身内が死んでたら選択の悩みもなくなるわけで、次元にそんな楽はさせないという私の意地悪かも知れません。
しかしまだ悩み中です。脳内モンパチ先生は「だいたい、あんまり考えるとよくないんですよ」とかささやいてます。
そしてコルトさんの演出にもやはり心ひかれます。
スキャン、無事お渡しできたのですね。よかったです。遅くなりましてすみません。
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追加・・・
KITA 2008/2/18 (Mon.) 02:08:37
「ルパンを選ぶというより」と書きましたけど、やっぱりルパン抜きでこの世界の住人を続行したかと思うと疑問ですよね。
発砲酒さんの「ルパンと会う前、次元は裏社会のしがらみに嫌気がさしていたんじゃないかなとも思え」にも共感したんですけど、元々次元は裏社会を好き好んで歩いてたわけでもなくただ勝負が好きで腕を磨いて戦いたい、という人で、だからただこの世界しか選べなかっただけと考えた方がしっくりくる。だからルパンに会わなきゃやっぱりいいかげん嫌になってやめてたかも。
やっぱりルパンが示す世界が特別だからこの道を決めたのでしょうね。妹問題難しい。生きていると仮定した場合。別に消す必要ないのかなあ。そういうものを抱えてやっていけるものだろうか。あるいは涙を呑んでも消すほどに(ルパンと)戦い続けたいのか。このへんが私のキャパを超えます。あ、気づいたら次元にそんな楽をさせないとか言った私自身が苦悩してます・・・;
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次元の選択
コルト 2008/2/18 (Mon.) 15:50:55
>身内についてはいつかは腹くくらなきゃいけない
例えば「健在・・」で、ルパンを次元の妹に置き換えて見てみると、ルパンがもし仮に死んだかもしれない、という状況でも次元は生きてる事を最後まで信じて闘うでしょうし、万が一本当にそうなってた場合、ルパンが眠る場所から簡単に離れて違う世界に飛び立てるかというと、かなり時間が掛かるだろうし苦悩もするように思います。次元にとっては『極端な思い入れがある、特別な人の場合』(一般人は除く)には相手が亡くなったからとすぐに切り捨てられる物じゃなく、多分次元は妹がこの世にいなくなった後も、しばらく精神的に妹に囚われ続けてたように思うのです。
彼はルパンに関しては「キングを倒してくれた事」が、すなわち「自分たちをキングから解放して助けてくれた」ことだと素直に感謝している。しかし己に対しては虚脱感。自分たちを自由にしたのも、憎いキングを倒したのもルパンのお陰で、もし妹が亡くなってた場合、次元は妹の為に最期まで何も出来なかった事になる。『他人への愛情を殆ど切り捨ててまでして愛情を注いでいた』妹を、それでも守りきれなかった自責の念はかなりの物になると思います。そこで「俺はお前を守ってやれなかった」という責任感から、逆に墓の側から離れられない墓守みたいになっちゃうんじゃないかとも(^^;
それだけ愛着の深い妹よりルパンを選んだ(妹の墓をおそらくは人に預けて旅立つ)こと、妹への呵責の意識を清算したという時点で、KITAさんのいう「次元は楽でない過程を経て妹から離れる決心をした」MIYAGIさんのいう「ルパンに恩を返そう、共に生きようと腹を決めた事」になるかと、私の場合そう妄想してました。また幼馴染の友情を裏切って殺そうとした自分を許してくれたルパンに甘んじて生きながらえてる状態も、彼自身情けなくて、日々耐えきれなかったのかもしれないです。
>裏社会のしがらみに嫌気がさしていたんじゃないか
次元は、それでも真っ当に生きられないと自覚していて他に行き場がなく、どこへ行けばいいかも見えなかったんでズルズル流されてたのかもしれないですね。そこへルパンが現れたもんだから「オレが求めてたのはこれだ」と、ようやく今までの生活を放り出せたのかも。五右ェ門も似た感じでしたが類友というか「狼は狼を呼ぶ」状態ですね。
原作初期の次元は今までの重苦しい鬱々した生活から抜け出して安住の場所を見つけ、惚れ込んだルパンと共にいられて、ウキウキ楽しくてしょうがないという感じがします。一方のルパンは何で急にこんなに自分が次元に惚れこまれたのか、ピンとこなかったんじゃないかと思います。いくら妹と次元をキングから助けてやったとはいえそれは「幼馴染」として自然に彼らを思う気持ちからきたもので、自分にとってもキングは敵だったのだから恩をきせたつもりもない。また他組織のいいなりになる事がない生まれ育ちでそれが当り前の生活環境だったから、それに次元がはしゃぐ気持もよく判らない。ルパンにもまた犯罪への虚無感はちゃんとあるんですよね。次元がやがてどんどんクールになっていって、しまいにはルパンより冷静な男になったのは「ルパンの世界」にも彼なりに抱えてるものはあったんだ、決して彼はスーパーマンじゃなく弱い面もある、と気付いていったからじゃないかな・・・と思ってます(だから最初はルパンになつく感じだったのが、徐々にルパンを守る形に変化している)
>演出
私としても更に他の方はどう「健在・・」を解釈してるのか興味ありますね(^^
追伸:モンキーさんの本の内容はレポートで不明だった箇所に、補てんさせて頂きますv
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