エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。


テーマ:
『金髪スリーデイズ35℃』


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【出演】
真帆、川本成、花塚いづみ、上泉和三、きたろう、山田辰夫、田中恵理


【監督】
飯塚健




“スタッフ4、5人、キャスト6、7人。みんなで創った手創りムービー”




かわり映えのしない毎日。

地下鉄の駅員は、ある日ふと乗客と一緒に電車に乗ってしまう。

サラリーマンが帰社すると会社は、もぬけの殻だった。

喪服を着た女は、タクシーに乗り東京から静岡まで行ってくれと言う。

夏休み……両親が旅行中に家に一人きりになってしまった田舎の高校生・磯村アミは、嬉しくて仕方がない。

早速、庭にビニールプールを引っぱり出して、髪を金髪に染めはじめる。
ところが、カラーリングは失敗し、まだらな色に染まってしまった。

アミは、何もかもうまく行かない。
大学には行けないし、恋人は転勤、染髪は失敗。


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そんなアミと……電車に乗ったまま遠くまで来てしまった駅員とサラリーマン、死んだ友達をおくった喪服の女、女を乗せてきたのはいいけれど道に迷って帰るに帰れないタクシーのドライバーは、ひょんなことから出会ってしまう。


砂浜で、みんなで髪を染めて、5人はアミの家で暮らすことになる。


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蝉の声。朝に飲むビール。

「人生には夏が必要だ!」

期待に胸を膨らませる夏。

たった三日間だけれど、そんな夏を過ごした彼らは、また日常に戻っていく……どこか名残惜しいような余韻を残して。


庭に水をまくアミ、まだ暑い夏の日は続いている……。


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駅員、エリート会社員、No.1ホステス、タクシードライバー、女子高生という奇妙な組み合わせの5人が金髪にして共同生活を送る3日間の夏休みを描いた40分の短編。



何もかも上手くいかない女子高生のアミを中心に、帰れないタクシーの運転手、友達を亡くした女、日常の倦怠の中で磨耗している駅員、会社が蒸発してしまって取り残されたサラリーマン。

そんな5人がひょんなことから出会い、みんなで髪を染めて、夏の三日間を過ごすことになる。

様々な期待に胸をふくらせる夏……が結局、何にも起こらなくて苦さだけが残ってしまったとしても、いや何も起こらないからこそ、人生には夏が必要なのです。


夏の夜、縁側のある庭で花火に興じるシーンでの出演者たちの表情が抜群にいい!


また、ロープで繋がった自転車での疾走、ビールの空き缶で作ったロケット、みんなで囲む食卓等、のんびりとした牧歌的な光景が微笑ましく、観ているこちらまで楽しくなってきます。


特にこれといったクライマックスがあるワケでもない……緩い描写がひたすら続くのみ。

でも、それが何とも心地良く感じる。



『荒川アンダー ザ ブリッジ』の飯塚監督の初期の作品ですが、独特の世界観に溢れていてとても面白い短編でした。



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