揚げ足取りが大好きな人たち

スポンサーリンク
2012/12/21


最近よく引用させていただいている駒崎さんのツイートより。

揚げ足取りが大好きな人たち

本数にノルマがあったなど、AFP通信の記者なりの事情があったのかもしれませんが、確かにこの記事は「揚げ足取り」に見えます。

【12月18日 AFP】近く次期首相となる自民党の安倍晋三(Shinzo Abe)総裁(58)は18日、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領との電話会談後、実業家らに対し、電話で「ブッシュ大統領」と会話したと間違えて語った。

 衆院選の自民党大勝後、間もないタイミング行ったスピーチでの出来事だった。記者や実業家らがくすくすと笑い出したため、安倍氏は間違いに気付いてすぐに訂正した。

安倍氏、オバマ氏を「ブッシュ大統領」と呼ぶ 経団連との会合で 国際ニュース : AFPBB News

なんというか、まぁどうでもいい話です。言い間違いは誰だってするでしょう。が、世の中にはこういう話をもって「首相としてあってはならない間違い」「現状認識が甘い証拠だ」「だから安倍はダメなんだ」とか断罪する人たちがいるのも確かなんですよね。


この手の非難を繰り出す無謬主義者たちは、相手のわずかなミスを自分の都合のよいように解釈し、持論を展開します。あくまでミスは発言のきっかけにすぎません。「一言いってやりたい」と思いつづけて相手を観察し、いざボロが出たらここぞとばかりに叩くわけですね。まったく生産的ではありません。

僕は彼らを軽蔑するわけですが、とはいえ、自分もこの人間心理から完全に逃れることができているわけでもありません。自分の嫌いな人がミスしたら、つい「だからあいつはダメなんだ」とあげつらいたくなるものです。


が、そういう非生産的な叩きを繰り返していては、まさに今の日本の政治のように、誰もが完ぺきだと思える人物が登場するまで、失望を繰り返していく羽目にはります。

前の社長は世襲でだめだった、今回の社長は部外者だからだめだった、さて、次の社長のお手並み拝見、みたいな。誰だって失敗はしますから、彼らは永遠に「お手並み拝見」を続けることになるでしょう。

そうして彼らは自分の「賢さ」を維持しつづけ、社会に絶望していくのです。失敗を忌避する彼らは、決して自らリスクを取ることはありません。


まずは「人間なんだから誰だって失敗する」という前提をもって、人を評価し、コミュニケーションを取るべきでしょう。瞬間的な感情に流されると、「誰だってミスをする」という当たり前のことも見落としてしまうものです。ここは一段踏ん張って、本能を超克しましょう。


関連本。タイトルだけで大変共感。「ポジ出し」はいいことばです。