石川のニュース 【1月8日03時37分更新】

ドクターフィッシュ繁殖に成功 のとじま水族館 体験展示拡大へ

水槽に手を入れてガラ・ルファの「マッサージ」を体験する来館者=七尾市ののとじま臨海公園水族館
 七尾市ののとじま臨海公園水族館は7日までに、「ドクターフィッシュ」の愛称で知ら れる西アジア原産の魚「ガラ・ルファ」の繁殖に成功した。来館者が手を水槽に入れると 「掃除」してくれる人気の魚で、同館での繁殖は初めてとなる。現在は約200匹の稚魚 が育っており、将来的には展示スペースを拡大して誘客の目玉の一つにしたい考えだ。

 ガラ・ルファは、トルコの温泉などに生息するコイ科の淡水魚。コケや微生物のほか、 人の皮膚の古くなった角質をつついて食べる習性があり、トルコなどでは皮膚病の治療に 使うという。国内でも箱根で、入浴者の肌を「マッサージ」するとして、温泉や足湯で人 気を集めている。

 のとじま臨海公園水族館では、業者から購入した成魚を2005(平成17)年8月か ら展示してきた。ただ、水の汚れなどで死ぬ場合もあり、そのたびに成魚を購入してきた 。

 このため、展示・海洋動物科長の池口新一郎学芸員が昨年から、繁殖のノウハウを持つ 神奈川県の新江ノ島水族館から技術を学び、繁殖成功にこぎ着けた。全国的には3〜4件 の繁殖例があるという。

 自然界のガラ・ルファは、繁殖のために温泉から水温の低い河川に移動する習性がある ことから、水温調整に工夫を加えたところ、12匹の成魚がいた飼育水槽に昨年7月、体 長2〜3ミリの幼魚1匹が初めて確認できた。

 それ以来、順調にふ化が続き、現在は体長2〜4センチの稚魚約200匹が生育してい る。池口学芸員は「繁殖を進めて大きな水槽で展示し、来館者に喜んでもらいたい」と話 している。


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