日銀は20日開いた金融政策決定会合で、追加の金融緩和策を全員一致で決めた。国債などを買い入れる基金を10兆円程度増額し、101兆円とする。先の衆院選で自民党が公約に掲げた「物価上昇率目標」の導入を検討することも決定。2013年1月の次回会合までに具体案を詰める。政権交代後の自民党政権との「政策協定」に盛り込む方向だ。
日銀が追加緩和に踏み切るのは2カ月連続の追加緩和を決めた10月以来、2カ月ぶり。9月からの4カ月間で3回目となる。国内景気の下振れリスクが高まるなか、早期のデフレ脱却への姿勢を明確にする狙いがある。白川方明総裁が同日、記者会見し、政策決定の背景や理由を説明する。
追加緩和は、市場から国債などを買い入れる基金の規模を10兆円程度増額し、101兆円程度とする。内訳は長期国債と短期国債の購入枠をそれぞれ5兆円ずつ増やす。政策金利は0~0.1%とする事実上のゼロ金利政策を維持した。
会合後の公表文では景気見通しについて「日本経済は一段と弱含んでおり、当面そうした動きが続くとみられる」と表現を下方修正。「持続的な成長経路に復していく軌道を踏み外さないようにするため、金融緩和を一段と強化することが適当と判断した」とした。
物価目標については公表文で「中長期的な物価の安定について検討を行うこととし、必要な論点を整理し、次回の会合で報告するよう執行部に指示した」と明記した。
日銀は現在、消費者物価指数の上昇率で前年比1%を当面の「めど」と位置付けているが、自民党の安倍晋三総裁は同2%を「目標」とするよう求めていた。10月末に民主党政権との間で策定した「共同文書」を、物価目標などを盛り込んだ「政策協定」に格上げし、物価目標の考え方も盛り込む方向だ。
日銀による民間銀行の貸出増加支援制度の詳細も決めた。融資残高を増やした銀行に、増加分と同額の低利融資を四半期に1度、合計5回実施する。1回目の供給は13年6月ごろとした。海外向けの外貨建て融資も含めた幅広い融資を対象に支援する。
13年2月1日を期限としていた日米欧の中央銀行間の外貨の通貨交換(スワップ)協定を1年間延長することも正式決定した。
会合では石田浩二委員が、日銀準備預金に付く金利をゼロに引き下げることを提案したが、反対多数で否決された。
日銀、白川方明、安倍晋三、石田浩二
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