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中国“世界最長”高速鉄道の試乗会
12月22日 18時57分

中国の首都、北京と南部の広州の間およそ2300キロを結び、高速鉄道としては「世界最長」とされる路線が今月26日に全線開業するのを前に、中国政府が22日、一部の区間で報道関係者向けの試乗会を行い、安全性と経済効果をアピールしました。

試乗会が行われたのは、このほど完成した北京・鄭州間の693キロの区間です。
日本の東北新幹線「はやて」の技術をベースに中国が独自開発したとする8両編成の列車は、始発の北京西駅を出発したあと、市街地を抜けるとぐんぐん加速し、およそ15分後に時速300キロに達しました。
この区間と、すでに営業している鄭州・広州間を合わせた路線の総延長は2298キロに及び、中国鉄道省によりますと、高速鉄道としては「世界最長」になるということです。
全線開業は今月26日の予定で、北京・広州間はこれまでの特急列車よりも12時間半ほど短いおよそ8時間で結ばれます。
空の便と比べると所要時間はそれでも2倍以上ですが、料金は最も安い席で正規の航空券のおよそ半額に設定されており、地元メディアは高速鉄道と航空会社の競争が激しくなりそうだと伝えています。中国政府は、浙江省で40人が死亡した去年の高速鉄道どうしの衝突事故のあと、高速鉄道の建設を一時、中断しましたが、景気の下支えなどのねらいから再び積極的に建設を進める姿勢に転じ、中国東北部でも今月初めに新しい路線の営業運転を開始しています。
一方で、一部の国民の間では高速鉄道の安全性に対する不安も根強く、このほど全線開業する北京・広州間の最高時速について、中国鉄道省は、設計上は350キロのところを当面は300キロに抑えて営業するとしています。
鉄道省の周黎局長は「中国の高速鉄道はさまざまな安全対策をとっている」と安全性を強調したうえで、「この基幹路線が開通すれば、大都市間の人、物、情報の流れがさらに活発になり、大きな意義がある」と述べ、経済面での効果をアピールしました。

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