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官製談合を断ち切るために

2012/12/22付
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 官製談合が後を絶たない。陸上自衛隊の次世代型ヘリコプターをめぐって、ヘリの開発企業を選ぶ前に仕様などの情報を川崎重工業に漏らしたとして、東京地検特捜部は2等陸佐2人を官製談合防止法違反の罪で略式起訴した。

 国土交通省四国地方整備局の発注工事の入札をめぐっても、公正取引委員会が同整備局職員がかかわった官製談合を認定し、改善措置要求を出している。

 官公庁職員らが入札前に受注業者を指名したり、予定価格を漏らしたりする官製談合は、背景に天下り先の確保などがある。企業も競争せずに高めの価格での受注がしやすくなる。自らの利益のために税金を無駄遣いし、市場をゆがめる重大な違法行為だ。断ち切る手立てを考える必要がある。

 ヘリの開発企業の選定では応募企業からの提案内容を比較して審査する「企画競争」方式を取り入れた。だが担当の2佐は、受注した川重側に事前に、ヘリの仕様書や審査のポイントをまとめた評価基準案などを渡したとされる。

 四国地方整備局でも入札は、価格以外に技術力も考慮する「総合評価」方式が採用されていた。

 競争のはたらく仕組みをつくっても、動かすのは人だ。担当者に規律や倫理観が欠けていれば談合を防ぐのは難しい。入札改革以外に多面的な対策が求められる。

 ひとつは談合にかかわった官公庁職員らへの責任追及を厳しくすることだ。官製談合防止法では関与した職員や企業が損害賠償請求の対象になりうるが、国や自治体は悪質でないと判断し、請求を見送る場合がある。どんな場合は身内であっても賠償請求しなければならないか、明確に定めれば再発防止につながろう。

 天下りの問題も真剣に議論するときだ。官製談合で多いのは企業に再就職した省庁OBが仲介役になって受注調整を繰り返す例だ。天下りの規制強化が要る。

 2003年1月の官製談合防止法施行から10年になろうとしている。本気で根絶に動くときだ。

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