H2A:後継ロケット開発へ コスト削減など目指す

毎日新聞 2012年12月13日 21時38分(最終更新 12月14日 08時15分)

H2Aロケット=JAXA提供
H2Aロケット=JAXA提供

 文部科学省は13日、人工衛星などを打ち上げる国産ロケット「H2A」の後継となる新基幹ロケットの開発を目指すことを決めた。H2Aの打ち上げ費用は1機約100億円と欧米やロシアより高く、民間の衛星打ち上げを受注するには国際競争力が低いのが課題だ。このため開発には管制施設の簡略化などによる打ち上げ費用半減が必要とした。文科相の諮問機関「科学技術・学術審議会」の宇宙開発利用部会で同日、方針案が承認された。

 基幹ロケットは、日本の衛星を打ち上げる他、産業維持のため海外も含めた民間衛星受注も求められる。このため後継ロケットは、コスト削減と輸送能力強化などを目指す。

 今後文科省と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、費用削減や国際競争力向上の方法を、海外の宇宙コンサルタントに依頼するなどして調査する。また国の宇宙政策を集約する内閣府も、新ロケット開発に必要な戦略を来年度検討する予定で、これらの内容が反映される見通し。

 H2Aの開発費は約1200億円で、01年から通算21機打ち上げられている。開発後10年以上経過し、新ロケットを開発しなければ、技術者の世代交代で技術の継承が難しくなると指摘される。このため開発に当たったJAXAや三菱重工業から要望が上がっている。新ロケット完成には、開発着手から10年ほどかかる見込み。

 ロケット打ち上げ能力を持つのは日米欧など9カ国・地域で、文科省は「技術の保有は宇宙先進国としての国際的プレゼンス(存在感)確保に貢献する」としている。【野田武】

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