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2ちゃんねる “責任”はどこまで
12月21日 4時18分

2ちゃんねる “責任”はどこまで
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インターネットの掲示板「2ちゃんねる」で違法薬物の密売に関する書き込みを放置したとして20日、元の管理人が書類送検されたことを受けて、管理者側の責任を定めた新たなルール作りを求める声が上がる一方で、責任の追及は慎重に行われるべきだとする意見も出ています。

国内最大規模のインターネットの掲示板「2ちゃんねる」で、違法薬物の密売に関する書き込みを削除せずに放置して結果的に覚醒剤の密売事件を助長した疑いがあるとして、警視庁は掲示板を開設した西村博之元管理人(36)を20日、麻薬特例法違反のほう助の疑いで書類送検しました。
問題の覚醒剤の密売事件では、去年5月、密売を持ちかける書き込みをした55歳の男が逮捕されていますが、警視庁によりますと、男は「2ちゃんねるは違法薬物に関する書き込みが多く、消されることがないので取り引きがしやすいと思った。毎月100件くらいの密売をしていた」などと供述していたということです。
2ちゃんねるでは去年、警察庁の委託する団体が削除を依頼したにもかかわらず5000件余りの違法な書き込みが放置されていましたが、捜索が行われたあとのことし6月までの半年間にはおよそ170件まで減少し、自主的な削除が進んでいます。
違法な情報が書き込まれるケースは、複数の交流サイトやほかの掲示板でも相次いでいて、実際に薬物の取り引きに使われたケースも確認されていることから、管理者側の責任を定めた新たなルール作りを求める声も上がっています。元検事で、薬物犯罪の捜査に詳しい若狭勝弁護士は、「掲示板の運営者と書き込みをした人が見知らぬ者どうしであれば違法な書き込みを放置した行為を罪に問うのは困難なのではないか。きちんと手立てする必要がある」と話しています。
一方で、インターネットに関する法律問題に詳しい森亮二弁護士は、「管理者がすべての書き込みをチェックすることは難しい。匿名の掲示板だから違法な情報が投稿されるという意見もあるが、匿名性を制限すれば、内部告発や権力者への批判が難しくなることも考えられる」と管理者への責任追及は慎重に行われるべきだという考えを示しています。

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