アルジェリア西部トレムセンの大学で20日、聴衆の歓迎にこたえるオランド仏大統領(左)と、ブーテフリカ・アルジェリア大統領=稲田信司撮影 |
【アルジェ=稲田信司】フランスのオランド大統領は20日、独立50年の節目を迎えた旧植民地アルジェリアの国会で演説した。植民地政策の過ちを明確に認め、「新時代の幕開け」を宣言。歴史問題に区切りをつけたい考えだ。北アフリカ地域でのフランスの影響力の再構築も目指す。
オランド氏は演説で「アルジェリアは(フランスが支配した)132年の間、極めて不公正で乱暴なシステムに服従した。植民地主義がアルジェリアの人々に苦痛を与えた」と述べた。明確な謝罪の言葉はなかったが、フランス側の虐殺行為を列挙した。議員らは立ち上がって拍手を送った。
1962年のアルジェリア独立後、国家元首としては2003年のシラク氏、07年のサルコジ氏に次ぐ3度目の公式訪問。独立をめぐる戦闘でのフランス人犠牲者への配慮が色濃かった過去の演説と比べ、オランド氏は、植民地政策の反省をストレートに語った。