民主グループ:主要メンバー失い影響力低下、参院が活発化
毎日新聞 2012年12月20日 21時55分(最終更新 12月20日 23時25分)
民主党内で各グループの影響力が低下している。衆院議員を選挙前の4分の1以下の57人に減らし、各グループが主要メンバーを失い、代表選の候補擁立に必要な推薦人20人を割り込む状態となっているためだ。相対的に88人を抱える参院民主党が存在感を増し、野田佳彦首相(民主党代表)の後任を選ぶ党代表選でも活発に動いている。
北沢俊美元防衛相や前田武志前国土交通相らベテラン参院議員は20日、国会内で代表選への対応を協議した。参院選を来年夏に控え、当落につながる新代表選出に無関心ではいられない。参院では知名度の高い細野豪志政調会長や、参院議員の蓮舫前行政刷新担当相の擁立論も浮上しており、衆院主導で動いてきた従来の代表選とは様相が異なっている。
民主党の各グループは主要な衆院議員が核となり運営されてきた。しかし、衆院選で主なメンバーが落選し、動きが鈍い。党内最大だった前原誠司国家戦略担当相のグループは、仙谷由人元官房長官や小宮山洋子前厚生労働相らを失い、勢力がほぼ半減。前原氏立候補にも賛否両論があり、まとまらない。
菅直人前首相のグループは菅政権の首相補佐官を務めた加藤公一、阿久津幸彦、寺田学の3氏や平岡秀夫元法相を失い、大幅に戦力が落ちた。旧民社グループも会長の川端達夫前総務相や城島光力財務相が落選。鹿野道彦前農相と樽床伸二総務相のグループは、主宰する鹿野、樽床両氏の落選で求心力を保つのが難しい状況だ。
9月の代表選に立候補した赤松広隆元農相は19日に自身を囲む政策勉強会を開き、代理出席も含めて20人を集めた。ただ、赤松氏自身、比例で復活当選したため代表選立候補は見送る方向。政界を引退した鳩山由紀夫元首相のグループは事実上消滅した。20日夜、東京都内のすし店で会合を開いたものの、出席者は小平忠正国家公安委員長ら落選議員で占められた。【笈田直樹、木下訓明】