おかるとぶろぐ

毎日怖い話ばかりです










"Alles Interesse an Krankheit und Tod ist
nur ein anderer Ausdruck für das Interesse am Leben."
Thomas Mann


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いたこ28号さんが、オカルトいどばた議会第2回 (No.5)その他で何回か披露しているある録音がある。歌手の南こうせつ氏がメンバーの一人であった「かぐや姫」というフォークグループの解散コンサートの模様を録音した音源に、おかしな音声が混ざってしまったというのである。南こうせつ氏が感無量で語っているコメントに答えての観客の拍手にまぎれて、「ワタシニモキカセテ」と、女性の声でかなりはっきり聞き取れる。さらに興味深いことには、この音声を逆回転再生すると、「私もそこに行きたかった」とかなんとか、なんだか文章を構成しているように聞こえるというのである。また、上記のラジオ番組でいたこ28号さんが語ることによれば、ある時から全く同じ音源が、よく言われているように「私にも聞かせ」ではなく「私にも聞かせ」に変わってしまったというのである。

このコンサートは、Wikipediaによると1975年4月12日東京神田共立講堂で行われた、ということ以外にはいたこさんのラジオでも聞けるし、怪談ファンにはあまりにも有名な話なので詳細は省く。

私の耳にもいたこさんのおっしゃってるとおり、通常再生は「私にも聞かせろ」と聞こえる。逆再生は「私もそこに行きたかった」とか「私も聞きにいきたかった」とか、まあいろいろだ。北野誠さんが昔やっていたラジオ番組「誠のサイキック青年団」2001年8月12日版 (4/7)でゲストの中山市朗氏が語るところによれば、人によっては「私死にたくなかった」に聞こえるとのことだった。

まあ、この手のことは暗示または「空耳」のようなもので、こういう風に聞こえるかもと言われればそんな気がするという程度かも知らない。しかし大きな謎は、ある文章を逆回転にしても、なぜ文章らしきものが聞こえてくるのかということだ。

昔、Youtubeで見た「USO!?ジャパン」という番組のビデオに「逆さ言葉おばさん」という変わった女性が登場し(このビデオはもう見つからない)、どんな言葉やかなり長い文章や歌などでも「逆さま」にして話してみせた。逆さまというのは、このおばさんの場合、例えば「神田」だったら「カンダ」の逆「ダンカ」ではない。「カンダ」を「KANDA」とローマ字にしたものを逆さまにした「ADNAK」を発音している状態なのだ(アドンアク?)。日本語の文章を逆再生にしたら、通常はこのようになってしまうので、なんだか日本語には聞こえない。このおばさんは、脳内で文章の逆再生が出来るという特殊能力を持っているのだ。

このおばさんさえいれば、例の台詞を逆にしたらどう聞こえるのかすぐにおしえてもらえるのだが・・・。さて、「WATASINIMOKIKASETE」を逆さまにすると、「ETESAKIKOMINISATAW」。「エテサッキックオムインイサトウ」??。ローマ字では到底書けないし、なんだかロシア語かエスキモーの言葉(??)のようになってしまう。だがこうしてみてみると、例の逆回転でなぜ「わたし・・・」と聞こえるのか分かる気がする。最初の3音節「ETESE」と「わたし」(WATASI)では、「T」と「S」が一致しているので、なんだか「わたし」といっているように聞こえてもおかしくない。あとの部分は個人的にははっきり聞こえないのだが、最後が「た」に聞こえるのは「・・・TAW」で終わっているからである。「W」は「う」に聞こえるので「TAW」は「たぅ」に聞こえてしまうのだ。

ちなみに最後が「キカセ」(KIKASERO)であるばあいは、ちょっと説明が苦しくなる。逆さまにして「ORESAKIK」では、普通はちょっと「わたし」に聞こえないだろう。ただ、日本語の「R」は実はちょっと「D」と似た発音で、「T」と「D」の発音は親戚だし、録音では「ろ」をかなりはっきり発音している。「ODESA」とすれば「WATASI」にちょっと似てくる。

もっと細かく専門的な分析をしようと思ったら、大学の音声学の教科書や専門の音声分析プログラムを引っ張り出さなくてはならないが(言語学専攻です。一応・・・)、一般の人でも分かるように説明すると上のような感じになる。こんなつたない分析で逆さ言葉はほんのちょっとは解明できたとしても、この不思議な声が一体どこから来たのかの謎は未だに解けていないようだ。


PS. このあともう一度録音を聴いてみて、ちょっと上の分析には問題があるかもと思い、日にちを改めて追記を書くつもりです。

PSPS 追記 が出来たので、どうぞ。

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