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2012年12月20日10時49分

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とことんインタビュー 民主党の懺悔〈下〉

:選挙事務所でインタビューに答える斎藤恭紀さん=仙台市泉区拡大選挙事務所でインタビューに答える斎藤恭紀さん=仙台市泉区

 ――かつてテレビで活躍した気象予報士だった。1年前、離党直後の心境を「土砂降りのち晴れ」と表現したが、今はどうか。

 「3年前のマニフェストの理念を掲げて戦って悔いはない。さわやかだ。ぶれずに……」

 ――天気で例えてほしい。

 「自分は晴れ晴れだったけど、有権者は冷え冷え。低温注意報だったなあ」

 ――一番きつかった有権者からの言葉は。

 「『なんでそんなに党をコロコロ変えるのか』と。思いが伝わらなかった」

 ――民主党がだめになったきっかけをどう思うか。

 「菅直人(元首相)だよ。鳩山由紀夫さん、小沢一郎さんが政権幹部の時は、忠実にマニフェストを守ろうとした。菅政権はマニフェストにない増税を持ち出し、TPP(環太平洋経済連携協定)を掲げた。有権者との約束がビリビリ破られた」

 ――消費増税が悪いと。

 「党の存在意義が崩壊しちゃった」

 ――マニフェスト違反もそうだが、有権者をあきれさせた原因は党内抗争だ。

 「『約束を守ろう』と必死で訴える議論だったが、権力争いと見られた」

 ――東日本大震災から3カ月後、菅内閣の不信任騒動があった。

 「賛成票を投じるつもりだった。有権者の負託と正反対に向かっていた」

 ――ただ、被災地では評判が悪かったと思う。

 「おっしゃる通り」

 ――振り返って反省は。

 「正しいことをやっていたと思う。地球より重い公約を守ろうとした小沢グループを切り捨てる菅さんのやり方に、違和感があった」

 ――最初の離党組だ。

 「民主党の暴走にくさびを打ちたかった」

 ――党に残った方が暴走を止められたのでは。

 「あまり思わないなあ」

 ――あなた個人の信条で離党して心地良かったかもしれないが、政治家としてピュアすぎる。その純粋さが政治不信を招いた。自覚はあるか。

 「それはある。党を辞め、きづな、生活、未来へと党がコロコロ変わった。だが、あまりにも考えを曲げたり、発言を撤回したりする行動がはびこるから政治不信につながると思う」

 ――いや、逆だ。政党政治への不信感を募らせた。

 「それも確か。有権者からみれば会社を辞めるとか、上司に刃向かう行為自体、『その議員は人としてどうか』となるからね」

 ――離党しても結局、「だめな民主党の仲間」と見られたのではないか。

 「それはあった。自分たちも民主党の3年半の審判を受ける対象だった。3年前のマニフェストを訴えたが、『できなかったじゃないか』と批判を浴びた」

 ――政治家引退か。

 「3年前のマニフェストがいいと思った。だが、だめだと審判され、政治家の役回りとして、ほとんど終わった感じがしなくもない。そこが今の迷い。政治家になるためだけに、人気がある政党から立候補しようとは思わない」(聞き手・平間真太郎、蔵前勝久)

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