母ちゃんのために世界一の息子になる! 大みそかにWBC世界スーパーフライ級王者佐藤洋太(協栄)に挑戦する赤穂亮(26)=横浜光=が母に勝利を誓った。少年時代、けんかに明け暮れ、手の付けられないワルだった赤穂。散々泣かした母に、世界ベルトをささげるつもりだ。
少年時代の赤穂は相当なヤンチャだった。学校には行かず、バイクを乗り回し、けんかに明け暮れた。「けんかは記憶が飛んだら負け。柔道部のデカいヤツに1回だけのされた。でも、祭りでバッタリ会って仕返ししました」と赤穂は豪快に笑う。
こんな調子だから親も大変。「相手にけがをさせて、親同伴で向こうの親に謝りに行ったり、学校から呼び出し食らうのは日常茶飯事」。呼び出しがない平和な日がしばらく続き「最近学校から電話がないけど、何もやってないの?」と、母・多美江さん(50)が怪しんだ翌日に呼び出しを受けたこともある。
「人殺しだけはしないで」と多美江さんに懇願されたらしいが、高校2年のある日学校から呼び出され、校長先生から「われわれの力不足で面倒見切れません」と退学を勧告された。ボクサーを志すために栃木から上京。もともとは母親側の姓を名乗っていたが、両親の離婚後、父親側の赤穂を名乗るようになった。
「退学を宣告された時『俺もなかなかやるじゃん』って思った。でも、母は俺の横で泣いていた。それを見て、心が痛んだ。上京するとき『ボクシング、しっかりやれ』って、母は言ってくれた。東洋タイトルを取って、少しは親孝行ができたけど。今度は世界を取りたい。散々泣かせたけど、世界一の息子になりたい」
栃木の元ワルは、母のことを「多美江」と名前で呼ぶ。世界ベルトを手にしたら、リング上から「多美江、やったぞ!」と叫ぶつもりでいる。 (竹下陽二)
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