シャープ株38年ぶり上昇率、財務懸念後退で買い戻し加速
12月18日(ブルームバーグ):シャープ 株が少なくとも38年ぶりの上昇率を記録している。財務悪化懸念の後退を背景に、空売りしていた投資家の買い戻しが加速しているとの見方が出ている。
株価 は午前に前日比24%高の372円まで買われた。ブルームバーグ・データで確認できる1974年9月以来で最大の日中上昇率で、高値も約5カ月ぶりの水準。午後2時47分現在は同29円(9.6%)高の330円と、11月28日終値の2倍強で推移し、売買代金は国内株で首位。
日本証券金融のデータ によると、17日の貸株残は過去最高の5186万株に対し、融資残は913万株。日証金は13日付で貸借取引に関する注意喚起を行ったが、さらに過熱した形。株価は米クアルコムによる出資発表を受け7日に200円を突破。10日夜に読売新聞電子版が追加融資を3行が検討中と報じた後、上げ続けてきた。
立花証券の大牧実慶アナリストは、18日はポジティブな新規材料は見当たらないものの「過去数日間で株価が戻ったので、空売りしていた投資家が買い戻しに動いているのではないか」と述べている。
エース経済研究所の安田秀樹アナリストは上昇の背景として「クアルコムからの出資や追加融資報道を受け、投資家は倒産リスクが緩和されたとみている」と指摘。「円安により経営環境が良くなる」との見方も強材料だとしている。
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更新日時: 2012/12/18 14:52 JST