80 年代の Habib の流行歌が、海を越え、世紀を超え、言語を超えて、なぜ今また注目を浴びるようになったのでしょうか?Hatten är din にハマった世界中の Web サーファーが、その歌をより深く知りたがっています。
「Hatten ar din って 何語 ですか?」
「いったい、指をさされている お爺さんは、何者ですか?」
「気が付くと Hatten ar din を 口ずさんで いました。」
このサイトは、Hatten ar din の奥深さと、ナンセンスさについて伝える日本語で書かれたサイトです。そして、ジョークです。
解答
何語= スウェーデン語
白髭= Zlatan(ズラタン)さん
あなたは、もう Hatten ar din ムービーを見ましたか?これは世界中のお茶の間を少しにぎわせた、近年にない World Wide な流行です。これは Flash ムービーです。まだ見ていないなら、すぐに見ましょう。聞きましょう。
これまでに無いエキゾチックな感動と興奮が、同時に押し寄せてきた方は、次節以降もごらん下さい。より Hatten ar din の奥深くへご案内致します。
Hatten ar din を聴いたあなたは、歌が麻薬的に耳に残ることでしょう。何度もムービーを見ていますと、そのうち、おじいさんが迫ってきたり、指さされていたり、ハムが出てきたりといったことに、あなたは疑問を持ち始めます。やがて hatten = ハット = 帽子であるということに気づく頃には、あなたはもう Hatten ar din にハマっています。あなたは歌詞の意味が知りたくてたまらない!
これほど言語圏を問わず広く知られたのに、ムービー中の字幕に表示される歌詞の意味は、あまり紹介されていません。だから、われこそが翻訳してみようと思い立った人も多いでしょう。しかし、お金を出して翻訳を依頼をしたり、またスウェーデン辞書を買ってきて自力で翻訳しようと試みた方もおられるかもしれませんが、たいがい途中で挫折します。そう、まともな歌詞ではないのです。Hatten ar din の場合、歌詞を追うことにあまり意味はありません。
とは言うものの、誰しも自分の母国語での翻訳版が欲しいところです。あなたが時間を浪費しなくてもよいように、私が訳しました。
「Hatten ar din (帽子はあんたのもの)」 |
ラララ〜 |
とても異国情緒あふれる歌ですね。
さて、歌詞を読んで、いかがでしたか?スウェーデン語を母国語としない人は、自分のランゲージに Hatten ar din を翻訳しようとするのですが、翻訳した後の歌詞を読みあげても、ほとんど意味が通じません。どんなに優れた翻訳家でもとりわけ後半部分がうまく訳せないのです。あなたも、頭の上に?マークが3つほどついているでしょう。
幸いにも、この理解を助ける伝統的なエピソードが多々紹介されています。日本語で書かれたものが存在しないのが残念ですが、できるだけ原型の雰囲気を伝えられるように努めて、ご紹介します。Hatten ar din の Flash ムービーと併せながら、ごらん下さい。
陽気で楽しく、昔ながらの伝統的なパーティーは今始まりました。
アラブ音楽が流れ始めると、みな、音楽に合わせ、
「ラララ〜」とぐるぐる回りながら踊り始めます。
まず、長老が帽子をつかみ、それを、一番酔った人にかぶせるのです。誰がかぶることになるのかな? アイツかな?コイツかな?
おっ、アイツを見てみろよ。あの真っ赤な顔ったらないぜ!あいつの勝ちだよ、だって変すぎるぜ。
長老は、これぞと思った人に、帽子をかぶせます。そして、みなその人を指差して、
「Hatten ar din! (帽子はあんたのもの!)」
「Hatt-baby.(やーい、帽子かぶり)」と、口々に叫びます。帽子をかぶった人は、
「Hatten ar min! (帽子はおれんだぜ!)」と叫びます。パーティーはどんどん陽気になります。
なんだか、楽しいパーティーですね。お酒が進みそうです。帽子をかぶった人が指をさされたり、帽子がパーティー・メンバーの間を移動する理由が、ここにありました。
いっけん意味不明の歌詞に見えた Hatten ar din も、こうして伝統的エピソードと併せてみれば、意外と親しみ深いものとなりました。しかし、コーラが、どう関係しているのでしょう? ハムは何の意味がありますか? もっと根本的な大きな謎も残っています。ますます気になります。Hatten ar din。
第 1 章の残りは執筆中です、ごめんなさい。でも、全部書いてしまうと、逆につまらなくなるような気も・・・。
Hatten ar din は幾人かの日本人により翻訳され、日本中に転載されています。翻訳者によって全然違った訳になっているところが、海を越えることの難しさを物語っています。それらをご紹介しましょう。
「あいつの帽子」(Hatten ar din) |
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これは、帽子をメインテーマとしたポエム調に仕上がっています。たいへん素敵です。主人公は、もう妻子を持っているのですが、あいつの帽子を見ることで、昔あいつと過ごした甘くて長い時間が、懐かしげに想いおこされています。きっと、熱い友情で結ばれていたのでしょうね。
和訳の過程は、わかる範囲で部分的に原文を取り出して、それを作者の感性のままに、ポエム調につなげています。だからこれは訳ではなくて、創作です。たとえば din は 2人称ですので、どうしても「あいつの帽子」とはならないし、冒頭の「あいつのお気に入りだったもの」に至っては、原文のどこからもひねり出せません。作者自信も「本気にすんなよ」とコメントしています。
しかしこの詩に至っては、そんなことはどうでもよいのです。これが、Hatten = ハッテン という意図を持って描かれ、そして多くの人の心をうつことが出来た詩として、人々の心に記憶されるでしょう。
あいつの帽子が似合うのは あいつだけ...
ラーララーララララーラーララ… |
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これはおったまげました。イカレた詩に見えますが、これは原文にほとんど忠実に描かれています。訳者としては興奮せずにはいられません。冒頭の「Vinna kinky roligt」が大変難文なのですが、この作者はなんとこれを
「イカレポンチになるために」
と訳してしまいました! Vinna (ヴィンナ)は、英語の Win(ウィン・勝つ)となり、これをどう意訳するかが求められます。kinky は、ねじれている、性格が異常である、という意味で、roligt はこっけいでおかしい様を表しています。この3つの単語は、どう繋ごうとも繋ぎがたいものなのですが、こっけいな異常者を「イカレポンチ」と訳し、勝つを「〜になる」と訳しています。この冒頭の訳は改心の出来栄えであり、作者のセンスをあらわしていると、私は感じています。
訳文の全体を見た印象ですが、作者はおそらく、スウェーデン語を直接訳さずに、英語で書かれた英訳バージョンをもとに、この和訳を書き上げたのでしょう。英訳バージョンは少し原文から離れたところがあり、これをさらに和訳すると、無理が生じます。きっと作者も「こいつはえらい時間潰しだ」「そして世界は完全になる」などで、ただでさえ文脈のつながらない英訳文を訳すのに苦労したことでしょう。並々ならぬ努力とセンスで日本訳している様子を感じ取ることが出来ます。
この作者が、Hatten ar din の伝統的エピソードについて触れる機会があったならば、Vinna (勝つ)の意味が、「〜になる」ではなくて、「帽子遊びに勝つ」という意味で、異常者が「酔った人間」だと直感し、もっと Flash ムービーの雰囲気に近い詩になったかもしれません。
帽子は絶対におまえのだ、おまえのだぞ!
「Hatten ar din (八犬伝(飲み屋)」 |
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これは何ともコメントし難い詩でございます…
誰もが Hatten を帽子だと信じて疑わない中、この訳者は、Hatten ar din を「八犬伝」からの派生語だと解釈してしまいました!詩の内容は見てのとおり、芸能や日常など、飲みの席で語られる他愛のない話題で占められています。
よくよく見れば私の訳文と全体的に酷似しているのはなぜでしょうか。比較してみると、なぜだか笑えます。
私の訳 |
八犬伝バージョン |
ソーダを手にした、クールなアイツ。 |
ペプシのおまけに負けず,味でコーラを選んだ、クールなアイツ。 |
そう、「帽子はあんたのもの。」 |
そう、「俺のものは俺のもの。」 |
ジャイアニズムまで持ち出した支離滅裂な改変が行われていますが、「肉の塊にラー油をこそっと塗ってみなよ。」というのは、肉に接着剤をつけるより、よほど自然な気がします。これなら食べれそうですし、お酒も進みそうです。
Hatten ar din (八犬伝!)
Hatt-baby (飲み放題!)
「Hatten ar din (駄スレはあんたのもの!)」 |
申し訳ございませんが、コメント不能です。せっかく教えていただいたのですが、私の理解を大きく超えております。
やーい、悲惨な>>1野郎!
■ あとがき
いかがでしたでしょうか?もしご意見・ご感想などございましたら、下のフォームにご投書くだされば、参考にさせていただきます。それではよいサーフィンを!
2001/05/24 ミケネコ研究所
よろしければ、ネットカルチャー研究第2弾「解説(・∀・)小麦ちゃんねる」も続けてごらん下さい。
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