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平成十九年七月三日提出
質問第四七八号

提出者  辻元清美




安倍首相の「強制性」に対する認識と、政府の「河野官房長官談話」についての認識、およびオランダ下院議長からの書簡に関する質問主意書


一 《河野談話に対する認識》について
 1 いわゆる「河野官房長官談話」について「同日(一九九三年八月四日)の調査結果の発表までに政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」と答弁しているが、政府は、河野官房長官談話が「軍や官憲によるいわゆる強制連行」を認めていない、とする認識か。
 2 現在、「河野官房長官談話」を「継承している」立場をとる政府は、「軍や官憲によるいわゆる強制連行」を認めないという立場か。
二 安倍首相は、今の段階で、軍が関与した慰安婦を集めるにあたっての強制性には「狭義」と「広義」の違いがある、という見解を維持しているのか。
三 《オランダ下院議長からの書簡》について
 1 安倍首相は、同書簡が送られたという事実、およびその内容について承知しているか。
 2 同書簡に対し、誰が、どのように返答したのか。政府は詳細を示されたい。
 3 同書簡に返答するにあたり、オランダ政府戦争犯罪調査局が作成し、バタビア臨時軍法会議に証拠資料として提出され、採用された「マゲラン事件宣誓証人調書/オランダ・バタビア臨時軍法会議書類番号23126」およびオランダ政府戦争犯罪調査局が作成し、極東国際軍事裁判に証拠書類として提出され、採用された「マゲラン事件宣誓証人調書/オランダ・バタビア臨時軍法会議書類番号7868」について、「日本軍によって、女性が、その意志に反して、買春を強制されたことをはっきりと明示した歴史文書」として明示したか。していないのであれば、早急に明示すべきと考えるが、安倍首相の見解を示されたい。
 4 同書簡に返答するにあたり、軍が関与した慰安婦を集めるにあたっての強制性には「狭義」と「広義」の違いがある、という見解を示したのか。政府は詳細を示されたい。
 5 同広告では「規律違反の例」として取り上げられているスマラン事件について、政府はこの事件そのものがあったという事実は認めるか。それとも事件そのものがなかったとする立場か。また、この点について同書簡への返信でどのような姿勢を示したか。政府は詳細を示されたい。
 6 同広告では「規律違反の例」として取り上げられているスマラン事件について、政府は旧日本軍による強制連行があったことは認めるか。それとも「規律違反」であって旧日本軍による強制連行とは認めないという立場か。また、この点について同書簡への返信でどのような姿勢を示したか。政府は詳細を示されたい。
 7 同広告では軍部諒解等の名義を利用して「女性をその意志に反して強制して働かせることのないよう民間業者に対して警告している文書が多数発見された」とあるが、こうした事実があることを政府は認めるか。また「支那事変地に於ける慰安所設置の為、内地に於て之が従業婦等を募集するに当り、故らに軍部諒解等の名義を利用し、為に軍の威信を傷つけ、且つ一般民の誤解を招く虞あるもの、或は従軍記者、慰問者等を介して不統制に募集し社会問題を惹起する虞あるもの、或は募集に任ずる者の人選適切を欠き、為に募集の方法、誘拐に類し警察当局に検挙取調を受くるものある等、注意を要するもの少なからざる」とあるように、多数の警告が必要になるほど「女性をその意志に反して強制して働かせること」が頻繁に起きていたと考えるか。それとも、こうした警告がなされたことをもって、「女性をその意志に反して強制して働かせること」はいっさいなかったと考えるか。政府の認識を示されたい。また、この点について同書簡への返信でどのような姿勢を示したか。政府は詳細を示されたい。
四 二〇〇七年七月三日現在の政治的判断として、いわゆる「河野官房長官談話」を閣議決定すべきと考えるが、あらためて政府の見解を示されたい。すべきでないと判断するのであれば、その根拠を示されたい。


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