投資主体別の株式売買代金【拡大】
来年1月から株式の信用取引規制が緩和されるのに合わせ、ネット証券大手の松井証券が始める新サービスが波紋を広げている。
手数料や金利が一切不要という内容で、先駆けて引き下げを打ち出していた他社を出し抜いたかっこうだ。規制緩和は、同じ担保で1日に何回でも取引できるようになり、減少が続く個人投資家の売買が増えることが期待されている。ただ、価格破壊に陥れば、取引量が増えても、個人投資家がメーン顧客のネット証券の利益には結びつかないとの悲観的な声も出ている。
引き下げ開始の矢先
「(1999年に)ネット証券が誕生して世の中が変わったのと同じか、それ以上のインパクトだ」。松井証券の松井道夫社長は、規制緩和の影響の大きさをこう強調する。
信用取引は、保有する資金以上の株取引ができる仕組みで、利用者の85%を個人が占める。投資家が証券会社に委託保証金を担保として差し入れ、資金や株を借りて取引する。投資家は借りた資金や株で売買を行い、取引後に金利を上乗せして返済する。証券会社は売買仲介手数料と金利が収入源となる。