訪日外国人旅行者数【拡大】
日本政府観光局が21日発表した11月の訪日外国人旅行者数(推計値)は、前年同月比17.6%増の64万8600人と、11月単月としては2007年に次ぐ過去2番目の水準となった。中国からの訪日旅行者は、日中関係の悪化に伴い団体観光客が減った影響などで、同43.6%減の5万2000人と大きく落ち込んだ。
航空各社の中国路線の予約状況は引き続き低調。先行きについて、全日本空輸の伊東信一郎社長は「(年明けの)春節で戻るかどうか注目」としている。
国別の旅行者数では、中国の落ち込みが目立つ一方、台湾や香港、タイ、マレーシア、ベトナム、インドが11月として過去最高を更新。インドネシアなども大幅に増え、東南アジアからの増加が際だった。
東南アジアからの旅行客の増加は、中国人客の減少をカバーする勢いで、小売りへも好影響をもたらしつつある。百貨店の11月の外国人客売上高は前年同月比9.1%増、客数は3.7%増と、2カ月ぶりに前年を上回った。東日本大震災以降回復が遅れていた韓国からの来店が戻り始めたほか、東南アジアからの買い物客も増加したという。
同日会見した井手憲文観光庁長官も、「現地でのアピールを含め、訪日観光促進プロモーションに力を入れる」と東南アジアからの集客に意欲を示した。