ここでは自分がやったPX-W3U2の設定について、備忘録兼ねて書いています。
内容としてはW3U2と記載してある文字を全てW3U3 、あるいはS3U2に置き換えていただければ、PX-W3U3、あるいはPX-S3U2の設定にもそのまま使えます。
その際ファイル名や定義体はそのままコピペできるようになっていますが、うっかり間違わないよう一旦テキストエディタにコピーして、「置換」でW3U2をW3U3 あるいはS3U2に変換してからコピペすると良いと思います。
またS3U2の場合、チューナー数は4個を2個など半分に読み換えてください。S0、S1、T0、T1のような部分もS0、T0分だけを実施すればOKです。
すぐに設定スタートしたいときはこちらへジャンプ
まずはあまり手間をかけたくない方には→こちらのクイックスタート・コースもあります。(Spinelを使わない設定です。PX-W3U3用になっていますが、他の機種でも使えます。)

(PX-W3U3も性能的に同等です。デザインの好みか、入手し易いほうで良いと思います。)
はじめに
このPX-W3U2に限りませんが、今出回っているTS抜きチューナーは、動かすだけだったら大して難しくはありません。
チューナーを正しく導入できていれば、TVTestのパッケージを適当なフォルダに置いてBonDriverというツールを入れ、あとはパラメーターやファイル名をちょっと調整すれば、視聴と簡単な録画はすぐにできるようになります。(裏もの解説本などでは、この段階までのガイドで終わってるものも多いです。)
また、予約録画はTVRockかEpgDataCap_Bon(EDCB)をその上に被せる形で導入していけば、思ったようにはなかなか動かないのですが、とりあえず形はできてきます。
この辺までなら、特にPX-W3U2のように実績のあるチューナーなら2ch専用スレもありますし、ネット上に各種ツールのガイドもありますので、やる気さえあればいろいろ試しながら、だんだんポイントもわかってくると思います。
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しかしネット上の情報は大抵、断片的だったり曖昧ですので、動くようになった段階で既に「何故そうなったかわからない」設定が沢山残ってしまいます。そのうち何かうまくいかないことが出てきますが、この状態では誰に聞いてもどうすれば良いのか判りません。いろいろ試行錯誤していくうちにソフト構成や設定もぐちゃぐちゃになっていきます。
私も今までこの手の機器はDY-UD200、PT2、OSはXP、Vista、7(32)、7(64)の順で何回もセットアップしましたが、ズボラなせいでろくにメモも残しておらず、後から弄るのもなにか不具合を起こしそうで、今から思うと機能を十分に使いこなせないままになっていました。本来はその辺を使いこなしてこそ、TS抜きチューナーの良さが生きてくるのですが。
その反省から今回は手順をBlogにメモしておきたいと思います。
なおW3U2を前提にしていますが、デバイスドライバーとツール及びBonDriver_PXの設定以外は機種に殆ど依存しませんので、SpinelやTVTest、TVRockの導入手順としてはW3PEやPT2等でも使えると思います。
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使い方の前提ですが、ある程度私の環境と同じという決め打ちで、以下のようにしています。
1)TVTestで視聴する。
2)TVRockで予約録画する。
3)PX-W3U2を(TVTest直接では使わず)Spinel配下とし、他のPCからもLAN経由で視聴・録画や連携ができるようにする。
4)BCASカード用にはUSBカードリーダを使用しても、内蔵カードリーダを使用しても良い。 (ここではUSBカードリーダを使う手順を説明しながら、内蔵カードリーダの手順を随時補足しています。)
5)地デジ、無料BSのほかに有料放送(BS&CS スカパーe2)も視聴する。
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1)はTS抜きでは普通ですね。2)はEDCBでも良いのですが、私の慣れだけの問題です。
3)は今回の主な動機です。これで家中のPCそれぞれにチューナーやアンテナケーブルを設置しなくても、有線/無線LANの届くところならどこでも、CS放送含めたTVが視聴できるようになります。古いPCやネットブックも自由にTVとして活用できますので、1台4チューナーのW3U2を存分に使い倒せます。
4)W3U2は内蔵カードリーダを持っていますが、私が導入した時点ではかなり制約がありましたので、私はUSBカードリーダを使うことにしました。導入トラブルをできるだけ避けたい方には、今でもトラブル要因が少なく、性能面でも信頼できますので、お勧めです。
ただ現在では、FakeWinSCard.dll というツールを使うことによって、内蔵カードリーダもUSBカードリーダと、ほぼ同等に使えるようになっています。(詳しい説明はこちらをご参照ください。)処理能力的にはUSBカードリーダの半分程度ですが、まずこれを使ってみて、(BCAS処理の負荷が高い)CSをSpinel経由で視聴される方でカクつきが出る場合は負荷を下げる方法を併用したり、もしスクランブル解除失敗がたまに出るようなら改めてUSBカードリーダを購入して使う、という形でも良いと思います。
または、W3U2 1台だけで有料放送も当分観ない、という方であれば、最も簡単確実に内蔵カードリーダを使う*補足1の方法もあります。PCの負荷も軽いですので、ts抜きが初めての方や、非力なマシン環境の方にお勧めできます。
USBカードリーダを使う場合、安売りしているものにはWindows7(64) で使えないものもありますので、入手するときは仕様を確認してください。ご参考までに、以下は64bit対応カードリーダの例です。(私は左を使っています。右も使用例多数です。)
なお、BCAS騒ぎの余波で、以下のリーダも暫く価格が高騰したり納期未定となったりを繰り返していました。W3Ux、S3Uxとも内蔵リーダが十分安定して使えますのであまり大きな問題にはならないのですが、今は値段も供給状況もだいぶ落ち着いてきましたので、2千円前後であれば入手しておけば、より安心感はあると思います。


ちなみに導入全般で、今回私が導入したマシンのOSはWindows7(32)、およびWindows7(64)ですがXPやVistaでも手順は特に変わりません。64bit版の7やVistaの場合も、BDAドライバーを64bit版にするだけで、あとは同じものを同じ手順で導入します。(現状64bit版のTVTest等も存在しますが、敢えて使う意味はありません。)
それでは必要なソフトウェアを揃えるところから、手順を説明していきます。
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1.各種ソフトウェアのダウンロード
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0)各種ソフトウェアの概要
必要なソフトウェアと、その簡単な説明です。これらをダウンロードするためのフォルダをそれぞれ作っておきます。ここに入れた各ソフトウェアは、解凍後マスターとして編集し、保管しておくと、後で再構築したりバージョン管理するのが楽になります。
①デバイスドライバー
PX-W3U2をWindowsからデバイスとして扱えるようにするためのドライバー。BDAドライバーはそのうち、BonDriverが使うために必要な機能を備えたドライバーで、WindowsMediaCenterが使うためのPBDAドライバーとは別物・共存不可。今回はBDAドライバーを使う。
②ツール
BSアンテナへの電源供給の有無と、(地上波の)感度を調整するためのツール。実際にはこのツールで設定値をレジストリに書き込み、それをデバイスドライバーが読み取ってW3U2本体に設定する仕組みになっている。
③BonDriver
BonDriverは、いわゆる「TS抜き」チューナーを、TVTestやSpinel、EDCBなどの「TS抜き」共通アプリが使えるようにするためのソフトウェア。 機種毎に必要で、ここではPX-W3U2専用のものを使う。
④Spinel
Spinel本体はその下に置いた様々なチューナー機種毎のBonDriverを仮想化して、共通のBonDriver_Spinelで被せる機能を持つ。
Spinel本体とBonDriver_Spinel間はネットワーク越しに置くことができ、1つのチューナーをローカルのアプリで使ったり、LAN上の別のPCから使ったりが自由になるだけでなく、1つのチューナーを複数PCで同時視聴する1対多配信もできる。排他制御やスクランブル解除などの機能も独自に持つほか、BonDriver間を切り替えるときの不具合のような、各機種BonDriverごとの"癖"を隠せるという利点もある。
⑤Multi2dec
Spinelは独自にスクランブル解除して配信する機能も持っていますが、そのためには\SpinelフォルダにB25Decoder.dllというモジュールを入れておく必要があります。ただ現在このモジュールの入手性が悪くなっているほか、衛星チューナー利用時の負荷が高くなるなど使い方にも注意が必要なため、当Blogの以下のガイドではスクランブル解除の手段として現在使っていません。このモジュールはMulti2Decのパッケージか、一部のEDCBパッケージの中に入っていますので、もし機能を使ってみたい方はネットで探してみてください。
⑥TVTest
BonDriverから送られるTSデータからサービスを抜き出し、(必要があれば)スクランブル解除し、デコーダやレンダラを使って、Windows上でリアルタイムに視聴できるようにする、「TS抜き」環境の基本ソフトウェア。高機能なTVとしての操作性を提供するほか、TSファイルに「録画」したり、逆にプラグインを使ってTSファイルを再生する機能も持っている。
⑦BonDriver_Spinel
Spinelが元のチューナー(ここではPX-W3U2)用BonDriverの上に被せる、仮想化されたBonDriver。ネットワーク越しでもTVTest等のアプリからチューナーが使えるようになる。
⑨TvRockOnTVTest
TVRockがTVTestと連携するためのプラグイン。
⑩TVRock
予約録画&視聴のためのソフトウェア。ブラウザ・ベースの使いやすいインターフェースから番組表を見ながら録画予約したり、それらを編集することができる。
番組表の取得と予約のスケジューリング&実行、キーワード予約のような機能の他、PCのスリープや再起動のための制御、複数のTVRock間での連携のような機能も持つ。
実際の録画にはTVTestの機能を呼び出している。
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1)いろいろな前提になりますので、予めMicrosoftのサイトから、以下を導入しておきます
.NET Framework 3.5 Service Pack 1
.NET Framework 3.5 SP1 Language Pack
.NET Framework 3.5 SP1 修正プログラム KB959209
(以上はWindows7、Windows8では導入済ですが、有効化されているかどうかリンクの手順で確認し、何もチェックされていないようであればチェックしてください。
またXP、Vistaの場合は、「コントロールパネル-プログラムの追加と削除」を見て、導入されていないようであれば、「Windows Update-重要な更新プログラム」から導入できます。個別に入れる時はこちらとこちらから。)
Visual C++ 2005 SP1 再頒布可能パッケージ (x86)
Visual C++ 2008 SP1 再頒布可能パッケージ (x86)
Visual C++ 2010 再頒布可能パッケージ (x86)
(以上は一度導入してあればOKですが、よくわからない場合はとりあえずここで再導入しても問題ありません。リンク切れしているときはググればすぐに出てきます。)
これらについては必要です、と言うしかありませんので^^;、以降では説明は割愛させていただきます。
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2)ソフトウェアを各サイトからダウンロードし、解凍します。
①デバイスドライバー ②ツール をPX-W3U2公式サイトより。Windows 32bit/64bit BDAドライバ、LNB PowerSupply レジストリ設定ツール、地上波デジタルチューナ用 感度調整ツール の3つをDL
http://www.plexshop.jp/shopdetail/023010000090/
*2011/11/17修正
2011年11月15日以降は、W3U2用デバイスドライバー&ツールの新パッケージを[ドライバ・各種ツール] として、まとめてDLできるようになりました。解凍すると(PX-W3U2フォルダの下に)DriverとUtilityのフォルダができますが、前者の中身が①デバイスドライバー、後者が②(W3U2専用)ツールとなります。
補足ですが、ここの手順に沿ってPX-W3U3またはPX-S3U2を導入される場合は、それぞれ用のデバイスドライバーとツールをリンク先からDLいただければ良いのですが
http://www.plexshop.jp/shopdetail/023010000096/ (W3U3)
http://www.plexshop.jp/shopdetail/023010000091/ (S3U2)
現在S3U2用の「ツール」は、内容がW3U2用になっており、このままでは機能しません。一応S3U2に使えるよう修正したものをアップしておきましたので、よかったらお使いください。→PX-S3U2用修正済みツールをダウンロード
③BonDriver_PX_Series (up0625.zip) をDTV関係ファイル置き場よりDL
http://www3.wazoku.net/2sen/dtvup/
なお③については、W3U3をお使いの場合は「up0848.zip PX-W3U3用BonDriver」を、S3U2をお使いの場合は「up0685.zip BonDriver_PX-S3U2」をDLしてください。
上記ファイル置き場がリンク切れしている場合はこちら(待避所)
W3U2,W3PE,S3U用BonDriver→up0625.zip
W3U3用BonDriver→up0848
S3U2用BonDriver→BonDriver_PX_S3U2.zip
⑥Tvtest(ver 0.7.23) ⑨TvRockOnTVTest(Mod 9.1r2) を作者のかたのファイル置き場よりDL。
http://tvtest.uuuq.com/
なお、上記リンクにこれらのファイルがない場合は ⑥のTvtestはこちら、⑨はTvRockスレ@ウィキ の倉庫にアーカイブがあります。
http://www35.atwiki.jp/tvrock/pages/27.html
④Spinel ⑦BonDriver_Spinel をBlog-Lapis Labsより。最新バージョンをDL
http://lapislabs.blog24.fc2.com/
⑩TVRockは、リンク先のファイル置き場から「期限解除パッチ適用済みTvRock09u2(up0699.zip)」をダウンロード可能です。それより前のバージョンはTvRockスレ@ウィキ の倉庫にあります。
http://www35.atwiki.jp/tvrock/pages/27.html
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3)各ソフトウェアを配置します。
以下の説明は新規に構築する場合の手順です。もし既にPT1/2やHDUSなど他のチューナーで作った視聴/録画環境があって、それにPXシリーズを追加したい場合は、リンク先を参照してください。
設定や利用していく上でのFAQはこちらにまとめてあります。もしうまくいかないことや疑問点があったら、随時参照してみてください。
まずはPX-W3U2を接続するPC本体のほうに、ファイルを図のように配置していきます。

具体的には、
①デバイスドライバーは32bit版と64bit版が解凍されますので、Windowsが32bit版ならBDA_driver_32(XP_Vista_Win7)、64bit版ならBDA_driver_64(Vista_Win7)のフォルダにある、Install_Driver.batを実行します。 なお、この作業はW3U2をUSB非接続の状態でおこなってください。
(2台目以降のW3U2導入時には改めてドライバーを導入する必要はありません。)
導入が終了したらW3U2をUSB接続してください。数分待って(但しXPの場合はアクションが必要です)、デバイスマネージャーに以下のデバイスが展開されていれば成功です。 次に進んでください。
- サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラ
1. HDTV PX-W3U2 USB BDA Driver
2. HDTV PX-W3U2 USB BDA Driver
- ヒューマンインタフェイスデバイス
1. HDTV PX-W3U2 HIDIR USB Remote Control driver for DTV
2. HDTV PX-W3U2 HIDIR USB Remote Control driver for DTV
W3U2にAC電源が繋がっていないと、これが1個づつしかできません。必ずAC電源は接続してください。
それでも数が合わない時は、何かドライバーにゴミが入っています。その場合W3U2をUSBから外した後で、Unstall_Driver.batを実行し、再度Install_Driver.batを実行してみてください。
補足) うまくデバイスが認識できない場合の、ドライバー手動インストール
以上の手順を踏んでも、環境によってはどうしてもデバイスがうまく認識できず、下図のように、「ほかのデバイス」として(!)の付いた状態になってしまうことがあるようです。(特に10月24日版の新ドライバーの場合)

その場合は、下図のようにW3U2をUSBに繋げたままの状態で、(!)の付いたデバイスをダブルクリックして、「ドライバの更新」から「ドライバーソフトウェアを手動で検索」を選択し、BDAドライバの場所(32bit版、64bit版それぞれのフォルダ)を指定して、OKを押してください。

この操作が成功して認識されたデバイスにもまた(!)が付いていることがありますが、その場合は(!)の付いたデバイスに同じ操作をくり返してください。H/W、S/W環境に問題がなければ、最終的にうまく認識されるはずです。
完全に(!)が消えない場合でも、「HDTV PX-W3U2 USB BDA Driver」が正常に認識されればOKです。「HDTV PX-W3U2 HIDIR USB Remote Control driver」はリモコン受光デバイス部分ですので、最悪うまく認識されていなくても、リモコンが使えないだけです。
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ドライバ導入確認が済んだら、一旦W3U2はUSBから外してください。
②ツール2つのうち、LNB PowerSupplyレジストリ設定は、BS/CSアンテナにPX-W3U2から給電するかどうか、の選択です。アンテナを自前で立てている場合は、いずれにしろ(まともな分配器なら)アンテナ分配器が適切に電源を選択しますので、ON(LNB_ON_PX_W3U2.regをダブルクリック)で良いと思います。
それ以外の共同アンテナ、CATV経由等の場合はOFF(LNB_OFF_PX_W3U2.regをダブルクリック)にします。
地上波デジタルチューナ用 感度調整ツール(ISDB_T_LNA_Control)は、とりあえず感度調整など不要、と思う場合でも、ISDB_LNA_Manual_Mode_ByPass.regをダブルクリックしておいてください。これをしないと、PX-W3U2は動きません。(何を隠そう、私はその罠にはまって悩みました。。) 他にも3種類ありますので、感度が低いと思ったら後で最適なものを選ぶと良いと思います。ただしAUTOはあまり賢くないのでお勧めしません。
なお、これらのツールはレジストリを操作するため、UAC(ユーザーアカウント制御)の設定によっては操作した内容がうまく反映されず、いろいろやってもBS/CSが映らない(衛星アンテナに電源供給されない)、地上波の感度か上がらない、といった場合があります。そういった時の対応方法はリンク先に説明してありますので、参照してみてください。
2台目以降のW3U2導入時には改めてこれらのツールを操作する必要はありません。(同じPLEXチューナーでも機種が違えば、それぞれ用のものを操作してください。)
なお、BDAドライバーを更新したり、unstall.bat→install.batで再導入すると、このLNAやLNB給電ツールの設定がリセットされることがあるようです。ちゃんと設定したはずなのにいつの間にかこの辺のふるまいがおかしくなっているような場合は再度、これらのツールを使って適切な設定をおこなってください。
レジストリをいじりましたので、ここで一旦システムを再起動してください。 操作の反映だけなら再起動は必要ありませんが、OSに修復ポイントを覚えさせるためです。
③PX-W3U2用BonDriverは、解凍したBonDriver_PX_W3U2フォルダの下にありますが、解凍直後は以下の構成になっています。
(W3U3の場合も名前がW3U3に変わっているだけで同じ構成です。またS3U2用の場合は他にもいろいろ入っていますが同じ構成のものが含まれています。)
a) BonDriver_PX_W3U2_S.dll
b) BonDriver_PX_W3U2_S.ini
c) BonDriver_PX_W3U2_T.dll
d) CardReader_PX.dll
e) CardReader_PX.ini
ここにある d),e) は内蔵カードリーダをFakeWinSCardで使うときに利用しますが、とりあえずそのままにしておきます。
*11/5追記 BS新チャンネルへの対応
(PX-W3U3ではこれは反映済みなので、不要です。)
b)BonDriver_PX_W3U2_S.ini
をテキストエディターで開いて、[BS]セクションを以下の通りに上書きします。
[BS]
CHANNEL_NUM = 30
CH001 = BS1/TS0,0,11727480,0x4010
CH002 = BS1/TS1,0,11727480,0x4011
CH003 = BS3/TS0,0,11765840,0x4030
CH004 = BS3/TS1,0,11765840,0x4031
CH005 = BS9/TS0,0,11880920,0x4090
CH006 = BS9/TS1,0,11880920,0x4091
CH007 = BS9/TS2,0,11880920,0x4092
CH008 = BS13/TS0,0,11957640,0x40d0
CH009 = BS13/TS1,0,11957640,0x40d1
CH010 = BS15/TS1,0,11996000,0x40f1
CH011 = BS15/TS2,0,11996000,0x40f2
CH012 = BS17/TS1,0,12034360,0x4310
CH013 = BS17/TS2,0,12034360,0x4311
CH014 = BS5/TS0,0,11804200,0x4450
CH015 = BS5/TS1,0,11804200,0x4451
CH016 = BS7/TS0,0,11842560,0x4470
CH017 = BS7/TS1,0,11842560,0x4671
CH018 = BS11/TS0,0,11919280,0x46b0
CH019 = BS11/TS1,0,11919280,0x46b1
CH020 = BS11/TS2,0,11919280,0x46b2
CH021 = BS19/TS0,0,12072720,0x4730
CH022 = BS19/TS1,0,12072720,0x4731
CH023 = BS19/TS2,0,12072720,0x4732
CH024 = BS7/TS2,0,11842560,0x4672
CH025 = BS21/TS0,0,12111080,0x4750
CH026 = BS21/TS1,0,12111080,0x4751
CH027 = BS21/TS2,0,12111080,0x4752
CH028 = BS23/TS0,0,12149440,0x4770
CH029 = BS23/TS1,0,12149440,0x4771
CH030 = BS23/TS2,0,12149440,0x4772
以上で保存します。
*(追記・終わり)
次に、a),b),c)をコピー&ペーストで同じものを2個ずつにし、ini,dllそれぞれを以下のようにリネームします。
a') BonDriver_PX_W3U2_S0.dll
a") BonDriver_PX_W3U2_S1.dll
b') BonDriver_PX_W3U2_S0.ini
b") BonDriver_PX_W3U2_S1.ini
c') BonDriver_PX_W3U2_T0.dll
c") BonDriver_PX_W3U2_T1.dll
(2台目以降のW3U2導入時は、サフィックスを単純に増やしていってください。例えば既存のものがS0,S1,T0,T1を使っていたらS2,S3,T2,T3など。)
④Spinelは解凍したものを、そのまま適切な実行用フォルダ(以後、仮に\Spinelとします。)にコピーしておきます。
直下に以下の2つのフォルダができますので、
\BonDriver
\DeviceDefinitions
この\BonDriverの下に、3)-③で作成した a')~c") の6つのファイルをコピーしておきます。
この段階で一旦\SpinelにあるSpinel.exeをダブルクリックして起動し、すぐに終了させると、\SpinelにSpinel.iniというファイルが作成されます。これをテキストエディタで開き、該当箇所を以下のように設定し(既にそうなっている場合はそのまま)、保存します。
DescrambleControl = 0
PX-S3Uを併用される方用の補足
最新のSpinelパッケージ(Ver3.6.1.1以降)には、PX-W3U3、PX-S3U2とも定義済みですが、もしSpinel配下でPX-S3U(無印)を併用される場合、元のBonDriverのネーミングルールだとS3U2と混同してしまうので、それ以前のSpinel定義体とはネーミングルールが少し変わっています。
それに対応して、BonDriver名称を*S3U1xxx のように変更してください。具体的には\Spinel\BonDriverにあるPX-S3U用BonDriver名を以下のように変更(dll、iniとも)
BonDriver_PX_S3Uxxx → BonDriver_PX_S3U1xxx
⑥TVTestは解凍したものを、そのまま適切な実行用フォルダ(以後、仮に\TVTestとします。)にコピーしておきます。
S3U2をお使いの場合、BonDriver_PX-S3U2のパッケージの中にTVTest関連のファイルも入っていますが、新BSに対応していない古いバージョンですので、それらは使わないか、使う場合でもここで新しいものを上書きしてください。
なお、最新版のTVTestでも中に入っているBS、CSチャンネルファイルは必ずしも最新ではありませんので、次の添付ファイルを「右クリック」→「対象をファイルに保存」でダウンロードして、\TVTest実行用フォルダに上書きコピーしておいてください。
「Preset_BS.ch2」をダウンロード
「Preset_CS.ch2」をダウンロード
(上記の名前のままでDLするように注意してください。ときどきブラウザが勝手に.txtという拡張子に改変してダウンロードしようとする場合がありますので、その場合は再度この操作をやり直して、拡張子が.ch2になることを確認してください。)
⑦BonDriver_Spinelは解凍すると、直下に
a) BonDriver_Spinel.dll.ini
およびx86(32bit版:今回使用)フォルダの下に
b)BonDriver_Spinel.dll
ができます。今回はそれぞれ4回コピーして、以下のようにリネームします。
a') BonDriver_Spinel_PX_W3U2_S0.dll.ini
a") BonDriver_Spinel_PX_W3U2_S1.dll.ini
a"') BonDriver_Spinel_PX_W3U2_T0.dll.ini
a"") BonDriver_Spinel_PX_W3U2_T1.dll.ini
b') BonDriver_Spinel_PX_W3U2_S0.dll
b") BonDriver_Spinel_PX_W3U2_S1.dll
b"') BonDriver_Spinel_PX_W3U2_T0.dll
b"") BonDriver_Spinel_PX_W3U2_T1.dll
(2台目以降のW3U2導入時は、サフィックスを単純に増やしていってください。例えば既存のものがS0,S1,T0,T1を使っていたらS2,S3,T2,T3など。)
次にa')~a"")をテキストエディタで開き、該当箇所を以下のように書き換えます。
a')
TunerPath = "PXW3U2/0/S/0"
RequireExclusiveChannelControl = 1
DesiredDescrambleControl = 0
a")
TunerPath = "PXW3U2/0/S/1"
RequireExclusiveChannelControl = 1
DesiredDescrambleControl = 0
a"')
TunerPath = "PXW3U2/0/T/0"
RequireExclusiveChannelControl = 1
DesiredDescrambleControl = 0
a"")
TunerPath = "PXW3U2/0/T/1"
RequireExclusiveChannelControl = 1
DesiredDescrambleControl = 0
作成したa')~a"")、b')~b"")の8つのファイルを全て、3)-⑥の\TVTestフォルダ直下にコピーしておきます。
(2台目以降のW3U2の場合は、TunerPath =で機種識別に続く数字:PXW3U2/0 が"何台目"をあらわしますので、順に1、2と変えていってください。)
⑨TvRockOnTVTestを解凍した後、 TvRockOnTVTest.ini と、TvRockOnTVTest.tvtp の2つのファイルを、
\TVTest\Pluginsフォルダ
にコピーしておきます。
⑩TVRockを解凍後、そのまま適切な実行用フォルダ(以後、仮に\TVRockとします。)にコピーしておきます。
以上でファイル配置はすべて終了です。以後、各ソフトを起動して設定に入ります。
.
2.各ソフトウェアの設定
PX-W3U2を接続するPC本体のほうで、以下の順番に設定していきます。
1)機器の接続
PX-W3U2をUSB接続し、アンテナ、付属の電源を接続します。
*注:私の環境だけの問題かもしれませんが、後日ZOTACのZ68マザーでUSB3.0のポートに接続すると、後のチャンネルスキャン時にブルースクリーンが発生する、という障害がありました。USB2.0のポートでは問題ありませんでしたので、事例報告まで。
netcasなど代替のwinscard.dllを使う場合は \TVTest と\Spinelフォルダにそれを入れることになります。そうでない場合、スマートカードリーダをUSB接続し、BCASカードをセットしてください。
(内蔵カードリーダを使う場合は、下の*補足1、あるいはFakeWinSCardの説明を読んで設定に反映した上で、内蔵カードリーダにセットします。なお、FakeWinSCardを使う場合は、準備したWinSCard.dll以下3つのファイルを、\TVTest フォルダにコピーしておいてください。)
当たり前と思ってここまで説明していませんでしたが念のため、CS(スカパーe2)、あるいはBSでも有料チャンネルの視聴のためには赤いBCASカード、そうでない方でも青いBCASカードが必要ですので、入手しておいてください。(CS液晶テレビでググると赤BCAS付きの液晶TVがいろいろ出てきますが、BCASカードの入手の方法はネットで調べてください)。ちなみに数百円でたまたま入手できたという場合を除き、オクや怪しげなショップを使う必要はありません。B-CAS社で手続きされる場合は費用も変わりませんので、後々のために赤BCASで良いと思います。
2)Spinelの起動
SPINEL実行用フォルダのSpinel.exeをダブルクリックして、Spinelを起動します。
エラーして起動しない時は、環境設定に何らかの不具合がありますので、再度チェックしてください。私は最初、1-3)-③で BonDriver_PX_W3U2_Sx.ini をきちんと作っていなかったため、何故かSpinelが異常終了してました。
うまく動いたら、Windows起動時に自動起動するようにしておいてください。ただし、Windows8だとスタートアップフォルダが見つけにくいところに隠れていますので、そこを使うよりは私の場合、「いじくるつくーる」で「起動時に毎回実行」を設定しています。
具体的には項目に以下のコマンドラインを追加しています。
名前:Spinel
コマンドライン: パス名\Spinel\Spinel.exe -WindowState=Minimized
.
3)TVTestの起動と設定
TVTest実行用フォルダのTVTest.exeをダブルクリックして、TVTestを起動します。
(なお、既存のTVTest環境にW3U2を追加する場合は、チャンネルスキャンの項まで飛ばしていただいて良いです。)
最初に初期設定の画面が出てきますが、以後で個々に設定しますので、ここでは"スクランブル解除しない"など、あまり気にせずに選んで、チャンネルスキャンも"しない"でOKです。
立ち上がると左下クリックでBonDriver_Spinel_PX_W3U2_のS0,S1,T0,T1が選択できますので、

それぞれ選択しながら、TVTest画面上で右クリック-設定を選んで、設定していきます。
いろいろな設定項目がありますが、特に重要だと思っているのは以下の4つです。
(ただしBonDriverごとに設定しなければならないのは「チャンネルスキャン」の項目だけで、他は最初の1個だけで設定すればOKです。)
・一般: デコーダ・レンダラの選択、およびスクランブル解除の設定、BonDriver検索フォルダの設定
デコーダはVista/7であれば「Microsoft DTV-DVD Video Decoder」が選べますが、Windows8、あるいはXPで選ぶものがない場合は、こちらをご参考に「ffdshow Video Decoder」等を導入して、ここで選択してください。もしPCに PowerDVD が導入されていれば、「CyberLink Video/SP Decoder」を使うのが良いと思いますが、PowerDVD11以降を導入されている方はこちらもご参照ください。
レンダラはVista以降ではEVR、XPではVMR9がお勧めですが、デコーダによってはそれでうまく映らない場合もありますので、その際は別のものを選んでみてください。 TVTestのヘルプファイルから解説を転記しておきます。(一部追記)
名前 |
説明 |
デフォルト |
非推奨。一見無難に見えるが、実はWin98時代の古いレンダラ。 |
VMR7 |
DirectDraw 7 を使用したレンダラ。 XPの場合VMR9でうまく映らないときに選択。 |
VMR9 |
Direct3D 9 を使用したレンダラ。 |
VMR7 Renderless |
特に意味無し。 |
VMR9 Renderless |
カスタム アロケータ プレゼンタを使用したVMR9。 キャプチャが好きな人向け。 |
EVR |
Vista/7 用のレンダラ。 環境によってはハードウェア再生支援が使えるかも。 |
Overlay Mixer |
オーバーレイを使用した古いレンダラ。 |
スクランブル解除については以下の図の赤丸部のように設定してください。
また、「BonDriver検索フォルダ」は空欄にしておいてください。TVTest実行フォルダにあるBonDriverを自動的に探しにいきますので、後でクライアントPCに移植するのが楽になります。
デフォルトのBonDriverは「最後に使用した・・」を選んでおくと、前回終了時のチューナーで起動します。

・録画の設定
「現在のサービスのみ保存する」、と「現在のサービスのみスクランブル解除する」をチェックしてください。
前者は地上波でワンセグを一緒に録画しないようにする事、また特に衛星放送では1つのTSに複数の番組(サービス)が乗っていることが多いので、録画の時に狙った番組のみが録画されるようにするためです。 後者はTVTest側でスクランブル解除しなければ意味がありませんが、後々のためにチェックしておいてください。
・「ファイル名」の欄は以下をコピペしておくと、
%event-name% %channel-name% %month%月%day%日%hour%時%minute%分.ts
TVTestの録画ボタンで録画したときのファイル名が「番組名 局名 月日時分.ts」のようになり、判りやすくなります。

・チャンネルスキャン
地上デジタル(BonDriverでT0、T1を選ぶと出てきます)では、対応チューニング空間を地上D(あるいはUHF。ケーブルテレビで「UHF帯域外」周波数変換パススルー方式の場合にのみ、CATVやCABLEと付いているものを選択)、その上で「スキャン開始」を押します。しばらく待ってスキャンが終わったら、OKを押します。

BS,CS(BonDriverでS0、S1を選ぶと出てきます)ではBS、CS110それぞれで「プリセット読み込み」をおこないます。
「スキャン開始」はおこないません(地域差もなく、無駄なゴミも拾ってしまうため。)


適切なチャンネルをセットできたらOKを押して、保存します。
このチャンネルスキャンを、TVTest画面左下クリックで BonDriver_Spinel_PX_W3U2_(S0,S1,T0,T1・・) を選びながら繰り返してください。
以上が終わったら一旦TVTestを終了させ、再度TVTestを立ち上げれば、視聴と簡単な録画ができるようになります。動作確認できたらデスクトップにTVTest.exeのショートカットを作っておくと良いと思います。
TVTestの使い方については、こちらも参照してみてください。ニコニコ実況プラグインやWhiteBrowserなどもお勧めです。
Spinelの機能を使えばLAN上の他のWindowsPCからも、TVTestで同じようにテレビを視聴することが可能です。その構築手順をリンク先にまとめました。(ただし先に、以下のTVRockの環境を作ってから取り掛かっていただくことを想定しています。)
また、ここで作ったTVTestの環境は、以下のTVRock(予約録画のシステム)でも活用します。それはそれで良いのですがSpinelを活かして、TVRockで使うTVTestと視聴用のTVTestの環境を分けたほうが、録画の失敗のないシステムになります。その辺は補足3で解説してありますので、ご参照いただければ幸いです。
.
4)DTune.batによる、TVRockの設定
*(11/5追記 BS新チャンネル対応のための前処理)
もし既存のTVRock環境にPXシリーズのチューナーを追加する場合は、TVRockを終了させた上で、ここは飛ばして次に進んで下さい。
ただ既存のTVRock環境で、過去にチャンネル設定変更を(DTune.batを使わず)手動でやっていると、DTune.bat は使えない(チャンネル設定が元に戻ったり重複する)かもしれません。その不安がある場合は、ご面倒ですがチューナー追加作業はここの手順ではなく、TVRockの「設定」→「チューナー」で手動でおこなってください。お勧めはこの機会にDTuneを使ってチャンネル再定義いただくことで、手順もここにある通りで済みますし、後々のメンテナンス性も非常に良くなります。
1-3)-⑩で作成した \TVRock のフォルダにあるtvrock.exeをダブルクリックして、TVRockを起動してください。
以下のような初期化ダイアログ、

あるいは

が、(場合によっては何回か)出ますが、全てキャンセルを選んでください。
(なお、キャンセルを選ぶのはこの時だけです。以降の手順や通常の起動時に同じダイアログが出るときは、常に「OK」と答えてください。)
タスクバーにTVRockアイコン
が表示されまますので、その上で右クリックし、「設定」を選びます。
表示されたTVRock設定画面で「システム設定」のタブを選びます。
下図の赤丸の「TvRock作業フォルダ」で「参照」を押して、\TVRockフォルダを選んでください。

以上でOKを押し、タスクバーのTvRockアイコンに戻って、右クリックし、「TVRockの終了」を選んでください。
次に、以下の2つのファイルを「右クリック」-「対象をファイルに保存」で適切なフォルダにダウンロードし、
「ch-bs.txt」をダウンロード
「ch-cs.txt」をダウンロード
ダウンロード後、それらを \TVRockフォルダに上書きコピーしてください。これで以降の手順を進めていけば、BS新チャンネルが自動的に反映されます。
*(追記終わり)
.
以降は \TVRockフォルダにある、DTune.batをダブルクリックして実行し、設定していきます。

4チューナーを選択。ただし
* 既存のTVRock環境に追加する場合
ここは「定義済みのチューナー数+4」を選択してください。(ただし最大8チューナーまで。8個を超えるチューナーをTVRockで扱いたい場合は、TVRockを別PCか、仮想PCで動かした上で連携機能を使うのがお勧めです。)
また、定義済みのチューナーについてはそのまま「次へ」をクリックしていき、その後ろに追加して定義していきます。「DID A~D」の部分は既存のチューナーの後のアルファベットになるようにシフトさせてください。例えばチューナー2個(A、B)が既にある場合は、「DID C~F」と置き換えていただければ良いです。 *
** 2台以上のW3U2を導入する場合
8チューナーを選択し、「オプション」欄のBonDriver_Spinel_PX_W3U2_T(S)x.dllに、定義したサフィックスを反映してください。また5番目以降のチューナー定義で、オプション末尾は順に「DID E~H」として、これが1つのTVRock内で他のチューナー定義と重ならないように、特に注意してください。 **
チューナー1にて、

「視聴・録画アプリケーションがあるフォルダ」に、\TVTestフォルダを指定。
「チューナータイプ」を地上波デジタルに指定。
「実行アプリ名(視聴用)」をtvtest.exeとし、オプションに
/d BonDriver_Spinel_PX_W3U2_T0.dll /DID A
を入力。
「実行アプリ名(録画用)」もtvtest.exeとし* 、オプションに
/d BonDriver_Spinel_PX_W3U2_T0.dll /min /nodshow /DID A
を入力。
録画先フォルダを適切に指定。
以後、チューナー2~チューナー4を順に、以下のように設定していきます。
なお、この「オプション欄」は狭くて入力した内容を確認しずらく、特にBonDriver名称やDID xの部分は、うっかり間違えたままになり易いです。(後で設定→チューナで確認しても間違いは判りにくいです。ここはTVRockのミスが起き易い弱点だと思っています。)
後でトラブルが起きると判別が面倒になるので、ここの入力内容は(回答用紙の答えあわせだと思って)特に念入りに確認してください。
---------------------------------------
「チューナータイプ」をBS/CS
「実行アプリ名(視聴用)」オプションに
/d BonDriver_Spinel_PX_W3U2_S0.dll /DID B
「実行アプリ名(録画用)」オプションに
/d BonDriver_Spinel_PX_W3U2_S0.dll /min /nodshow /DID B
他はチューナー1と同じ
---------------------------------------
「チューナータイプ」を地上波デジタル
「実行アプリ名(視聴用)」オプションに
/d BonDriver_Spinel_PX_W3U2_T1.dll /DID C
「実行アプリ名(録画用)」オプションに
/d BonDriver_Spinel_PX_W3U2_T1.dll /min /nodshow /DID C
他はチューナー1と同じ
---------------------------------------
「チューナータイプ」をBS/CS
「実行アプリ名(視聴用)」オプションに
/d BonDriver_Spinel_PX_W3U2_S1.dll /DID D
「実行アプリ名(録画用)」オプションに
/d BonDriver_Spinel_PX_W3U2_S1.dll /min /nodshow /DID D
他はチューナー1と同じ
---------------------------------------
特に、DID A~Dをきちんと別々の値にしないと、同時起動する際にハングします。
この後、地上波、BS、CSの順で、以下のようにチャンネルセットをおこないます。
(既存のTVRock環境に追加する場合は、定義済みのチャンネルが表示されますので、それで問題なければ「次へ」をクリックしていってください。)
地上波の場合、一覧に地域のプリセット値があればそれを選択します。
もし、一覧に載っていない中継局から視聴している場合、あるいは「周波数変換パススルー方式」のCATVで視聴している場合は、TVTestを起動し、「設定」-「チャンネルスキャン」を開いて、チャンネルスキャン済みのデータを見ながら、 ここで手入力していってください。番組構成が同じ地域のデータを一旦表示させてからチャンネル&サービスIDを変更していくと、やり易いと思います。
周波数変換パススルー方式CATVの場合は、別の注意点もあります。こちらもご参照ください。
またいずれにしろ地上波のチャンネルは、TVRockのプリセット値が必ずしも最新ではありませんので、追加されたり無くなったチャンネルがないかを、TVTestのチャンネルスキャン済みの設定画面と見比べて確認し、違いがあればここで追加・削除するのがお勧めです。
例)東京地区のチャンネル構成 ・ プリセット値

東京地区のチャンネル構成 ・ 編集後

.
BS、CSは、プリセット値のままで「次へ」進みます。


最後に番組スキャンを行いますが、これは後でいくらでもスケジュール起動できますので、適当なところで強引に中断して良いです。

「次へ」をクリックすると、TVTestが2タスク起動して番組スキャンを開始しますので、タスクバーから右クリックで、「ウインドウを閉じる」を選択して2タスクとも終了させてください。
すると、「終了しました。次へ進んで下さい。」の画面になりますので、「次へ」を押します。
更に「次へ」を押せば、「終了」のボタンが出てきますので、クリックしてください。起動したWeb画面は終了させてOKです。
.
5)TVRockの残りの設定
DTuneを終了させると、TVRockは以下のようにタスクバーに最小化されていますので、右クリックして「設定」を選択します。

いろいろな設定項目がありますが、特に重要だと思っているのは以下の5つです。
なお、既に設定済みのTVRock環境にW3U2を追加した場合、改めて以下を設定する必要はないと思われますが、DTune.batを使った際に一部の設定が初期値に戻っていますので、そこだけリンク先の手順で戻しておいてください。
①チューナータブで、4つのチューナーがDTuneで設定した内容になっているか?

②インテリジェントタブで、番組表の設定が画像のようになっているか?
-左下のTVRock番組表のセクションは、「起動する」をチェックしたうえで、もし番組表アクセスを特に規制しない場合は「認証無し」とし、(家の中でも)制限したい場合は「Basic認証」をチェックした上で適切なユーザーID&パスワードを入力しておいてください。

③プロセスタブでは、必要に応じて終了後コマンド等を定義しておくことができます。
ただし、これは敢えて今定義しておく必要はありません。ただ後でいろいろ録画サーバーとしての使い方を考えていく時に便利な機能ですので、ここでご紹介しておきます。
書くときは コマンド名:スクリプト のフォーマットで、複数行のスクリプトでは頭に同じ コマンド名:を付けていきます。以下が例です。
Move_XX:MOVE "%1" "移動先フォルダ・パス名"
Move_XX:コマンドで録画後、ファイルを指定したフォルダに移動させる。
例えば家族で録画サーバーを共有しているときに、自分用の録画は自分用のフォルダで管理したいですので、そういう時にこのような後処理コマンドを指定してそれぞれ専用のフォルダに移しておく、という使い方ができます。また私の場合、iPodで観たい番組をMediaConverter7の「監視フォルダ」に送り込んで、iPod用のMP4に自動変換させる、という使い方をしています。
(リンク先には予め動作するタイミングを規定されたコマンド予約語と、引渡しパラメーターの説明があります。終了後コマンドには予約語以外の名前を付けること。また 予約語:の形で、スリープ再起動時など規定時に走る自動スクリプトをここで定義することもできます。)

* MP4自動変換については、HandBrakeをここで呼び出すこともできます。
MediaConverter7はQuick Sync Video が使えるので軽くて速く、(たまに失敗するものの)確実性も高いです。しかし有料SWですし、保存目的には音ずれや品質・圧縮率の面であまり褒められたものではありません。その点HandBrake は、音ずれもなく高品質なMP4が作成できます。(ただし失敗もありますので、作成後のチェック要。WhiteBrowserでまともなサムネイルが作られ音も正常に出ればOKです。)
CPUを激しく喰いますので、ハイエンドPC向け。処理中は何も表示は出ませんが、CPU-ZやCoreTempで見るとCPUをブン回してることで、処理していることが判ります。
ここでは以下のコマンドを定義しています。
HD:"HandBrake-H.bat" "%1"
HD:コマンドで保存用高画質MP4ファイルに変換。元のファイルと同じフォルダに、*.H.mp4 のファイル名で保存される。サイズは元の半分~数分の1に圧縮される。
再生環境もある程度のパワーが要る。
iPod:"HandBrake-L.bat" "%1"
iPod:コマンドでDVD画質の高圧縮MP4に変換。元のファイルと同じフォルダに、*.L.mp4 のファイル名で保存される。サイズは元の1/10以下に圧縮される。
再生環境もiPodやZacadeクラスで十分。
いずれも元のTSファイルも残るので、チェック後不要になったら元ファイルは消していくと良いです。
なおこれらのバッチコマンドを使う方は、対応するバッチファイルの他、3つのプログラム(HandBrake、BonTsDemux、MKVToolNix)が必要ですので、それぞれ以下の手順で導入してください。
(1) こちらの作成済バッチファイルを「右クリック」→「対象をファイルに保存」でダウンロードし、適切なフォルダに解凍。
(2) HandBrakeをこちらから、使用中のOS(32bit、64bit)に合ったものをDLして導入してください。
(3) BonTsDemuxはこちらのup1091.zipをダウンロードし、適切な実行用フォルダに解凍してください。
(4) MKVToolNixはこちらを読んで、Download先から「Windows用 7zip archive」版をDL後、適切な実行用フォルダに解凍してください。
(5) (1)で解凍された2つのバッチファイル HandBrake-L.bat とHandBrake-H.bat をテキストエディタで開き、中のREM文に従って、(2)(3)(4)のパス(実行用フォルダ)情報を反映し、保存してください。
(6) (5)で編集済みのHandBrake-L.bat とHandBrake-H.bat を、「\TVRock作業フォルダ」下にコピーしてください。
以上で使えるようになります。なおこれらのバッチファイルの内容は この記事やこの記事を参考にさせていただきました。(有難うございます。)
終了後コマンドが定義してある場合、録画予約の際に図のように 「終了後コマンド」で指定することができます。(ここではHD:コマンドを指定)
デフォルトの「規定コマンドを実行」は通常何もしませんが、規定コマンドのTN:(チューナーデバイス録画終了後に実行)のスクリプトが定義してあれば、他を指定しない限り録画後は常にそれが実行されます。

.
④システム設定 タブ
‐「TvRock作業フォルダ」は、補足2.で説明する他PC展開のときの可搬性を良くするために、\TVRockフォルダを指定しておきます。またムービーフォルダは適切なフォルダを指定しておきます。
‐ログイン時にTVRockが自動起動するよう、「ログイン時に起動」をチェックしておきます。
-右上の(スリープ復帰の)タスクスケジューラ使用については、マシン環境によってうまく使える場合も、使えない場合もあります。もしタスクスケジューラを使う場合は、チェックした上でWindowsのIDとパスワードをここで指定してください。
DTune.bat 実行直後は、ここがチェックだけされてID&パスワードがない状態ですので、そのままでは正しい定義にはなりません。チェックを外すか、ID&パスワードを入力するかのいずれかを選択してください。

⑤録画基本設定 タブでは、録画予約のときのデフォルト設定として、
-視聴・録画デフォルト: 「録画のみ」として録画中に映像が表示されるのを抑止し、CPUパワーを節約します。
-録画終了後デフォルト: 「アプリケーション終了」として、録画終了時に速やかにチューナーを解放するとともに、録画サーバーが休止やスリープしない設定にします。
-ファイル名置換フォーマット
これは私の例ですが
@TT@SB@NB [@CH] @yy年@mm月@dd日 @sh時@sm分@ss秒(@wk曜日)
としています。内容の判りやすいファイル名にするのと同時に、できるだけファイル名をユニークにして、万一シリーズ物が同じファイル名になって上書きされるのを防ぐためです。

以上でTVRockの設定は完了ですので、「OK」を押して設定を反映させた後、タスクバーのTVRockを右クリックして一旦終了し、番組表取得のために、(TVRock実行用フォルダのtvrock.exeをダブルクリックして)再度起動してください。
.
TVRockを使った録画予約は、番組表からの操作が基本になります。そのためにはまずタスクバーのTVRock右クリックで「インテリジェント」-「番組情報取得」を選び、 番組情報取得のタスクを定義します。
まずは以下の画面で、対象チャンネルを設定してください。

特に不要なチャンネルがなければ、地上波、BS、CSとも全チェックで良いと思います。(視聴することのないチャンネルや、例えばCSを契約していない場合CSを全解除にしておけば、それだけ番組取得の時間は短縮されます。)
上のようにチェックして、「記憶する」のボタンをクリックした後「開始」を選べば、番組表取得のためのTVTestタスクが2つ(地上波用とBSCS用)起動します。
ただしこのタスクは、30分程度でおわってしまう設定になっていますので、全チャンネルの番組表取得には時間が足りません。そこでこれらを基にして、定期タスクを作成します。
タスク動作中に右クリック→「予約リスト」から「番組情報取得スケジュール」のレコード(2つ)をそれぞれ開いて、画像のように書き換えてください。
これでOKを押せば定期タスクとなり、番組情報を自動的に取得してくれるようになります。

地デジと衛星用に、チューナー1,2でそれぞれ差し障りのない曜日、開始時刻を指定しておくと良いと思います。取得できる番組表は取得日から1週間分で固定(ただし地デジ難視聴対応BSチャンネルは2~3日分のみ)ですが、図のように「カスタム」を選んで複数曜日を指定しておくと番組変更に対応しやすくなるのと、仮に取得に失敗したチャンネルがあっても次回でリカバリーできます。
衛星用は、私のようにCSの番組表も取得する場合、BS,CS合わせてチャンネル数は80を超えます。こうなると全チャンネル取得には5時間弱かかる場合もありますので、それも見越した十分な長さの時間をセットしておいてください。地上波のほうは1時間程度もあれば十分です。
なお、特にこの衛星系の番組表取得の時間を短縮するために、2チューナー以上を使った「高速化」の機能もあります。
これには上の番組情報取得の設定で、「同じ放送波の同時取得時には高速化を行う」をチェックして、「記憶する」にした上で、番組情報取得スケジュールの別のタスクを、ぴったり同じ曜日、同じ時間帯に、同じ放送波の別のチューナー(例えば衛星ならチューナー4)を使って、同時に開始するよう、作成しておきます。
例えば私のところでは、(W3U2が複数台ありますので)チューナーの4、6、8を使って、図のように火曜早朝に、衛星系の番組表取得のタスクが3つ同時に走るように定義してあります。

こうしておくとTVRockは自動的に判断して、それぞれに均等に放送局を振り分け、同時並行で番組表取得をおこなうようになります。
この機能を使えば、例えば1チューナーで5時間かかる番組表取得も、2チューナーなら2時間30分、3チューナーなら1時間40分程度にまで短縮されます。
(ただしその間、これらのチューナーは普通の予約録画に使えなくなりますので、チューナー数に余裕がある場合の方法です。
またいくら実際の時間が短縮できても、タスクに定義してある時間帯が長いままだと、該当チューナーはその間予約録画で使うことができませんので、それも短くしていってください。上図では3チューナーで高速化する前提で、2時間弱で定義してあります。)
.
番組表が取得できれば、利用のための準備はできましたので、あとは実際に使いこなしていくだけです。いろいろな機能がありますが、以下のような使い方を覚えれば十分だと思います。
予約は、タスクバーのTVRock右クリックで、「インテリジェント」-「TV番組表」を表示して、対象の番組で、「予約」をクリックして録画予約していきます。

これが便利ですね。ブラウザーの「お気に入り」に追加しておけば、以降は直接呼び出すことができるようになります。
ただし、初期状態ではこの「予約」ボタンが、下の図のように個々のチューナーを選ぶボタンになっていることがあります。

その場合は番組表の図の位置にある、「優先デバイス予約」という欄をクリックすれば、「予約」ボタンの表示に変わります。そうしておけば予約時には、空いているチューナーを自動的に割り当ててくれるようになります。

*番組表を利用するブラウザについて(注意点)
現状IE9だと、番組表がなかなか表示が出てこなかったり、場合によってはTVRockがハングしてしまう、という不具合があります。IE8以前であれば問題ありませんが、既にIEを9にバージョンアップされている方は、TVRock用にはFirefox等を使う形にして、この番組表のアドレス(http://localhost:8969/nobody/now)をお気に入り登録しておけば、そのほうが快適に操作できると思います。
.
もう1つ、応用編として、キーワードによる自動予約録画の機能をご紹介しておきます。
TVRock番組表→キーワード検索から、タイトルキーワード、詳細キーワードを入れれば、番組表の中から条件の合致する番組を検索することができます。

ここから更にキーワードを足したり、チャンネル、ジャンル、曜日などで絞り込むことが可能です。
キーワードに正規表現をいろいろ組み合わせて、例えばタイトルに「007」を含んで「全作ガイド」を含まないものを検索する(007 not 全作ガイド)のような指定が自由にできるのもTvRockの特長ですので、慣れてきたらやってみると良いと思います。→この辺を参照
この検索結果に対してそのまま「予約」ボタンを押してもいいのですが、今後もこの検索条件に引っかかる番組を自動録画していくためには、この画面で「自動検索予約の編集」ボタンを押します。
そうすると、この画面になります。

ここで録画時の必要な情報を入れてください。私の場合いつも入れているのは、
(1) 「録画優先度無効」のチェックを"外す"。(デフォルトだとここがチェックされていますが、そのままだとチューナーの先約があるときに、自動で代替チューナーを割り当ててくれません。チェックを外すと空いている順に割り振ってくれます。)
(2) 「既に予約されている番組は登録しない」にチェック。(2重の録画を避けるため。)
(3) ファイル名が「番組タイトル+サブタイトル」だけだと情報が少ないので、「番組内容をサブタイトルへ変換」と「番組詳細をサブタイトルへ変換」の両方をチェックして、サブタイトル=「番組内容+番組詳細」 に変換する。
(4) (3)の指定だけだとファイル名が余りに長すぎるので、変換したサブタイトルをもとに適切な長さのファイル名を生成する。(注:たとえば後ほどご紹介する映像管理ソフト「WhiteBrowser」では、パス名+ファイル名が 255Byte を超るとエラーが出ることがありますので、それに収まるようにしています。)
ここでは「ファイル名置換」をチェックして、ファイル名のネーミングルールを
@NS1'^.{0,30}'@NS2'(出演|主演).{0,15}'@TT@PS1 @PS2@NB [@CH] @mm月@dd日
としています。これはちょっとした正規表現を使っていて、こうすると
タイトル名+サブタイトルの先頭30文字+(もしサブタイトル中にあれば)出演か主演に続く15文字+[局名]+月日.ts
というファイル名になります。 ^.{0,30} の部分が「番組内容+番組詳細」の先頭30文字(30文字以下なら全ての文字)のマッチング、(出演|主演).{0,15} の部分が同じく、出演または主演に続く最大15文字のマッチング を指定しています。
このようにファイル名にいろいろ番組情報を反映して後で判りやすくできるのも、自動検索予約機能の特長の1つです。
以上のような必要項目を入力したら、「自動検索予約リスト登録」を押してください。
一度登録しておけば、自動検索予約リストから削除するまでこの設定は有効です。新しい番組表が取得されるたびに、同じ検索条件で予約が追加されていきます。たとえ何週間か家を空けることがあっても、自動で番組を検索して録画していきます。
また良く映画のプロモーションなどで、注目している女優さんがバラエティ番組などに直前に出演決定し、番組表にもそれが直前に反映されることがあります。大抵こういうのは地上波ですので、地上波の番組表取得を毎日にしておけば、その辺も上手く拾える場合があります。
また、どんな番組が予約されるのか時々チェックするのも楽しいのですが、特に衛星系の放送局では、同じ番組の繰り返し放送も多いので、時々「予約リスト」をチェックして重複に気づいたら、予約無効(○→×に変更)にしておくと良いと思います。("削除"してしまうと、また登録されます。)
また検索条件の変更は、「自動検索予約リスト」で該当の項目を選び、「キーワード編集」のボタンを押せば検索画面が出てきますので、そこでいつでも変更可能です。
.
このPCで視聴したり予約録画するための設定は、これで完了です。
このような環境を初めて構築されたかたは、まずはいろいろ触ってみて、操作の感覚を掴んでください。
その他、TVRockの使い方で参考になりそうなサイトをご紹介しておきます。
http://tv.2ch.tc/tvrock/help.htm#apply
http://adier.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/pt2-tvrock-0846.html
特に私はスリープ・休止運用をやっていませんのでその辺の情報をあまり書いていませんが、この辺とかご参考に。
http://freesoft.tvbok.com/tidegi/tvrock.html
また、別記事にTVRock関連を含めたFAQをまとめておきましたが、有志作成のTvRockスレ ウィキには一般的なFAQがあります。そちらもご参考にしてください。
http://www35.atwiki.jp/tvrock/pages/15.html
.
これ以降では、他のPCからTVを視聴/予約録画するための設定方法のほか、内蔵カードリーダを使う方法、サーバー内に視聴専用環境を作ること、などについて補足説明します。
.
*補足1 内蔵カードリーダの使用について。
(USBカードリーダを使う人は読み飛ばしてください。)
PX-W3U2は内蔵カードリーダを持っていますが、以前はこれを信頼性の高い方法で、特に有料放送用に使うことができませんでしたので、私はUSBスマートカードリーダを使う構成にしました。しかし現在では2つの方法で、内蔵カードリーダを安定して使えるようになっています。
1つは、PX-W3U2のハードウェアの機能を使ってスクランブル解除する方法で、以下に解説します。
これはPCの負荷も軽く、2つ目の方法であるFakeWinSCardよりシンプルな仕組みなので、どのような環境でも安定して使える点が特長です。ただし「有料放送の視聴は不可、チューナー(W3U2)1台ごとにBCASカードが必要 」という制約がありますので、それで問題がない場合にお使いください。
その辺の制約のないやり方は別の(2つ目の)方法になりますので、FakeWinSCardを使う方法をご参照ください。
1-3)-③で、
a') BonDriver_PX_W3U2_S0.dll
a") BonDriver_PX_W3U2_S1.dll
b') BonDriver_PX_W3U2_S0.ini
b") BonDriver_PX_W3U2_S1.ini
c') BonDriver_PX_W3U2_T0.dll
c") BonDriver_PX_W3U2_T1.dll
という6つのファイルを作りましたが、その中で
b') BonDriver_PX_W3U2_S0.ini
b") BonDriver_PX_W3U2_S1.ini
をテキストエディタで開き、最後の行に
[M2]
M2_Dec=1
を追加し、保存してください。
また新たに、空のテキストファイル
f') BonDriver_PX_W3U2_T0.ini
f") BonDriver_PX_W3U2_T1.ini
を作り、いずれもテキストエディタで開いて、
[M2]
M2_Dec=1
をコピペして、保存してください。
以上のa')~f")を
\Spinel\BonDriver
に上書きコピーします。
次に、\Spinel\Spinel.iniをテキストエディタで開き、該当箇所を以下のように書き換え、保存します。
DescrambleControl = 0
以上で再起動すれば、内蔵カードリーダを使ってスクランブル解除がおこなわれるようになる筈です。
補足1に関する補足(ここからは、せっかく付いている内蔵カードリーダをフルに使い倒したい人向け。ここまでで満足した方には余談です。)
winscard.dll は独自に実装したものを、実行ファイルと同じフォルダに置くことで Windows標準のものとすり替える(フックする)ことができます。(最近話題のNetCASはこの方法を使っています。) TVTestの機能では更に、BonDriverと同じフォルダに、ユーザーが実装したwinscard.dll を”BonDriver名.scard” とリネームして置くことで、BonDriver毎にこのフックができるような機能を持っています。
CardReader_PX.dll は実装が足りないため、winscard.dllそのものとしてはうまく動きませんが、この(後者の)使い方であれば、”ほぼ”うまく動くため、この使い方を勧めているBlogや記事も結構あります。
しかし、上記のようにAPIとしての実装が不完全で、チャンネルやBonDriverの切り替えタイミングによって使えなくなるなどトラブルが多く、私はこれ単体ではお勧めできるレベルではないと考えています。
ただしこの辺の動作を安定させたり、汎用性を高める開発も有志によって行われています。例えばこのCardReader_PX.dllの不備を補完して、完全なwinscard.dllとして使えるようにした、FakeWinSCardというツールがあります。
ここでは、これを使う手順を簡単にご紹介しておきます。これを使えばスマートカードリーダを別途購入する必要はありません。本体だけで有料放送のEMM処理を含む、スマートカードリーダと同等の全ての事が出来るようになります。
(ただし、環境によってはうまく動かないこともあるかもしれません。あくまで有志作成ツールですので、その場合はスマートカードリーダの利用をお願いします。 使ってみた感じだとBCAS処理能力はUSBカードリーダの半分程度で、同時視聴を増やしていった時の限界もやや早めに出るようです。ただまあW3Uxを1、2台使う程度なら、負荷的には何の問題もありません。)
①PX_Series用FakeWinSCard をDTV板
http://www3.wazoku.net/2sen/dtvup/
よりダウンロード。
上記リンク先が機能していない場合の一時待避所を置いておきます。→up0800.zip
②FakeWinSCard.dll をWinSCard.dll にリネーム
以後、
WinSCard.dll (上記でリネームしたもの)
CardReader_PX.dll (リネームしない)
CardReader_PX.ini (リネームしないが、中のデバイス名・番号を、カードを挿すデバイスに合わせる。
具体的には[Settings]以下の内容を、BCASカードを挿すデバイスに合わせて次のようにしてください。
TunerFrendlyName=HDTV_PX_W3U2 BDA Digital Tuner_0 (PX-W3U2 最初のデバイスの場合)
TunerFrendlyName=HDTV_PX_W3U3 BDA Digital Tuner_0 (PX-W3U3 最初のデバイスの場合)
TunerFrendlyName=HDTV_PX_S3U2 BDA Digital Tuner_0 (PX-S3U2 最初のデバイスの場合)
TunerFrendlyName=HDTV_PX_W3PE BDA Digital Tuner_0 (PX-W3PE 最初のデバイスの場合)
TunerFrendlyName=HDTV_PX_S3U BDA Digital Tuner_0 (PX-S3U 最初のデバイスの場合)
同じデバイスを2個以上挿している場合はTuner_0になるとは限らず、Tuner_1、Tuner_2等のように指定しますが、
どのデバイスが何番になるかは、挿すUSBあるいはPCIeの位置関係で決まってくるようなので、いろいろ試してみてください。
この3つをワンセットにして、独自に実装したwinscard.dllとして使うと、内蔵カードリーダが完全に機能するスマートカードリーダになります。
③例えば\TVTestフォルダにこれを入れれば、TVTestからスマートカードリーダとして使えるようになります。
また\Spinelフォルダに入れればSpinelによるスクランブル解除に使え、BonCasServiceと同じフォルダに入れれば、BonCasLinkで他PCとBCASカードを共有できるようになります。
EDCBでスクランブル解除するならEpgDataCap_Bon.exeと同じフォルダ 、TsSplitterならTsSplitter.exeと同じフォルダにこの3つセットをコピーすればOKです。
要は各プログラムと同じフォルダに入れることで、それぞれから内蔵カードリーダを使えることになります。
尚、上記のM2_Dec=1の方法とは併用できませんので、実行用の \TVTestフォルダや\Spinel\BonDriverフォルダにある BonDriver_PX_W3U2_xx.ini は全て、 M2_Dec=1 という設定があれば M2_Dec=0 と書き換えてください。
私自身、最初からこれがあれば使っていたかもしれませんが、一応今はスマートカードリーダがあって困っていないことと、16チューナー環境でスクランブル解除するためには、少しでもパフォーマンスの高い本物のカードリーダの方が良いので、現状では使っていません。したがってご参考情報にしてありますが、十分使えるものだと思います。
各プログラムのフォルダ毎にこれら3つのファイルを置かなければならないのはちょっと面倒ですが、逆に応用として、複数個の\TVTestフォルダや\Spinelフォルダに別々のPXチューナーを指定したCardReader_PX.iniと置いたり、置かずにUSBカードリーダの処理にして、BCAS処理を負荷分散させることもできます。
尤も有料チャンネル契約BCASカードは金がかかるので増やせませんが、未契約カードや青BCASでも番組表取得なら出来ますので、それらのカードを使って無料放送用だけではなく、BS,CSでの番組表取得の負荷軽減にも使えます。
以上です。
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尚これは、BonDriver_PXxx.iniでM2_Dec=1を指定するのとは全く別の方法です。M2_Dec=1では、CardReader_PX.dllは全く使いません。
M2_Dec=1を指定すると、スクランブル解除はデバイス(W3U2)内部でおこなわれるようになります。内蔵カードリーダの存在をアプリケーション側は知らず、デバイス本体からスクランブル解除(Multi2解除)済みの信号を単に受け取る形になります。
各デバイス内でMulti2解除処理ができるよう、デバイス毎にカードが必要になりますし、今のところEMM処理については、内部でおこなうオプションはBonDriverには用意されていません(よって上記では、有料放送を視聴しないことが前提になっています)が、元々デバイスH/Wが持っている機能を使っていますので、動作は安定しており、PCへの負荷もかかりません。
(Multi2解除処理とEMM処理の仕組みをもう少し知りたい方はこちら。)
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*補足2 他PCからの視聴・録画について
Spinelを使えば、他のクライアントPCから、チューナを共有して家の中のどこでもTVを視聴・録画することが簡単にできるようになります。
ただし、予め
●チューナーを導入したサーバーのIPアドレスを固定する。
●サーバー上のBCASカードを共有するBonCasLinkを設定する。
(netcasなど代替のwinscard.dllを使う場合は、サーバ、クライアントの各TVTestフォルダにそれを入れておけば BonCasLinkは全く必要なくなりますが、そうでない場合この設定は必須です。)
以上を準備する必要がありますので、先にその手順をご説明いたします。
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●チューナーを導入したサーバーのIPアドレスを固定する。
ここでは一応固定IPアドレスの設定をやったことがない人のために敢えて説明してありますが、ご存じの方はあまり気にせず、適切なアドレスに設定してください。以下の何箇所かでは仮に192.168.0.250というアドレスを設定するものとしてサンプルを書いてあります。
一応、固定IPアドレスの設定をやってことがない方のために手順を説明しますと、
サーバーPC上で、「コントロールパネル」→「ネットワークと共有センター」→「アダプター設定の変更」から、(現行LANの)「ローカルエリア接続」を選択(ダブルクリック)します。(これはWin7の場合です。XP,Vistaの場合の操作はそれぞれ微妙に異なりますが、該当するものを探してください。)
結果、以下の左のようなウインドウが出てきますので、矢印の順でセットしていきます。

大抵の家庭内LANでは、アドレス体系(IPv4)はここにある192.168.0.x の形式で、ルーターのアドレスは192.168.0.1になっている筈です。 もし判らない場合は、Windowsのスタート→すべてのプログラム→アクセサリ→コマンドプロンプト を選んで、以下の図のように「ipconfig」とコマンドを打ってみてください。

ルーターのアドレスが図の赤い枠内の場所に表示されます。
固定IPアドレスは、この192.168.a.xの末尾の数字[x]を適当に決めてセットしてください。大抵の家庭内LANでは、192.168.a.2 から32or64個分のアドレスはDHCPが管理していると思いますので、それと重ならない大きなアドレス末尾(~255)を割り振ると良いです。以下では仮に、192.168.0.250 とセットしています。
サブネットマスクに255.255.255.0を入れ、デフォルトゲートウェイと優先DNSサーバーにルーターのアドレス192.168.a.1をセットし、後はOKを押していけば終わりです。
●サーバー上のBCASカードを共有するBonCasLinkを設定する。
各クライアントごとにBCASカードとカードリーダをセットするのは著しく利便性を損ないますが、ネットワークでBCASカードを共有するBonCasLinkを設定しておけば、不要になります。設定手順はこちらにありますので、まずはサーバー上でのBonCasService、およびサーバー内でのBonCasProxyを設定してください。
①クライアントPC側の設定
ここまでに作成した\TVRock、¥TVTest、\BonCasLinkの各フォルダをクライアントPCの適切なフォルダ下にコピーし、設定していきます。

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●まず、コピーした¥TVTestフォルダの、直下にあるBon_Spinelドライバー用iniファイル4つ
a') BonDriver_Spinel_PX_W3U2_S0.dll.ini
a") BonDriver_Spinel_PX_W3U2_S1.dll.ini
a"') BonDriver_Spinel_PX_W3U2_T0.dll.ini
a"") BonDriver_Spinel_PX_W3U2_T1.dll.ini
を、テキストエディターで編集し、該当箇所を以下のように書き換え、保存します。
Address = "192.168.0.250:48083"
RequireExclusiveChannelControl = 0
ForceTCPDataLinkMode = 1
注)AddressはサーバーのIPアドレスに合わせて適切に設定してください
●コピーした¥TVRockフォルダはとりあえず弄る(使う)必要はありませんが、クライアントPCで予約録画をおこなったり、あるいは目覚まし代わりにクライアントPC側で決まった時間にTVTestが起動するようにしたい、といった場合は、③にその方法を解説してあります。
●次に、コピーした\BonCasLinkフォルダにある BonCasProxy.exe をダブルクリックして起動します。するとタスクトレイに図のようなカードの形をしたアイコンができますので、右クリックから「クライアントの設定」を選びます。

図のような設定画面が出ますので、上の手順で設定したサーバー側IPアドレスを入れ、OKを押してください。

設定値を保存するため、一旦タスクトレイ上のアイコンで「右クリック」→「終了」し、再度BonCasProxy.exeをダブルクリックして起動してください。(設定したあと上げっぱなしにするとIPアドレスは保存されませんので、ご注意ください。一旦終了させれば、サーバーのアドレス情報が\BonCasLinkフォルダ上 BonCasProxy.ini ファイルとして保管されます。)
・BonCasProxy.exeをWindowsスタートアップ時に起動するようにしてください。これで、TVTestからのBCASアクセスは、常にBonCasProxyを経由してサーバーにアクセスするようになります。
・もし今まで内蔵カードリーダを使う設定にしていて、\TVTestフォルダに「FakeWinSCard.dllをリネームしたWinSCard.dll」が存在している場合は、それを削除しておいてください。(そうでないwinscard.dll は削除してはいけません。)
●TVTestの設定
1-1)の各種ランタイムをクライアントPCに導入してください。.
導入したら、上記\TVTestフォルダにあるTVTest.exeを起動します。
このとき、クライアントPCにサーバー側で使ったデコーダがない場合、
「DirectShowの初期化ができません。」
というメッセージが出て、映像が表示されません。その場合は、「設定」‐「一般」で適切なデコーダ(Microsoft DTV-DVD Video Decoderなど)を選んでください。Windows8、あるいはXPで選ぶものがない場合は、こちらをご参考に「ffdshow Video Decoder」等を導入した上で、ここで選択してください。
以上で一旦TVTestを終了し、再度TVTestを起動してください。チューナー/チャンネルが適切に選択でき、映像が表示されれば、視聴環境の設定は完了です。
②ここまで設定した \TVRock、¥TVTest、\BonCasLinkの各フォルダを、マスターとして別の場所にコピーして保管しておきます。
これを他のクライアントPCにコピーしていけば、僅かな調整で簡単に視聴環境を展開していくことができるようになります。
各クライアントで展開のたびに必要な作業は、以下の通りになります。
-1-1)の各種ランタイムを導入すること。
-BonCasProxy.exeをWindowsスタートアップ時に起動するようにすること。
-(必要があれば)TVTestで適切なデコーダを選択すること。
これだけです。
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●録画予約
クライアントPCからサーバーに録画予約する場合、(仮に)録画・視聴サーバーのIPアドレスを192.168.0.250とすれば、ブラウザーでアドレスバーに
http://192.168.0.250:8969/nobody/now
と入力すれば、サーバー上の番組表を常に参照できます。これをお気に入りに登録しておけば、簡単に呼び出せます。
ただし上のほうにも書きましたが、番組表を見るブラウザは、ie9ではハングしたような状態が頻発しますのでFirefox、ie8などが推奨です。
ここから録画予約すれば、録画はサーバー側にスケジュールされます。また現在の全ての予約内容の一覧を見たり編集もできるので非常に便利で、私も常用しています。
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③(オプション) クライアントPC側に独立したTVRock環境を作る場合。
普通のクライアントPC設定は上記②までで十分です。サーバーに対する録画予約はブラウザーを使って簡単にでき、そのほうが録画が重なった場合でもチューナーを適切に割り振ってくれます。
しかし、敢えて他PCで独自に予約録画をおこないたい場合もあるかもしれません。例えばサーバー側は省電力のミニマムマシンを常時ONにして、おもに受信してSpinelで配信する役割と、④でご説明するTVRock間連携&マジックパケットを使った"叩き起こし役"に専念させておけば、スリープ復帰の失敗を避けながら、CPU能力と大容量のHDDを持った録画機を必要な時だけ動かす運用ができます。
またTVRockは、録画だけでなく実は視聴オンリーでも予約できますので、予約した時間になったらクライアントPCで、TVTestを指定のチャンネルで自動的に立ち上ける、という、テレビによくある機能を実装したい場合もあるかもしれません。(目覚まし代わりに使いたい時など。)
そういう場合は、TVRockもSpinel経由・他PCで動かすことができます。以下はその手順です。(当面その必要のない方は、この③と④は読み飛ばしてください。)
クライアントPCでTVRockを起動します。
以下のような初期化ダイアログが何回か出ますが、

キャンセルを選んでください。(OKを押してしまうと、展開用マスターで作ったものではなく、デフォルト値がセットされた構成ファイルが、勝手にできてしまいます。)
TVRock右クリックから「設定」を開き、「システム設定」のタブで、「TvRock作業フォルダ」を、クライアントPCの \TVRockフォルダに指定します。(図は例です。)

OKを押したのち、一旦タスクバー上のTVRockアイコンを右クリックして、「TVRockを終了」させます。
\TVRockフォルダ上でDTune.batを実行します。
以降は「2-4)DTune.batによる、TVRockの設定 および、5)TVRockの残りの設定 」と同じ手順を進めてください。多くの項目はサーバー側で設定済の内容がそのままプリセットされていますが、
-チューナー毎にクライアントPC側の\TVTestフォルダに指定しなおすこと。
-同じく録画先フォルダをクライアントPCの環境に合わせて適切に指定すること。
以上(図の赤丸部)に注意してください。

Dtune終了後、設定画面で内容を編集していきます。ほとんどの項目はサーバー側の設定がそのまま引き継がれますが、以下の3項目は(Dtuneの制約上)設定が初期化されています。私の場合以下のように編集しましたが、各自のポリシーに合わせて再設定してください。
・システム設定で、「復帰処理をタスクスケジューラーで行う」をチェックアウトしていたのがチェックされていた。=>チェックアウトに戻した。
・インテリジェントで、TVRock番組表を「認証無し」にしていたのが「Digest認証」になっていた。=>「認証無し」に戻した。
・番組情報取得の対象チャンネルが地上波だけになり、衛星のチェックが解除されていた。=>インテリジェント-番組情報取得の手順で、BS,CSを再度全チェックし、「記憶する」をクリックした。
以上で、TVRockを終了・再起動すれば、クライアントPC上で独自の予約ができるようになります。
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④(オプション) クライアントPC側のTVRockを、サーバーTVRockと連携させる場合。
TVRockを③のように複数PCで動かす場合、例えば番組表をそれぞれのPCで取得するのはチューナーの無駄ですので共有したいですし、各PCの予約内容を俯瞰して、適切なPCに再割振りしたい場合もあります。
その場合TVRockには「同期」という便利な機能がありますので、簡単にご紹介しておきます。
サーバー側TVRockの設定画面を開き、「同期」タブで、以下のように「マスターモード」をチェックします。

「接続できるスレーブの数」は適当にセットしておけばOKです。
次にクライアントPC側TVRockで同じ画面を開き、

「スレーブモード」をチェックして、サーバーPCのIPアドレスを入力します。
以上でサーバー、クライアントそれぞれのTVRockを終了→再起動すれば、以後連携するようになります。
具体的にはサーバー側で取得した番組表はクライアントTVRockでも参照できるようになりますし、それぞれの予約状況を1つの番組表で確認したり、録画するPCを変更したりなど、自由に編集できるようになります。
また、シャットダウンしているPCを、予約時間になったら常時ONのPCが、Wakeup on LANを使って「叩き起こす」という機能もあります。
図は連携した状態での予約リストの例で、2台のコンピュータそれぞれでの予約一覧が出ています。

なお、ここまでの設定では、実際はチューナーはSpinel経由で共有していることに注意してください。同じチューナーで同じ時間帯に別のPCが録画しようとすると、排他の優先権のあるTVRock(この場合サーバーPC側のTVRock)がチューナーを奪い取ることになります。
この辺は1つのTVRock内の予約なら、同じ時間帯にチューナーが重複しないように管理しますが、同期機能はSpinelの存在は関わり知りませんので、別のPC上のTVRockが使うチューナーは別物と見なしています。この辺は予約時に注意する必要があります。
本来はこの機能は、別々のPCがそれぞれのチューナーを持っている場合を想定した連携機能です。また、後日の私の環境のように、1つのTVRockが使えるチューナー数の上限(8個)を超えるチューナーを使う場合に、複数PCで予約録画を分担させる場合にも有効です。
例えば私のところでは後日4台16チューナー体制になりましたので、クライアント側にもう1つTVRockを立てて残り8チューナーを受け持たせ、予備の役割にしました。図のように代替チューナーを定義しておけば、予約録画時に空いているチューナーを順に探していきます。

このうちサーバー"K"機内の予約振り分けは、DTune.bat を使って初期設定する際に自動的に定義されるものですが、クライアント"P"機への振り分けは、連携機能を使って初めて可能になるものです。(ただしチャンネル再設定やチューナー追加で DTune.bat を走らせると、この赤枠内の「他サーバー」機への振り分け部分が「使用しない」に戻ってしまいますので、都度再設定しておいてください。)
こう定義しておくと、予約の際に衛星チューナー2番が他の予約で埋まっていれば、サーバー"K"機内の残りの3つの衛星チューナーを順に探し、それも埋まっていればクライアント"P"機内の4つの衛星チューナーを順に探して、空いているチューナーに予約を割り振るようになります。
また、そもそもTVRockは予約を必ずしも自マシン優先で割り振るのではなく、他マシンへの録画割り振りを優先させることもできます。図のように録画基本設定で「放送波別優先予約デバイス」で他のマシンのチューナーを割り振っておけば

そのマシンの番組表にアクセスして録画予約をおこなっても、実際の録画は別のマシンでおこなわれます。これは常時起動しているマシンと録画用マシンを分ける場合に有効です。
ただしその場合、録画用マシンのほうも起こされてすぐには同期が完了せず自分に録画が割り振られたことに気づきませんので、「同期」タブで「予約情報更新時にマジックパケットを送って貰う」などを指定して、予め起こして伝えておくようにしておいたほうが良いです。
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*補足3 サーバーPCに視聴用TVTest環境を別途作成する
ここまでの手順でサーバーPCに作成したTVTest環境はTVRockでも使いますので、チューナー操作の優先権を持たせてあります。(BonDriver_Spinelの排他制御オン:RequireExclusiveChannelControl = 1 と設定してあります。)
こうしておくことでTVRockは確実に録画開始することができますし、録画中に他のアプリがうっかりチャンネルを切り替えてしまうようなことも防げます。
しかしこのTVTest環境を視聴にも使うと、そこでの操作にはTVRockは優先権を持てませんので、予約録画や番組表取得を妨げるような悪さをすることがあります。
サーバーPC上でTVRock用TVTest環境と視聴用TVTest環境を分けて作っておくと、この辺のミスが起きない環境になりますし、Spinelを使うメリットをPC1台でも享受できます。これは文章で説明すると判りにくいですので、以下の図で説明します。

このグレー点線枠内の「サーバーPCにおける視聴用TVTest環境」 を作る手順を説明します。
1)\TVTestフォルダをエクスプローラーで表示した状態で、以下の図のようにコピーした後、リネームして \TVTest視聴用フォルダ(名前は任意)を作成します。

2)この中には\TVTestフォルダと全く同じものが入っていますので、その中の以下の4つのファイルを順にテキストエディタで開いて
BonDriver_Spinel_PX_W3U2_S0.dll.ini
BonDriver_Spinel_PX_W3U2_S1.dll.ini
BonDriver_Spinel_PX_W3U2_T0.dll.ini
BonDriver_Spinel_PX_W3U2_T1.dll.ini
該当箇所をそれぞれ次のように書き換え、保存します。
RequireExclusiveChannelControl = 0
これ(だけ)で出来上がりです。デスクトップには \TVTest視聴用 にあるTVTest.exeのショートカットを置いて、通常の視聴にはこちらを使うようにします。
なお作成するのは簡単ですが注意点としては、両方のTVTest環境とも同じようにメンテナンスする必要があり、その点が二度手間になります。(尤もメンテナンスは片方だけでおこなって、その都度 BonDriver_Spinel_xxxx.dll.ini 以外のファイルをもう片方に上書きコピーする手順でも構いません。とくにチャンネル再編については、*.ch2 ファイルをコピーするだけでOKです。)
私自身の経験上も、TVRock用と視聴用のTVTest環境は分けた方が、録画のうっかりミスもなくより完成されたシステムになります。
またちょっとした応用ですが、上の絵にもある通りSpinelを使えば、同じチューナーを使って複数のPC/TVTestから同じチャンネルを観ることができます。(排他制御はチャンネルを切り替える権利を与えたり与えなかったりする機能であり、Spinelのこの機能の本質はむしろ同じチャンネルのtsを何重にも配信できる所にあります。その時にチャンネル制御が混乱しないように排他制御をおこなう、という発想です。)
これを使えば何台ものPCで同じ番組を映すことが可能ですし、工夫すればマルチモニタの表示にも応用できます。
*排他制御の応用について
ここまでの手順では、TVRockで使うチューナーに排他制御の優先権を設定してあります。録画中や番組表取得中に、それを知らないユーザー操作やうっかりミスで該当チューナーのチャンネルを操作してしまうと録画や番組表取得が失敗してしまうので、それを抑止するのが目的です。
これはサーバーとクライアントPCの使い方に合わせて、細かくカストマイズすることもできます。
例えばTVRockはサーバーとクライアントPCの両方で動かすことができますが、それに全部のチューナーを定義する必要はありませんので、TVRockが使うTVTest環境はそれぞれ分けておいて、その中には対応するTVRockが使うチューナー(用のBonDriver_Spinel_xxxx)だけを置いて、それぞれの BonDriver_Spinel_xxxx.dll.ini で排他制御をオン、すなわち
RequireExclusiveChannelControl = 1
と設定しておけば良いと思います。
視聴用のTVTest環境では好きなだけBonDriver_Spinel_xxxx を置くことができますが、そちらでは排他制御オフ
RequireExclusiveChannelControl = 0
としておけば、予約録画が走っていない間は自由に使うことができ、また予約録画や番組表取得がスタートするとそのチューナーの制御権がTVRockに移って、チャンネルが切り替わるとともに録画終了するまではチャンネルを弄れないようになります。
TVRockが使わないチューナーについては、視聴用TVTest環境での排他制御は個別にオンにもオフにもできます。
これを応用して、各人のPCで優先視聴できるチューナーを決めて、それだけ排他制御をオンにしておけば、他人やTVRockに邪魔されずゆっくり視聴できるTV視聴環境にもできます。
もっともそうやって録画用と視聴用のチューナーを分けていくと、W3U2 1台分のチューナーではとても足りないですね。私は後日W3Ux 4台16チューナーの構成にしましたが、今はそれを録画専用8チューナーと、視聴・兼録画予備用8チューナーに分けて使っています。
その状態で今年の正月番組で同時録画が沢山走った時も、最大で8チャンネル同時でしたので、視聴用のチューナーは充分確保できていました。(そのときは衛星6チャンネルを同時録画していましたので、W3Ux を4台にした意味はありました)
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その他・BonCasLinkを使ってサーバーのBCASを共有する。
さて、これを導入した当初は、Spinel側でスクランブル解除を全ておこなっていましたが、特にCS(スカパーe2)で、2チューナー以上で同時に視聴/録画していると、Spinelの仕様で同一トラポン上の全サービス(9個に達する場合もある) を一斉にスクランブル解除しようとするため、BCASの処理能力を超えてしまい、画面が固まる/カクカクする、といった事が発生しやすくなりました。
サーバーをFusion(E350)機からZ68ITX(i7 2600k)機に増強したところこれは幾らか改善されましたが、Spinel側でスクランブル解除することはこのようなボトルネックがあり、また別の理由として後日、B25Decoder(の入っているMulti2Dec)の公開状況が危うくなってきましたので、Spinel側でのスクランブル解除はやめ、TVTest側で一括しておこなう設定にガイドを全て変えることにしました。その場合、BCAS/カードリーダが付いているサーバー機はTVTestとBonDriver_Spinelの設定を変えるだけで良いのですが、
クライアント機はサーバーのBCASを参照する必要があります。そのためには、BonCasLinkを導入する必要がありますので、以下に解説いたします。
(ただし、netcasなど代替のwinscard.dllを使う場合には、この手順は意味がありません。BonCasLinkは使わず、サーバおよび各クライアントPCの \TVTestフォルダに winscard.dll を入れて配布するだけの話になります。)以下はそれ以外の場合の対応です。
この手順は、BCASをネットワークで共有したい場合に広く使えます。ただしツールの性格上、USBカードリーダか、FakeWinsCardを使うことが前提になります。
・こちらのリンクからBonCasLinkのzipファイル(up0714.zip)をダウンロードしてください。
解凍したものは以下のようになります。

この\BonCasLinkフォルダをサーバー、クライアントそれぞれにコピーし、実行用フォルダとします。
(尚、FakeWinSCardを使って内蔵カードリーダを使用する場合は、用意した3つのファイルを、サーバー上で\BonCasLink\サービス版 フォルダにコピーしておいてください。)
・サーバーで、上記\BonCasLink\サービス版 フォルダの「サービスインストール.bat」 ファイルを右クリックし、「管理者として実行」してください。画面で何か聞かれたらEnterを押せば良いです。

Windows8について補足)
Windows8のマシンで上記の操作をすると、次のようなメッセージが出てサービス登録がうまくいきません。

BonCasServiceの動作自体はWin8でも問題ありませんが、登録手順はこちらに補足がありますので、ご参照ください。
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・次に「スタートメニュー」→「コントロールパネル」から「システムとセキュリティ」→「管理ツール」→「サービス」の順に選びます。

・図のような画面になりますので、スクロールさせてBonCasServiceを探し、ダブルクリックします。

・表示された画面で、図のように「自動」を選び、「開始」をクリックした上で「OK」をクリックしてください。これで自動開始サービスとして登録されます。
・次にサーバー側のWindowsファイアウォールで、BonCasServiceへのアクセスを許可するために、以下の作業をおこないます。
スタートメニューの「コントロールパネル」→(システムとセキュリティ)→「Windowsファイアウォール」から「詳細設定」を選び、「受信の規則」から「新しい規則」をクリックします。

規則の種類で「プログラム」を選んで「次へ」を押すと、対象のプログラムを聞いてきますので、「このプログラムのパス」を選んで「参照」を押し、「\BonCasLink\サービス版」 フォルダにあるBonCasService.exe を指定します。

以降は「次へ」を押しながら、「接続を許可する」→「プライベートのみ(ドメインとパブリックのチェックは消す)」を指定し、最後に「BonCasService」と名前を入れて、「完了」をクリックします。

以上で、BonCasServiceの設定は終わりです。(これはWindows7での手順ですが、他のOSの場合も類推しながら作業いただければ。)
・次に、サーバー、クライアントの双方で、\BonCasLinkフォルダにあるBonCasProxy.exeをダブルクリックして起動します。タスクトレイに図のようなカードの形をしたアイコンができますので、右クリックから「クライアントの設定」を選びます。

図のような設定画面が出ますので、サーバー側はこのままで「OK」、またクライアント側には、サーバーのIPアドレス(リンク先のように固定のアドレスに設定する前提)を入れ、OKを押します。

設定値を保存するため、クライアント側では一旦タスクトレイ上のアイコンで「右クリック」→「終了」し、再度BonCasProxy.exeをダブルクリックして起動してください。(設定したあと上げっぱなしにするとIPアドレスは保存されませんので、ご注意ください。一旦終了させれば、サーバーのアドレス情報が\BonCasLinkフォルダ上 BonCasProxy.ini ファイルとして保管されますので、\BonCasLinkフォルダを丸ごとコピーすれば、他のクライアントにも簡単に展開できます。)
・BonCasProxy.exeはサーバー側、クライアント側とも、Windowsスタートアップ時に起動するようにしてください。これで、TVTestからのBCASアクセスは、BonCasProxyとBonCasServiceを経由するようになります。
・もし今まで内蔵カードリーダを使う設定にしていて、\TVTestフォルダに「FakeWinSCard.dllをリネームしたWinSCard.dll」が存在している場合は、それを削除しておいてください。
(そうでないwinscard.dll は削除してはいけません。クライアント側、サーバー側両方とも。)
・次に、スクランブル解除を原則SpinelではなくTVTest側でおこなうように、Spinel、TVTestの設定がそうなっていなかったら、以下のよう統一してください。
○サーバー、クライアントの両方で、以下の設定に合わせる。
(サーバー側Spinel.iniで、DescrambleControl = 0 に変更する、またサーバー・クライアントの各TVTestフォルダにある全ての BonDriver_Spinelxxx.dll.ini で、 DesiredDescrambleControl = 0 に変更する)
○サーバー・クライアントの両方で、TVTestの「設定」→「一般」で、カードリーダを"なし"になっていたら、"スマートカードリーダ"に変更する。
これに伴って、TVTestのスクランブル解除関係のチェック項目が加わる(ホワイトアウトした状態からチェック可能な状態になる)ので、設定しておく。
(図の赤丸部のように設定)
以上です。ミスのないように詳しく説明しましたので長くなりましたが、数分でできる簡単な設定です。
ちなみにここまでご紹介していませんでしたが、通常のWindows7の仕組みだと、リモートデスクトップでサーバーを操作した瞬間に、SpinelやTVTestのようなアプリがスマートカードリーダを読めなくなるという仕様上の制約があります。しかしBonCasLinkを導入すれば、上手くWindows7を騙しているのか、この問題が起きなります。このようにリモートデスクトップをPC運用で多用する人にも、BonCasLinkを使うことのメリットがあります。
実はサーバー内については、TVTestでスクランブル解除するときに敢えてBonCasLinkを経由させる必要はないのですが、リモートデスクトップが使えるメリットと、オーバーヘッドもほとんど無いことから、今回その構成にしました。あとでBCASを別サーバーに移したり負荷分散させたりといった応用が効くのもメリットになります。
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その他・TVTestの使い方に関するTIPS
TVTestは、TS抜き環境で映像を楽しむための基本になるソフトですので、少しばかりTIPSを書いておきます。
1)TVTestのヘルプファイル
TVTestは画面を見ながら操作していけば大体は判った気になるのですが、実は視聴中にさかのぼり録画ができたりと、機能豊富です。ところが、TVTestの導入方法が書いてあるサイトは多いのですが、使い方やカストマイズは意外な盲点で、なかなか情報がありません。
あまり知られていないのですが、TVTestには便利なヘルプファイル

が付いています。ここではこれを使う方法を説明します。
\TVTestフォルダに、TVTest.chm というファイルがあり、これがヘルプファイルなのですが、Windows7の場合デフォルトでは、これをダブルクリックしても何も中身が表示されません。そこで、
①TVTest.chmファイルを1回クリックして、その後右クリック→プロパティを選ぶ。

②プロパティの「全般」タブで、「ブロックの解除」をクリックする。

以上でOKを押す。
これでTVTest.chmをダブルクリックすれば、上記のヘルプが表示されるようになります。
普段使えるように、デスクトップにこのヘルプファイルのショートカットを作成(ファイルを右クリックしたままデスクトップの上に持って行って、「ショートカットをここに作成」)しておくと使いやすいと思います。
2)TVTestの使い方に関するFAQ
別記事にTVTest関連を含めたFAQをまとめておきましたが、上記ヘルプファイルの「補遺」の中には一般的なFAQやTipsがあります。
それほど情報量はありませんが、使っていく上でありがちな疑問点をカバーしています。
3)録画したTSファイルの再生方法
再生環境を作り込んでいくときりがないですが、とりあえず普段の再生にはWindowsMediaPlayerや、お好みによってVLC、GOM、PowerDVD(有料)などが使えます。
しかし放送用フォーマットのTSファイルをそのまま再生する場合、これらの汎用プレーヤーでは操作性が悪いと感じる事があります。
例えば二ヶ国語音声の操作が面倒だったり、音がうまく出なかったり、サイズカットされた映像の比率変更も機能が少なめです。
この辺は、もともとテレビとして作られているTVTestの機能を、そのまま再生にも使えたほうが便利と考える人もいて、有志によってTVTest用のプラグインが開発されています。
実際私も使っていますが、特にCSの標準画質の映像はこれでないとうまく扱えないことが多く、重宝しています。
以下に代表的なものをご紹介します。詳細は各パッケージのReadmeにありますが、簡単な解説サイトもリンクしておきますので、参照してみてください。
なお、これらは既存のTVTestの環境に付け足してもよいのですが、もう1個\TVTestフォルダを作って、他のBonDriverを入れずに再生専用にして、デスクトップのショートカットも別に作ったほうが使い易いと思います。
①BonDriver_File: 定評あり。ただし新規入手できなくなっていますので、既にDL済みの方以外は②を使ってください
解説サイトの例
http://gomacat.blog18.fc2.com/blog-date-200905.html
②TvtPlay: 最近出てきたものですが評判良
ここから最新版(ver.2.0)をダウンロード
やや古いですがアーカイブはこちらhttp://www2.wazoku.net/2sen/hdusup/
解説サイトの例
http://www.dxcode.com/archives/2011/08271704.php
4)PowerDVD11以降のデコーダとしての利用について
PowerDVDを購入して導入済の環境の場合、PowerDVD用デコーダ(CyberLink Video/SP Decoder)をTVTest用デコーダとして使う人も多いと思います。
しかしPowerDVD11以降
にバージョンアップすると、TVTestのデコーダとして、これが選択できなくなります。
これはWindowsの汎用デコーダとして使えなくなったわけではなく、デフォルトで表示されなくなっているだけです。(CyberLinkがなぜそうしたかの理由は判りません。)
以下の方法で復活させることができますので、PowerDVDの綺麗な画質や動画再生支援を気に入っている方は、試してみてください。
・コマンドプロンプトから操作します。Windowsのスタート→アクセサリ→コマンドプロンプト で、コマンドプロンプトを表示してください。
以下の順に1行づつコマンドを入力してください。(一行づつコピーして、マウスをコマンドプロンプトの上に置いて、右クリック-貼り付けし、Enterしていくと良いです。)
なお、ここではPowerDVD12を導入した場合のコマンドをご紹介しています。PowerDVD11を導入された方は、フォルダ名を PowerDVD12→PowerDVD11と置き換えるだけで対応できます。
一旦下記をテキストエディタにコピペして 12→11 と置換したうえで、この手順を進めると良いと思います。
(64bit Windowsの場合)
C:
CD \Program Files (x86)\CyberLink\PowerDVD12\Common\VideoFilter
regsvr32 CLVsd.ax
exit
(32bit Windowsの場合)
C:
CD \Program Files\CyberLink\PowerDVD12\Common\VideoFilter
regsvr32 CLVsd.ax
exit
以上でTVTestの 設定→一般→デコーダ で、「CyberLink Video/SP Decoder」が選択できればOKです。
5)その他便利なプラグイン
① 字幕プラグイン
文字通りの機能で、地上波、衛星放送とも結構多くのドラマや番組で字幕が表示できるようになります。
これは外国語番組の字幕機能ではなく(それらはもともと映像の中に埋め込まれています)、放送中の日本語の音声を文字にしたもので、本来は難聴の人向けのサービスと思われますが、夜中などに音を小さくして視聴したい場合に表示しておくと、結構便利です。
・TVCaptionMod2-12.zip TVCaptionMod2 Plugin ver.1.2 をダウンロードします。
解凍した中にある
TVCaptionMod2.tvtp
Caption.dll
の2つのファイルを、\TVTest フォルダの下の\Plugins フォルダにコピーします。(誤ってx64版をコピーしないように。)
・TVTestの画面で右クリックし、図のように プラグイン→TVCaptionMod2の上でクリックします。

クリックするたびにTVCaptionMod2の前にチェック✔が付いたり消えたりしますが、✔が付いている状態にすれば字幕機能が有効になり、上の図のように字幕が表示されます。
録画したTSファイルを上記3)のBonDriver_File やTvtPlay で再生する時も同じように、このプラグインで字幕を表示することができます。
前提としては録画環境のTVTestで図のように、「字幕データを保存する」が指定されている必要がありますが、

ここまでの手順ではこの設定になっている筈です。
② NicoJK ニコニコ実況プラグイン
その名の通りのプラグインです。地上波のみの対応ですが、ニコ実の使い方からすれば十分じゃないでしょうか。

導入も簡単です。
・前提S/Wとしてこちらから、ニコニコ実況SDKをダウンロード&解凍し、jknicom_release.exe を実行して導入してください。
・次に、NicoJK導入パッケージはこちらにありますので、お好きなバージョンのNicoJK_revxx.zipをダウンロードしてください。
なお動作の観点で最新版が必ずしも良いとは限らず、私の環境では後述のようにNicoJK_rev.12のほうがうまく動きました。念のために最新版の他、その辺のバージョンもダウンロードしておくと良いと思います。
・解凍後、NicoJK.ini に放送局名とニコニコ実況番号(JK)との関連付けがありますので、首都圏の方はそのままで、それ以外の方はお住まいの地域に合わせて編集してください。といっても基本ニコニコ実況の地上波分は東京キー局+関東ローカル局分しかありませんので、各地域の放送局でも、対応するキー局の実況を流す形になります。
お住まいの地域の放送局名(TVTestがスキャンしたものを半角/全角含めて正確に:BonDriverxxx.ch2ファイルからコピペすれば良)=対応するキー局のJK
と修正していくか、書き加えてください。
例えば愛知県なら
NHK総合・名古屋=1
東海テレビ=8 などなど書き加えていけば良いです。
・編集が終わったら、NicoJK.ini とNicoJK.tvtp を、\TVTest\Plugin フォルダにコピーしてください。TVTestを起動後、画面で右クリック→プラグイン→NicoJKをクリックすれば、ニコニコ実況の表示ON/OFFが切り替わります。
なお、私の場合最新版の rev.13 だと以上の設定をしてもうまく実況が表示されず、rev.12で、かつNicoJK.iniで useSDK=1 とした ( ; を外して ニコニコ実況SDKを使用するように変更した)ほうが、うまく表示されました。うまく動かない場合は試してみられると良いと思います。

以上で導入完了です。盛り上がる場面はもちろん、TVを観ていて「冷温停止なわけないだろ!」などツッコミ入れたくなるところでその通りのツッコミがどーっと入ったり、地震のときはテロップよりはるかに速くほぼ瞬時に「茨城揺れたwww」などのコメントが多数流れたりと、TVをリアルタイムで観たくなりますね。TV局もドワンゴ任せではなくこういうサービスをいろんな視聴層向けに拡充するとリアルタイムの視聴者増えると思います。尤もヤラセ、サクラ、検閲済みのコメントばかりになると逆効果でしょうが。。
非力なマシンだとそこそこ負荷になって画面がカクつきますので、その点はご注意を。
負荷の観点というよりもずっと実況が流れっぱなしの画面を観るのも疲れますので、メインのTV画面では実況表示なし、別のTV画面で表示させるという視聴方法もあります。(Spinel経由であれば別のPCでも、同じBonDriver_Spinelを使って同時に画面を出せます。TVTestはそれぞれ設定できますので、片方だけで実況を表示させると、観ていて疲れません。) これで2009年のWBC決勝なども観たかったですね。
③ リモコンの使い方
・付属のリモコンの使い方については、W3U3の記事に使い方を説明してあります。→記事はこちら
・ただしSpinel経由クライアントPC側でテレビを視聴する場合、付属のリモコンは使えません。(あくまでWindowsからはW3U2のリモコン受光部はUSBデバイスの扱いになるため、USBで繋がったPC以外では利用できない)
それ以前に付属のリモコンは、TVTestの中の機能であればほぼ割り当てできるのですが、TVTest自体を立ち上げることはできませんし、例えばマウスの代わりにも使えませんので、TVTestでEPG番組表は表示できても何か操作することはできないなど、TVをリモコンで全操作したい方には、やや機能が不足しています。
その辺を解決するものとしては、PCリモコンがあります。


これは例ですが、TVTestのリモコンとしてはもちろん、ショートカットキーの割り当て、マウス代わり(操作性は別として)にも使えますし、もちろんW3Ux、S3UxシリーズだけではなくPX-S1UDやBCUDなど、TVTestで使えるチューナーなら何でも使えます。
TVTestの起動をリンク先を参考にショートカットキーに割り当てた上でそれをリモコンのボタンに割り当てたり、TVRockに割り当てることも可能です。
*といってもこのリモコンの場合、TVとして使うPCの1台1台にIRレシーバーを繋がなければならない、というのがやや格好悪いかもしれません。
そういうかた向け(?)に、もしAndroid携帯をお持ちでしたら、それをTVTestのリモコンにするプラグインが開発されていますので、試してみられてはいかがでしょうか?
TVTestリモコン http://nilposoft.info/mobile/
解説記事 http://d.hatena.ne.jp/korokorokoron/20120922#1348312370
残念ながら私はAndroid携帯は持っていないのでテストはできないのですが、家庭内無線LANにAndroidが接続できて、該当PCのIPアドレスにアクセスできる環境になっていればどのPCに対しても、図のような操作パネルからリモコンとしてTVTestを操作できるようになります。
無線LANに繋がっていれば良いので、リモコンをテレビのほうに向ける必要すらありません。(クセでついやってしまいそうですが。)

部屋のPCをTV代わりに活用したい、でもリモコンのないTVなんて何か足りない気がする。。と思われる方は、このようなものを活用されてはいかがでしょうか?
④ 画面をカットしてL字画面をパン&スキャン(画面全体に拡大)する方法
画面を分割し、複数ディスプレイの大画面でTV鑑賞する方法
・TVTest画面下のステータスバーにある1440x1080のような映像サイズの項目(表示されていない場合は 設定→ステータスバー で「映像サイズ」をチェック) で右クリックすると、図のようにパン&スキャンの選択ができます。

地上波やBSでは日頃は使う必要はないと思いますが、CS110でSD放送では、画面の上下や左右がカットされた番組がありますので、ここで「レターボックス」とか「超額縁」などを選んで画面にフィットさせることができます。
更に地上波でも、選挙や災害などのときは、いわゆるL字画面になることがありますが、ここにあるL字の項目を選べば、それらをカットして画面にフィットさせることができます。
しかしこのL字の各局仕様は異なりますので、それらを拡張する設定をご紹介します。
TVTest_パン&スキャンの設定(up0575.zip)」をダウンロード&解凍して、「パン&スキャンの設定.txt」に従ってTVTest.iniを編集してください。
さらにおまけで私が作った定義です。以下の内容も書き加えれば、ナショジオの一部SD放送の画面フォーマットにも対応できます。
PresetCount=8
Preset0.Name=L字 CX
・
・
・
Preset7.Name=NatioGio
Preset7=0,7,100,86,16,10
(赤字部を変更および追加)
このように追加定義した結果のメニューです。

・このようなPreset値は自由に定義を追加できます。ただしTVTest.ini ファイルの直接編集ではなく、上記メニューで「パン&スキャンの設定」を選んで入力し、追加&更新したほうが、画面上で確認しながら進めることができ、判りやすいと思います。
.下図のように各設定の名前をつけながら、切り取りの左上の位置と切り取る大きさを、それぞれ画面全体を100とした縦横%で指定し、「追加」していく形になります。

ここの「比率」は普通にディスプレイ全画面を使う時は16x9で良いですし、ディスプレイを縦に使う時は9x16なども可能です。(切り取る領域の縦横比もそれに合わせる必要がありますが:ディスプレイを縦に3つ並べて使うときは、「大きさ」を33.3%x100%くらいに設定すると良いと思います。)
追加&更新した内容はTVTest.iniの[PanAndScan]の項目に追加されていますので、[PanAndScan]セクションをまとめてコピペしていけば他のTVTest環境にも展開できます。
・これを応用すれば、画面の1/4とか1/9ずつを表示させる設定などもできますので、例えば9台のディスプレイを 3x3 に並べて、それぞれに表示領域を受け持たせたTVTestを全画面表示させて、「9台のテレビで映像を拡大表示」ということも可能です。
さらに 4x4 とか 5x5 のような”超マルチモニター構成”でも、Spinelを使ったAkamai的な配信システムを組めば、LANの帯域を節約しながら無理なく構成することができます。
PCでEyefinityなどを使った動画マルチモニタ表示にすると、マルチモニタとしての汎用性は高いのですがディスプレイ接続など専用に作りこまなければならず、また頑張っても6画面分割が上限です。その点Spinel経由であれば一般的なPC数台で、それぞれのTVTestを使って表示領域を分担させることで、このようなシステムを簡単に構成できます。(各画面でタイムラグがある時は、主な原因はオリジナルのBonDriverでのバッファリングにありますので、Spinelを2段以上にして各TVTestには1段目では配信せず1本のSpinel-Spinel間セッションを共有し(ここで同期される)2段目以降から配信する、という構成が良いようです。更にスクランブル解除を最初のSpinelでおこなう設定にした上で、各画面で右クリック→リセット をおこなうことで、綺麗に同期します。)
次の写真はTVTest4画面分割の例で、上の図にある4x1, 4x2, 4x3, 4x4の設定を使っています。
実際にディスプレイを2x2に並べて映してもこのような絵になります。

同じくこちらは、縦ディスプレイ4つを並べてシネスコサイズの映画チャンネルを観る設定にしてみたり。

・ただし今のところ残念ながら、このパン&スキャンの設定は起動時やチャンネル/BonDriver切り替え時にはリセットされますので、その度にセットする必要があります。
チャンネルを保持している間は、図のように「番組の切り替え時にデフォルトに戻す」をチェックアウトすることで、保持することができます。

うかつにチャンネルを替えられない点がちょっといまいちですが(チャンネル切り替え自体はどれか一画面を切り替えれば同期して切り替わります)、このような2x2のモニタスタンドで

(解説には17インチまでと書いてありますが、24型、27型にも対応しています)
日頃は普通の複数PC用ディスプレイとして別々に使い、ロンドンオリンピックやワールドカップ中継の時には皆で54型相当の大画面で盛り上がる、なんて楽しいかもしれませんね。
.
6)WhiteBrowserによる録画ファイル管理のご紹介
必ずしもTVTestを使うためだけの機能という訳ではないのですが、このシステムで録画した大量のファイルを管理し、鑑賞しやすくするためのツールとして、WhiteBrowserの導入方法をご紹介しておきます。

こんな感じのメイン画面です。(表示デザインはいろいろあり、様々なスキンも出ています。)
これはファイラではなく映像管理ツールですので、様々なフォルダやHDDに散らばった映像ファイルをフォルダ階層を辿りながら探して回る必要は全くなく、一覧で表示してフラットに管理できる点が単純に便利な所です。
もちろんそれだけではなく、映像管理ソフトとして便利な機能がいろいろ実装されており、拡張も容易です。
実際、WhiteBrowser自体はもう何年も前から公開されていたのですが、最近はHD画質のTSファイルも安定して扱えるようになり、環境に依存していろいろ試す必要のあったコーデックの導入も不要になりました。ソフト単体が強力になったというより、外部ソフトも進化して、それとうまく連携することで、よりこなれてきた感じがします。
タグ付けやカストマイズの自由度が高すぎて、そういった面の応用ばかりが強調されていたために却ってマニアックなイメージもあったのですが、デジタルTV環境での活用を主体に考えれば、特別なことをしなくてもTvRockが付加してくれるリッチな情報が検索に使えますし、TvTest(TvtPlay)との連携も直感的にサクサク使えますので、今まで以上に強力なツールになっていると思います。
以前は数百MB程度が主体だった映像ファイルも今はTSをそのまま保存すれば数GB~20GBのファイルが普通になりました。しかしそれ以上に今はHDDが圧倒的に安く大容量なメディアになりましたので、わざわざカット編集や圧縮をしてDVDやBDなどに焼かずとも、3TBあたりのコスパの良いHDDを必要なだけ並べて、録画したままでオンラインで管理できる時代になっています。
映像ファイルが全てオンラインになれば、それを思い通りに検索してすぐに利用できるこのようなツールは威力を発揮します。
簡単ですが以下でそのポイントを解説します。
① WhiteBrowserの導入方法ですが、まずはリンク先から「WhiteBrowser 書庫バージョン」をダウンロードし、適切な実行用フォルダ(以下では\WhiteBrowserフォルダとします)に解凍します。
http://www12.atwiki.jp/whitebrowser/pages/16.html
注)Windows8の環境では、現時点ではVC++のランタイムエラーが頻発してうまく使えません。それを回避するには手動でパッチを当てる方法がありますので、ご興味のある方はこちらをご参照ください。
② 次に、以下の添付ファイルをダウンード後解凍し、
「WBFiles.zip」をダウンロード
中にある all.bat と iso.bat を \WhiteBrowserフォルダにコピーしてください。
これらは①のWiki にあるサンプルを元に、いろいろ改修してTSでの動作を安定させたものです。
③ 同じく②で解凍したファイルの中にあるthumbフォルダを(フォルダごと)\WhiteBrowser\skin フォルダの下にコピーしてください。

これはSkin Library にある"dosukebe"スキンを元にしました。(といっても殆ど名前を変えただけだったり。。)
④ 次に、以下のリンクを「右クリック→新しいウィンドウで開く」 で出てきたページで数秒待って出てくるダウンロードメニューで、MPlayer をダウンロードし
http://sourceforge.net/projects/mplayer-win32/files/MPlayer%20and%20MEncoder/revision%2034401/MPlayer-p4-svn-34401.7z/download
解凍後、中にあるmplayer.exe を、\WhiteBrowserフォルダ直下にコピーしてください。
⑤ 同じく、MediaInfoをダウンロードし、
(使用中のOSに係らず、32bitのCLI版を選ぶ)
http://mediainfo.sourceforge.net/ja/Download/Windows
解凍後、中にあるmediainfo.exe と mediainfo.dll を、\WhiteBrowserフォルダ直下にコピーしてください。
⑥ 利用しやすいように、\WhiteBrowserフォルダ直下のWhiteBrowser.exeのショートカットをデスクトップなどに作成しておくと良いと思います。
⑦ WhiteBrowser.exe(のショートカット)をダブルクリックして起動します。
⑧ 初期設定として図のようなダイアログが出るので、適切な名前を入れて「OK」し、次のダイアログも「はい」と答えてください。

⑨ これでメイン画面が起動しますが、画面下のフレームは使う上であまり役に立たないので、右下のほうにある図のようなX印を3回クリックして、フレームを消してしまうのがお勧めです。

⑩ 次にスキンを図のように、thumbに切り替えてください。

⑪ 左下のCONFIGをクリックし、ポップアップしたメニューからVIEW CONFIGを選んでください。

⑫ 表示されたメニューで、図のように入力&チェックしてください。(メニューが表示し切れない場合は、マウスでウィンドウサイズを広げれば表示されます。)

入力し終わったら、「更新」をクリックしてください。
⑬ 次に図のように「ツール」→「この管理ファイルだけの設定」を選び、

フォーマット設定で、追加フォーマット欄に ts,iso と入力してください。

(メニューが表示し切れない場合は、マウスでウィンドウサイズを広げれば表示されます。)
入力が終わったらOKをクリックします。
⑭ 次に「ツール」→「共通設定」を選び、

図のように再生用プレイヤーを設定してください。

(メニューが表示し切れない場合は、マウスでウィンドウサイズを広げれば表示されます。)
とりあえず赤枠の部分を入れておくと良いと思います。
「再生用プレイヤー」は、サムネイルをダブルクリックすると、ここに設定したプレイヤーを使って再生されるようになります。
ここではTvtPlayを再生用プレイヤーとして設定しています。(パラメーターは /d BonDriver_Pipe.dll /tvtplay /nd /s /tvtpofs <ms> )
ちなみに/tvtpofs <ms> の指定によって、サムネイル上で 「右クリック」→「サムネイル位置から開く」 が有効になります。

TSファイルの問題で10秒前後の誤差はありますが、(呼出し後の細かい位置調整がTvtPlayの±ボタンで可能です) それでも録り貯めた映像の特定のシーンを観たくなった時に、すぐにサムネイルから直接呼び出すことができるのは大変便利です。
また、上図ではMPC(Media Player Classic:お持ちでないかたはmpc-hc.exe(32bit)をDL)
も設定しています。パラメータに /start <ms> を指定していますが、これによってMPCでもサムネイル直接シーンジャンプが可能になります。MPCはTSファイル以外にも様々なメディアフォーマットの再生が可能ですし、ISOファイル以外なら直接シーンジャンプが使えます。
(逆にTvtPlayはTSファイルしか扱えませんが、TSファイルに限ってはこの上なく便利なので、ここではこちらを標準のプレイヤーにしています。)
プログラム1~プログラム5には他にも、良く使う処理を割り当て可能です。上の図ではご参考までに、以下のような割り当てをしています。
プログラム |
概要 |
1 |
ISOファイルを仮想ドライブにマウントするための VirtualCloneDrive を割り当て。
ここでは /d=n の設定で、何番目の仮想ドライブにマウントするかを指定している。 |
2、3 |
TSファイルをMP4に変換するためのHandBrakeを割り当て。 プログラムパスはHandBrake-L.bat (DVD画質版)とHandBrake-H.bat (高画質版)でパラメーターは <file> 起動するとコマンドプロンプトが開き処理を始める。(複数起動可。) CPUの負荷がかかるのでローエンドマシン向けではないが、音ずれや画質劣化が少ないMP4を生成してくれる。うまくすればファイルサイズが数分の1になるので、大きめの映像ファイルを長期保存目的で圧縮するのに非常に重宝。 変換後のファイルは元のファイルと同じフォルダにそれぞれ「元のファイル名.H.mp4」(高画質版)「元のファイル名.L.mp4」(DVD画質版)という名前で保存され、「監視フォルダ更新チェック」で表示される。変換がうまくいかず壊れたファイルができることもあるので、正常なサムネイルが作られ音も正常に出るかでチェックし、問題なければ元のファイルを削除すれば、HDD容量を節約できる。
なお、これらのバッチファイルを利用するには、こちらの(1)~(5)の手順が必要です。編集済みのバッチファイル HandBrake-L.bat とHandBrake-H.bat を、「\WhiteBrowser実行用フォルダ」にコピーしておいてください。 |
4 |
VLCを割り当て。 --start-time=<sec> の設定で、MPCと同じく直接シーンジャンプを可能にしている。
使い道はMPCとほとんど同じ(サクサク感はMPCのほうが上だがMP4の画質はこちらが良)。ISOファイルからの直接再生にも便利
。 |
このように設定したプログラムはサムネイルの上で、右クリック→「プログラムから開く」 から呼び出せます。

⑮ 以上で設定は終わりです。一旦WhiteBrowserを終了させて、設定を確実に反映します。
⑯ ここまでセットアップした \WhiteBrowser フォルダは、マスター用にコピーしておいてください。このマスターをコピーしていけば、各クライアントPCでもWhiteBrowserが使えるようになります。
(⑰以降の作業は、各クライアントPC毎にドライブの見え方も違うためそれぞれで実施する必要がありますが、ここまでの環境はコピーすれば展開できます。ただし⑭の再生用プレイヤーはそれぞれのPC環境ごとに設定してください。)
⑰ WhiteBrowserを起動します。最初はサムネイルは何も表示されていないので、監視対象にしたいフォルダをあるだけ図のように、

エクスプローラーから WhiteBrowser のメイン画面にドラッグ&ドロップしていきます。すると図のような登録メニューが出ますので、上のように指定してOKを押してください。(このように指定すれば、ドラッグしたフォルダのサブフォルダも表示&監視対象になります。)
映像ファイルが既に沢山あると最初のサムネイル作成に時間が掛かりますが、必要なフォルダは全部登録しておいてください。(何かダイアログが出たら全部「はい」と答えれば良いです。) 長くても一昼夜も放っておけば出来上がっていると思います。
また真ん中のチェックを外して、起動中の常時監視をしない設定にしてあるのは、常時監視だとWhiteBrowserを立ち上げっぱなしにしている間に録画が始まるとすぐにサムネイル登録しようとしてしまい、結果的に頭の画像だけがズラリと並んだサムネイルができてしまうためです。
こう設定した上でサムネイルを更新するには、図のように「ツール」→「監視フォルダ更新チェック」 をおこなえば、

その時点での最新の状態に更新されます。(録画中の映像があれば現時点までの映像でサムネイルが作成されます。)
中途半端なサムネイルを作ってしまった映像ファイルは、後から右クリック→「等間隔サムネイル作成」で再作成できます。
注意) サムネイル作成の最中に、たまに何十分待っても特定ファイルのサムネイル作成で突っかえて先に進まない、ということが起きることがあります。その場合サムネイル作成が進まなくなり、こちらの図の「サムネイル作成待ち」の数字も止まったままになります。
これは壊れた映像ファイルがある時に、サムネイル作成に使っているプログラム(mplayer)がハングアップすることがたまにあり、そのプロセスが処理の進行を邪魔をすることによって起きます。(特にMP4への変換が失敗して壊れたファイルができた時に、この現象が起きやすいです。)
これがあるとWhiteBrowserを再起動しても同じ状態になり、また該当ファイルを掴んだままmplayerがハングしているため、システムを再起動しないと該当ファイルの削除もできない状態になります。
この状態を解消するためのバッチを作成しましたので、添付しておきます。以下のzipファイルをダウンロードして、適切なフォルダに解凍してください
「サムネイル作成がハングした or ファイル削除失敗する時のバッチ.zip」をダウンロード
この.batファイルのショートカットをデスクトップに置いて、この現象が起きたらダブルクリックすれば良いです。
なおこのバッチファイルは、ファイル自体の削除はおこないませんので、壊れたファイルが判ったら(どのみち壊れてますので)削除するか、WhiteBrowser監視外フォルダに移すことをお勧めします。
⑱ 以上で録画した映像の管理ができるようになります。
サムネイルのコマ数や大きさは⑫の設定で調整できます。(但し変更すると全サムネイルの再作成が始まりますので、最初のうちに決めたほうが良いです。) 私の場合少ないシーン数でファイルを沢山表示させるよりも、多めにシーンを表示させたほうが概要が判り易いですし、シーンジャンプの機能も便利ですので、このように1映像ごとに24コマを表示させる設定にしています。ただサムネイルの作成速度はコマ数に比例しますので、遅いマシンであまり待てない場合はコマ数を控えめにした方が良いかもしれません。
TVRockの設定で(上の画面例のように)録画ファイル名にいろいろ情報を入れておけば、TVRockの正規表現とまではいきませんが左上の検索欄から、

このように細かく条件を絞っての検索がいろいろ出来ます。
SQL検索の例 {file_date >= '2012-01-01' AND file_date < '2012-04-01'}
録画日が 2012年の1月1日から3月末までのファイルを選ぶ。
検索結果はリアルタイムに反映されます。リセットするには検索欄をクリアするだけです。
他にも、監視フォルダ間の移動は自動で検出してインデックスを貼り直してくれるなど、映像管理に適したいろいろな機能を備えています。詳しくは作者の方のWikiをご参照いただくと良いのですが、簡単なTipsをいくつかご紹介しておきます。

画面のスクロールはマウスのスクロールホイールが便利ですが、下にあるスクロールバーである程度目星を付けてジャンプすることもできます。ただ映像が何百、何千にもなると、ここ数日内の映像以外は検索機能の絞り込みと併用するのが普通の使い方になります。
⑲ 再生は⑭の解説のように、サムネイルから個々のファイルを直接起動できます。しかし何個かの映像ファイルを連続して再生したいときは、図のようにWhiteBrowser上で(Ctrl+クリックやShift+クリックで)複数ファイルを選択した上で、TvtPlayやMPC等の画面にドラッグ&ドロップして、まとめて再生させることもできます。

ただこのままだと再生順はシステム任せなので、連続物を正しい順番に再生させるには、TvtPlayなら下の
ボタンを右クリックして、名前順にソートしたり、再生順を入れ替えると良いです。

(オプションとして、ここから
「コピー」 → 「ワードパッド」に貼り付け → 「unicodeテキストドキュメント」形式で保存 → 拡張子を小文字の.m3uに変更
と操作すれば、TvtPlayやMPCから直接開ける再生リストが作れます。)
⑳ 映像ファイルはサイズが大いので、貯まっていくとすぐにHDDが一杯になります。そこでたまにしか観ないものはサーバーのアーカイブHDDに移したり、不要なものは順次削除していく必要がありますが、これもWhiteBrowserからサムネイルを確認しながらCtrl+クリック で選択していって 右クリック→「ファイルを移動」や「ファイルを削除」 で一括処理できます。 (削除したものはごみ箱に行きますので、あとでクリーンアップしておいてください。)
移動する場合、各PCであらかじめ移動先を監視フォルダとして登録してあれば、(フォルダ更新チェックのタイミングで)自動的に移動を検知し、インデックスを張り直してくれます。
削除したファイルについては、(削除処理した以外の)PCではサムネイルが白黒表示になります。(すぐにサムネイルを消さないのは本当に消えたのか、単にLAN上見えなくなったのかが判断できないため。)
そのままサムネイルが消えずに残っていくと邪魔になってきますので、ときどきLAN上のファイルも見えている状態で ツール→「存在しないファイルを登録から削除」 を使って、クリーンアップすると良いと思います。
移動や削除をする場合は、特定のフォルダ以下にある映像ファイルを一覧できると便利なので、その方法もご紹介します。
まず、画面の右上にある「FOLDERボタン」をクリックします。

するとドライブの一覧が出てきますので、そこでドライブ名、(さらに必要があればフォルダ名)をクリックすれば、その下層フォルダも含めて中にある映像ファイルのみが表示されるようになります。

空きを増やしたいドライブやフォルダがあればここで選んで、表示されるファイルを整理していけば良いわけです。 (上の例では C:\MC の下にある映像ファイルを選択表示しています。)
左上にある「TOP」の文字 をクリックすれば元の全体表示に戻ります。
なお「FOLDERボタン」を押したときに表示されるドライブ一覧は、システムが認識しているドライブ一覧ではなく予め登録してあるものを表示しているだけで、一種の検索キーの扱いです。
(当ガイドの設定ファイルでは、予めドライブ名(A~F、X~Z)が登録してあります。これで足りない場合は ③でコピーしたthumb フォルダ下のfolder.txt を編集してください。)
ドライブやフォルダ名をクリックすると、WhiteBrowserは登録済の映像ファイルから検索し、条件に合ったものを表示する形になります。
つまり、改めてドライブやフォルダを覗きにいくわけではありません。まあ、だからこそ軽快に動作するわけです。
このようにWhiteBrowserはファイラではなく、一種の映像データベースソフトになります。データベースだけに、後からレーティング(★)を入れたり分類タグを入れたり、いろいろ便利な使いこなしも可能ですので、ご興味あればWikiを読んでみてください。(といっても私はズボラなせいか、ここにある使い方だけで十分便利です。)
ちなみに現在の監視対象フォルダは、ツール→「監視フォルダ編集」で一覧でき、ここで設定変更することもできます。

映像ファイル保存場所のネーミングルールを統一しておけば、新規クライアントPCに作成済サムネイルやタグ情報を含めたWhiteBrowserの環境を、そのまま持っていくことができます。
具体的には、

図の例のように映像ファイル置き場所のドライブレターのルールを、ローカルとリモートそれぞれで決めておきます。(この例ではローカルはD:、リモートはY:とZ:と決めています。もっと増える可能性があればもっと増やすもOK。)
監視フォルダもそれぞれのドライブ内で\(1~8)\MOVIE と決めておいて、あらかじめサーバー機のWhiteBrowserにこれらが(ダミーで良いので)見える状態にして、全て監視フォルダとして登録しておきます。
結果は以下のようになります。

クライアントPCでWhiteBrowserを使い始める時は、既存のPCの\WhiteBrowser フォルダを原則同じフォルダ・パスに丸ごとコピーした上で、WhiteBrowserを起動します。
既存PCのD: ドライブがクライアントPC側でネットワークドライブY:に割り当ててあれば、既存PCでローカルにあった D:\1\MOVIE 等の映像保存先は、クライアントPCからはネットワークドライブ上のY:\1\MOVIEのように見えることになります。WhiteBrowserから見ると、定義済みの監視対象の構成は同じなのに、中身は一斉にローカル→リモートに移っているように見えるわけで、(騙されて)移動検知のロジックが働き、全てのインデックスを張り直してくれます。
これには数分間待たされるものの、全映像ファイルのサムネイルをクライアント側で作成しなおす(下手をすると数時間~数日かかる)よりも遥かに速く完了し、それ以後はごく普通に使えるようになります。 (再生用プレイヤーの定義⑭は環境に合わせて修正が必要ですが、それだけです。)
以上のようにすれば、ノートPCやスレートPCのような非力なPCでも、WhiteBrowserで大量の映像ファイルを気楽に扱えるようになります。
なおファイルの移動に関しての注意点ですが、1ファイルあたり数GBの映像ファイルは、ドライブ間を移動するだけでも1ファイルあたり数分の時間がかかります。
数十~数百個も選んで移動を指示すれば軽く数時間はかかりますので、出かける前や夜寝る前に仕掛けておくのが良いと思います。
移動や⑰にあるサムネイルの再作成は、仕掛中にWhiteBrowserを落してしまうと処理が途中で終わってしまいますので、処理完了まで上げたままにしておく必要があります。
仕掛中の状況は右下のアイコンで図のように表示されていますので

うっかり処理途中でWhiteBrowserを終了させないよう、ときどきチェックすると良いです。
ただしこれらはバックグラウンドの処理なので、仕掛中でもWhiteBrowserは普通に利用できますし、ファイルを様々な場所へ移動する処理も続けて追加できます。(裏でキューイングされた処理を黙々とやっていきます)
以上のようにWhiteBrowserは、沢山のHDDやLAN上に散らばった大量の録画ファイルを管理して、後で効率よく探して楽しむのに非常に便利なツールですので私も常用しており、お勧めです。
.
7)Blu-rayディスクに焼く
以上のように、録画したファイルはHDDに保存したまま管理していくのが私のお勧めで、サイズが気になるものはタイミングを見てMP4などに変換しておけば良いと思います。
しかし中には、Blu-rayに保存して家電のレコと同じように運用したり、お手持ちのBlu-rayプレーヤーで再生したい、という方もいるかもしれません。
そういう場合、有料であればPowerDirector(Ultra以上)
やTMPGEnc Authoring Works
を使えば確実ですし使い勝手も良いと思いますが、フリーでも高機能なものがありますので、(解説付き)リンクをご紹介しておきます。
multiAVCHDの解説とダウンロードサイトへのリンクはこちら
詳しい解説もリンク先にあります。
BD-R書き込み可能なドライブが必要になりますが、任意のPCでこのツールを使って\AVCHDフォルダを作成したのち、BD-Rドライブが付いているPCでImgBurnを使ってライティングをおこなっても構いません。
なおこのツールでBlu-rayに焼くときは、MP4に変換していないTSファイルを使ってください。MP4からだとうまくいかない事が多いようです。
かなり機能豊富でボタンも多く、それだけに最初とっつきにくいと思いますが、最も単純には以下のように、

①WhiteBrowserからBD化したいファイルを順にドラッグ&ドロップし、②保存先フォルダを選び(自動的にその下に\AVCHDフォルダが作成される)、③次にStartを押して ④Blu-rayを選べば、すぐに作成が開始されます。
⑤Finished のメッセージが表示されたら、できあがった\AVCHDフォルダを、上記解説の終わりのほうにある「出来上がったデータを、Blu-ray ディスクに焼く」の手順で「ImgBurn(本体+日本語化パッチ ちなみに最近どのDLサイトもそうですが、デカい字でDownloadとかClickと書いてあるのは広告サイトで、地味な文字で並んでいるものが本物です)」を使ってライティングすれば、Blu-rayディスクが完成します。
所要容量はほぼ元のファイルと同じですので、25GBのBD-Rであればそのくらいを目安に、複数のTSファイルをまとめて入れることができます。(作成されたディスクではそれらが連続再生され、また自動的に作られるトップメニューで各映像を選択することもできます。)
しかし、以上のようにして作成したBlu-rayディスクは、結構音ズレが出ますし、場合によっては音が出ないこともあります。その対策には少し工夫する必要がありますが、以下のサイトをご紹介しておきます。
http://ohtsuka.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/pt2tsmultiavchd.html
(なお現在2senが使えませんので、リンク先ガイドで使用するtssplitterはこちらのup0797.zip、BonTsDemuxはこちらのup1091.zipをダウンロードすれば良いです。)
私が使っている感じだとtssplitterは使う必要はなく、
① BonTsDemuxで「デフォルト出力フォルダ」を適切にセット(予めフォルダを作っておくこと)。BD化対象TSを順にドラッグ&ドロップし、「変換開始」

② ①でできたAACファイルをまとめて xrecode II「ファイル」タブにドラッグ&ドロップ

③ 「AC3」とビットレート「384」を指定の上「ソースと同じ場所」に出力設定して、「開始」

④ multiAVCHDのMediaタブに、①でできたm2vファイルを順に、ドラッグ&ドロップ

⑤それぞれのファイルを反転の上「properties」でAudioタブの「add」ボタンを押して、対応するac3ファイルを選択


⑥ Audioタブの表示を反転させた状態で、「Delay」欄にac3ファイル名末尾の”DELAY”に続く数字を入れる。
⑦ 「change」を押す。delayの数字が反映されたのを確認後、「Ok」。これを全てのファイルで繰り返す。

⑧ 後は最初の図②以降と同じ順番でディスク焼きまで実施。
以上の手順で良いと思います。
ちなみに音ズレは家電レコや有料ソフトでも起きますが、この手順であれば音ズレのないBDが簡単に作れます。
なおデフォルトだとメニューの日本語ファイル名が文字化けしますので、Menuタブで図のように

Font typeを日本語フォントに変えておいてください。結果は下のMenu previewで確認できます。
カット編集やチャプターメニュー作成も⑤「properties」の画面からできないことはありませんがレスポンスが悪く、TSの場合経過時間検出も大きく狂っていたりするので、実用的ではありません。その辺までやりたいなら予め別ソフトで編集してから①~⑧をおこなう(但しTsTimeKeeperは現在こちら)か、有料ソフトがお勧めです。
Blu-ray再生に対応したPowerDVD(Pro以上)などのソフトをお持ちなら、ディスクに焼く前にmultiAVCHDが作成したAVCHDフォルダから再生することでどのようなディスクになるかが判りますので、気に入らなければ何度でも作り直すことができます。
いくつかのファイルで練習して慣れてきたら、画面と最初のリンクにある解説、あるいはこの辺やこの辺のサイトを見比べながら進めて行けば、結構格好いいメニューを作成したり複数のtsファイルを組み合わせてのオーサリングもでき、慣れるに従ってかなり凝ったBlu-rayディスクも作れるようになります。ご興味のある方は試してみてください。

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その他・WindowsXPの場合のデバイス導入手順
私はあまり環境として使っていないので気にしていませんでしたが、XPの場合はUSBに挿すだけで自動的にW3U2の認識まで進むわけではなく、何回かダイアログに答える必要があり、間違い易いかもしれません。適当に次へ次へとやってしまうと失敗し易いので、ここの手順を以下にまとめました。
図のように都合5回(Loader→BDA→HIDIR→BDA→HIDIRの順)、同じように答えていく必要があります。

ただし、HIDIRの認識の過程で(つまり二度)、以下のダイアログが出る可能性があります。
恐らくはドライバーinfファイルの問題だと思いますが、これには以下のように、「参照」から(32bit,64bitそれぞれの)BDAドライバーを展開したフォルダを探して指定し、OKを押してください。(ちょっと面倒ですが。。)

デバイスマネージャーで、この通りにデバイスが展開されていれば成功です。

うまく動かない時はこうなっていなかったり、デバイスに!や?が付いた状態でないかどうか、良く見て確認してみてください。その場合ドライバーの手動更新を試みる必要がありますが、手順はVista&7と殆ど変りませんので、本文の説明に譲ります。
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その他・既存の環境にPXシリーズを追加する
既にPT1/2やHDUxなどのチューナーを使って動いているts抜き環境がある場合、それに追加する形でPXシリーズを使いたい場合も多いと思います。
その場合、既存の環境では必ずしもSpinelやTVRockを使っている訳ではないと思いますし、ソフトウェアの配置も様々だと思います。私の力足らずでそれら全ての導入ケースを網羅することはできませんので、ここのガイドを適宜、各人の環境に読み換えていただければ。
ただ、ソフトウェアのバージョンについては、既存の環境はちょっと前に作ったまま「凍結」しているケースが多いと思いますが、PXシリーズを混在させる際には、できるだけ新しいバージョンに上げた方が良い面もあります。そこで、既存の環境のままPXシリーズを混在させた場合はどういう点が問題になるか、またPXシリーズに関係なく、衛星系チャンネル再編イベントに対応するために必要なバージョン情報などを一覧にしました。

ご推奨は、この機会に各ソフトウェアのバージョンを最新に上げておくことですので、その方法も表の中に解説してあります。
もちろん環境によって予想しない問題が発生する可能性はありますので、既存の環境を一旦バックアップに取った上で作業されることをお勧めしますが、あまり躊躇することもないと思います。既にうまく動いている環境に何か手を加えるのはちょっと抵抗感もある筈ですが、いずれ必要になりますし、慣れの問題です。
各ソフトウェアをバージョンアップして、特にTVRockについてはチャンネル再編の対応方法をDTuneに統一しておくと、(最初ちょっと大胆な作業になりますが)今後のメンテがかなりやり易くなりますので、このタイミングでご検討いただければ幸いです。
またTVTestのバージョンについては、上の表のようにver.0.7.22r2以降の、できるだけ新しいバージョンに上げることをお勧めしていますが、諸般の事情で古いバージョンをそのまま使いたい事もあるかもしれません。
その場合、あまり古いバージョンだと新BSがうまく視聴できないと思いますが、厳密に検証した訳ではありませんので、どの版以前でどういう問題が出るかは判りません。その場合はあくまで自己責任で。。
ただし、ver.0.7.21以前だと、リンク先でダウンロードするように書いてある最新BSチャンネル・プリセットファイル(Preset_BS.ch2)がそのままではうまく使えません。(チャンネル名に%BS15/TS1 のようなゴミが付いてしまいます)。そこで、代わりにこちらを
「Preset_BS.ch2.old」をダウンロード
適切なフォルダに「右クリック」→「対象をファイルに保存」でダウンロードし、「Preset_BS.ch2」にリネームした上で、\TVTestフォルダに上書きコピーして使ってください。
また、Spinelも最新バージョンへのUPをお勧めします。(上記PXシリーズ正式対応のほかに、あまり古いバージョンだと新BSに対応できない、という不確定情報もあります。) その際既存の設定ファイル(.iniファイル)は流用して良いのですが、新機能対応との矛盾を起こさないために、以下の設定変更をお勧めします。
* Spinel.ini にて
以下の設定に置き換えて、既存の EnableB25Decoder = と EnableB1Decoder = の行は削除するかコメントアウトしてください。
DescrambleControl = 0
; B25/B1スクランブル解除の動作を指定します。
; 0: 常にスクランブル解除前のTSを送信します。
; 1: 常にスクランブル解除済みTSを送信します。
; 2: スクランブル解除ONを要求してきたクライアントには解除済みTSを送信しますが、
; それ以外のクライアントには解除前のTSを送信します。
; 3: スクランブル解除OFFを要求してきたクライアントには解除前のTSを送信しますが、
; それ以外のクライアントには解除済みTSを送信します。
それに合わせてこちらの設定もお勧めします。
* BonDriver_Spinelxxx.ini にて
DesiredDescrambleControl = 0 (Spinelはスクランブル解除しない) または 1 (Spinelがスクランブル解除する)
; スクランブル解除を行ったTSの配信を希望するかどうかを指定します。
; 実際に解除済みTSが配信されるかどうかは、サーバー側のDescrambleControl設定値によって決まります。
; 0: 特に希望がない(どちらでもよい)事を通知します。(デフォルト)
; 1: スクランブルが解除されたTSの配信を希望する事を通知します。
; 2: スクランブルされたTSの配信を希望する事を通知します。
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まとめ
家庭内であれば、1台常時ONのサーバーを置いてW3U2のようなチューナーを何台か入れておき、録画はサーバー側で一括しておこなう、視聴はそれぞれの部屋からSpinel経由のPCで、録画済ファイルはWhiteBrowserで管理してPCやiPodで鑑賞、というのが、映像環境として一番使いやすい気がしますね。本来デジタルTVはPCとの親和性がとても高いものだと感じられます。
有線or無線LANが繋がっていればアンテナ線の屋内配線は不要ですし、PCは非力なものでも十分です。PC用モニターはもれなくHD画質で、最近は27型も安くなっています。そもそも今の市販のTVはサイズが大き過ぎますね。一通りの画質と機能が揃ったのは最低でも32型という感じですが、部屋で観るには24型のPCモニターでも十分広く感じます。
それどころかウチではエコポイントの時に買った液晶AQUOSも、今やHDMI接続でSpinel経由TVTestのテレビ番組や録画(tsファイル)を映すことが圧倒的に多くなっていて、「単なるPCモニター」と化してます。操作性はTVTestのほうがずっと上ですし、それでいて液晶テレビらしい画質で見られますので、もはやテレビ本体にチューナー等の余分な機能は要らないですね。
昨今はこのようなミニPCが結構出回っていますが、


何故かどれも、本体をPCモニター裏に取り付けるためのVESAマウントが付いています。
日本では単に「カワイイ超小型PC」として(一部で人気があるとは言え)ニッチな存在であるこれらPCですが、本来グローバルでは、PCモニターやTVに取り付けて「テレビ兼PC」、あるいは「ネット動画の再生もできるセットトップボックス」として使うという、明確な目的がある訳です。最近はYoutubeの再生にも対応したテレビも増えていますが、ネット端末として見たときの機能や将来に亘る様々なサービスへの対応は「単なるPC」のほうが遥かに優れているわけで。。
確かに無線LANさえあればテレパソみたいな余計な装備は一切いらない(録画もBD焼きもサーバーに任せればいいので)、それでいて部屋のTVとして使えて、PCとしてWebやOfficeを使うにも能力十分という、(映像信号に変な制御のかかっていない海外では)結構使い勝手のいい製品で、日本ではノートPCやスマートホンに押されて存在感のないデスクトップPCやホームサーバーも、このような使い道の広がりが本来あるんじゃないかと思います。
あるいはこういうスレートが、

ごろ寝テレビ兼TS再生機として遊べそうなので、私も使ってみようかなと思っています。
普及の進まないDLNAと比べても、ずっと使いやすくて実用的な環境だと思うんですが。。
まあもっとも、「ユーザーが使いやすい映像環境」ではHDDレコも地デジTVも海外メーカーに席巻されると思われているからこそ、日本だけにしかない地デジのコピー制御なんて仕組みが出来上がってしまったのかも。というより本質的には、放送局にとって放映権料を現状維持するための言い訳に過ぎないコピー制御の大義名分に、島国規格を作って地デジ特需を総取り・山分けしたかった国内メーカーの利害も一致し、全国民を衛星受信可能にすることで収入の大幅増が達成できる某国営放送局がとりまとめ役(あるいは元の仕掛け役?結局目論見通りになったのはここだけだったそうですから)となって、国民はそれに付き合わされるという不幸な状況ですね。そこには日本特有の国民不在の業界/官庁談合体質があり、著作権保護の話は議論を枝葉に発散させ、本質的な問題を覆い隠すための方便にすぎないと思います。
閉塞感への抵抗なんて大それたもんじゃないですが、こういったチューナーを活用できてくると本当に楽しく、またいろんな形で視聴できるようになって改めて、TVで放送されているコンテンツの価値の高さに気付きます。私の最近の生活もこのシステムのおかげで、家でその日録りだめた番組を(CMも含めて)流しっぱなしにしながらくつろぐことが多く、そういう意味でのTV視聴時間がかなり増えました。
昨今放送コンテンツの劣化が言われますが、実際の制作には1つ1つの番組に数多くのプロフェッショナルが莫大な手間をかけていることが判りますし、それでもそれを限られた制作時間と費用でまとめ上げ、「良い番組」と評価されるのは非常に難しいことです。
少なくとも2,30年前の番組と比べればノウハウ・技術も役者さんのレベルも、格段に向上していると思います。というのは20年前にいいドラマだ、と思っていたものが、スカパーe2に加入して盛んに再放送されているのを改めて観るとアラが目立ちますから。当時の流行が今からすれば古いというだけではなく、脚本、台詞や演出も今の感覚からすれば随分大らかな感じがします。若手社員と私のようなバブル期の社員を比較するのと同じですね^^;
もちろん今でもやっつけの番組も多いですし、目先の視聴率を求めてタレントや芸人に頼る番組も以前より溢れています。また昔は何の疑いも無く聞き流されていた(原発報道や政治報道のような)国策寄り・政治部主導の報道が、今はネットでリアルタイムに虚偽がばれてしまうのが自覚されていないため、報道番組やそれを喋るアナウンサー全体の信用が失われている面もあります。
が、視聴率が昔の20-30%は当たり前というレベルから大きく下がっているのは、見る側にTV視聴に割く時間がなくなっているためで、制作現場にその責を問うのは酷でしょう。営放収入が落ちているのは従来の収益モデルが時代にそぐわなくなっているだけで、コンテンツ販売の手法やタイミングを、(今は視聴率最優先のためいろいろ足枷をはめられていますが)自由度を上げていけば、もっとゼニの取れる番組は沢山あるのになぁ、と思います。
で、以下は私見・ムダ話です。
TVで流されているコンテンツの著作権はしっかり保護されるべきもの、しかし罰すべきなのはそれを侵害して無断でネットに流したり不当な利益を得たりする行為であって、その罰則を一罰百戒的にすれば良いと思います。これは実際、違法サイトと知ってDLをすることも違法となるよう法律が改正されるなど、厳格化されつつあります。
しかしコンテンツ保護技術はというと、日本のコンテンツ業界には、”コピープロテクト”へのオカルト的信仰が生き続けているように思います。果ては「お札を剥がすのは神への冒涜」と言いたいのか、勝手に外してはいけないという法律まであります。(さすがに罰則はないものの。)
コピープロテクトは単純に複製を制限する、という事ではありません。今のITの世界では、「供給者がユーザーの利用法を細かく規定してそれ以外のアクセス方法を許さない」ということを意味します。利用方法を細かく制限しないと制御できないコピー方法がいろいろ出来てしまうからで、コピー制御の本質的な問題点はむしろそこにあり、1回か10回かの問題ではありません。
しかも実際には今はどうやっても穴があきます。iTunes Storeのような欧米のオンラインコンテンツ流通でもソフトウェアライセンス流通でも、DRMはオンライン認証で「人に紐付け」しなければもはや効果がなくユーザーの快適な利用にもそぐわないとしてコピープロテクトは廃れつつあるのですが、日本のコンテンツ業界は未だオフライン媒体での(公式にはコピーもリッピングも許していないという)建て前と、アングラPCゲームソフト並の身勝手なコピープロテクトの発想から抜け切れていないように思えます。
しかしコピーワンスやダビング10のような「放送向けコピープロテクト」の仕組みはもはや、本来の目的には役に立ちません。実際電機メーカーの営業も、「コピーして好きに加工したければBDに焼いてこれこれのソフトを使えば好きなだけできますよ」なんて平気で宣伝していたりします。
一方でコピープロテクトは現代のOSや主流のソフトウェアではサポートされない概念ですので、組み込んだ時点でファイルシステムもアクセス方法もどんどんITの世界標準から逸脱していきます。
日本流のコンテンツ保護をITに融合させたつもりのDTCP-IPなどの規格が世界に無視され続け、AdobeやGoogleなど世界の主要なソフトウェア製品やOSSでも、日本の保護付きデジタル放送手順が殆ど相手にされていない事実から目を逸らしてはならないでしょう。技術が理解されていないのではなく市場もそれほど小さいわけでもないのに殆どサポートもされないのは、アクセス制限どころかコピーやバックアップすら許さないようなその身勝手な囲い込みの発想が、今や世界共通のITのスタンダードでは許されていないからです。
結局コピー制御は悪意をもって不正に流通させようとする者には容易に突破される一方、正当にコンテンツを楽しもうとする大多数のユーザーには過剰な制約を課し、不便を強いることで、コンテンツに接触する機会を減らしていくだけになります。
当事者は「放送はオンライン認証もユーザー識別もできないんだからこれが精一杯の技術。しゃあないでしょ」と言いたいでしょうが、そうであれば最低限オンライン認証のインフラができるまで放送でDRMなどやるべきではないですし、ましてや不特定多数の人にできるだけ多く接触してほしい無料放送でそれをやるべきではなかったのではないでしょうか。それが日本以外の全ての国々の結論だと思います。
放送業界はこのような仕組みに頼るのではなく、現代人は忙しく生活も多様化していて、放送を録画して好きな方法で観られなければもはや視聴する機会は限られること、ユーザーの好む視聴方法はこれからも勝手に進化していくこと、コピー制御はどう理屈をつけてもそれらを妨げ、正当なユーザーを苛立たせ離反させるものでしかないこと、などを正視して、こういったものを建て前にしなければ成立しないようなビジネスモデルは変えていくしか無いことに気付くべきだと思います。
日本のデジタル放送のうわべだけの議論を見ていると、逆説的ですが放送局トップにとって実は著作権やコンテンツの保護などはどうでもよく、「放送局はユーザーに自由な録画をさせない。よって、(リアルタイム放送用の一次利用権だけがあればいい)局側の費用負担は、今まで通りで行くことを了解いただきたい。」と制作会社や権利者に主張できる仕組みだけが欲しかったんだろうと思えます。実態がどうであるかは関係なく、建て前として我々はここまで努力しているんだからと主張できれば良いのです。
そんな不毛な議論がまかり通るのも日本だけですので、結果日本だけにしかない不自由な仕組みがろくに議論もないまま、デジタル化と同時に必然的に登場したのでしょう。だれがどれだけ利用したかも判らないため著作者への還元ができず、一方コンテンツへの自由なアクセス権を購入する仕組みが紐付いているわけでもないので、これはDRM(Digital Rights Management)ではありません。単に放送したものはユーザーに与えたわけじゃないよ、好きには使わせないからね、という意思表示にすぎないと思います。
最近多くの人がテレビを見なくなっている理由をアンケートにとっても、「面倒なコピー制御があるから」と答える人は僅かだと思います。当たり前のことで、TVの前に座って観る機会が減っているときに、ガチガチの制御のせいでそれに代わりうるような手軽で魅力ある視聴方法を創造できなければ、視聴者がそれに興味を示して不便を感じる暇もなく単に見捨てられるわけで、コンシューマービジネスにおける販売機会喪失のようなことが永続的かつ大規模に起こっているだけだと思います。
それを克服するだけの新しい創造が、狭い業界内での話し合いやお役人のアイデアから生まれるなどと自惚れてはいけません。ブレイクスルーにはもっと、まったくの異業種/門外漢の力が必要で、また多数のユーザーがそれを自発的に支持していき、次々に新しいアプリケーションが誘起されていく自由度が必須でしょう。供給側がコンテンツの利用法を細かく規定するのとは真逆の発想で、今の日本での放送やデジタルコンテンツの在り様に根本的な疑問が抱かれているのもその点だと思います。
業界話し合いの産物として出来てしまった地デジコピー制御の仕組みは簡単には変えられないという雰囲気もあるかもしれませんが、そんなこともないはず。音楽CDのCCCDだって利用者や著作者が声を上げ、ビジネス上無意味であることを音楽業界も納得することで、あっという間に駆逐されたのが思い出されます。ただその間に「PCは不正コピーの温床でCDが売れなくなる元凶だから」と敵視して、PCに物凄い制約付きの音しか再生させないレーベルゲートCD等を「音楽業界の要請に応えて」推進していた国産メーカーは、携帯プレーヤー市場の主導権をPC(Mac)メーカーであったAppleに奪われ、そこから発展していくモバイルアプリケーション、個人向けクラウドなどの主導権も永遠に失なってしまいました。ならば、と活路を見出そうとしたガラケーも結局AppleとGoogleのスマホに席巻され、機材は作っても利益の出ない形になってしまう一方、着うた音楽ダウンロードで束の間の至福を味わった音楽業界も、改めてApple流のやり方に従うか否かの厳しい選択を迫られています。
変化を拒んで短期的な安泰を求めたことで、国内産業は多くの物を長期的に失い、強いられての変化をまた余儀なくされつつあるわけです。
単に一時的なブームや格好良さではなく、多くのユーザーはiPod&iTunesが(それまで裏モノツールの範疇だった)CCCD破りを堂々とおこない、DRMも徐々に縮小しながら、ユーザーの利便性や楽しさ(いわゆるユーザーエクスペリエンス)に軸足を置いたITの活用を提案し始めたことを支持したのです。iTunesを使えばCDの「抜き」も簡単にできますが、それを使って友達同士での音楽データ交換が盛んになったという話は聞きません。そんな些細なメリットよりも、「そうさせないためのコピー制御がもたらす不便さ」を排除し、「どこでも」「好きな時に」「好きな手順で」「(特定のケータイ専用ではない)手持ちのあらゆる楽曲を」聴けるようにするというユーザーへのコミットメントを強力に支持し、正当に代価を払ってiTMS(iTS)から曲をDLすることも、「そのコンテンツに対する自由なアクセスを手に入れる」手段として、抵抗なく受け入れたわけです。
それと同じで重要なのは、ユーザーの嗜好やライフスタイルが旧来のTV放送スタイルではもう満足できないほど変わっていることを直視して、ユーザーが何を求めているかを徹底的に分析し、今の収益モデルがそれに合っていないのであれば自らをそれに合わせて大きく変えていくことを厭わない姿勢です。ためらって変革を先延ばしにすれば、より大きな波を前にして立ちすくむ事しかできなくなります。(今やあらゆる企業がそうです)。
デジタルコンテンツの最大の魅力はこの記事でも少し感じていただけたかもしれませんが、いろんな利用形態やソフトウェアの進化に合わせて姿を変え観る楽しさを増し、また蓄積したものを瞬時に呼び出しいつでも楽しめる、という柔軟さにあると思います。その環境が出来てくると、今までつまらないと見過ごしていたドラマやドキュメンタリーなども、観るシチュエーションによってはとても楽しかったり役立つことに気が付きます。
デジタルデータを特定の利用方法に閉じ込めてしまうのは、そういった魅力の殆どを投げ捨てていることになります。確かに柔軟性を増すことは不正コピーの手段も増やすことにもなりますが、それはトップがビジネス全体の成長を考えたうえで戦略として決断しなければならないことです。目の前でコンテンツ離れが起きていて一方で新しいデジタル流通のチャンスがある時に、今までと変わらずにいたい、デジタル化のリスクは徹底的に避けたい、というのは戦略とは言いません。
違法サイトのチェックと違法流通の摘発にコストがかかるのならそれを社会共通のコストとして議論していただければ良いのですし、それはどんなコピー制御を仕込んでも殆ど変わらないと思います。リスクは避けようとしても避けられず、それを乗り越えるだけのメリットを造り出すしかないのです。
今の日本の状況はトップ以下すべての関わってる人が、技術や社会の進化に合わせた価値判断ができず、一方で不正流通が起きた時にお前の責任だと言わないよう、アリバイだけはチマチマ積み重ねていくという、いかにも日本的な流れの結果なんじゃないか、と思えます。
いずにしろ、このままではデジタル化を活かした真のムーブメントが海外で進んでいき、それに抗しきれず門戸を開いたときには競争力を失った日本の企業は退場するか、最も利益率の高い標準ソフトウェアやIPとしてのノウハウ、放送を起点としたコンテンツサービス基盤などに社運を賭けて取り組んでいた海外企業に根こそぎ持っていかれる、そしてコンテンツや部品などの素材メーカーとしてささやかに生き延びるしかなくなってしまう、という、いつか来た道をまた辿ることになります。
この辺からはTVにかかわる国産メーカーの話ですが、TVやデジタルコンテンツはもはやPCネットワークの中でこそ活きてくるので、そこに過剰な制約を課してしまう映像システムは時代錯誤で、ユーザーにとって何の魅力もなくなっています。TV技術の主戦場は変えられたのではなくそうなるべくして変わり、実際の製品の中身も殆どPCと言っていいほど技術を流用しているのですが、表向き家電のシマを侵食されたくない国産メーカーは、PCとのオープンな相互活用を頑なに嫌っているかのようです。そうやって日本にだけは家電製品の理想郷(シャングリラ)を作りたかったのでしょうか。そこがシャングリラではなくガラパゴスだとしたら、総務省やデジコン委員会などのお墨付きを幾らもらおうとも、その運命は決まっているのですが。
泣いても笑ってもこれから、箱物テレビ&レコーダー等が全く売れないという家電メーカーさんにとって辛い時代に突入することになりますが、この期に及んで業界の次の期待は4K TVだ、というような話を聞くと、個人的には失望感しかありません。良く言われることですが高品質化を徹底すれば高く多く売れるというのは1980年代の日本企業の成功体験に過ぎず、今や購買行動を生むものは箱物そのものでは無く、消費者の日々の"ユーザーエクスペリエンス"を楽しく演出するという複合的なニーズを紐解かなければ出てこないのですが。今の時代に合ったニーズやグローバルの潮流から1mmでもズレてしまえば今や利益を生むような需要は全く創造できないことを、国産家電メーカーの重鎮は未だに信じられず、目をそむけているのでしょう。
今後10年20年とメーカーとして生き残る意思があるのなら業態を完全に変える覚悟で、ユーザー個人個人と向き合って家庭内のITを高度にカストマイズし、その中に映像技術も融合させ、生活の楽しさを演出していくような「ホームITサービス業」の発想にシフトしていくのが、今までの企業価値を活かしながら世界に伍していく唯一の道ではないではないかと。その場合に閉鎖的なコピー制御のような小手先の囲い込みは、役に立たずユーザーの敵と見なされるものでしかないのは簡単にわかることだと思います。
恐らく、ですが、この記事でご紹介したようなTVTestやSpinel、TVRockなどの「フリーウェアとしては恐ろしく完成され、様々に組み合わせることで真価を発揮するTV活用ソフト」は、TV産業に関わったことがあって現状に飽き足らない技術者個人個人が、本来のデジタルTVはこうあってほしいという願いで作ったのではないかと想像できます。そうだとしたら、日本の技術者の底力は旧態依然とした産業構造に阻まれているだけで、まだまだ捨てたものじゃないと思いますし、そう願いたいですね。
(うっ、つい熱弁になってしまいました。。2012年初 追記です。)
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ということであとがきが長くなりましたが、これらの機器の設定、およびこの記事を書くにあたって、2chのPlex PX-W3U2板、ソフトウェア作者さんや各種Blogを多く参照させていただきました。いつもお世話になっていますが、改めてお礼を申し上げます。
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