衆院選で歴史的惨敗を喫した民主党の迷走が止まらない。党執行部は１９日の両院議員総会で、２２日の代表選実施を提案したが先送りとなった。大本命とみられた細野豪志政調会長が周囲に不出馬の意向を示すなど、火中のクリを拾おうという男気のある議員は見当たらない。ついに党内には、女性参院議員の蓮舫元行政刷新担当相を推す声まで出始めた。
「痛恨の極みだ。深く、深くおわび申し上げる」
野田佳彦首相は１９日の両院議員総会でこう陳謝した。この後、執行部が２２日の代表選を提案したが、「拙速だ。党大会で代表をきちんと選べばいい」（篠原孝元農水副大臣）などと執行部批判が続出し、先送りとなった。いつもの「決められない」民主党の姿だ。
「自分が党を立て直す」という意欲ある適任者が見当たらないことも、日程が決まらない大きな原因といえる。
細野氏は１９日午後、衆院議員会館で、自身を支持する国会議員と会合を開いた。参加者からは細野氏の立候補を求める声が相次いだが、細野氏はここでは態度を明言せず、近い議員に「執行部の一員として衆院選大敗の責任は免れない」と不出馬を伝えた。
出馬が期待された前原誠司国家戦略担当相も不出馬方針で、馬淵澄夫政調会長代理や玄葉光一郎外相も慎重姿勢。岡田克也副総理は態度を明言していない。
民主党関係者は「新代表の使命は来夏の参院選で勝ち、党を再生させることだ。しかし、２００７年の参院選で民主党は６０議席を獲得して圧勝しており、ハードルが高い。負ければ代表辞任を迫られる。前原氏と細野氏で敗戦処理を押しつけ合っている」と話し、続けた。
「韓国で女性初の大統領が誕生した。参院選の顔として来年非改選の蓮舫氏を立てたらどうか」
事業仕分けで「２位じゃダメなんでしょうか」と担当者を問い詰めた蓮舫氏。衆院選で第２党に転落した民主党を率いることになるのか。