自民党の安倍晋三総裁が再び日本の総理大臣になることが決まった。自民党は歴史的な大勝利を飾り、逆に与党だった民主党は過去に類例のない規模の大きな敗北を喫した。
だが勝者の安倍氏に対し、早くも「右翼」「右傾化」「タカ派」といったレッテル張りの言葉がぶつけられている。日本の領土を奪取しようという中国や韓国は安倍政権が「右傾化」していると声高に非難し、日本国内でも朝日新聞など反安倍陣営からの同様の攻撃が頻繁である。米国の一部にも似た動きがある。
しかし、「右傾化」とはそもそもなんなのか。ひょっとしてなんの実質的な意味のない、ののしり言葉ではないのか。そんなことを感じさせる意見が、米国の知日派、アジア専門家によって表明された。
「日本は真ん中へ向かおうとしているだけ」
日本の総選挙投票日の6日前、12月10日、大手研究機関のヘリテージ財団が討論会を主催した。「韓国と日本の選挙を評価する」と題された一種のシンポジウムである。この場で次のような発言が出た。
「安倍政権誕生となると、北京の論客たちはあらゆる機会を捉えて『日本はいまや右傾化する危険な国家だ』と非難し続けるでしょう。しかし『右傾化』というのが、防衛費を増し、米国とのより有効な防衛協力を阻害する“集団的自衛権の行使禁止”のような旧態の規制を排することを意味するのなら、私たちは大賛成です」
ブッシュ前政権の国家安全保障会議でアジア上級部長を務めたマイケル・グリーン氏が淡々と語ったのである。
この時点で、日本側の各種世論調査によって安倍氏の率いる自民党が大勝利を収めるという見通しは確実となっており、もし安倍政権が再登場したらという前提で討論は進んだ。
米国中央情報局(CIA)で長年、朝鮮半島アナリストを務め、現在はヘリテージ財団の北東アジア専門の上級研究員であるブルース・クリングナー氏も、「右傾化」という言葉の虚構をこう指摘した。
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