衆院選:当選者アンケート 集団的自衛権「見直し」78% 9条改正「賛成」72%
毎日新聞 2012年12月18日 東京朝刊
毎日新聞は17日、衆院選の全候補者アンケートを基に、当選した新議員の回答を再集計した。集団的自衛権の行使を認めていない政府の憲法解釈について「見直すべきだ」と答えたのは370人で78%を占め、「見直す必要はない」(82人)の17%を大きく上回った。憲法9条改正についても、72%の342人が賛成。改憲の発議に必要な「衆参両院の3分の2」のうち、衆院側の条件を満たすことになる。
集団的自衛権の行使容認をめぐり、憲法解釈の見直し派は自民党の93%に達した。日本維新の会は回答者全員が「見直すべきだ」と答え、みんなの党も見直し派が83%を占めた。一方、自民と連立を組む予定の公明党は87%が反対。民主党は「見直す必要はない」45%で、「見直すべきだ」39%を上回った。
09年衆院選の当選者の回答をみると、集団的自衛権の憲法解釈を「見直す必要はない」が50%を占め、「見直すべきだ」の37%を上回っていた。9条改正も反対が51%と過半数で、賛成は34%。自民党が大勝した今回、新議員の志向は前回選挙と大きく変わっている。
自民党は衆院選の政権公約で集団的自衛権の行使を盛り込んだ。安倍晋三総裁は首相当時の07年、集団的自衛権の行使を容認するケースとして、公海上の米軍艦船の護衛など4類型を提示。新政権発足後、政府の検討が本格化するとみられる。
一方、9条改正を政党別にみると、自民が90%でトップで、維新84%、みんな78%と続いた。民主党は63%、公明党は90%がそれぞれ反対した。憲法改正は、91%にあたる429人が賛成。反対は32人、7%にとどまった。共産、社民両党は三つの設問全てに全回答者が反対した。
毎日新聞は11月16日の衆院解散後から候補予定者にアンケートを実施した。定数480人のうち、衆院選で当選した473人が回答し、回答率は98・5%。内訳は▽自民291人▽民主56人▽維新51人▽公明31人▽みんな18人▽未来9人▽共産8人▽社民2人▽国民新党、新党大地各1人▽無所属5人。【松尾良】