閣議:「まるでお通夜」 田中文科相ら閣僚8人落選
毎日新聞 2012年12月18日 11時28分(最終更新 12月18日 13時47分)
「政治主導」による霞が関改革を目指した民主党政権だが、この3年3カ月、官僚をリードするはずだった閣僚は頻繁に交代し、今回衆院選で現職閣僚8人が落選した。大敗後初の閣議後記者会見に臨んだ18日、厳しい審判を受けた閣僚からはさまざまな発言が出た。
北海道2区で落選した三井辨雄(わきお)厚生労働相は政治主導について「官僚の皆さんが動いてくれなければ、何でもできるわけではない。私は官僚の皆さんの意見を聞き、自分なりに咀嚼(そしゃく)しながら政治主導でやってきた」と強調した。ただ、党全体の取り組みとしては「難しかった」と苦言も。「私は(会社の)経営者だったが、社会経験ある人とない人の差と思う」と述べ、他省庁では政務三役によって成否に差があったとの認識を示した。
田中真紀子文部科学相=新潟5区=は同日朝の閣議を「お通夜みたいだった」と報告。「衆参ダブル選挙だったら課題も集約できた。『自爆テロ解散』で惨敗するだろうと思ったらその通りになった」と野田佳彦首相の判断を批判した。
敗因については「マニフェストに拘泥(こうでい)し生活者の目線を生かし切れなかった」と総括し、発足する自民党・安倍晋三政権については「教育行政が右寄りになる。心配している」と話した。
下地幹郎郵政・防災担当相=沖縄1区=も「結果を真摯(しんし)に受け止める」と話す一方で解散の時期に不満を漏らした。「普通は来年度予算案を編成した後に解散する。そうすれば、政権が責任を果たそうとしていると感じられたのでは」。自身の身の振り方については「次は勝ち抜いていきますから」と言葉に力を込めた。
消費増税の担当閣僚、城島光力財務相=神奈川10区=は「マニフェストが何も実現していないというイメージが強く、理解していただく時間も足りなかった」と敗因を分析した。【遠藤拓、石丸整、種市房子、工藤昭久】