最終更新: 2012/12/21 02:05

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青森・東通原発断層評価 近海の海底断層についても活断層の懸念

青森県の東通原発の敷地内にある断層について、原子力規制委員会の調査団は、活断層の可能性が高いとの見解で一致した。
東通原発がある下北半島には、ほかにも核関連施設が集中しているが、この近海にある海底断層についても、活断層の懸念が指摘されており、日本の原発政策が大きな見直しを迫られる可能性も指摘されている。
20日、原子力規制委員会は評価会合を行った。
会見で、専修大の熊木洋太教授は「活断層があるっていうことが否定できない」と話した。
東大地震研の佐藤 比呂志教授は「活断層だと判断しております」と語った。
千葉大の金田 平太郎准教授は「ここに活断層があって、おそらくここに地表の変位をもたらすということは、マグニチュード7を超えるような地震があると思います」と話した。
原子力規制委員会は、青森県の東通原発の断層について、活断層の可能性が高いとの見解をまとめた。
原子力規制委員会の島崎邦彦委員長代理は「活断層でないというような主張は、到底受け入れ難いという。これでも、まだ活断層ではないと、東北電力さんが言われるのであれば、ぜひその説明をわたしたちも聞きたいし、いろいろ質問したいと思っております」と話した。
今回、活断層の可能性が示されたのは、「F-3」と「F-9」断層。
原子炉建屋直下ではないものの、それぞれ建屋から200メートルと400メートルしか離れていない。
会合に出席した専門家は、海側が隆起している地形や、ほかの活断層との比較などから、活断層と認定した。
さらに粟田泰夫委員は、原発敷地内には、今回調査した以外の断層も、活断層の可能性があると指摘した。
産業技術総合研究所の粟田泰夫主任研究員は「こういったものはおそらく、そのひと続き。一連の断層系というふうに解釈するのが妥当」と話した。
原子力規制委員会は、26日に再び評価会合を行い、東北電力からの考えを聞いたうえで、最終的な判断を下す。
東北電力は「われわれは、活動性はないということで考えております」と話している。
原子力規制委員会の島崎邦彦委員長代理は「(東北電力が)少なくとも考え方を改めていただかないかぎりは、同じ土俵に乗れないと思っておりますけれども」と語った。
建屋などの耐震性の見直しを迫られることになり、当面再稼働ができなくなる中、東北電力の経営と電気料金にも影響が及ぶものとみられる。
東通村の越善靖夫村長は「今の段階では、何もまだ申し上げる段階ではございませんので」と述べた。
村民は「早くね、再稼働してもらいたいっていうのが、ほとんどだと思う。全然もう、客の入りが違うもんね。本当に死活問題です」、「結局なくした方が、小さい子のためには、いいと思うんですけど」などと話した。
東通原発以外にも、六ケ所村の核燃料再処理工場や建設中の大間原発などがある下北半島。
東洋大学の渡辺満久教授は、下北半島に原子力施設を設置するのは、地質的に危険であると指摘する。
渡辺教授は「事業者さんも旧保安院も、南は活断層であると。それから、北の方も活断層であるということを認めているんですが、真ん中の黄色い部分は、活断層ではないというふうに主張しているところですね」と話した。
下北半島の太平洋沖にある大陸棚外縁断層。
この南北100kmにわたる海底断層が活動すれば、マグニチュード8クラスの大地震を引き起こすとされる。
渡辺教授は「(活断層の可能性が指摘されている東通原発と大陸棚外縁断層との関連は?)大陸棚外縁断層が動いたときに、その土地が隆起して、隆起するときに、ちょっとおつきあいで動くものが入っていると思います。そこ(下北半島)の地盤の話をするときに、海底の大陸棚外縁断層を考えないというのは、あり得ない話です」と話した。
渡辺教授はこれまでに、六ケ所村の再処理工場付近の地層も調査した。
工場近くに見られる地面のゆがみを起こした原因として、活断層の存在を指摘し、この活断層が大陸棚外縁断層の枝分かれ部分であると学会に発表した。
これに対し、再処理工場を運営する日本原燃などは「海水の浸食によるもの」と主張していたという。
渡辺教授は「これずっと、僕ら質問しているんですけど、こういう階段状のこれですね。これ見えないと、誰が見ても見えないんですよ。とにかく『ない』と言うだけで、なぜ『ない』と言えるのかという質問に対しては、答えが返ってこないです」と話した。
しかし、断層の見直しが相次いでいることから、11月末に日本原燃と東北電力などは、大陸棚外縁断層の再調査を決定した。
2013年秋までに結果をまとめる意向を示している。
渡辺教授は「きちっと調査をやって、安全性が確認されたのであれば、再稼働してもわたしは構わないと思っているわけですね。安全性を無視した審査がずっと続いてきているわけで、それが問題の根幹である」と話した。
はたして、原子力規制委員会の見解を、事業者と国はどう判断するのか。
安全性を優先した判断が、今求められている。

(12/21 00:25)


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