長谷川、勝って初海外戦も…Ｓバンタム級世界前哨戦

計量をパスし、対戦相手のサントス（左）とともにファイティングポーズをとる長谷川

　◆報知新聞社後援　プロボクシング「リアルスピリッツ」　ＷＢＣ世界フェザー級６位・長谷川穂積─ＷＢＣ世界スーパーバンタム級１８位・アルツロ・サントス（２２日・神戸市立中央体育館）　元世界２階級王者・長谷川穂積（３２）が、来春にも予定する世界挑戦でデビュー以来初の海外戦を視野に入れていることが２１日、分かった。神戸・真正ジムで行われた世界前哨戦の計量はリミットの５５・８キロで一発パス。「ノンタイトル戦はこれが最後。触らせないで勝つ」と力強く言い切った。

　長谷川はサントス戦をクリアすれば、スーパーバンタム級（５５・３キロ以下）での世界３階級制覇と、フェザー級（５７・１キロ以下）での挑戦機会を両にらみで待つ。陣営では、海外での試合も視野に入れている。真正ジム・山下正人会長（５０）は「サントス戦に勝つことが大前提」と前置きした上で、「海外でもチャンスがもらえれば行く」と話す。長谷川がフェザー級６位にランクされるＷＢＣの世界王者は、スーパーバンタム級がアブネル・マレス、フェザー級がダニエル・ポンセ・デ・レオンで、ともにメキシコ人。長谷川が米国やメキシコのリングに上がる可能性はある。

　ＷＢＣ世界バンタム級挑戦者決定戦の調印式、グラブチェックが行われた様子を見つめた長谷川は「また世界戦の雰囲気を味わいたい」と笑った。「戦う気持ちが過去最高に乗っているから、自分でもどんなパフォーマンスができるか楽しみ」。圧倒的な実力差を見せつけて、再び世界戦線に躍り出る。

　◆サントス、強気一転緊張握手　来日直後から「長谷川は落ち目だ」などの挑発を続けてきたが、この日初対面すると、やや緊張気味に握手。２階級制覇を達成した長谷川のオーラにのまれた様子だった。「偉大な王者と戦えて光栄」と控えめに話すと、「これまでのボクシング人生で最も大切な試合で、未来の扉を開きたい」と殊勝な態度で健闘を誓った。