乗用車8社の11月世界生産は5社が減少、中国は緩やかに回復
[東京 21日 ロイター] 乗用車メーカー8社が21日発表した11月の世界生産は、日産自動車(7201.T: 株価, ニュース, レポート)やマツダ(7261.T: 株価, ニュース, レポート)など5社が前年実績を下回った。
10月に続き、日中関係悪化の影響で中国生産が減少したほか、国内もエコカー補助金の終了や輸出の低迷などで落ち込んでいる。ただ、中国の状況は「緩やかながらも回復傾向にある」(トヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート))との声もある。
トヨタは世界生産が3カ月ぶりに前年実績を上回った。補助金終了などの影響で国内生産が減少したものの、北米や東南アジアなどが好調に推移。海外生産が11月として過去最高となった。ホンダ(7267.T: 株価, ニュース, レポート)も世界生産が11カ月連続で前年を上回った。中国生産が落ち込んでいるものの、その他の主要地域で高水準を維持している。海外生産は11月としては過去最高だった。
一方、日産自の世界生産は国内、海外ともに減少し、3カ月連続で前年実績を割り込んだ。国内は震災後の増産対応で昨年水準が高かったことによる反動。海外は中国生産の減少が響いた。中国ではディーラー在庫が多く、現在も生産調整を続けている。
<中国生産は43%減、減少幅は改善>
11月の中国生産はダイハツ工業(7262.T: 株価, ニュース, レポート)、富士重工業(7270.T: 株価, ニュース, レポート)を除く6社合計で17万7684台(前年比43.5%減)となった。大幅減ではあるものの、10月の15万0386台(同48.9%減)に比べて改善している。ホンダは販売が回復傾向にあるとし、年明けから中国のすべての工場で通常の生産態勢に戻す予定。
メーカー別ではトヨタが前年比38.7減の5万0528台、日産自が同43.3%減の6万8090台、ホンダが同59.9%減の2万6592台だったほか、スズキ(7269.T: 株価, ニュース, レポート)は同5.1%減、マツダは49.0%減、三菱自動車工業(7211.T: 株価, ニュース, レポート)は同86.4%減だった。
(ロイターニュース 杉山健太郎)
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