メタモジは今、中国語圏での利用をターゲットとし、7notes中国語版の開発にいそしんでいる。浮川は、「漢字の処理は日本語版で実績がある。中国語版には大きな可能性が広がっている」と海外でのさらなる飛躍に期待を込める。スマホ・タブレットが海外進出のチャンスを与えているのは、エンドユーザー向けのアプリ開発をする企業だけではない。
■アジアのベンチャーの祭典に選抜
今年2月上旬、アジア各国のベンチャー企業がプレゼンテーションを繰り広げる「スタートアップアジア」というイベントがシンガポールで開催された。約300社ほどの応募から主催者の面接を経て絞られた19社が、投資家やIT業界関係者など約500人の聴衆を前に自社製品や技術などをアピール。そこに、iPadを手に熱心に英語で説明する日本人がいた。シンガポール、マレーシア、韓国、台湾などのベンチャーに交じり、日本から参加資格を得たカディンチェ(東京・品川)社長の青木崇行だ。
カディンチェは空間表示技術のソフト開発を手がける08年創業のベンチャー。青木は前職のソニー時代、映像表現などの基礎技術の開発に携わっていた時の同僚などと起業した。「最先端の空間表現」に挑戦するためだ。主力商品は、電子商取引(EC)サイトなどに向けたバーチャルショップ構築支援サービスの「パノプラザ」。実際の店舗内など風景を360度のパノラマ画像で再現、ユーザーは自在に歩き回ることができる。陳列されている商品をクリックすれば、商品情報を閲覧したり、購買画面へ進めたりする。
青木いわく「ネット上でも、ウインドショッピングと同じようなわくわく感が出せる」ことが売り。米グーグルが地図を実際のパノラマ画像で再現している「ストリートビュー」の店舗版と思えば理解が早い。これまでも店舗内をネット上に再現するために、パノラマ写真を撮影、商品情報などを張り付けるサービスはあったが、ひとつひとつの商品に、商品名や値段などの情報を「タグ付け」するためにHTMLを書き換えなければならず、膨大な手間とコストがかかった。「パノプラザ」を使えば、店舗の担当者が専用画面上で簡単に商品管理をすることができる。
国内では大丸東京店1階に展開するスイーツショップを再現した「バーチャルスイーツショップ」などがパノプラザを採用している。パソコンのほか、スマホやタブレット端末でもタッチ操作で自在に実際の店舗内を散策し、「麻布かりんと」「パティスリーキハチ」など20の店舗が扱う約200商品が購入できる。大丸東京店は以前からスイーツのネット通販を手がけていたが、昨年9月のバーチャルショップ開設で、9~12月の売り上げは前年同期比で約6割も増えた。
大丸東京店の広報担当者は「ただ商品を並べた従来のネット通販とは違い、ユーザーが複数の売り場に移動してくれるため滞在時間が延びた」と満足げ。今後は、大丸東京店内の別の売り場でも、パノプラザを利用したバーチャルショップを“開店”する計画だという。
■「iBooks」を通販の導線に
サービス開始から半年。現在、パノプラザの顧客は5社にとどまる。「ウェブ構築に加え、『商品をきれいに陳列した店内を鮮明に再現したい』と、魚眼レンズなど専用機材を使う高画質撮影にも対応しているため、展示会運営会社や不動産業界など、潜在的顧客まで回り切れていない」(青木)というのが実情だ。そのカディンチェが、なぜシンガポールにいたのか。
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