*転載情報
Tです。
大阪市側は橋下市長が面談しないばかりか、やむを得ず代理を
たてるなら秘書部長をとの要求にも応じず、出てきたのは、
いつも私達に対応している政策秘書課課長でした。
(橋下市長と直接話す機会はほとんどない立場の人です。)
「市長は会わないと言っている、理由はわからない」と繰り
返すばかりで、「つまり無視したということですね?」との
問いには、「そういうことになるでしょうね」と返答。
吉見さんは抗議文を読み上げ、「これに対して文書での回答と
公開の場での謝罪を求める。私のところに来て謝罪するのが
筋であろうと考える」と言われました。
胸のすくようなすばらしい抗議文を下に貼り付けますので、
ぜひお読みください。
また、橋下市長は面談には応じないで、当日の記者会見で
メディアを相手に反論するという彼の常套手段を用いました。
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2012年10月23日
大阪市長 橋下徹様
中央大学 吉見義明
今年8月24日のいわゆる囲み取材において、あなたは日本軍「慰安婦」問題に言
及し、「吉見さんという方ですか、あの方が強制連行の事実というところまでは
認められないという発言があったりとか」と述べていますが、これは明白な事実
誤認であり、私の人格を否定し、名誉を棄損するものです。この発言を撤回し、
謝罪することを要求します。
私は、1991年末から日本軍「慰安婦」問題の研究をはじめ、これまでに、『従
軍慰安婦』(岩波書店・1995年)、『「従軍慰安婦」をめぐる30のウソと真実』
(共著・大月書店・1997年)、『ここまでわかった! 日本軍「慰安婦」制度』
(共著・かもがわ出版・2007年)、『日本軍「慰安婦」制度とは何か』(岩波書
店・2010年)などで、日本軍「慰安婦」制度は軍が作り、維持し、拡大していっ
た性奴隷制度であり、被害者の女性たちは強制連行され、強制使役された、と述
べています。発言される前にこれらの著作を見ていれば、上記の発言が誤りであ
ることはすぐに分かったはずです。
あなたは、軍・官憲が暴行・脅迫を用いて連行する場合(軍・官憲による略取
の場合)以外は強制連行ではないとし、そのような連行はなかったと言っていま
すが、中国・東南アジアでは、このような連行は数多く確認されている、と私は
述べています。たとえば、インドネシアで起きたスマラン事件をあなたは否認す
るのでしょうか。
次に、日本・朝鮮・台湾から女性たちを、略取・誘拐・人身売買により海外に
連れて行くことは、当時においても犯罪でした(誘拐とは、ご承知のように、甘
言を用いたり、騙したりして連れて行くことです)。誘拐や人身売買も強制連行
である、と私は述べています。実際に誘拐や人身売買を行った者が業者であった
としても、軍・官憲がこれら業者を選定して女性たちを集めさせたのであり、ま
た、誘拐や人身売買であることが判明しても、軍は業者を逮捕せず、女性たちを
解放しなかったから、軍には重い責任がある、と私は述べています。
また、「慰安婦」制度は、女性たちの居住の自由、外出の自由、廃業の自由
(自由廃業)、拒否する自由がない軍の性奴隷制度であり、どのように連れて来
られたにせよ、女性たちは強制的に使役された、と私は述べています。
以上のような私の見解を検討せずに、私が「強制連行の事実というところまで
は認められない」といったと述べるのは、明白な事実誤認であるといわざるをえ
ず、強く抗議するとともに、発言の撤回と謝罪を要求する次第です。
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staff01.
Last modified on 2012-10-24 10:46:51
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