水と緑の地球環境:「脱原発世界会議」被災者と語り合う 命が喜ぶ暮らし方を

毎日新聞 2012年01月29日 東京朝刊

 「原発のない世界を目指して人々とつながろう」と市民有志による「脱原発世界会議」が今月14、15日、横浜市のパシフィコ横浜で開催された。エネルギーや放射線の専門家ら約50人が海外から参集。福島の被災者と語り合う場もあり、2日間で延べ約1万1500人が集まった。【明珍美紀】

 ◇「人間は放射線を操作できない」「安価な電力供給できるが命は安くない」

 開会イベントでは、広島の原爆で被爆した医師で長年、被爆者を診察してきた肥田舜太郎さん(95)が、「人間は放射線を操作することはできない。原発も核兵器もなくして安全な地球に住むしかない」と発言した。

 原発輸出に必要な原子力協定を日本と結んだヨルダンからは国会議員で医師のモオタシム・アワームレさんが参加し、「政府は署名を交わしたが首都アンマンでは反対のデモがあった。原発でより安価な電力供給ができるかもしれないが、命は安くない」と強調した。

 子どもからの訴えでは、福島県郡山市から横浜市に避難し、福島の応援ブログを開いた富塚悠吏君(10)が「原発より安全なエネルギーはある。国の偉い人に言いたいです。大切なのは僕たちの命ですか、お金ですか」とスピーチした。

 続いて、東京電力福島第1原発の事故をめぐる討議が行われた。

 ドイツの原子力安全委員会のメンバー、ミヒャエル・ザイラーさんは「原発は冷却が不十分だと炉心溶融は避けられず、福島で起きたような事故が発生する。安全性を100%確保するのは不可能だ」と指摘した。原子力事故を研究する米国の科学者、エドウィン・ライマンさんは「災害のあまりの大きさに度肝を抜かれ、炉心の溶融を防ぐ手立てを講じる余裕がなかったと私は見ている」と言い、「放射線のモニタリングも避難誘導も後手後手になった。福島で起きたことは米国でも起こりうる」と警鐘を鳴らした。

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