視聴者の心身に変化も!?--感動泣きを誘う TV 番組「金曜ナミダメ劇場」の仕掛け人に聞く
japan.internet.com で12月12日に掲載した記事「女性の週末『おひとり泣き』が増加?ストレス解消などで--女性の涙に関する Web 調査」で、週末ひとりで泣く「おひとり泣き」女性が増えていることを触れた。「仕事で嫌なことがあった」「彼氏と喧嘩した」などの理由で悲しさのあまり泣くのではなく、ストレスの発散のために感動する映画や小説を見て、意図的に涙を流すというのだ。
確かに、映画やドラマなどの感動する場面で涙を流すと気持ちが晴れる。すると、思考もおのずとポジティブになり、手こずっていた仕事があっさり片付いてしまったり、いい考えが思いついたりすることもある。泣いた後に自分が生まれ変わったような体験を、誰もが一度はしたことがあるだろう。
そんな人間の生理現象「泣く」を誘発しようというのが、TBS 系列 BS デジタルで放映中の番組「金曜ナミダメ劇場」だ。今回は、BS-TBS 制作局 事業部 兼 制作部 プロデューサーの高松武史氏と、同番組スポンサーであるカネボウ化粧品の宣伝グループ 関容子氏に、「泣く」をテーマにするに至った経緯などをうかがった。

■ 「TWANY(トワニー)」の新たなコミュニケーションを模索。BS-TBS に相談
カネボウ化粧品では、女性向けカウンセリングブランド「TWANY(トワニー)」を1996年から展開。女性の「肌と心のケア」をコンセプトに掲げ、肌にハリと潤いを与える誘導美容液と化粧水、乳液の3点セット「美肌3品」を基盤にスキンケア商品や化粧品を訴求するのと同時に、店頭で専任カウンセラーが生活習慣や女性ホルモンなどの視点からカウンセリングを行う。特に、カウンセラーによるユーザーに寄り添った「心のケア」は競合との差別化ポイントで、「TWANY」が支持される理由のひとつと関氏は説明する。
これまでブランドおよび製品のプロモーションは、雑誌を主体に行なってきた。それが功を奏し、今ではメインターゲットの30〜40代女性に広く知られるに至るが、更なる認知度向上のために以前から別のコミュニケーション手法を模索していた。これには、今年10月にリニューアルした「TWANY」の中核製品を訴求する目的もあった。
関氏は新しいプロモーションを展開するにあたって、「TWANY」のコンセプト「心のケア」に着目。「心」を共通点として、女性が心の底から共感する番組を打ち出せないかと BS-TBS に持ちかけた。スポット CM などで直接的に「TWANY」を押し出すよりも、ブランドコンセプトから製品の理解を得られ、結果的にターゲットに深く届く訴求ができると考えたからだ。

■ 「金曜ナミダメ劇場」が誕生!思いきり気持ちのいい涙を流してもらいたい
カネボウ化粧品から相談を受けた高松氏は、喜怒哀楽が最も視聴者の感情を動かすという理念のもと、過去に有りそうで無かった「泣く」に特化した番組を考案した。涙にも「悲し涙」「笑い涙」などがあるが、今回は「思いきり気持ちのいい涙」を流すことでストレスを発散してもらおうとした。「『泣く』=『心に響く』で、TWANY のブランドイメージを表現しているが、番組として面白い内容に仕上がったと思う」と同氏は話す。
「金曜ナミダメ劇場」は、実際にあった感動する話を女優が5〜10分ほど朗読し、その後に話の世界観に合った歌をミュージシャンが歌う。例えば、クリスマスにちなんだ話の後には、手嶌葵さんの「White Christmas」や、B'z の「いつかのメリークリスマス」などを歌うといった具合だ。1回の放送で朗読と音楽のセットが2つ用意されており、中間には「TWANY」の CM が入る。
朗読の話は、家族や兄弟、恋人など主題はさまざまだが、一貫して「共感」をテーマに掲げるのが特徴だ。それらは全て、番組スタッフが独自のルートで集めてきた感動を呼ぶ内容で、女性なら誰もが涙を流すと高松氏は自信を覗かせる。
読み手には女優を起用する。様々な人物を演じることに長ける女優なら、話の登場人物になりきることで臨場感を高めてくれると考えたからだ。しかし、自らが朗読する話の中には実体験に当てはまる内容もあり、途中で女優も思わず涙を流してしまうことも。番組は「泣かせる」を徹底的に追求するため、公開収録式の1発撮りを採用することで緊張感のある中で行われる。無論、女優が涙を流していてもカメラを回すが、かえって視聴者の涙を誘っている。
朗読と音楽の後には「TWANY」の CM が入るが、TV 局が制作しているためトーンが番組と同じで、CM も含めてひとつの番組という印象を視聴者に与えている。CM 1つの時間は120秒という BS 放送でこそ放送できる長時間のものだが、番組と世界観が一緒なことと、泣いた直後で邪心がないのも相まって「あざとい」という声は聞かれないそうだ。

■ カメラマンや音声、照明などの男性スタッフも撮影中「男泣き」
普段 TV であまり泣くことがないという関氏。しかし「金曜ナミダメ劇場」は女性として共感できるポイントが多々あり、思わず涙してしまったという。特に、母と娘の関係性をテーマにした話は、同氏が今年結婚した折に母親との関係を見つめ直す機会があったために、感動は大きかったそうだ。「感動は心を透明にしてくれると改めて実感した」と、関氏は同番組で泣いた当時の思いを振り返る。
視聴者の反応も良好という。番組アンケートでは、自分の実体験と照らし合わせて「ここの部分に共感した」という声が多く、これほど熱心な感想が寄せられるのも珍しいという。番組への期待感が大きいことから再放送の回は落胆の声も届くが、それでも感動してついつい見るという反応も多いそうだ。
「金曜ナミダメ劇場は、男性も泣ける」と高松氏は話す。実際に収録現場では、カメラマンや音声担当など多くの男性スタッフも涙を流している。感動する話は男女の垣根を超えて、心を揺れ動かすのだ。そして、スタッフ全てが番組コンセプトに共感することで、「視聴者を更に泣かせてやろう」という気持ちが次第に高まっているという。渾身の番組を作って、スタッフ自らが泣くというサイクルが「金曜ナミダメ劇場」では当たり前になっている。
ちなみに、「爽快情報バラエティー スッキリ!!」のコメンテーターを務める内科医 兼 作家 おおたわ史絵氏に「泣く」についてコメントを求めたところ、次の回答をいただけた。
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『涙−人はなぜ泣くのか』という書籍の中で、アメリカのウィリアム・H・フレディ博士は言っています。
人の涙には二種類がある。ひとつは生理学的な涙、もうひとつは感情的な涙である、と。
心にとって大切な意味を持つのが、この感情的な涙、emotional tears。じつはこの涙の成分にはストレスホルモンが含まれています。つまり私達は涙の中に、溜まったストレスを放出しているのです。だから泣いた後は不思議と清々しい気持ちになるでしょう?こうして私達は悲しみを乗り越える凛とした美を手に入れることができるわけです。
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感動の内容で感情的な涙を誘発させる「金曜ナミダメ劇場」は、ストレス発散という視点で理にかなった番組なのだ。加えて、「TWANY」のブランドコンセプトの自然な訴求と商品紹介は、近年の企業タイアップ番組の中でも成功事例と言えよう。
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両氏によると、来年2月27日に銀座・ヤマハホールにて番組発の「ナミダメ劇場」というリアルイベントを開催するという。視聴者の中から抽選で200名を無料招待し、番組と同様に感動する話と音楽を楽しんでもらう催しだ。高松氏は、リアルイベントならではの演出も多数用意するとし、「番組スタッフが泣いてしまう話と音楽をぜひ体験してほしい。絶対泣ける」と太鼓判を押す。
なお「金曜ナミダメ劇場」の Facebook ページでは、オリジナルコンテンツを配信している。番組で紹介しきれなかった話や、ページ内で独自に調査した泣ける話、プレゼント告知などを展開する。番組と合わせて楽しんでみてはいかがだろうか。
■「金曜ナミダメ劇場」 Facebook ページ
http://www.facebook.com/namidame.gekijyou
確かに、映画やドラマなどの感動する場面で涙を流すと気持ちが晴れる。すると、思考もおのずとポジティブになり、手こずっていた仕事があっさり片付いてしまったり、いい考えが思いついたりすることもある。泣いた後に自分が生まれ変わったような体験を、誰もが一度はしたことがあるだろう。
そんな人間の生理現象「泣く」を誘発しようというのが、TBS 系列 BS デジタルで放映中の番組「金曜ナミダメ劇場」だ。今回は、BS-TBS 制作局 事業部 兼 制作部 プロデューサーの高松武史氏と、同番組スポンサーであるカネボウ化粧品の宣伝グループ 関容子氏に、「泣く」をテーマにするに至った経緯などをうかがった。
BS-TBS 制作局 事業部 兼 制作部 プロデューサーの高松武史氏(右)と、同番組スポンサーであるカネボウ化粧品の宣伝グループ 関容子氏(左)
■ 「TWANY(トワニー)」の新たなコミュニケーションを模索。BS-TBS に相談
カネボウ化粧品では、女性向けカウンセリングブランド「TWANY(トワニー)」を1996年から展開。女性の「肌と心のケア」をコンセプトに掲げ、肌にハリと潤いを与える誘導美容液と化粧水、乳液の3点セット「美肌3品」を基盤にスキンケア商品や化粧品を訴求するのと同時に、店頭で専任カウンセラーが生活習慣や女性ホルモンなどの視点からカウンセリングを行う。特に、カウンセラーによるユーザーに寄り添った「心のケア」は競合との差別化ポイントで、「TWANY」が支持される理由のひとつと関氏は説明する。
これまでブランドおよび製品のプロモーションは、雑誌を主体に行なってきた。それが功を奏し、今ではメインターゲットの30〜40代女性に広く知られるに至るが、更なる認知度向上のために以前から別のコミュニケーション手法を模索していた。これには、今年10月にリニューアルした「TWANY」の中核製品を訴求する目的もあった。
関氏は新しいプロモーションを展開するにあたって、「TWANY」のコンセプト「心のケア」に着目。「心」を共通点として、女性が心の底から共感する番組を打ち出せないかと BS-TBS に持ちかけた。スポット CM などで直接的に「TWANY」を押し出すよりも、ブランドコンセプトから製品の理解を得られ、結果的にターゲットに深く届く訴求ができると考えたからだ。
カネボウ化粧品の関氏。スキンケア「TWANY」のブランドコンセプトにそった番組が作れないか BS-TBS に打診した
■ 「金曜ナミダメ劇場」が誕生!思いきり気持ちのいい涙を流してもらいたい
カネボウ化粧品から相談を受けた高松氏は、喜怒哀楽が最も視聴者の感情を動かすという理念のもと、過去に有りそうで無かった「泣く」に特化した番組を考案した。涙にも「悲し涙」「笑い涙」などがあるが、今回は「思いきり気持ちのいい涙」を流すことでストレスを発散してもらおうとした。「『泣く』=『心に響く』で、TWANY のブランドイメージを表現しているが、番組として面白い内容に仕上がったと思う」と同氏は話す。
「金曜ナミダメ劇場」は、実際にあった感動する話を女優が5〜10分ほど朗読し、その後に話の世界観に合った歌をミュージシャンが歌う。例えば、クリスマスにちなんだ話の後には、手嶌葵さんの「White Christmas」や、B'z の「いつかのメリークリスマス」などを歌うといった具合だ。1回の放送で朗読と音楽のセットが2つ用意されており、中間には「TWANY」の CM が入る。
朗読の話は、家族や兄弟、恋人など主題はさまざまだが、一貫して「共感」をテーマに掲げるのが特徴だ。それらは全て、番組スタッフが独自のルートで集めてきた感動を呼ぶ内容で、女性なら誰もが涙を流すと高松氏は自信を覗かせる。
読み手には女優を起用する。様々な人物を演じることに長ける女優なら、話の登場人物になりきることで臨場感を高めてくれると考えたからだ。しかし、自らが朗読する話の中には実体験に当てはまる内容もあり、途中で女優も思わず涙を流してしまうことも。番組は「泣かせる」を徹底的に追求するため、公開収録式の1発撮りを採用することで緊張感のある中で行われる。無論、女優が涙を流していてもカメラを回すが、かえって視聴者の涙を誘っている。
朗読と音楽の後には「TWANY」の CM が入るが、TV 局が制作しているためトーンが番組と同じで、CM も含めてひとつの番組という印象を視聴者に与えている。CM 1つの時間は120秒という BS 放送でこそ放送できる長時間のものだが、番組と世界観が一緒なことと、泣いた直後で邪心がないのも相まって「あざとい」という声は聞かれないそうだ。
感動泣きに特化した「金曜ナミダメ劇場」。番組として面白くなると企画段階から高松氏は確信していた
■ カメラマンや音声、照明などの男性スタッフも撮影中「男泣き」
普段 TV であまり泣くことがないという関氏。しかし「金曜ナミダメ劇場」は女性として共感できるポイントが多々あり、思わず涙してしまったという。特に、母と娘の関係性をテーマにした話は、同氏が今年結婚した折に母親との関係を見つめ直す機会があったために、感動は大きかったそうだ。「感動は心を透明にしてくれると改めて実感した」と、関氏は同番組で泣いた当時の思いを振り返る。
視聴者の反応も良好という。番組アンケートでは、自分の実体験と照らし合わせて「ここの部分に共感した」という声が多く、これほど熱心な感想が寄せられるのも珍しいという。番組への期待感が大きいことから再放送の回は落胆の声も届くが、それでも感動してついつい見るという反応も多いそうだ。
「金曜ナミダメ劇場は、男性も泣ける」と高松氏は話す。実際に収録現場では、カメラマンや音声担当など多くの男性スタッフも涙を流している。感動する話は男女の垣根を超えて、心を揺れ動かすのだ。そして、スタッフ全てが番組コンセプトに共感することで、「視聴者を更に泣かせてやろう」という気持ちが次第に高まっているという。渾身の番組を作って、スタッフ自らが泣くというサイクルが「金曜ナミダメ劇場」では当たり前になっている。
ちなみに、「爽快情報バラエティー スッキリ!!」のコメンテーターを務める内科医 兼 作家 おおたわ史絵氏に「泣く」についてコメントを求めたところ、次の回答をいただけた。
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『涙−人はなぜ泣くのか』という書籍の中で、アメリカのウィリアム・H・フレディ博士は言っています。
人の涙には二種類がある。ひとつは生理学的な涙、もうひとつは感情的な涙である、と。
心にとって大切な意味を持つのが、この感情的な涙、emotional tears。じつはこの涙の成分にはストレスホルモンが含まれています。つまり私達は涙の中に、溜まったストレスを放出しているのです。だから泣いた後は不思議と清々しい気持ちになるでしょう?こうして私達は悲しみを乗り越える凛とした美を手に入れることができるわけです。
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感動の内容で感情的な涙を誘発させる「金曜ナミダメ劇場」は、ストレス発散という視点で理にかなった番組なのだ。加えて、「TWANY」のブランドコンセプトの自然な訴求と商品紹介は、近年の企業タイアップ番組の中でも成功事例と言えよう。
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両氏によると、来年2月27日に銀座・ヤマハホールにて番組発の「ナミダメ劇場」というリアルイベントを開催するという。視聴者の中から抽選で200名を無料招待し、番組と同様に感動する話と音楽を楽しんでもらう催しだ。高松氏は、リアルイベントならではの演出も多数用意するとし、「番組スタッフが泣いてしまう話と音楽をぜひ体験してほしい。絶対泣ける」と太鼓判を押す。
なお「金曜ナミダメ劇場」の Facebook ページでは、オリジナルコンテンツを配信している。番組で紹介しきれなかった話や、ページ内で独自に調査した泣ける話、プレゼント告知などを展開する。番組と合わせて楽しんでみてはいかがだろうか。
■「金曜ナミダメ劇場」 Facebook ページ
http://www.facebook.com/namidame.gekijyou
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