2012年12月13日 (木)

Windows8移行とTIPS: 主にPX系チューナでの視聴・録画環境について

先日作成した新サーバ機

Newsub_19

には、最初Windows7(Ultimate)を入れて様々なテストをおこなっていたのですが、一通り完了後、これをWindows8 Proに移行して、まずは録画サーバ2号機としてのセットアップをおこなうことにしました。

まあ私の使い方ではWindows7環境で当分、というより恐らくこれからも何の不自由もないでしょうし、敢えてWindows8にするメリットが今のところないのも確かなんですが、とはいってもまともに使わなければ使い方のコツもいつまでもわかりませんし、こういったBlogの記事だけでなく仕事でもWindows8でどうこう、といった話に直面するケースも増えてくると思いますので、ここは思い切って・・というところです。
(とはいっても気に入ったソフトのトラブルなどどうにもならない問題が起きたらいつでも戻せるよう、Win7で動かす環境も、バックアップして外付け可能なブートSSDにして残しておきます。)

現状ではZ68-ITXサーバが安定してバリバリに働いていますので、まだまだテスト的にしか使い始めていませんが、28TBのHDD容量は魅力的ですので(というか、当分録画に困らないようにこの容量にした)、徐々に録画サーバの主体をこちらに移していく予定です。

また、現在テレビの液晶AQUOSには、主にZacate機

Zacatepc サーバ機と紛らわしいですがトサカが無い

を繋いで普段の番組視聴や録画再生に使っていますが、Zacateの処理能力ではHD映像を1面映すのがやっとで、TV同時2画面視聴やニコニコ実況、あるいはH.264圧縮したHD映像を映したりすると、途端に映像がカクカクし始めます。
それに何の気なしに増設した左のHDDボックスは、野晒しで冷却ファンはあまり回らないとはいえやはりHDDの音を煩く感じるようになってきました。(Z68-ITXサーバーの横に同じように置いたWDと比べてもこのHGST(2TB)は明らかに回転音が大きく、たまたまかもしれませんが異音も出始めました。他が静かなだけに目立っています。。)

安定性もあまり褒められたものではなく、チューナ含めI/O機器を何も繋いでいなくても時々不意にハングすることがあります。

そんなわけで今後Zacate機はディスクを全て外してネットワーク再生専用とし、この新サーバー機をTV&録画視聴の主力に使おうと考え、ディスクの中身も新サーバーに移しました。ちょっと贅沢ですがどのみち常時稼働してますし。
そのためもあって新サーバのGPUは、個人的に発色が好きでマルチモニター(Eyefinity)での安定度もGeForce系より一日の長があるRADEON系にしました。

そういう目的を考えつつ、先日Windows8への移行も無事終わりました。難しい作業はありませんでしたが、今後普通に使っていくことを考えるとそれなりに注意点はありました。

今までWin7を使っていたユーザーがWin8に移行する手順は、既にいろいろなメディアやネットの記事に出ていますのであまり真面目に書くつもりはありませんが、ここでは自分用備忘録を兼ねて、私自身の主観で気が付いた点をメモしておきたいと思います。

ちなみにWindows8そのものの話はいい、TVチューナ関連の経験談だけ教えろ、という方はこちらに→ジャンプ

なお、この内容は今後、過去記事にもWindows8環境でのTipsとして追記していく予定です。

1.Windows8導入設定関連

1)Win8導入

今回もともとはWindows8システム用に安いSSDを用意し、そちらにクリーンインストールする予定でした。

使っているPCケースのCM690II Advancedには(国内モデルにはない)X-Dockというちょっとした便利技がありますので、

Xdock

ここに新しく買ったSSDを挿して、Win8のDVDを入れて導入、そこにRAID含めた本番環境の起動に必要なドライバ類を入れた上で、イメージにしてRAIDカードに接続してある内蔵のブート環境(高速SSDx2のRAID0構成)にリストアし、あらためてそこからブートした上でソフトウェア環境を構築していくと。

そのほうが純粋な環境になり、また練習にもなります。それに過去にXPからVistaにアップグレードインストールした時には後でいろいろよく判らない環境が残ってしまった記憶がありますので、クリーンインストールで真っ新な状態を作ったほうが良いかな、と。
そのために自分の使用環境で導入すべきソフトをフリーウェアを含め全てリストアップし、ドライバ類含めWin8をサポートしている最新版のインストールパッケージを揃えて、と、準備万端な筈でした。

ところがいざWin8をX-Dockに入れたSSDに導入しようとしていくと、DVDで起動して最初の導入先ディスクを選択した段階でどうしても

「新しいシステム パーティションを作成できなかったか、既存のシステム パーティションが見つかりませんでした。」

というメッセージが出て導入が止まってしまいます。このメッセージはいろいろな原因はあるのですが、これが出た時には原始的ですが、

「一旦、導入先ディスク以外の全てのディスクを外して(できるだけチップセット直結の)ブート環境にOSを導入し、入れ終わってから全てのディスクをつなぎ直す。」

ことが基本的な対応策です。

しかしマシンは山のようなケーブルを綺麗に揃えて組んでしまった後で、

Newsub_cables

今更OS導入"ごとき"のためだけに、中のケーブルを選り分けながら全部のSATAケーブルを抜いたりRAIDボードを外したりするのは後の見栄えを悪くしそうで嫌ですし、またうっかり他のケーブルが抜けて気付かないままになりかねません。

まあ実はこういう時、というか新OS環境をつくる時にもう1つよく使う手があって

「別のシンプルマシンにブートドライブを取り付けてOS導入して、そのブートドライブを持ってきて改めてブートし、素早くマザー&VGA関連のドライバを再導入する。」

というのもあります。乱暴ですがCPUがマルチコア同士(シングルコア⇔マルチコア間だとHALが違うのでブートできない)でIDE/AHCIも同じにしておけば問題なくブート可能ですので(他所のマシンのドライバも使わないゴミとしてちょっと残りますが)このような複雑な環境にいきなりブート可能な環境を持ち込むときには良く使う手にはなります。

しかし、もう1つの導入練習になる事も考え、結局今回はWindows7の起動状態からドライバ等を引き継いでインストールできる「アップグレードインストール」をやってみることにしました。

一応起動に必要そうなドライバ類を予めWin8サポートバージョンに上げた上でWin8の導入ディスクを挿入し、アップグレードを選択して導入を始めました。

で、結果として導入はあっさり終わりました。いろいろ用意したソフトウェアパッケージやドライバ類の新版は入れ直すものは入れ直しましたが、ほとんどはアップグレードインストールしただけの状態で問題なく使えましたし、各S/Wのライセンスキー等もそのまま引き継がれていましたので、正直拍子抜けでした。XPからVista/7への移行にくらべて7→8の移行はかなりカーネルの共通性も高いのも理由だと思います。(もちろんその後に非互換の問題はいろいろ起きますが、それはまた後ほど。)

いろいろ集めた最新パッケージは徒労に終わったのか。。というとそうでもなく、自分の常用環境の整理にもなりました。今回作った最新パッケージや設定集は他のマシンの環境を最新状態に保つためにも役立つので、一カ所に集めておくことにしました。

とはいえ今回はたまたまですが、元が検証用に作成したばかりのOS環境で何も実運用には使っておらず無駄なものが入っていなかったことも、アップグレードインストールがスムーズだった理由だと思います。長く使っていると、いろいろ古いソフトやドライバ類が導入されたまま、入っていることすらもよく覚えていないような環境になりますので、それらを整理する動機づけにもなるクリーンインストールをまずはやってみるのがお勧めです。

アップグレードインストールすると元のWindowsシステムフォルダが\Windows.oldの名前で残りますが、これは今回のようにWindows7環境を丸々別のSSDに残してあれば邪魔でしかありませんので、早々に[ディスク クリーンアップ] を使って削除します。(普通にフォルダを削除しようとしても削除はできません。)

2)Win8環境のカストマイズ

これは好みにもよりますので、あくまで主観で。。とりあえず現時点でやったことですので、他にもご参考になりそうなものを加えたときには後ほど追記します。

①ローカル・アカウントに変更

最初に起動してサインインできるIDは導入時に指定したMicrosoft Accountで、メールアドレスがユーザーIDになっています。これでメトロ用のアプリ等を購入したりできるのですが、②にあるようにメトロ全無視しますので、ローカルの他のPCとの共有環境も考えた通常のローカルアカウントに切り替えます。(ドメインを構築している場合はドメインアカウント)
方法はこの辺を参考に。
https://wsbs.wordpress.com/2012/12/10/windows-8-%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%82%AB%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%88/

②メトロ全無視

Win8ではサインインすると初期画面がメトロになります。左下のほうにあるデスクトップをクリックすればデスクトップに切り替わりますが、正直使いもしないメトロ画面はさっさと飛ばしたいので、この辺のカストマイズツール集を参考に、

http://www.forest.impress.co.jp/docs/special/20121026_568679.html

Skip Metro Suiteというツールを入れて、「Skip Start Screen」にだけチェックを入れました。これでクリックすることなく、すぐにデスクトップ画面になります。

他にも、スタートメニューも復活してくれるツールなどもありますのでお好みで選択すると良いと思いますが、私の場合スタートメニューを使って行くといつまでもWin8の使い勝手に慣れることができないと思い、そちらは不採用としました。(仕事でいろいろな企業のパソコンを使うことがあり、Win8の本来の使い勝手に慣れておかないと素人呼ばわりされそうですので。。メトロはすっ飛ばすかどうかの違いだけなのでまだ良いのですが。)

ところでこのメトロを飛ばす目的で採用しなかったものに、シェルコマンドの .scfファイルを作成してタスクスケジューラで起動時に実行する、という方法がありました。ネットで探して最初それが簡単そうで他所の環境でも簡単に組み込める話だったのでまず使ってみたのですが、それを使うとシステム起動時の自動起動を登録した筈のプログラム類が起動しない、という現象が起きましたので、止めました。(いろなプログラム導入と同時に組み込んで何回目かの再起動時に初めてその現象に気付いたので、これが原因だと判別するのにレジストリの回復をやってみたりソフトを1個ずつ削除してみたりと、結構悩みました。)
環境依存の濡れ衣かもしれませんので記事のリンクはしませんが、思い当る現象があったら外してみると良いと思います。

③起動時の自動サインイン、および自動起動プログラムの登録

この辺のカストマイズを簡単にするために、以前から使い慣れた「いじくるつくーる」を使いました。

個人のかた作成のツールで「Windows 8にはほどほどに対応しています」とのことですが、今のところこれでやりたいカストマイズは十分にできています。

自動サインイン、システム起動時&サインイン時のプログラム自動起動の登録の他、逆に仕込まれがちな自動起動プログラムを予め抑止しておいたり、Autorunを一括で抑止したりの登録に使います。

④デスクトップにショートカットを登録

スタートメニューがないので、ショートカットの登録がちょっとだけ面倒になります。今回はアップグレードインストールしましたので、既に登録済のものはそのまま引き継がれていますが、メモ帳やFirefoxなど普段はスタートメニューの履歴から簡単に呼び出していたものをいちいち検索から呼び出すのは面倒なので、ショートカットに登録しました。

手順は「チャーム」メニューの検索をクリックし、そのまま何もせずに下のスクロールバーを動かしていけば、今までのスタート→プログラム で選んでいたものに相当する一覧が全部出てきます。

8appli

ちなみに一般的にはここで検索欄に文字を入れて目的のプログラムを探すことになっていますが、いちいちマウスからキーボードに手を移動するなんて前時代的なことはやってられませんし、こちらのほうが今まで通りプログラムグループ毎に分けられていますので、この一覧で探していけば良いと思います。
(チャームの名前が「検索」だからプログラム名を検索するようなガイドが大半ですが、そういう使い方が生き残るとは思えません。そもそもMS以外のベンダのプログラム名は、簡単に検索できるようにはなってないですし。
たとえば「ffdshowビデオコーダーの設定」という名前ではなく、ffdshowのプログラムグループの下に「ビデオコーダーの設定」の名前で並んでいるからこそ機能の意味が判るようになってるわけで。
「検索」じゃなくて「プログラム」というチャームにしてファイル検索機能と分離しときゃ使い方も直感的に判るのに、とか違和感を持っていると、「これで慣れれば便利です」とかメディア通して宣伝しながら結局仕様変更になるのがVista→7でもありましたね。)

閑話休題、ここでショートカットに登録したいプログラムの上で右クリックし、下にでてくる「ファイルの場所を開く」をクリックすればプログラムフォルダが表示されますので、

Shortcut1_2

Shortcut2_3

ここからデスクトップやその下のフォルダにショートカットを持っていけばOKです。

一方、ts抜き環境で使うプログラムはそもそもレジストリ登録されないものが殆どですので、エクスプローラーでプログラムのフォルダをを開いてドラッグ&ドロップして、ショートカットをデスクトップ登録することになりますが、そもそものエクスプローラーの起動方法は

Windowsキー+X で「エクスプローラー」を選ぶ

ことになります。
ちなみに私は「左手をキーボードに乗せながらマウスを操作(ようはショートカットの常用)」なんてほとんどやらないので、Windowsキー+Xなんていちいち押すのも面倒なのですが、これは実は

(画面の左下隅にカーソルを移動すると表示されるメトロ縮小画面の)「スタート」を右クリック

と等価です。私はこちらの操作を常用することになりそうです。

というより実体は、名前からも判るとおりスタートメニューはなくなったのではなく、スタートボタンの代わりに「左下隅で右クリック」という形に変わり、「プログラム」フォルダだけはチャームの検索画面に移管されて展開され、大きく表示されるようになった、と言った方が良いですね。メトロの存在を無視すれば。
コントロールパネルやコマンドプロンプトも「左下隅で右クリック」から従来通り呼び出せますし。

コントロールパネルなんて技術屋とシステム管理者しか触らんだろうと思ったのか、(どっこい、海千山千のソフト・ハードを使うWindowでは一般ユーザーにも必須だと思いますが) この辺がシンプルなリスト表示で、かつディスク管理などよく使うものを直に呼び出せるようになったのは、却って使いやすくなったと思います。エクスプローラーも開けると最初にドライブリストを出してくれるようになりましたし。
プログラムフォルダもいちいち階層辿っていかなきゃならないスタートメニューにあるよりかは、幾分使い易くなったかもしれません。メトロのインターフェースにされてマウスの移動距離も大きくなってしまったのはアレですが、実は画面がメトロに切替わるのはプライマリー画面だけなので、マルチスクリーンの環境で使っていれば下図のように、

Dualscreen

セカンドスクリーン以降ではウインドウの表示を保ったままプライマリー画面でプログラムを選択する、という状態になり、これはこれで慣れれば使い易いかもしれません。

ちなみにエクスプローラーはリボンインターフェースに変わりましたが、機能的には従来と等価なので、これは慣れるしかないと思います。私はたまたまOffice2010でリボンインターフェースに慣れていたため、あまり気になりませんでしたが。

⑤SpeedFanの自動起動

さて、これは使っていない方には本来関係のない話なのですが、もしかしたら自動起動で同じような問題の起きるプログラムがあるかもしれませんので、ご参考までにメモしておきます。

私の環境ではSpeedFanをファンコン制御プログラムのT-Balancer Navigatorと組み合わせて、冷却関連の自動制御に使っています。(関連の過去記事はこちら
ここでのSpeedFanの役割は、CPUやGPU、HDDのような内部温度センサーを持ったデバイスの温度をソフトウェア的に随時読み取ってT-Balancer Navigatorに送り、T-Balancer Navigatorはその情報と水温計など自らが持っている外部センサーと組み合わせて、bigNGを使ってポンプや外部&緊急用内部ファン等の制御をおこうとともに、常時デスクトップに各温度など情報を表示する、という役割分担になっています。

ところがSpeedFanを③のいじくるつくーるで「(システム)起動時に毎回実行」に登録しても、なぜかこれだけ起動しません。起動後にマウスでプログラムをダブルクリックすれば問題なく起動するのですが。
(ちなみにいじくるつくーるの登録はレジストリの\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run等を弄るのと等価)

なおこの自動起動はレジストリ登録でもスタートアップフォルダに入れた場合でも同様の仕組みで動いていますので、どちらかに変えればよい訳ではありません。(Win8ではスタートアップフォルダがユーザーディレクトリ階層の奥のほうに隠されましたので、敢えてそこを使うケースは今後なくなると思いますが。)

そこでネットで調べてみると、いくつかの情報がみつかりました。32bit版Windowsなら動くという、まあそうなんだろうけどなぁ、という情報や、MSConfigで設定すればいい(実はレジストリを弄ることを言い換えただけ)とか、UACの設定変えればいいのでは、というあまり当てにならない教えて君的情報が海外板含め溢れていたのですが、そこで最も信憑性が高かった情報は、リンクにある「Windows7時代から環境によってはSpeedFanは通常の自動起動ができない。」「そこでタスクスケジューラからSpeedFanを自動起動させる。」という情報および解決法です。

これはいい情報(たとえ外れていたとしても)だったのですが、実際にやってみたところ残念ながら外れでした。

そこで、そもそものWindowsの自動起動の仕組みを考えてみた結果、単純にCMD.EXEを経由すれば良いのではないかと気づき、添付のような簡単なバッチファイルを作成して登録したところ、無事自動起動しました。

Speedfan.zip

似たような現象が起きた方のためのご参考まで。ちなみにSpeedFanが何故自動起動しないのかの理由は結局未だに判っていないのですが。。^^;

⑥ 更新プログラム KB2770917の問題

OSを導入したらすぐに最新のWindows Updateを適用したいところですが、少なくとも現状のWindows8を導入した直後に「重要」レベルの更新として落ちてくる「KB2770917」は、うちでもそうでしたが結構な確率で導入に失敗します。

Windows Updateに失敗したモジュールがあるとどうなるかというと、それだけ外してくれれば良いものを、同時に導入した他の更新プログラムも、全てロールバックさせてしまうので、長い時間が徒労に終わるだけでなく、デフォルト設定の「更新プログラムを自動的にインストールする」だと、来る日も来る日もUpdateが勝手に始まって再起動しては失敗、ロールバックのためにまた再起動、を繰り返すことになり、しかもこの「KB2770917」が原因だとは教えてくれません。まるでウィルスのような振る舞いになります。

サウンド機能などの少し古いドライバと干渉している筈だから外してから導入しろだとか、クリーンブートすれば導入できるとかの情報もありましたが私の場合はその辺を対策してもNGでしたので、更新プログラムから外しておくことにしました。
同じような問題に悩みたくない方は、最初から導入直後にWindows Update設定をコントロールパネルから呼び出して、

「更新プログラムをダウンロードするがインストールは選択する」

に設定を変え、「重要」にリストされているKB2770917のチェックを外した上で「右クリック」→「更新プログラムの非表示」に指定

Kb2770917_2
以上をおこなっておくと良いと思います。

「重要」な更新プログラムを導入しないのは不安かもしれませんが、多くの問題を起こしている更新プログラムがそのまま放置されるとも思えません。無理に入れなくてもMSが代替のものをそのうち提供してくると思います。

⑦ Lucid Virtu

インテルのSandy Bridge以降のGPU内蔵CPUであれば、Quick Sync Video(QSV)を使って、MediaConverter7(MC7)などの対応ソフトで高速低負荷なエンコードができます。
品質や圧縮率の面で必ずしも満足できるものではありませんが、ちょっとした持ち運び用映像を作成するなら気軽に使える便利なものです。

元の仕様では内蔵GPUをモニターに接続していることがQSV利用の条件なのですが、モニターに接続していない環境、あるいは今回使用したマザーのMaximusIV Extreme-Zのようにちょっとした仕掛けがあるマザーでは、Virtuによって内蔵GPUをQSV専用で利用できるようになります。

ところがWin8に移行後、Lucidのホームページから最新版の「Virtu Software」をダウンロードして導入しても、MC7がApplicationsのリストに出てきません。
手動で登録しようとしてもエラーが起き、登録不可能です。したがってQSVが使えない状態になってしまいました。

ASUSのマザーボードのサポートページには、Windows7用の少し古いVirtuしかアップされていませんがやむなくそれを導入すると、今度はMC7はApplicationsリストには出て来るもののMC7起動がハングするようになってしまいました。

そこで再度、上記のLucidのホームページを見てみました。Virtu Softwareのリリース日を眺めてみると、何故か2012年4月以降の更新が止まっています。
この手のソフトウェアは最新H/Wや当然Win8にも対応するための更新が本来非常に多いはずなので不思議に思い、隣にある「Virtu MVP」というソフトを見てみると、こちらは2012年3月から現在まで、頻繁に更新されています。
そこでこちらが実質上の後継ではないかと思い導入してみたところ、当たりでした。図のように

Virtumvp

MC7もMediaEspressoも無事、Applicationsリストに表示されています。これでMC7の起動もOKで、エンコードの速度やCPU負荷も、QSVを使っていると思われる状態に改善しました。

「Virtu MVPはVirtuとは別物でゲームやグラフィクス表示を外付け+内蔵GPUで分担して性能向上させるためのもの」、という解説が多く私もそういうものだろうと思い込んでいたのですが、「従来のVirtuの機能を継承した後継ソフトの位置づけ」でもあるようです。

そうとは知らず、普段は特に更新の必要性も感じないのでそのまま使ってきましたが、Win8の環境ではこちらでないとうまく動かないようですので、ご注意ください。

なお、今回の構成のように外付けGPUが内蔵GPUより桁違いにパワーがある場合、Virtu MVPでサポートされた分担機能自体はあまり効果がなく、逆に悪さをすることもあるようです。そういった場合には上図のApplicationsリストで、Virtuを使用するソフト以外のチェックは外しておくと良いと思います。

⑧ その他

大したことではないのですがIMEの操作感を従来と同じにするために、「Windows 8で言語バーを表示する方法」の設定をしました。

http://blog.livedoor.jp/ws71001/archives/21040714.html

というか、これはそもそもはこんな情報を見かけてやってみた事ですが、OSが変わってもIMEを同じ操作感に保つのは結構大事なことです。

またデスクトップの配色は標準だと安っぽい気がしました(もちろんタブレット等の小さい画面&屋外での視認性を重視しているのでしょうけども)ので、デスクトップ右クリックの個人設定から、背景色やタスクバー・ウィンドウ枠(ただし前面のみ)の色を変えておきます。
枠の色は、「色」のメニューにある「色の濃度」によって濃さも変えられるので、下品でない程度に薄めにすると良いかもしれません。

それにしてもデスクトップ右クリックのメニュー表示が恐ろしく遅いなぁ。。
と思ったのですが、これは濡れ衣でした。このマシンで使っているグラボのHD7870用ドライバーがβ版だったり途中でバージョンを下げたりいろいろ汚い状態だったため、一旦アンインストールし、Driver Sweeper で過去のドライバーや途中で試したGeForce用ドライバーも綺麗を削除したうえで、最新の正規版を入れたところ、右クリックメニュー表示も快適になりました。

で、できあがったデスクトップのイメージがこちらです。色遣いはWin7に合わせるつもりもなかったのですがいつの間にか。。

Desktop

なんだ、枠が透けてないだけでWin7と変わらないじゃん・・・何が「Win8の本来の使い勝手に慣れておかないと」だか。。。

まあでもスタートメニューがないことがWin8の使い勝手の違いの大元だと思いますし、デスクトップでカストマイズしたのは正味色だけですから。。

でも実際、今はWin7のサーバー1号機(z68-ITX機)とはKVMを使って画面を切り替えながら使っているのですが、家のPC群の中での役割が今のところ近いせいか導入しているソフトウェア構成もあまり変わらず、時々どっちを使っているのかわからなくなり、いつの間にか思っているのと反対側を弄っていることがあります。なので時々意識的に画面の左下をちらりと見て、今どちらを弄っているのか判断するように気をつけています。

⑨(DTV以外の)ソフトウェアの動作について

DTV関連の話に移る前に、DTV関連以外のソフトウェアの動作で気が付いたことをちょっとだけ上げときます。

・SuperPI Mod

数値の傾向はほとんど変わりませんが、少しスコアが上がりやすくなった気がします。同じ常用環境で左がWin7、右がWin8

Pi50 Pi50b

-Futuremark系ベンチ(3DMark11、Vantage、PCMark7など)

いずれの最新版でも導入したままでは動きませんでしたが、SytemInfoのエラーが出ますのできっとそれが原因なんだろうと思い、FutureMarkのサポートページから最新版のSystemInfoをダウンロードして導入したところ動きました。SystemInfoは共通プログラムですので、いずれも基本的には動作するようになります。(Vantageは途中で落ちましたがPhysX関連のエラーなので環境依存かも。)

3DMark11(Performance)
3dmark11onwin8

Win7での結果より悪くなった?訳ではなく、リンク先はGPUのドライバにCatalystβ版の12-11を使っていました。^^;
本番環境ではベンチマークが良好でも不安定要因のあるβ版ドライバを使うわけにはいかないので正規バージョンの12-10にしています。同じバージョンではWin7の結果は以下の通りでしたので、
3dmark11onwin7

いくらか向上しているようにも見えます。

-CrystalDiskMark

数字の傾向は同じ

-CINEBENCH 11.5

動きますが、CPU(マルチ)のスコアがなぜか1割以上落ちます。左がWin7 右がWin8(同じ64bit版 のはず)

Cb115_50s Cb115_50bs

まあOSの違いでCPUの能力が変わるのはあまり考えにくいですし、SuperPIのように逆にシングルスレッドのスコアが伸びるものもあるので、理由は良く判りません。プログラムの問題でなければ、もしかしたらコアのディスパッチロジックが何か変わったのかも。
ただネット上にそういう話はあまり出ていないので、私の環境だけの問題なのかなぁ。わかりません。

なんだベンチマーク関連ばかりじゃないか、そればっかりやっとんの?と言われても。。普通のOffice2010(まあ、当たり前ですが)、TrueImage2010、PowerDVD12、VirtualCloneDrive、PaintShopPro12やEpson、Canonのプリンタ関連ドライバも普通に動いたので、ネタとしてはこのくらいしか。。

.

2.DTV関係(TVTest,TVRock,Spinel & 関連ツール)およびPX USBチューナー on Windows8 について

と意気込んだわりには、今のところ驚くような内容はないです。。^^;

PXのUSBチューナーについてはドングル系の一部の注意点を除き、特に問題ありませんでした。ただ、使っていてちょっと面喰う点、あれ?おかしくなったのかなと錯覚する点、また、もしかしたら気をつけた方がいい点もありましたので、メモしておきます。

これらの内容は随時、過去の記事に追記として加える予定です。

1)W3U2、W3U3、(よって恐らくS3U2も) について

特に問題はないようです。BDAドライバはWindows8対応版を使いました。

余談) なぜかタスクトレイの「ハードウェアの安全な取り外し」の一覧に出るようになりました。

8_2

機器の特性上「安全な取り外し」の必要はなくブチっとやって良いはずですが、おまじないの好きな方はどうぞ。。

2)ドングルシリーズ(PX-S1UD、PX-BCUD)について

それぞれ、以下の注意点があります。

①PX-S1UDを64bit版Win8で使う場合、署名なしドライバになる。

PT2でも以前経験したのですが、公式ホームページからダウンロードできるWin8対応ドライバ(Ver.1.0.1)をマニュアルの手順に従って導入しようとすると、以下のメッセージが出ます。

S1ud_driverproblem_on_win8

これだけでは意味が判らないのですが、要はドライバに署名がないということです。このままTVTestで視聴しようとしても、Eが急激に増えるだけで何も映りません。

Windows8になってドライバの署名チェックが厳しくなった(本体ファイルだけではなくinfファイルにも求められるようになった)のも、この原因だと思います。

対策は署名回避の手順でOKでした。Win8になって少し署名回避の手順が変わりましたので、以下のリンクの記事をご紹介しておきます。

http://freesoft.tvbok.com/win8/testmode.html

ここにある手順1~3を順番におこなった後、マニュアルの手順に従ってS1UDのドライバを導入してください。
デバイスマネージャー上で、「サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラー」の中にPX-S1UDが正常に認識されたら成功です。

あとは手順3から1の順で、PCを元の状態に戻してください。 (リンク先には「署名無しドライバを作動させるには、テストモードにしておく必要がある」と書いてありますが、ドライバを導入できてしまえば、ノーマルに戻して問題ありません。)

ただし1点注意点があります。
S1UDをUSBに差したり、あるいは抜いて挿し直した時も、すぐにはドライバは有効にはなりません。(デバイスマネージャー上では一見正常に認識されていますがTVTest上には何も映らず、Eが増えるだけになります。) 必ず一回システムを再起動させてください。
最初の導入後も意図的に一度抜き差してから、再起動したほうが良いようです。

以上でS1UDが使えるようになります。 

といっても、PXシリーズの特長の1つは導入がシンプルな点にもあるわけですので、署名済みドライバをリリースしてほしいですね。

なお、Spinel配下でも上記手順の後、S1UDは特に問題なく動くようになりました。

②PX-BCUDのドライバは「Win8対応予定」だが、現段階のドライバでもSpinelを使わない限り問題ない。

こちらはPX-S1UDのような署名回避も必要ありません。以前の解説の通りの手順で導入すれば、使えるようになります。

ただしWrapper経由だとまだ上手く動かないようで、Spinelでの利用はできません。Wrapperの対応か、今後のBonDriverによる対応を待つ必要があります。

.

3)TVTestでの利用

現在、新しいURL新しいバージョンの0.8.0が出ています。ただバージョン名で錯覚しそうですがこれがWin8対応版という訳でもなく、また今のところ特に目新しい機能があるわけではありません。自分でソースを弄ってビルドする必要もありますので、何かやりたい事がない限り、今までの0.7.23を使う形になります。

②デコーダでMicrosoft DTV-DVD Video Decorderが選べなくなっている。

これを使っていた人にはこの変更が一番大きいのではないかと思います。

選べなくなっている理由は、1つはこのデコーダがWin8標準の環境には添付されなくなったこと(MediaCenterに添付)、またもう1つはTVTestにちょっとしたバグがあり、ソースを一ケ所弄ってビルドする必要がある点です。

これらに対処してMicrosoft DTV-DVD Video Decorderを復活させる方法もあるのですが(ご興味ある方は、2chのTVTestスレッドに方法は書いてあります)、まあそこまでして使うデコーダでもないかと。。

お勧めとしては、(PowerDVDのない環境では)以下のようなデコーダを導入すれば良いと思います。

・ffdshow Video Decoder

リンク先
http://www.losttechnology.jp/Movie/ffdshowsetup.html
を参考に導入します。

なお、導入直後はMPEG2のデコーダが無効になっていますので、チャームのffdshowのプログラムグループにある、「ビデオデコーダの設定」を開いてください。

開くと英語メニューになっていると思いますが、判りにくいときは図の場所で日本語の指定ができます。

Ffdjpn

上記リンク先にある「画質向上のための設定」をお好みでおこなった後、「コーデック」で下図のように、MPEG2デコーダを有効化してください。

Ffdshow

これでffdshowがデコーダとして選べるようになります。

・ATI mpeg video decoder

(1) AMD Media Codec Pack
http://www.amdsurveys.com/se.ashx?s=5A1E27D23FD98DA7
を導入します。(入力欄は適当に入れればOKです。)

なお、AMD系のビデオカードを導入済みの方はこれを導入しようとしても、「すでに最新版です」というメッセージが出て導入できないかもしれません。そのときはそのまま(2)に進んでください。

(2)エクスプローラーでCドライブ下にある

C:\ATI\Support\11-9_vista_win7_32-64_xcode\Packages\Apps

のフォルダを開きます。 (11-9はバージョンが変われば変わりますので、上位フォルダから最新のものを選んで、あとは順番に辿っていってください。
なお\ATIではなく\AMDフォルダ下のほうに以下が存在する場合もありますので、両方探してみてください。

AVIVO およびAVIVO64のフォルダを見つけたら、

Avivo
OSに合せて32bit版ならAVIVO、64bit版ならAVIVO64を開き、中にあるAVIVO.msi(またはAVIVO64.msi)をダブルクリックし、導入します。

以上で選べるようになります。 AMDビデオカードである必要はありません。

③ 1画面上に2つ以上のTVTestを表示した場合、どれか1つのTVTestでチャンネルを切替えると、チャンネル切替えが完了するまで他のTVTest表示も静止する。 

もともとWin7の環境でもGeForce環境かRadeon環境かに関係なく、同一画面で2つ以上TVTestを動かしているとチャンネル切替え時に一瞬他TVTestの映像・音声が止まる、ということはありました。しかしWin8ではこれがだいぶ長くなり、完全にチャンネル切替えが終わるまでの間、他もつられて静止するようになりました。
特にBonDriverの切替えはもともと数秒かかることがありますが、その間ずっと止まっています。

デコーダ・レンダラをいろいろ切り替えても、また他PC(Win7)のチューナをSpinel経由で表示してもこの動きは変わりません。逆に、Win8 PCのチューナをSpinel経由でWin7 PCで視聴しても表示は今までと特に変わらず、チャンネル切り替え時の他画面への影響は一瞬です。
よって、BonDriverやSpinelにも問題はなく、なんらかのTVTestが利用する(DirectShowなど)表示ロジックのふるまいがWin8で変わったのではないかと思います。

いずれにしろ録画データなど実質のデータストリームに影響はなく、1台のPCでの同時表示の問題だけなので、これはこういうもんだと様子を見るものだろうと思います。

(一応私はそう判断しましたが、問題がでるケースがないか、今後も情報収集します。)

④?(判断保留) 複数種類のチューナを混在させる場合、TVTestからBonDriverを切り替える際にチューナーを見失う(BonDriverのオープンに失敗しました が出る)ことがある。

ただし、当初私の環境で2回ほど起きたのですが、いろいろMicrosoft UpdateなどシステムのUpdateをおこなった後、今いまは起きませんので、これは保留とさせていただきます。

もし出ているとすれば、最近のTVTestのバージョンでは解消した件(→ご参考:過去にいただいたコメント)がまたWin8の環境で出ているのかもしれません。

もしこれが出る場合は、TVTestのフォルダを分けてそれぞれの機種用環境を作り、TVRock等から使用するときもそれぞれ用のTVTest環境を呼び出す、という形にすれば、問題はありません。
もし地上波と衛星の切り替えで出ることがある場合は、地上波と衛星の環境を分けてください。

またSpinel経由にすれば、いくら混在環境にしてもこのような問題は元々出ておらず、今回も出ていませんので、その辺の運用を確実にしたい方は、ローカル/リモートを問わずSpinelを使った構成にするのがお勧めです。

なおEDCBは試していませんが、恐らくBonDriverのハンドリングはSpinelと類似しているので、この辺の問題はないと思います。

4)TVRock

特に問題なし

試しにIE10を使って番組表を表示してみましたが状況はIE9と変わらず。番組表での操作はFirefoxかChromeなど「IE以外」を使う、という状況は変わりません。私はFirefoxの起動ページを番組表に指定していて、ほぼTVRock専用として使っています。

5)Spinel(サーバ、クライアント側とも)

コントロールパネルの「プログラムと機能」→「Windowsの機能の有効化または無効化」で.NET Framework 3.5を有効化しておいてください。

Dotnet35_2

6)その他関連ツールで気付いたこと

① WhiteBrowser

バイナリエディタでパッチを当てないと、いろいろな操作時に(当環境では起動時の自動サムネイル作成時)にVC++ランタイムエラーの表示が出て、強制終了してしまい、実質使えません。いずれ対応版が出ると思われますが、バイナリエディタが使える人はパッチを手入力すれば使えるようになる情報があり、私のところでもそれで動きました。
パッチの内容のリンク(WhiteBrowser 0.7.3.1 β対象)

② Multi2DecWin

動かないという情報があったのですが、私の環境では動きました。Ver 2.10

③ BonCasLink

Win8のマシンをBCASカード共有のサーバーに使うために、BonCasServiceを登録しようとすると、次のようなメッセージが出てサービス登録ができません。

Casservice_2

これは実は単純な理由で、デスクトップからバッチを呼ぶときに、バッチの存在場所をデフォルトパスとして認識しなくなっているためです。

これを認識させるのは簡単で、バッチファイルの先頭に

set path="%~dp0";%path%

を一行入れれば良いのですが、ご面倒な方のために関連バッチファイルを修正したものを添付しておきます。

「BonCasService_for_win8.zip」をダウンロード

これを解凍して、\BonCasLink\サービス版 フォルダに全て上書きコピーしてください。
そうすれば「サービスインストール.bat」等が手順通りに実行でき、BonCasLinkが使えるようになります。
(ちなみにこの修正版バッチはWin7やXPでも正常に動きますので、気になる方はWin8導入前でも修正しておいて良いと思います。)

ただしそもそも、ですが、カードリーダがWindows8の環境で動くかどうかは予めご確認ください。私が使っているGemaltoのリーダはWin8 64bit環境でも挿しただけで問題なく使えましたが、最初に挿したときはきちんと読めるようになるまで、少し時間がかかりました。

.

以上、まだまだ検証途上なのでこれからまた追記していきます。

(余談

ところで、今回の主題には関係ないのですがサブ2号機

Photo

のHDDの中身(約9TB)も全部新サーバに移してしまいました。

このサブ2号機はもともと今のメイン機が完成する前はメインに使っていたのですが、昨年改装してから何故か、OC設定か定格設定かに関係なく、たまに不意に落ちることがあり、グラボ周りが疑わしかったのですが水冷化したグラボを検査するのが面倒くさく、新しいメイン機が本格的に使えるようになったためこちらの原因を調べる優先度も落ち、そのままになっていました。

CPUパワーはメイン機とほぼ同等ですが、その後製作したITXサーバ機が静かで便利な上24時間稼働なのでそちらに役割もほとんど移し、こちらはファイルの置き場所という勿体ない使い道しかなくなっていました。そのロールも今回新サーバに引き継いだので、これで役割は終わったことになります。

今後この筐体や中身をどうするかは考え中です。中の水冷部品とかbigNGとかはまだまだ何度も使えますので回収して再利用したりCPUなど売れるものは売るとして、筐体のTwelveHundred自体は大きくて保管場所も取ってしまいます。

が、Haswell世代になったらまた新PCを作りたくなると思うので、その時の器として保管しておこうかなと。

もはや(まだ現役で売っているとはいえ)古い機種ですが、Antecが今より独創性に溢れていた頃のちょとした傑作PCケースだと個人的には思っていて、頑丈で今時珍しい5インチベイx12の構成なので、HDD水冷&静音化用のSilentStarを使うとしたら物凄く使いでがありそうです。(HDDが安くなっていたらですが、4TBx16=64TBの無音PCとか。。)

*追記 なんてことを書いた次の日、このサブ2号機はマザーが逝ったらしく起動しなくなってしまいました。ごめんよそんなつもりで言ったんじゃ・・・。 こういう事けっこうありますね。新しいPCなどが入ってやっとこいつの役目も終わりか、と思った瞬間にそいつが壊れちゃうパターンって。
ただこいつの場合は、データや環境を新しいPCに完全に引き継いでからお亡くなりになったのは立派です。(過去にはやっと映像のMPEG-2保管環境ができたと思った瞬間に、録り貯めたテープを残したままβのデッキが逝ってしまったという事がありました。泣く泣く移行のためだけにデッキをオクで買う事に。)

とはいえ最後のHDDゼロフォーマットの仕事をやり終える寸前だったのに。そもそも負荷のかかる、配下の全データディスク(9本)のゼロフォーマット作業を仕掛けて2日間立ち上げっぱなしにしていたのがいけなかったんだと思いますが、最後の1本が残念ながら未完了でした。。

2012年12月 1日 (土)

新・常時稼働サーバ機の製作

久しぶりのPC製作記事です。このような新マシンを作成しました。

Newsub10_2

Newsub09

Newsub11

Newsub05

Newsub04

これは録画&常時ONサーバの2号機として、現在Z68-ITX機に4台ぶら下がっているPX-W3U2/W3U3の一部をこちらに移管するとともに、PCIeに空きがありますので、PT3かPX-W3PEあたりを増設してみる予定です。

構成

ケース:CM690II Advanced
マザー:ASUS M4E-Z with EK-FB
CPU:2700K with EK-SupremeHF
GPU:HD7870 with EK-FC
メモリー:Hyper-X 2133CL9 2GBx4 with Bitspower GalaxyFreezer
電源:Super-Flower SF500P14FG 500W fanless with KOOLANCE HD-60 water block
RAIDカード:RocketRAID2720 with KOOLANCE GPU-210 water block
HDD:4xWD30EZRX-3TB,4xHGST-4TB with Silentstar HD-Quad Core Rev.2
ヒートエクスチェンジャー:Koolance HXP-135 (ベランダの車用ラジエターを使った外部冷却系で冷却)
内蔵ラジエター:BlackIce GTS240 (外部冷却系が効かないときのような緊急時にのみ作動)
ポンプ&リザ:D5 with EK-D5 X-RES
起動ドライブ:SSDx2(C300)
ファンコン:T-Balancer bigNG

またWindows8も手に入れましたので、それベースのマシンとして仕上げていくことにしています。(今はWin7で動作検証中)

.

材料を集め始めたのはリンクの記事の頃で、現行サーバ機(Z68-ITX機)のバックアップを兼ねた新サーバを作ろうという発想は変わっていないのですが、その後ずいぶんブランクがあったりして、ようやく完成に至った次第です。

今回はより静音性を高めつつ、録画サーバとして当分困らない程度のHDDを搭載するために、今までのサブ2号機(ミドルタワーのCM690II)

Cm690iiupper

の中身を入れ替える形にしました。

現行サーバ機のZ68-ITX機はもともと置き場所があまりなく、その制限の下で使うPCを作る発想だったのですが、あまりに小さいためにHDDは外付けにせざえるを得ず、そこがある程度の騒音源(夜中に僅かながらHDDのシャーという音が聞こえてしまう)と、HDD容量の制限にもなっていました。

今回はもともとサブ2号機がある場所に置けば良いのでミドルタワーケースのスペースをフル活用できます。そこでRAIDボードを内蔵させた上で、HDDは3TBx4、4TBx4 の計28TBを内蔵することにしました。

構成上は完全無音にするために、普通に言う所のフル水冷構成(CPU,GPU,マザー,メモリー)にプラスして以下のように主要な熱源は全て水冷化し、同時にSmartDrive並みの静音化ができると言われるSilentStarにHDDを全部収納することによって、完全ファンレス運用の無音化ができるようにしています。

製作記を書き始めると長くなるので端折りますが、ポイントは以下の通りです。

① 全体図

Newsub09_list

② 電源

もともとファンレスで発熱が少ないSuperFlower SF-500P14FG (500W Platinum)を使いました。

これはファンレス構造ではあるのですが他のファンレス電源と称するものと同様、ある程度PCケースの自然なエアフローをあてにしており、多くのスリットが開いた上に巨大なヒートシンクが付いた構造をしています。全くエアフローのない環境での使用は推奨されていません。

しかし今回は一切のケースファンがありませんので、エアフローが全くなくても冷却に問題が出ないよう、電源の"蓋"にHDD用水冷ヘッドのKOOLANCE HD-60を挟み込んで、強制的に冷やすようにしました。

Newsubpsu1

やや冷却ヘッドが元のコンパウンドからずれていますが、コンパウンドの下は巨大なヒートシンクなので、十分に熱が伝わるだけの面積を接触させれば良いわけです。

またこの電源のMAX500Wの出力が、今回全体構成を決めていく上での縛りになります。
("GOLD"の効率でよければ600W電源としても常用できるらしいのですが。)

CPUは6コアのSandy-Eも使ってみたかったのですが電力を食いますので没、4コアのIvyBridgeにしようとも思っていたのですがいま一つOC性能が冴えないようで、常用マシンとしては殻割りなどもしたくありませんので、ここは素直に使い慣れたSandyBridgeの 2700Kを使うことにしました。

またGPUは許される消費電力内で性能の高いHD7870を選択しました。

Newsubhd7870

この組み合わせであれば、電源容量内で結構なOCも楽しむことができます。

③ HDD

2個使用した"銀の箱"SilentStarは、銅製冷却ブロックで4台のHDDをサンドした上で、静音&防振のためのクッションの中に全体を"浮かせる(どこにも接触していない)"構造になっています。

Newsubhdd

高い静音性を確保できますが、銅塊というべきボリュームで1個が約3kgもあり、その事自体がスタビライザーとして細かい振動を止めてくれるのですが、これも要因となってずっしりと重いPC(31.5kg!)になりました。持ち運びには腰を痛めないように注意しないと。。

④ RAIDカード

8ポートのRocketRAID2720を使いました。RAIDといってもブート用SSDをRAID0で構成する他は、単なるHDD用拡張SATAカードとして使いますので、このクラスのもので十分で、速度も良好です。もともと加工せずに使う予定だったのですが実際にまな板でテストしてみると尋常ではない発熱量で、エアフローのないケースに内蔵するには不安に思えましたので、図のように

Newsubraidblock00

元のヒートシンクにうまく噛み合うヒートシンクを熱伝導ボンドで接着した上で、その平滑面にKOOLANCE GPU-210の水冷ブロックをネジ留めしました。

⑤ こちらは冷却の制御用ですが、自動車用のリレー

Newsub_relay

を使って、屋外ラジエターファンの自動ON/OFFができるようにしました。
完成写真ではうまく収納されているので見えないのですが、下の写真の場所に配置しています。

Newsub_relay2_2

屋外ラジエターファンをこの仕組みで制御する理由は、屋外ファンは本来12V駆動の大出力ファンを5Vで使っているのですが(過去記事・参照)、これをbigNGのようなファンコンに直接繋げると、5Vに出力制限したつもりでも起動時などに一瞬12Vの電圧がかかって大電流が流れてしまい、ファンコンを壊してしまう恐れがあります。そのため今まで屋外ファンは自動制御にせず、手動スイッチでON/OFF操作していました。
(常用サーバーのみ動いている間はOFFで、メイン機やサブ1号機のような大出力機を動かして外部系水温が上がってきたらON)

が、このリレーを使えば、bigNGで自動制御できるようになります。
これは本来、全体のコントローラーであるZ68-ITXでやるべきだったのですが、bigNGの出力チャンネルに空きがないため、新サーバ機で制御することにしたわけです。

またこのリレーで5V駆動のケース内LEDも連動させるようにしました。

Newsub07

こうすれば屋外ファンが回り始めるとLEDが一斉に灯くので、ああ一生懸命冷やしてるんだなぁ、と判ります。

⑥ 新冷却ループ全体図

当マシンはヒートエクスチェンジャー経由で、通常ベランダのラジエターを使った冷却ループによって冷却しています。

1211
各PCはこのようなカップリングでループ状に接続されています。(ループの追加・削除が簡単にできるよう、カップリングのメス側が常に上流側になるように決めています。) コントローラー以外はループから切り離しても内蔵ラジエターで動きます。
ついでに言うと、カップリングの止水機構は思いのほか強力なので、外部系のポンプをうっかり止めずに切り離しても、水が噴き出すわけではありません。バイバスしてループを再構成すればまた流れ出します。
(と言っても普段は安全のために、ポンプを止めてから 切り離し/結合 をおこなっています。)

外部水冷系から切り離す時は
"アンビリカルケーブル切断!2号機、内部冷却系に切り替わりました" とか叫ぶと雰囲気も出たりします。

今までのメイン機やサブ1号機も普段はこのループを使って冷却していますが、もともとはこの仕組みをあまりあてにせずに作っていたため、水冷化していないHDDやチップセットなどどうしてもエアフローが必要なパーツがあります。ラジエターファンも原則止めますが、作成時には良かれと思ってエアフローを兼ねたラジエターファン配置にしてしまったために一部は回さざるを得ず、水温が室温より低いときにはラジエターは逆に冷却水を温めてしまう要因にもなっていました。
しかし今回のマシンは、緊急時以外はすべての熱をこの外部冷却系に排熱する形にしましたので完全なファンレス動作となり、高い処理能力と容量を持ちつつも全くといって良いほど動作音のないマシンです。
実際普段はLEDも消していますので、時々マシンが本当に動いているのか不安を覚えるほどです。

屋外ラジエターファンも外部系水温に連動した自動制御としましたので、必要な時に必要なだけ回るようになりました。耐久性を高めたり安定した冷却能力を確保していくためにも役立ちそうです。

⑦ 当マシン自身にもラジエターファンが付いているのですが、

Newsubtopfan

あくまで緊急用で、システムが熱暴走しない程度の最小限のものです。動作はbigNGで制御していて、外部水冷系を切り離した時など水温が基準値を上回った時のみ動き出すようにしてあり、普段は止まってます。
またポンプのD5はもとより静かですが、特に強冷したい時以外はbigNGによって2000rpm程度の低回転に制御して静音性を高めています。
(D5も全開出力だと4900rpmくらいまで回転数が上昇して、大きくはないものの静かな中では聞き取れる程度の回転音が出ます。これはCPU温度が一定以上に上がった時に、冷却能力を高めるために全開にもっていく設定にしています。GPUはどうやっても温度が上がらないので無視)

使っているPCケースのCM690IIは静音化のための仕組みは一切持たないスリットだらけの構造ですが、このように騒音源を一切なくしてしまうと当然音漏れも全くありません。むしろゆっくりと換気もされますので、僅かに残る熱源(ポンプやbigNGのレギュレータなど)についての心配もなくなります。

⑧ 配管のTips

あまり手先が器用ではないので配管については大したことは言えないのですが、今までの経験からこうすると便利と思う点を1つ言うと

 効率の良い経路を考えつつ、メンテナンスに必要な部分に冗長性をもたせること

です。
配管の長さは冷却効率にはあまり関係はないのですが(チューブの圧損はヘッドのそれに比べてたかが知れてるため。ただし折れには気を付けること)、ただ美観の点で、無駄な取り回しは避けるべきです。しかしその中で、リザーバとCPUブロックへの配管についてはある程度の冗長性があった方が良く、今回も不自然に見えないようにしながらそうしています。この意味は、

1) リザーバは固定場所から外して向きを変えられるようにする。
これは注水(エア抜き)の時に便利で、下図のようにケースを横倒しにしてポンプを動かし、

Newsub_pouringwater

元の姿勢に戻してまたポンプを動かし、を繰り返すことで、エアを効果的に抜いていくのが目的です。また配管時も、こうやってエアを抜くことを考えながら水のIN-OUTの順番を考えていきます。(特に天井のラジなど、配管を逆にするとこれでも抜けません。)

注水時はこうしないと、どんなに強いポンプでも絶対に抜けないエアが残る場合が多いです。海外の”HOW TO水冷”のようなビデオを見ると、ポンプを回しっぱなしにして時々ケースを傾ける程度でエア抜きできると解説しているものも多いのですが、それだと見えないところに大量のエアが残ることになり、冷却効率も不利になります。
ベイ固定式のリザはこれができない点で、私はあまりお勧めしません。(というか最初の頃、それで苦労した覚えがあります。)

また、うまくケース外に引き出すことができれば、水抜きの時も便利です。
このマシンの場合、背面を下にして立ててからリザを開けて水を出し、残った水もエアダスターを使ってリザ経由で追い出す、ということを考慮して配管しています。

2) CPUブロックを外してCPUにアクセスできるようにしておく。

これはCPU交換の時や、グリスを塗り直す時に便利です。
写真はグリス塗り直し時のもの。
Newsub_cpumaint_2

こういう工夫をしておけば水抜きしなくてもCPUのメンテが簡単に出来ます。

この辺は以前の製作→黒とメタリックの世界 にも共通していることで、美的こだわりとの兼ね合いで無理にそうする必要もないのですが、特にリザについては注水の時にもどかしい思いをしますので、意識したほうが良いと思います。これから水冷をやってみたい人のご参考まで。

⑨ SSDとbigNG

残った3.5インチベイ2段を使って上にSSD(2台)、下にファン&ポンプコントローラのbigNGを入れました。
Newsubssdandbigng

下段のbigNGは今回様々な自動制御を行ないますので、結構重要な役割です。(bigNGが如何なるものかにご興味がある方は、過去記事も参照してみてください。)
これにも写真の通りヒートシンクが付いていて、ここも冷やさなくていいの?という話もあるかもしれませんが、このヒートシンクはレギュレーターの冷却用で、大出力のアナログ電圧制御をおこなう時に発熱します。今回アナログ制御は、非常用ラジエターファン(計0.5A程度)と5V用リレー(電流は僅か)だけなのでほとんどここの負荷はかからず、熱は気にしなくて良いと思っています。(一応bigNG自身のデジタルセンサーを取り付けて、温度監視はしています。比較的風通しも良い場所ですし。。)

SSDは手持ちのC300(128)の使い回しです。今はもっと新しいSSD製品が出ているのですが、下のベンチ(RAID0構成)のように、

Cdmcm69c_2

特にブートドライブとして重要な4Kランダムやシーケンシャルリードの性能は、最新モデルと比べてもほとんど変わりませんので、敢えて買い直す理由がなく、このまま使うことにしました。(最新モデルの性能、特にシーケンシャルライトが向上しているように見えるのは、内部的なRAID0構成を重ねた結果なのです。)

⑩ OC設定

静音・常用マシンとはいえせっかくの冷却環境なので、ささやかな楽しみとして以下の常用OCセッティングをおこない、各種耐久テストも通りましたので、これで使って行くことにしました。

CPU: 5.0GHz(100x50) VCore1.43V (BIOS設定値1.41V)

メモリー: 2133MHz(9-11-9-27-T2)

HD7870:  コア1250MHz メモリー1300MHz

Newsub_50gprime14_2Prime95 x 14hr

Newsub_50gocct1h_3OCCT x 1hr

Newsub_50gmemtest2rMemtest

Furmark15min_1250Furmark x 15min

シングルGPUにしてはグラフィックス能力も高いので、動画のマルチ画面表示やゲームなどにも十分に使えそうです。ようやく大昔に買ったEyefinity対応DP-DVI変換アダプターも役に立つ時が来ました。
3dmark11_50

消費電力はこのOC設定で予想通り、電源定格の90%以内に収まりました。

Newsub_poweridle IDLE Newsub_powerpeakOCCT PowerSupplyピーク

常時ONのサーバとしてはアイドル消費電力が大きいですが、HDDを8台積んで水冷ポンプを動かしている構成なので致し方ないところです。

今後はこのマシンを、Z68-ITX機との2台体制で常時起動サーバとして使う予定です。新サーバを使った映像系システムの再構成も、また改めて書いていこうと思います。

.

ここからはおまけです。このCM690II機は、先代のCM690NV機を含めてサブ機として実験的要素があるためか、写真のようなカラフルな変遷をしています。使い勝手の良いケースだとこのようにずっと使い回せるのが良いですね。

690692a692b_2692c

我ながら内部および裏配線とも、最初の頃から進歩してますね^^;
そういや(水冷練習機だった二番目は別として)最初と三番目にはPT2が刺さっていて、もともと録画サーバ用途だったんだなぁ、などと思い出しました。最初のにはアナログWチューナのGV-MVP/GX2Wも刺さっていて、時代を感じさせます。

2012年10月 2日 (火)

TVRock (およびTVTest) のスカパーe2最新編成対応と、チャンネル名称も最新にする方法

この記事は今まで当Blogの各チューナー設定手順、および「2012年3月1日のBS新チャンネル対応、および2012年4月以降のCS110再編対応について 」の記事を参考にチャンネルを更新してきた人向けの、主題のガイドです。
また過去にこのBlogを参考にしていなくても、この機会に綺麗にチャンネル構成し直そう、という方にも使えます。

以前の上記チャンネル再編対応の記事では、TVRockに関しては手順を煩雑にしないために、「チャンネル名称は原則変えない」というポリシーを置いていました。
なぜそのようにしたかと言うと、「TVRockのチャンネル名称はTVRock内で主キーとして使われる」ため、安易に変更すると幽霊チャンネルが出現したり、運が悪いとTVRock全体が不安定になったり立ち上がらなくなる、といった不具合を引き起こすためです。
チャンネル名称も安全に変更する手順はあるのですが、人によってどこまでチャンネル名を更新してるかが異なり、それなりに注意も必要なので、整理した手順にするためにもCSの再編が一段落するまでは手をつけないようにしてありました。

結果として例えば以下のような正式名称(TVTestで検出されるEPG名称)の変更が結構あったのですが、TVRockには反映されないままになっています。

旧名称 新名称
テレ朝チャンネル テレ朝チャンネルHD
LaLa HD 女性ch/LaLa
Music Japan TV スペシャプラス

まあこれはこれで気にしなければ気にならない程度のものですが(と勝手に決めつけてますが^^;)、一応CSチャンネル再編成も一段落した事だし気になる人向けに、このタイミングで(一応落ち着いたはずの)スカパーe2最新チャンネル編成に対応すると同時に、これらの正式名称への更新も一挙に実施する手順を書いておきます。

なお、2012年10月1日以降に当Blogの記事に従って新規にチューナーセットアップされた方は、ここの手順は必要ありません。(現時点で新しいチャンネル名称と定義を反映してありますので、改めてこの記事を実施する必要はありません。)

このBlogの過去の記事の手順と比べた場合のこちらの手順の弱点は、「一部または全部の録画予約データのチャンネル情報が消失するので、それを設定しなおす必要がある。またTVRockがハングする場合があるので、バックアップを取りながら手順に沿っておこなう必要がある。」という点です。
したがって、時間の余裕がなくて録画予約のメンテなど面倒なことはやっていられない、という方は、過去の変更手順で(チャンネル名称が古いままなのを除けば)今後も普通に使えますので、それで十分だと思います。が、後々のこともありますので余裕ができてチャンネル名称も最新状態にしたいと思った時に、この記事に戻って来ていただければ良いと思います。
また過去にこのBlogを参考にしていなくても、TVRockのチャンネル名称がどうも古くて、と思っている方全般にも手順として使えると思いますので、ご参考にしていただければ幸いです。
.

1.準備

1)「TVRock作業フォルダ」の場所を確認しておく。

「TVRock作業フォルダ」は、TVRock設定の以下の赤丸部に指定されている場所です。

Tvrock_work

2)TVRock作業フォルダをバックアップする。

TVRockでチャンネルを一挙に削除すると、TVRockが再起動しなくなるトラブルが起きることがあります。それに備えて\TVRock作業フォルダを丸ごと、他のどこかにコピーしておいてください。何かトラブルが起きて元に戻したい場合は、TVRock作業フォルダの中身を削除してこのバックアップから戻すことによって、前の状態を復元できます。

3)TVRockの現在の録画予約一覧をプリントアウトしておく。

チャンネルエディタで旧名称のチャンネルを削除すると、録画予約データの中からそのチャンネルの情報が消え、ブランクになります。新しいチャンネルを定義した後、該当の録画予約データ1個1個に、対応する新しいチャンネルをセットする必要があるのですが、そのために予め録画予約一覧を図のように

Photo

ブラウザからプリントアウトしておきます。

4)TVRockが複数PCで連携して(マスター&スレーブとして)動いている場合は、定義途中のものが他に反映されるのを防ぐために、一旦全部落しておく。

移行は各TVRock毎におこない、全てのTVRockでDTune.batが終わったらそれぞれ再起動して、連携を復活させる。(各TVRockを起動すれば、自動的に連携は復活する。)

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2.チャンネルエディタで変更対象のCSチャンネルを全て削除する。

1)(チャンネル名称変更のために一旦)削除する対象のチャンネルを決定する。

①2012年の9月までここのBlogの過去記事に従って新規にチューナーを導入していた、あるいはCSチャンネル更新対応をやっていた方は、以下のCSチャンネルが削除対象になります。

ショップ チャンネル
e2プロモ
スカイ・A sports+
ゴルフネットワークHD
TAKARAZUKA SKY STAGE
時代劇専門チャンネル
ファミリー劇場
ホームドラマch
TBSチャンネル
テレ朝チャンネル
スーパー!ドラマTV
LaLa HD
FOXプラス
Music Japan TV
エムオン!
カートゥーン ネットワーク
ディズニーXD
キッズステーションHD
ディスカバリーチャンネル
ナショナル ジオグラフィック チャンネル
朝日ニュースター
BBCワールドニュース
スカチャン0 HD
スカチャン1 HD
(合計24個)

② ①に該当しない方、あるいはいちいち削除対象を選ぶのが面倒な方は、とりあえずCSチャンネルは全て一旦削除してしまうのが間違いがないと思います。(ch-cs.txtファイルで読み込むチャンネル名と僅かでも違いがあると、チャンネルの二重登録になってしまいますので。)

但し、注1)の場合があることを予めご確認いただき、問題が起きた時にいつでも戻せるよう、\TVRock作業フォルダのバックアップは確実にやっておいてください。

2)チャンネルエディタを使って、削除対象のチャンネルを削除する。

タスクトレイにあるTVRockアイコンを右クリックし、ツール→チャンネルエディタ を開きます。

Delch121001

次に、1)で対象としたチャンネルを全て削除していきます。
対象のチャンネルをチャンネル一覧から1個ずつクリックして「削除」をクリックしていってもいいですし、チャンネルを Ctrl+クリック していけば、一度に複数のチャンネルを選択(反転)できます。
また、CSの一番上のチャンネルをクリックして反転させた後、スクロールバーでCSの一番下のチャンネルが表示されるところまで持って行って一番下のCSチャンネルで Shift+クリック すれば、CSチャンネルを全て選択(反転)できます。

その状態で「削除」をクリックすれば、選択したものを一挙に削除できます。 (誤って削除した場合は「キャンセル」をクリックして最初からやり直してください。)

すべて削除が終わったら忘れずに「OK」を押して、処理を確定させます。

この処理が終わったらTVRockを一旦終了させてください。(タスクトレイのTVRockアイコンを右クリックして「TVRockの終了」を選択。)

3)Dtune.batで新しいチャンネル定義を読み込む。

この処理は、2)でTVRockを終了させた後、すぐにおこなってください。もし2)の後DTune.batを実施せずに再度TVRockを起動させてしまうと、せっかく2)で削除したチャンネルが幽霊として復活してしまいます。
以下が手順になります。

①添付したファイル

「ch-cs.txt」をダウンロード

を「右クリック」→「対象をファイルに保存」でダウンロードして、「TVRock作業フォルダ」に上書きコピーします。

②\TVRockフォルダで

DTune.bat

をダブルクリックして起動します。

開始してよろしいですか?に「OK」を答え、次のターゲット数の指定で、「現在のTVRock定義と同じチューナー数(例えばPX-W3U3を1台使っている場合は4チューナー)」を選択します。

ここから各チューナーの設定画面になりますが、特にチューナー設定をいじる必要はありません。そのまま「次へ」を順に押していってください。

チューナー設定の画面が終わると、チャンネル設定の画面になります(地上波→BS→CSの順)。あっさりしてますが、ここが今回の作業のポイントです。
地上波は今まで設定してあったものが表示されますのでそのまま「次へ」を押します。すると「ch-bs.txt」,「ch-cs.txt」の内容がBS,CSチャンネルのプリセット値として表示されますので、そのままで「次へ」を押していきます。

「番組情報を取得します」の画面になったら、次へを押してください。数秒後、TVTestが2タスク起動しますので、タスクバーで右クリックし、「ウインドウを閉じる」を選択して2タスクとも終了させてください。

尚、もし図の状態のまま、2つのTVTestタスクが立ち上がらない場合、

Dtunehung

(本来このタイミングで立ち上がる筈の)TVRockがうまく起動しないと思われ、注1)のケースが考えられます。その場合は一旦この状態でキャンセルを押して処理を中断し、注1)の手順に従って2)からやり直してください。

TVTestの2タスクを終了させると、「終了しました。次へ進んで下さい。」の画面になりますので、「次へ」を押します。
更に「次へ」を押せば、「終了」のボタンが出てきますので、クリックしてください。起動したWeb画面は終了させてOKです。

尚、私の場合、DTuneで再設定したことにより、TVRockの設定値が初期状態に戻ってしまったものが3点ありました。

・設定→システム設定で、「復帰処理をタスクスケジューラーで行う」をチェックアウトしていたのがチェックされていた。=>チェックアウトに戻した。

・設定→インテリジェントで、TVRock番組表を「認証無し」にしていたのが「Digest認証」になっていた。=>「認証無し」に戻した。

・番組情報取得の対象チャンネルが地上波だけになり、衛星のチェックが解除されていた。=>下にある番組情報取得の手順でBS,CSを再度、全チェックにした。

タスクトレイに起動しているはずのTVRockを右クリックして「設定」を開き、これらを元の設定値に戻しておいてください。

最後にTVRockをいったん終了し、再起動してください。

以上でRockバーから見えるBS,CSのチャンネル一覧、およびテレビ番組表の表示が更新されている筈ですので、確認してください。表示順が気に入らない時は、チャンネルエディタで(移動したいものをまとめて選択したうえで)「上へ」「下へ」をクリックすれば、番組表やRockバーに表示される順番を変更できます。

4)録画予約していたCS放送の番組と「自動検索予約リスト」について、チャンネルを再設定する。

上の3)の手順が終わったらブラウザから予約リストを開いてください。
図のように一覧が表示されますが、

Photo_2

上の2)の手順で削除したチャンネルに予約していた予約録画情報は、チャンネル欄が図の赤丸部のように、「ブランク」となっている筈です。

これと事前にプリントアウトしておいた予約録画情報

Photo_3

を比較しながら、予約情報(のタイトル欄)を1個ずつクリックし、表示された図のような画面で

Modchannel

「チャンネル」欄で、該当する(更新された)チャンネル名を再セットしてください。

セットしたら、「予約を変更」をクリックして、設定を反映してください。

以上を全てのチャンネル欄がブランクになった予約録画情報についておこなってください。予約が多い場合は少し面倒かもしれませんが、今回だけの辛抱です。

(もしチャンネル欄ブランクのものが残っている場合、TVRock(あるいはPC)を終了して再起動する際に、「予約データにチャンネルが設定されていません。」という警告ダイアログが出ます。よってブランクになった予約には全てチャンネル情報を反映するか、あるいは不要な予約は「予約を削除」し、TVRock起動で警告が出なくなるようにしてください。)

もう1点修正が必要なのは、TVRockの「自動検索予約リスト」です。

チャンネル削除・再設定直後は、新規追加されたり「削除」→「再登録」されたチャンネルが検索対象から外れていますので、ほうっておくとそれらのチャンネルが、自動予約の対象外になってしまいます。(既に予約済のデータは上で対応されますが、今後の追加の対象外になってしまいます。)

この対応としてブラウザから「自動検索予約リスト」を開き、リスト項目を1個づつ選んで、「キーワード編集」をクリックし、編集していきます。

Autoserchlist1

次の図が「キーワード編集」を開いた状態です。

Autoserchlist2

赤丸部の対象チャンネルから、変更/追加したチャンネルが除外されていることがわかります。(たとえ対象チャンネルを指定していないつもり=全てのチャンネルを対象としていたつもりでも、こうなっています。)

もともと検索対象チャンネルを絞っていた場合はここで改めてチャンネルを指定してください。もし対象チャンネルがどれだかわからなくなった場合はとりあえず全部を指定して「検索」を押してみて、改めてそこから絞っていっても良いですし、事前にプリントアウトしておいた予約録画情報からもだいたい判ると思います。

全チャンネルを対象にするときは、(全てを選択、というボタンはありませんので)図のように、いちばん上のチャンネルを「クリック」してから一番下までスクロールしていき、一番下のチャンネルで「Shift+クリック」すれば、全部が選択されます。
以上が終わったら「自動検索予約の編集」を押し、

Autoserchlist3

最後に「自動検索予約変更」を押してください。これで変更が反映されます。

Autoserchlist4

以上を各「自動検索予約リスト項目」に反映すればOKです。

ここまでで予約録画情報のチャンネル再設定も終了です。

5)追加・更新したチャンネルを含めた、番組表を取得する。

新チャンネルや名称変更したチャンネルについては番組表が取得されていませんので、「インテリジェント」→「番組情報取得」でBS、CSチャンネルをチェックし直した上で「記憶する」を押し、適宜スケジュールを入れておいてください。あまり長い間番組表が歯抜けなままだと予約録画を取りのがしてしまいますので、近いタイミングにスケジュールしておくと良いと思います。

以上でTVRockの対応は完了です。

なおTVTestについては、以前の記事の手順でも常に最新のチャンネル名称を反映するようになっています。
もし現時点でTVTestチャンネルの2012/10/1付けの更新を反映していない場合は、以前の記事のTVTest対応手順(のみ)を参考にして、TVTestのチャンネル更新をおこなってください。
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注1)チャンネルエディタでチャンネルを削除した後、TVRockが起動しなくなる場合。

これはどのような条件で起きるのか正確に判っているわけではありませんが、削除したチャンネルが予約済みの録画情報で多く参照されていた場合に起きることがあるようです。

現象としてはDtunes.batで設定している最中に、図の状態でTVTestのタスクが立ち上がらず止まってしまう、という形で現れます。

Dtunehung_2

この状態ではTVRockを単独で起動させようとしても立ち上がらなくなってしまいます。

このような現象が起きた場合は「キャンセル」を押して、\TVRock作業フォルダの中身を削除(たまに削除できないファイルができている場合もありますが、その時はそれだけスキップしてそれ以外を削除)した後、バックアップから\TVRock作業フォルダの中身をそこに復元し、TVRockを起動して、もう一度 2-2)からやり直してください。

ただし予めプリントアウトしておいた予約録画情報を見て、たくさん参照されているCSチャンネル(例えばここの例ではテレ朝チャンネル、TBSチャンネルなど)については削除せずに残しておくようにしてください。
それで2-4)までうまく行ったら、しばらくはそれで運用すれば良いです。上で削除せず残したチャンネルについては、重複する(少し名前の違う)新しいチャンネルが出来ることがありますが、まああまり問題はないと思います。(番組表取得がその分余分にかかったり、自動検索予約で2重に予約されたりしますが、都度録画対象から古い方を除外したり、2重予約されたら古い方を無効にしていけば害はありません。) 重複チャンネルがなければそのままでOKですし、重複ができた場合も該当の(古い)CSチャンネルを予約の対象から外していって、参照する予約がなくなった段階でTVRock のバックアップを取ってもう一度該当チャンネルに絞って2-2)の手順からやりなおせば、無事削除されると思います。
あるいはそれでも上手くいかない時は、CS予約情報を全て削除してから上記手順をおこない、設定が終わったら再度予約を登録する、という強引な方法もあります。その場合でも、自動検索予約リストで多くの予約がおこなわれる場合は、気にせず予約を削除しても、次の番組表取得のタイミングで新しいチャンネル対象で予約が復活します。
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まとめ

以上でTVRockのチャンネル名称も最新になりました。

Newnamech

TVRockのチャンネル変更手順は独特ですが、手順を間違えなければスキャンをいちいちおこなう必要もなく、全チューナーを一括して更新でき、シンプルで間違いがないのが利点ですね。今後もe2のチャンネルは(ここ数ヶ月ほどの頻度ではないにしても)時々変更があると思いますが、変更の大きさを見ながら、必要に応じて反映手順を追加していく予定です。

2012年5月24日 (木)

PX-BCUDとPX-S1UDの"ドングルファミリー"を、Spinelで有効活用

さて、前記事で予告したPX-BCUDを使ったSpinel構成ガイドについて早速。時間かけてもしょうがないので、まずは書けるだけ書いてみて、不足しているものはあとから書き足していこうと思います。

BCUD自体はシングルチューナなので、これ単体でSpinel使ってネットワーク共有することにメリットがあるの?と思われる方もいるかもしれませんが、Spinelを導入するとその瞬間に、家中のパソコンが古いもの、タンスに眠っていたものを含めて、TVやHDDレコーダーに変身します。

むだなパーツや配線は要らず、アンテナ線が出ている場所に1台、Spinelサーバとして古いノートPCなりを置いてこのチューナを挿し常時ONにしておけば、家中どこでもLANや11nの無線LAN経由で、TVを観たり録画が可能になります。

この辺、普通の家電でやろうとすると何十万円も機材に投資しなければならなかったり、その挙句ガチガチのプロテクトだらけで、今録った番組すら他の機材で自由に観ることもできないようなものしか「与えてもらえない」現実があるのですが、Spinelを導入することによってシンプルにそれらが可能になります。

ちなみに以前の記事でSpinelをご紹介した時は、そもそもはW3U2の4チューナを有効活用したい、というのが私自身の動機でした。Spinelは使用するチューナが増えてくるにつれて、より威力を発揮するようになります。

そこでここでは、BCUD単独で使える手順としながらゆくゆくチューナーを増やしていくことにも対応できるようにし、また同時にいろいろSpinelの便利な(遊べる?)応用もここでご紹介することにしました。

なお、PX-BCUDの全般的な特徴と構成上の注意点は前記事に書きましたので、導入される方は前記事もひととおり目を通していただければ幸いです。

注)Windows8環境ではWrapperがうまく働かないようで、BCUDのSpinelでの利用は現時点ではお預けになっています。ご注意ください。(勿論Spinelクライアントとしてなら使えます。)
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1.まずはSpinelのおさらいから

普段Spinelを使っている方なら何を今さらという話なのですが、一応この機会にということで、まずはSpinelの基本構成と応用を説明します。この辺かなり余談も入ってますので、その辺飛ばしてすぐに設定に入りたいという方はこちらにジャンプしてください。
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1)今回の構成例

今回は写真のように、ドングルチューナーシリーズのPX-S1UDを1個、PX-BCUDを2個を写真のようにUSBハブに挿してPCに接続し、

Bcud_s1ud_usbhub

これを新しいSpinel配下で管理することにしました。(言わずもがなですがこういう構成の場合、USBハブはセルフパワータイプにして、各ポートにしっかり給電できるようにするのが必須です。)

概念図としては以下のようになります。

Spinel01

ここでクライアントと書いてありますが、もちろんサーバ内での視聴や録画環境も基本的には同じ構成で、同一筐体内になるだけです。クライアントの場合は必要なネットワーク帯域を満たしていれば、LAN越し、Wi-Fi越しでも自由に置くことができます。

さて、SpinelサーバではSpinelで管理するチューナーデバイスのBonDriverを

\Spinel\BonDriverフォルダ

に個数分入れておくことで個数分のチューナを識別し、利用できるようになります。

それらはSpinelクライアントからはチューナー機種毎に固有の識別子、例えば

PTxならPT、W3PEならPXW3PE、W3U2ならPXW3U2、W3U3ならPXW3U3、S3U2ならPXS3U2、S1UDならPXS1UD

のように、まず区別されます。

ちなみにSpinelはBonDriverのネーミングルールで機種を判断しています。したがってオリジナルで提供されている各機種用BonDriverはネーミングを勝手に変えてはいけません。

BonDriverのインターフェースはどれも共通なんだから敢えて機種を判別する必要はないんじゃないか?と思われる方もいるかもしれませんが、実際はBonDriverは機種ごとに細かいクセや動作の違いがあり、Spinelはその辺を吸収するために機種対応をいろいろやっています。(対応の必要のない機種もありますが、例えばPX-S1UDが最初Spinelで動かなかったのを吸収したのもSpinel側の機種対応の一例です。)

さて、Spinelは(\Spinel\BonDriverフォルダに)適切なサフィックスをつけたBonDriverを、「チューナー個数分」入れておかないとチューナー個数を判別できませんので、例えば

BonDriver_ABC.dllというオリジナルのBonDriverが提供されている場合、
BonDriver_ABC0.dll、BonDriver_ABC1.dll、BonDriver_ABC2.dllのような、オリジナルのネーミング+サフィックス.dll というネーミング

として、チューナ個数分を該当フォルダに入れておく必要があります。(0,1,2等はユニークなものであれば、どんな文字でも構いません。iniファイルも提供されているなら同じネーミングで入れておく。)

これに加えて同種のデバイスを複数管理する場合、何台目のデバイスなのか、また特にマルチチューナデバイスの場合地上波チューナなのかBS/CSチューナなのか、その何個目のチューナなのかを指定することで、個々のチューナが識別されるようになります。

具体的にはBonDriver_Spinelxxx.dll.iniというファイルで、上の図にあるように

TunerPath = "PXW3U3/0/S/0"

のように指定することで、個々のクライアントのBonDriver_SpinelxxxがSpinelサーバ上のどのチューナーを見に行くかが決まることになります。

今回はこれにBCUD用の定義体を加え、

 PXBCUD

という識別子を付けました。

PX-BCUDはBS/CS専用チューナで、1台あたり1個のチューナしかありませんので、複数台をSpinelで管理させる場合のTunerPathは

PXBCUD/0/S/0、PXBCUD/1/S/0、PXBCUD/2/S/0

のように識別されることになります。

なお今回私の環境ではPX-S1UD 1台も同じようにSpinel配下に置きますが、こちらは

PXS1UD/0/T/0

という識別になります。(これが2台3台に増えていく場合は、PXS1UD/1/T/0、PXS1UD/2/T/0 のように識別することになります。)

2)チューナの共有とチャンネル優先権

Spinelの特長の1つに「排他制御」という言葉が出てきます。BonDriver_Spinelxxx.dll.iniの

RequireExclusiveChannelControl =

というパラメータで指定するので、正確には「排他的チャンネルコントロール」なのですが、これを「排他制御」と言ってしまうと誤解を招きやすいので、上記のような表現のほうが適切なのではないかと思っています。

つまりSpinelの特長の1つはむしろ排他ではなく、逆に1台のチューナを何台のクライアント(プログラム)からでも共有できる、という点だと思います。たとえば教室のようなところで十数台のPCに同じ映像を配信し、時間が来たら一斉にチャンネルを切り替える、というような使い方もできます。

まあ自宅に十数台もPCは無いかもしれませんが、例えば録画中の映像を別のPCでチェックを兼ねて同時視聴する、とか、家の台所と居間で同じ番組を流して行き来しながら観られるようにする、手元で字幕やニコ実入りの画像を流しながら別のPCを使って大画面で純粋な映像だけを映す、など、割と気軽に使える便利な機能です。

ただし、特に録画中に勝手にチャンネルを切り替えられても困るので、この「排他的チャンネルコントロール」は、チューナを共有しつつその辺を防ぐための機能だと言えます。

この辺の共有とチャンネル排他コントロールの機能について、簡単に説明したのが次の図です。

Spinelexcl

ここで優先権 = とは具体的には、RequireExclusiveChannelControl = 1(有)/0(無し)という指定になります。

3)SpinelとBonDriver_Spinel間の通信手順

これはネットワーク越しの場合はTCP/IP、ローカル(同じOS内)の場合はpipeを使います。(BonDriver_Spinelxxx.dll.ini の ForceTCPDataLinkMode = で指定します。)

これを0にしておけば自動的に選択してくれるはずですが、気のせいかうまく行かなかった記憶がありますので、ローカルでは0、ネットワーク越しでは1を必ず指定するようにしています。

4)選択的スクランブル解除

SpinelはB25Decoder.dllを同じフォルダに入れておくことで、映像スクランブルを解除しながらクライアントに流すことができます。

クライアント側のTVTestやEDCBでもスクランブル解除はできますし、Spinelでスクランブル解除すると(特にCSの場合)同じチャンネルの全サービス(9個の時もある)を一斉にスクランブル解除しようとしますので、BCAS-カードリーダの負荷が非常に重くなり、CS 2~3チューナー程度の同時処理でも限界を超えてしまって画面がカクついたりDropを起こす、という事態が起こりえます。

そういうわけで、BS/CSではむやみに使わないほうが良いのですが、それでも非力なスレートや少し古いPCをクライアントにする場合、映像を滑らかにするために便利な機能です。

そういったこともあり、現在のSpinelでは、クライアントやBonDriver_Spinel毎にSpinel側でのスクランブル解除をする/しない を選択ができるようになっています。

① Spinel.ini にDescrambleControl = の指定 (2ならクライアントの要求に合わせてスクランブル解除・デフォルトは解除しない、3なら同じく、ただしデフォルトはスクランブル解除)

② BonDriver_Spinelxx.dll.ini に DesiredDescrambleControl =  (0ならSpinelのデフォルトに合わせる、1ならスクランブル解除要求、2ならスクランブルされたまま送ってもらうことを要求)

以上の組み合わせで柔軟に、スクランブル解除をSpinel側に依頼する/しない を選択することができます。

(ただし、この節の冒頭にもありますが、Spinel側でスクランブル解除する機能を使うためは、\SpinelフォルダにB25Decoder.dllというモジュールを入れておく必要があります。過去にはW3U2の記事の中でその手順も解説していましたが、現状このモジュールの入手性が悪くなっているため、現在の当Blogのガイドではスクランブル解除の手段としてそれを使わない方法のみを解説しています。このモジュールはMulti2Decのパッケージか、一部のEDCBパッケージの中に入っていますので、やってみたい方はネットで探してみてください。)

5)SpinelはSpinelを呼び出せる

まあ、一段とマニアックな使い方かもしれませんが、こういう構成でも、またこの階層を何段に増やしても、Spinelはきちんと動作します。

Spinelredirect01_2

このように同じ構成で何回もSpinelを通しても何のメリットもありませんが、例えば次の図のようにチューナを積んだ何台かのサーバを動かしている場合、

Spinelredirect02

一旦サーバ1にSpinelでリダイレクトした上でクライアントからはサーバ1のSpinelだけを見るようにすれば、クライアントはサーバー1のアドレスさえ知っていればいいですし、チューナや各サーバのメンテ・構成変更があっても、クライアントの設定は何も変える必要がありません。

この構成の別のメリットとして、Spinel側でスクランブル解除をおこなう場合に、その処理をどこでおこなうかをチューナー毎に決められる(負荷分散ができる)、ということが挙げられます。
普通Spinel側でスクランブル解除させる場合、衛星系チャンネルでは負荷が重くなって、2,3チューナの同時処理でも限界、という事になりますが、この方法で負荷分散させれば衛星何チャンネルでも一括して、スクランブル解除済みのtsを家庭内配信できます。

チューナの仮想化は録画アプリにも有効で、例えばTVRockは1インスタンス=1つのOS あたり8チューナまでしか管理ができませんが、BonDriver_Spinelは仮想マシン上でも問題なく動きますので、能力に余裕のあるマシンなら仮想OSを複数立ててそれぞれでTVRockを動かし、TVRock間連携機能で多数のチューナーに録画を割り振る、といった活用もできます。
(録画のCPU負荷は大したことはありませんので、HDDを散らすこととLANの帯域、およびSpinel 1インスタンスあたりのセッション上限(20)のみに気をつければ良いです。Spinel自体を適切に仮想マシン上に分散させれば、このような構成も柔軟に構築できます。)

また次の図は別の応用例ですが、

Spinelredirect03

同じチャンネルの映像を多数のクライアントに配信する際、サーバを二段にして1台ごとのネットワーク帯域を節約しながら、ネズミ算式に配信先を増やす例で、Spinelで1対多の配信が可能であることを拡張した「家庭内Akamaiシステム」です。無線LANなど比較的細いLANを経由して2階で何人かで観たり、過去記事のように数十のクライアント画面でマルチ画面を構成する時に便利かもしれませんね。

下のほうでご紹介しているBCUD用修正済みSpinel定義体では、BonDriver_SpinelxxxをSpinelから使うための定義も追加してあります。ご興味あられる方は試してみてください。その場合 \Spinel\BonDriverフォルダに入れるときの BonDriver_Spinel のネーミングルールは、

「オリジナルのBonDriverの名前(例えばBonDriver_PX_W3U3_Tx、BonDriver_PT-Txなど)の "BonDriver" を "BonDriver_Spinel" に置き換えたもの」すなわち

BonDriver_Spinel_PX_W3U3_Tx、BonDriver_Spinel_PT-Tx など

となります。(更にもう1段以上Spinelを重ねる場合のネーミングルールは作っていませんが、地上波チューナー用に BonDriver_Spinel__PX_W3U3_Tx、BS/CSチューナー用に BonDriver_Spinel__PX_W3U3_Sx などを間借りして個数分並べれば良いと思います。)

なお BonDriver_Spinel は dll と dll.ini が必要ですのでその両方ともそのネーミングで\Spinel\BonDriverフォルダに、個数分入れてください。そうすれば、

Spinelspinel

この緑の枠内のように、SpinelVirtualTunerという仮想的なマルチチューナーデバイスとして、

"V/0/T/n"(地上波) "V/0/S/n"(BS/CS) のように識別されます。

まあ以上は一種の遊びですが、Spinelは単なるチューナの仮想化やネットワーク共有のソフトではなく、いろんな応用のキャパを持っている・かもしれない・という説明でした。

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2.PX-BCUDをSpinelで使う

1)まず前提として、マイクロソフトのランタイム類、および(Vista、XPの場合).NET Frameworkを導入します。これらはクライアント側PCにも必要になります。

 .NET Framework 3.5 Service Pack 1

 .NET Framework 3.5 SP1 Language Pack

 .NET Framework 3.5 SP1 修正プログラム KB959209

(以上はWindows7、Windows8では導入済ですが、有効化されているかどうかリンクの手順で確認し、何もチェックされていないようであればチェックしてください。
またXP、Vistaの場合、「コントロールパネル-プログラムの追加と削除」を見て導入されていないようであれば、「Windows Update-重要な更新プログラム」から導入できます。個別に入れる時はこちらこちらから。)

 Visual C++ 2005 SP1 再頒布可能パッケージ (x86)

 Visual C++ 2008 SP1 再頒布可能パッケージ (x86)

 Visual C++ 2010 再頒布可能パッケージ  (x86)

(以上は一度導入してあればOKですが、よくわからない場合はとりあえずここで再導入しても問題ありません。リンク切れしているときはググればすぐに出てきます。)

2)全体のファイル配置は以下のようになります。

Spinelbcud_filestructc

このうち、

①PX-BCUDデバイスドライバーは、パッケージ付属の導入説明書の手順は間違っているので気にせず、BCUDをUSBに挿した状態で、CDの中にあるDrvInst32.exe(32bit OSの場合)またはDrvInst64.exe(64bit OSの場合)を実行してください。

うまく認識できれば、コントロールパネル-デバイスマネージャーで図のように表示されるはずです。

Bcud_devman_2

尚、PLEXのBCUDのホームページにも、6/9以降正しいデバイスドライバーがアップされていますので、そちらを使ってもかまいません。その場合は解凍した中のDriverフォルダの中身を使ってください。

③BonDriver_BSCS(PX-BCUD用)はこちらからダウンロードします。またPX-S1UDを使う場合はS1UD用BonDriverをこちらからダウンロードします。

⑥TvTestはこちらから最新版をDLし、適切な実行用フォルダ(以下、\TVTestフォルダとします)に解凍してください。
TvTestは上記リンクからうまくDL出来ないときは、こちらにもアーカイブがあります。

なお、最新版のTVTestでも中に入っているBS、CSチャンネルファイルは必ずしも最新ではありませんので、次の添付ファイルを「右クリック」→「対象をファイルに保存」でダウンロードして、\TVTest実行用フォルダに上書きコピーしておいてください。

「Preset_BS.ch2」をダウンロード

「Preset_CS.ch2」をダウンロード

(上記の名前のままでDLするように注意してください。ときどきブラウザが勝手に.txtという拡張子に改変してダウンロードしようとする場合がありますので、その場合は再度この操作をやり直して、拡張子が.ch2になることを確認してください。)

⑧TVRockは、リンク先のファイル置き場から「期限解除パッチ適用済みTvRock09u2(up0699.zip)」をダウンロード可能です。それより前のバージョンはTvRockスレ@ウィキ の倉庫にあります。
http://www35.atwiki.jp/tvrock/pages/27.html

DLしたファイルは適切な実行用フォルダ(以下、\TVRockフォルダとします)に解凍してください。

⑨TvRockOnTVTestは最新バージョン(2012/2月時点ではMod 9.1r2)を作者のかたのファイル置き場よりダウンロードします。

http://tvtest.uuuq.com/

あるいはうまくダウンロードできないときは、TvRockスレ@ウィキ の倉庫にもアーカイブがあります。
http://www35.atwiki.jp/tvrock/pages/27.html

DL&解凍後、中にある「TvRockOnTVTest.ini」 と「TvRockOnTVTest.tvtp」の2つのファイルを、\TVTestフォルダの下の、\Pluginsフォルダ にコピーしておきます。

④Spinel と ⑦BonDriver_Spinel については、作者のホームページ(こちら

から、最新版をDLしてください。5/24現在、それぞれver3.6.1.1 とver3.5.3.0 が最新版です。

④Spinelは適切な実行用フォルダ(以下、\Spinelフォルダとします)に解凍してください。
これにはまだPX-BCUDの定義体が含まれていませんので、加えて以下のファイルをDLしてください。

BCUD用修正済みSpinel定義体をダウンロード

これを解凍した中身をフォルダ構造ごと、実行用\Spinelフォルダに上書きコピーしてください。具体的には図の2つのファイルを置き換える形になります。

W3u3spinelchg

また⑦BonDriver_Spinelは解凍すると、直下に BonDriver_Spinel.dll.ini 、x86フォルダの下に BonDriver_Spinel.dll がありますので、この2つを適切なフォルダに保存しておいてください。

②PX-BCUD用BonDriverのラッパー(Wrapper)

これが今回有志の方が作成したもので、PX-BCUDをSpinelで使うための肝になります。
こちらの一覧の中から最新版を探して(5/24現在up0945.zip)DLしてください。
 上記リンク先が機能していない場合の一時待避所を置いておきます。→ 「BonDriver_BSCS_Wrapper.zip」をダウンロード

展開すると中にBonDriver_BSCS_Wrapper.dll(Wrapper本体)、BonDriver_BSCS_Wrapper.ini(BonDriver本体のファイルをポイント)の2つのファイルが入っていますので、適切なフォルダに保存しておいてください。

このWrapperを使うことによりSpinelでPX-BCUDが使えるようになりますが、それだけではなく、BCUDのクセの強いチャンネルマップ(例えばTVTestのチャンネルスキャンの時、BSではプリセット値を使えない、BSのスターチャンネル2,3を余分に拾ってしまう、など。)を、ノーマルなものに再マップしてくれますので、TVTestでBSのプリセット値も使えるようになります。

ただし若干のクセは残っていますので、BonDriverxxx.ch2 ファイルをそのまま他のチューナーからコピーすると、やはりBSのチャンネルマップはおかしくなります。チャンネルスキャンは(プリセット読み込みだけで良いので)必ずおこなってください。
.

3)②ラッパー&③BonDriverと④BonDriver_Spinelの配置、iniファイルの調整

-BonDriver_BSCS_Wrapper.dll とBonDriver_BSCS_Wrapper.iniは \Spinel\BonDriver フォルダに置きます。BCUDが1個のみの場合はそのままの名前でもよいのですが、増やす時のことも考え、サフィックス0を付けた

BonDriver_BSCS_Wrapper0.dll

BonDriver_BSCS_Wrapper0.ini

にリネームしておいてください。

BCUDを2個、3個と増やす場合は、コピーして0を1、2と変えたものを同じフォルダに加えていきます。

次にBonDriver_BSCS_Wrapper0.ini をテキストエディタで開き、内容を以下のように書き換えてください。

[BonDriver_BSCS_Wrapper]
Driver=BonDriver\BCUD\BonDriver_BSCS0.dll

これもBCUDを2個、3個と増やす場合は、それぞれ中の

・・・・・BonDriver_BSCS0.dll

の記述を

・・・・・BonDriver_BSCS1(あるいは 2).dll

に書き変えていきます。

- \Spinel\BonDriver 下に \BCUD というフォルダを作成してください。この\Spinel\BonDriver\BCUD フォルダに、③BonDriver_BSCS.dllに0のサフィックスを付けたもの

BonDriver_BSCS0.dll

を置きます。

(これも、BCUD2個、3個と増やす時は、BonDriver_BSCS1.dll、BonDriver_BSCS2.dllのようなネーミングにしたものを加えていきます。)

なお、PX-S1UDをこれに加える時は\Spinel\BonDriver フォルダーに、専用BonDriver の BonDriver_Siano.dll にサフィックスを付けたもの(BonDriver_Siano0.dll、BonDriver_Siano1.dll など)を個数分加えていきます。

以上が終わったら、一旦\SpinelフォルダにあるSpinel.exeをダブルクリックして起動し、すぐに終了させてください。これでSpinel.iniというファイルが作成されます。これをテキストエディタで開き、該当箇所が以下のようになっていることを確認して(そうでないようであれば上書きし)、保存します。

DescrambleControl = 0

.

-BonDriver_Spinel関連の2つのファイル

BonDriver_Spinel.dll
BonDriver_Spinel.dll.ini

は、PX-BCUD用であることが判るように、以下のようにリネームしてください。

BonDriver_Spinel_BSCS0.dll
BonDriver_Spinel_BSCS0.dll.ini

これを、\TVTestフォルダの中にコピーしてください。
もし2個目、3個目のPX-BCUDを加える時は、サフィックスを1,2としたもの(BonDriver_Spinel_BSCS1.xxx、BonDriver_Spinel_BSCS2.xxxなど)を同じフォルダに加えていくことになります。

次に、BonDriver_Spinel_BSCS0.dll.ini をテキストエディタで開き、該当のところを以下のように修正して保存します。

TunerPath = "PXBCUD/0/S/0"
RequireExclusiveChannelControl = 0
DesiredDescrambleControl = 0

これらのパラメータの説明は、この記事の前のほうにあります。これも2個目、3個目のBCUDを使うときは、それぞれの BonDriver_Spinel_BSCSx.dll.ini ファイルの TunerPath = の指定を、 "PXBCUD/1/S/0"、"PXBCUD/2/S/0" のように変えていくことになります。

Spinel経由でPX-S1UDを使う場合も同じです。BonDriver_Spinel関連の2つのファイルを

BonDriver_Spinel_Siano0.dll
BonDriver_Spinel_Siano0.dll.ini

のようにリネームして\TVTestフォルダに加えていき、iniファイルの中も上記と同じように編集、ただし ini ファイル中で

TunerPath = "PXS1UD/0/T/0"

のようにして、S1UDのデバイス識別を指定してください。2個目以降ではこれがPXS1UD/1/T/0、PXS1UD/2/T/0 のようになっていきます。

4)カードリーダ、BCASカードを使用するPCにセットしてください。

もし既にPX-W3Ux、S3Ux,W3PE等のPLEXチューナを同じPC上でお使いでしたらリンク先の手順で内蔵カードリーダ&カードが共用できますし、BonCasLinkを使えば他PCで使っているBCASカードを共用することも可能です。なお、netcasなど代替のwinscard.dllを使う場合は \TVTest フォルダにそれを入れるだけで、それ以外上記のいずれも不要です。

5)以上で必要なファイル等の配置は終わりです。

ここからTVTest、TVRockの設定に入りますが、基本的な手順はリンク先以降のW3U2の手順とほぼ同じですので、そちらを参照いただければ十分だと思います。(端折ってすみません^^;)

ただしTVRockのDTune.batによる設定では、

●チューナ個数を実際に使う個数に合わせる。

●W3U2の手順だと「地上波」→「BS/CS」→「地上波」→「BS/CS」の順に定義していますが、今回使うチューナ種別に合わせて任意の順に設定していってください。

●チューナー初期設定では、

「チューナータイプ」をBS/CS

「実行アプリ名(視聴用)」をtvtest.exeとし、オプションに

/d BonDriver_Spinel_BSCS0.dll /DID A

を入力。

「実行アプリ名(録画用)」もtvtest.exeとし、オプションに

/d BonDriver_Spinel_BSCS0.dll /min /nodshow /DID A

以下

-2個目以降の定義ではBonDriverのサフィックスを1,2・・ DID xのxをB,Cと変えて行く
-S1UDでは「チューナータイプ」を地上波デジタルとし、オプションのBonDriverはBonDriver_Spinel_Siano0.dll等を指定

以上のように読み換えていっていただければと思います。

また、当記事では「少ないチューナーを仲良く共有する」という発想で、Spinelの「排他的チャンネルコントロール」は設定していません(RequireExclusiveChannelControl = 0 としています)が、TVRockで録画にチューナを使う場合、(上のほうで解説している通り)TVRock側にチャンネル優先権を持たせないと、録画中のチャンネルをうっかり切り替えてしまう、というミスが起きえます。

それを避けるために、TVRockで使うチューナーについては、TVRockが使うTVTest環境で

BonDriver_Spinel_BSCSx.dll.ini に

 RequireExclusiveChannelControl = 1

を指定してください。

ただしこのTVTest環境をそのまま視聴にも使うと、そちらもチャンネル優先権を持つため競合して、録画ミス がやはり起きえます。その辺も綺麗に解決するために、リンク先のW3U2の設定手順の中に、「TVRockで使うTVTest環境とは別に、視聴用のTVTest環境を作る」という手順がありますので、そちらもぜひご参照ください。

このPCで視聴したり予約録画するための設定は、これで完了です。

まで進めれば、設定は終わりです。

6)他のPCからSpinel経由でTVを視聴/予約録画する方法

これも、ほとんどW3U2の手順が使えますので、リンク先を参照して設定していってください。(リンク先にあるBonCasLink周りの設定も、netcasなど代替のwinscard.dllを使う場合以外は、クライアントPCでの視聴のために必要になります。)

以上、ちょっとかけ足でしたが、ご参考にしていただければと思います。いろいろ書きながら気づいた点、端折った点などは、後日また追加していこうと思います。

Bcud_s1ud_spinels_2

Spinelを使った画面イメージはこんな感じになります。もちろん実際のTV画面はLAN上のいろいろなクライアントに映すことになります。

2012年5月22日 (火)

PX-BCUDを使ったBS/CS110の"お手軽"視聴&録画システムについて

PLEXから発売されているUSBドングルサイズのBS/CS110チューナー PX-BCUD

について、以前入手したのですが、Spinelの対応を待ってまとめて記事にしようと思いつつ なかなか対応の情報がなかったので、そのままになっていました。(Spinelもようやく有志のかたがWrapperを作成してくださったことによって、この記事とわずかな時間差の昨日5/22時点で使えるようになりました→その手順は次記事でご紹介したいと思います。)

しかもそうこうしているうちに(私自身はいろんなしがらみ・権益の詰まった地上波ではない有料放送に健全に発展してもらいたいので、視聴する受益者が代価を払う仕組みが崩壊して欲しくはない:私自身e2に結構な月額払ってますし:のですが)、論評は避けるとしてリンク先のような現状が呼び水にもなっているのか、BS/CS110の安価なチューナーであるこの機種の設定情報のニーズも高まっているようですので、そろそろ動作させるための解説を書いておこうと思います。

ここではSpinelを使ったネットワーク共有までおこなわず、普通に視聴に使ったり録画サーバーに1本から数本挿して使う、W3Uxなど他のチューナに追加して使う、などの使い方を想定したごくノーマルな導入方法を解説します。

1.外観および中身について

私自身はAmazon(アキバガレージ)で購入したのですが、現在これを店頭で買うとなると秋葉原でもArkなど、ごく限られたショップのみの扱いになっているようです。W3U3やS1UDなどはPCパーツ大手代理店のMVKが扱っていることもあり普通に店頭で買えますが、BCUDはまだ供給量が少ないのか商流を絞っているようで、代理店の取扱リストにも載っていません。

とはいえAmazon、ワンズやPLEX自営の通販で普通に購入できますので、入手されたい方はその辺を利用されると良いと思います。

パッケージを開くと写真のように、本体のほかUSBケーブルとCD、および導入説明書というシンプルな構成です。

Bcud_package_2

USBケーブルは一種の”USB延長ケーブル”になっています。本体をPCのUSBポートに直接挿すのなら要らないのですが、S1UDを使った経験でも、直接挿しているとPCからかなり出っ張ったり、ケーブルに無理な力がかかったりして、何かにぶつけたときに本体やPC側のUSBポートを曲げたり痛めることがあり、結構その辺のフィードバックなのではないかと思います。

なお本体内部についてですが、お勧めはしませんが一応腑分け好きな人のために、本体のシールを少し剥がすと写真のようなネジがありますので

Bcud_hiddenthread_2

これを小さな+ドライバーで外して、殻の間をマイナスドライバーで少しずつこじ開ければ、カバーが外れて写真のような中身が出てきます。

Bcud_inside_2

コントローラーそのものはeMPIA製で、BDAドライバーもeMPIA製になっています。

Bcud_driver_2

なお、USB2.0の給電能力による制限だと思われますが、この製品からBS/CSアンテナへのLNB給電はできませんので、単体の場合BS/CSブースター経由で使用する(その場合ブースターが給電器を兼ね、しかも給電専用器より安価)か、他の衛星チューナーやテレビを併用する場合はそちらから給電するような(分配器の)構成にする必要があります。合わせ技として、分配器の片側にBS/CSブースターを(何もその下に繋げずに)給電専用としてぶら下げる方法もあります。(ブースターで増幅する必要は全く無いが、安価なブースターでLNB給電だけをさせたい場合など。ヤフオクなどでは電源分離式の本格的なブースターの電源部だけが余って千円前後で大量出品されてたりしますので、それを利用するのもアリです。)
そうこう言っているうちにプレクスさんがおあつらえ向きなACアダプタを扱い始めましたので、これと分配器があればそれでも十分です。

CATVやフレッツTVのパススルー環境やマンションの共用アンテナの場合は大抵、LNB給電は不要ですので、アンテナ線直結でも構わないと思います。(ただしパススルー環境では、契約の無い有料チャンネルは無料開放デー以外、最初から信号を送ってこない場合も多いです。*あくまでそれらに対してチャンネルスキャンや番組表取得ができない、という意味ですので誤解なきよう。*  また、リンク先のように、受信レベルが強すぎて信号レベルが低下する場合もたまにありますので、備え付けのブースター経由やパススルー環境で受信状態が思わしくない場合は、アッテネーターの検討が必要な場合もあります。またBSCS/地上波の混合でアンテナ端子が来ている場合は、必ず分波器を入れて地上波と分離したものを入力するようにしてください。いろいろな理由で、混合したままだと受信はできてもレベルが劣化することが多いようです。)

もしCATV等の環境があっても自前で衛星アンテナ設置を検討される場合は、この辺の過去記事もご参考にしてください。

2.導入について

1)ドライバーの導入

パッケージ付属の導入説明書の手順は間違っているので気にせず、BCUDをUSBに挿した状態で、CDの中にあるDrvInst32.exe(32bit OSの場合)またはDrvInst64.exe(64bit OSの場合)を実行してください。

うまく認識できれば、コントロールパネル-デバイスマネージャーで図のように表示されるはずです。

Bcud_devman_2

尚、PLEXのBCUDのホームページにも、6/9以降正しいドライバーがアップされていますので、そちらを使ってもかまいません。その場合は解凍した中のDriverフォルダの中身を使ってください。

2)一応お約束の前提として、Microsoftのランタイム類を導入しておきます。

(既存のTVTest環境にBCUDを追加する場合は不要です。)

 Visual C++ 2005 SP1 再頒布可能パッケージ (x86)

 Visual C++ 2008 SP1 再頒布可能パッケージ (x86)

 Visual C++ 2010 再頒布可能パッケージ  (x86)

それぞれクリックして、表示された画面で「ダウンロード」をクリックし、「実行」して導入してください。

なお、「修復」「アンインストール」二択の画面になる場合は既に導入済みですので、「キャンセル」を選んで導入を終了させてください。

3)TVTest最新版をこちらから BCUD用BonDriverをこちらからダウンロードします。

(既にTVTestを導入済の方は、BonDriverのみで大丈夫です。)

TVTestは上記リンクからうまくダウンロードできない時は、こちらにもアーカイブがあります。

4)TVTestを適切な実行用フォルダ(仮に\TVTestというフォルダ名とします)に解凍して、その中に解凍したBCUD用BonDriver(BonDriver_BSCS.dll)を入れます。

(既に導入済のTVTestにこのチューナーを追加する場合は、既存のTVTest実行用フォルダにBonDriver_BSCS.dllを入れてください。)

また、CSに関しては以下のプリセットファイルを「右クリック」→「対象をファイルに保存」で、TVTest実行用フォルダーに上書きダウンロードしておいてください。

「Preset_CS.ch2」をダウンロード
(上記の名前のままでDLするように注意してください。ときどきブラウザが勝手に.txtという拡張子に改変してダウンロードしようとする場合がありますので、その場合は再度この操作をやり直して、拡張子が.ch2になることを確認してください。)

5)PX-BCUDにBS/CS110用アンテナケーブルを繋いでください。

6)netcasなど代替のwinscard.dllを使う場合は、\TVTestフォルダにそれを入れることになります。

それ以外の場合は、USBカードリーダを繋いで、BCASカードを挿してください。

または繋がっているPX-W3Ux,S3Ux,W3PEの内蔵カードリーダにBCASカードを挿し、TVTest実行用フォルダに

-CardReader_PX.dll

-それぞれの機種に対応したCardReader_PX.ini

-(FakeWinSCardをリネームした)WinSCard.dll

以上をコピーしておいてください。(なお、PXシリーズ内蔵カードリーダを今回初めて汎用的に使う場合は、リンク先の解説も参照のこと。)

あるいは、別の常時ONのPC(サーバー)にBCASカードを挿したカードリーダーやPXシリーズがある場合は、BonCasLinkを使ってそれを共有することも可能です。→手順はこちら

その場合はPX-BCUDを挿すPCに、上記リンク先の手順でBonCasProxyを常駐させておいてください。

7)TVTestを起動します。図のようなダイアログが出たら、赤丸部のチェックを外した上で「実行」。

Bcudtvt0_2

新規のTVTest環境では初期化ダイアログが表示されますので、例えば図のように入力し、OKを押します。

Bcudtvt1_2

なお、Windows8やXPの環境に導入する場合は、デコーダにMicrosoft DTV-DVD Video Decorderは選べませんので、リンクの記事をご参照のうえffdshowやATI mpeg video decoderを導入してください。

その上で次のダイアログには「はい」を押します。

Bcudtvt2_2

なお、新規でないTVTest環境では、TVTest画面の左下を左クリックしBonDriver_BSCSを選んだ上で、画面右クリック→設定で「チャンネルスキャン」を選べば、以下の同じ画面になります。

Bcudtvt3_2

8)この画面で「スキャン開始」をクリックすれば、BSのチャンネルスキャンが開始されます。

以下のようなチャンネルスキャン画面になりますので、暫く待ちます。

Bcudtvt4_2

9)BSのチャンネルスキャンが終わったら、一部手直しします。

まずスターチャンネル2,3については、重複したものができますので、図の赤丸のように(番号12のほうを)チェックを外しておきます。

Bcudtvt5_2

また、地デジ難視聴用チャンネルを使用される方は、次図のようにチェックをしておきます。

Bcudtvt6_2

以上でBSのチャンネルスキャンは終わりです。

次に対象チューニング空間を110CSにして、プリセット読み込みをクリックします。

Bcudtvt7_2

これでCSのチャンネルセットも終了です。

10)残りの作業として、この画面左にある「一般」「録画」のタブを順に選んで、リンク先の赤い丸印のように設定してください。これは録画に同じ放送波の別のサービスが混じったり、不要なスクランブル解除で負荷がかかることを防ぐためです。

以上で設定は終わりです。「OK」をクリックしたのち、TVTest画面右上のTvtestxをクリックして、一旦TVTestを終了させてください。

次に \TVTestフォルダあるTVTest.exeを右クリック(ドラッグ)したままデスクトップにカーソルを動かし、

Tvtestdand

そこで放す(ドロップ)すると、図のような選択枝が出ますので、「ショートカットをここに作成」を選択します。

Tvtest_making

これでデスクトップに図のようなアイコンが出来ます。

Tvtest_2

これをダブルクリックすればTVTestが起動します。これでTVの視聴と、簡単な録画ができるようになります。

TVTest画面下(ステータスバー)にある「録画」ボタンを左クリックすれば、視聴中の映像をそのまま(もう一度このボタンをクリックするまで)録画できますし、同じ所で右クリックすれば

Photo_3

「(EPG情報を利用して)この番組を最後まで録画する」とか、「詳細」で開始/終了時刻を指定して録画するなど、いろいろな録画方法が選べます

その他にもいろいろな機能がありますので、リンク先も参考にしてください。ニコニコ実況プラグインWhiteBrowserなどもお勧めです。

11) 予約録画の環境作りは少しだけ面倒になりますが、余裕があったらチャレンジしてみてください。以下ではTVRockを使った手順を解説します。(ただし、既に動いているTVRockにこのチューナーを追加する場合は、タスクトレイのTVRockアイコンで「右クリック」→「TvRockの終了」を選んでTVRockを一旦終了させた上で、12)13)を飛ばして14)に進んで下さい。)

12) TVRockは、リンク先のファイル置き場から「期限解除パッチ適用済みTvRock09u2(up0699.zip)」をダウンロード可能です。それより前のバージョンはTvRockスレ@ウィキ の倉庫にあります。
http://www35.atwiki.jp/tvrock/pages/27.html

DLしたファイルは適切な実行用フォルダ(以下、\TVRockフォルダとします)に解凍してください。

また、TvRockOnTVTestの最新バージョン(2012/2月時点ではMod 9.1r2)を作者のかたのファイル置き場よりダウンロードします。

http://tvtest.uuuq.com/ ここからうまくダウンロードできない時は、TvRockスレ@ウィキ の倉庫にもアーカイブがあります。
http://www35.atwiki.jp/tvrock/pages/27.html

TvRockOnTVTestは解凍後、「TvRockOnTVTest.ini」 と「TvRockOnTVTest.tvtp」の2つのファイルを、TVTestを導入した\TVTestフォルダの下の、\Pluginsフォルダ にコピーしておきます。

BS/CS最新チャンネル対応のための前処理として、\TVRockフォルダにあるtvrock.exeをダブルクリックして、TVRockを起動してください。

以下のような初期化ダイアログ、

Tvrockinit

あるいは

Tvrockinitb

が、(場合によっては何回か)出ますが、全てキャンセルを選んでください。
(なお、キャンセルを選ぶのはこの時だけです。以降の手順や通常の起動時に同じダイアログが出るときは、常に「OK」と答えてください。)
タスクトレイにTVRockアイコンTvrockiconが表示されまますので、その上で右クリックし、「設定」を選びます。

表示されたTVRock設定画面で「システム設定」のタブを選びます。

下図の赤丸の「TvRock作業フォルダ」で「参照」を押して、\TVRockフォルダの場所 をセットしてください。

Tvrock1

以上でOKを押し、タスクトレイのTvRockアイコンに戻って、右クリックし、「TVRockの終了」を選んでください。

次に、以下の2つのファイルをそれぞれ「右クリック」から「対象をファイルに保存」を選び、\TVRock作業用フォルダを指定して、「保存」をクリックしてください。上書きしますか?と聞かれたら「はい」と答えます。

「ch-bs.txt」をダウンロード
「ch-cs.txt」をダウンロード

13) \TVRock作業用フォルダにある、DTune.batをダブルクリックしてください。

Tvrockdtune_1

1チューナーを選択。(BCUDを2個以上導入する場合は個数分を選択。)

チューナー1にて、

Bcudrock

「視聴・録画アプリケーションがあるフォルダ」に、\TVTestフォルダを指定。

「チューナータイプ」をBS/CSに指定。

「実行アプリ名(視聴用)」をtvtest.exeとし、オプションに

/d BonDriver_BSCS.dll /DID A   

を入力。

「実行アプリ名(録画用)」もtvtest.exeとし、オプションに

/d BonDriver_BSCS.dll /min /nodshow /DID A

を入力。

録画先フォルダを適切に指定。

入力が終わったら「次へ」をクリック。2個以上のBCUDを導入するときは同じように入れていくが、視聴用・録画用両方の「オプション」で

/DID x

xを、A以降に続く次のアルファベット(例えば2個目のチューナーであれば/DID B)にして、「次へ」をクリックしていく。

以降の手順はリンク先に従って、

「このPCで視聴したり予約録画するための設定は、これで完了です。」

というところまで進めてください。予約録画の方法もリンク先に解説してあります。

以上で予約録画環境も完成です

14) なお、既存のTVRockにこのチューナーを追加する場合、タスクトレイのTvRockアイコンで右クリックし、「TVRockの終了」で終了させた後、13)のDTune.batの手順に沿って進めて、追加分チューナーを定義すると良いと思います。

ただし、修正点として、以下のようにしてください。

・最初のチューナー数の選択で、既存のTVRockのチューナー数+1 を選択する。

・その後、既存のチューナー定義はそのままにして、「次へ」で進めて行く。

・追加分のチューナーのところで、

「視聴・録画アプリケーションがあるフォルダ」に、\TVTestフォルダを指定。

「チューナータイプ」をBS/CSに指定。 録画先フォルダも適切に指定。

「実行アプリ名(視聴用)」をtvtest.exeとし、オプションに

/d BonDriver_BSCS.dll /DID x

「実行アプリ名(録画用)」もtvtest.exeとし、オプションに

/d BonDriver_BSCS.dll /min /nodshow /DID x

ただし、DID x のx は、定義済みのチューナーに続く次のアルファベット、例えば既存のチューナーがA~Dで振ってあればE に設定する。

・あとはそのまま終了まで進めて行く。(チャンネル設定も既に定義したものが表示されますので、そのまま「次へ」で進めて良いです。)

・DTune.batの副作用(もともと定義してあったTVRockの設定内容の一部が初期値に戻っている)を元に戻す。→手順

以上のように、BCUDの場合も手順に沿って進めて行けば、容易にBS、CS110の視聴と予約録画が可能になります。

Bcudtv_2

TVTest上の表示では、同時使用しているW3Uxと同様に、BSで15~16dB、CSで12~14dB程度が表示されます。これはあくまでチューナの自己申告値なので機種によって基準が違いますが(例えば地上波でW3Uxは最適の受信条件でも30dB以上の表示には仕組み上なりませんが、S1UDでは60~80dBの表示になります。実態としては両方ともPCチューナとしては良い性能なのですが、W3Uxのほうがいくらか高い感度をもち、悪条件でもドロップを起こしにくいです。)、実際にBCUDを暫く録画に使ってみて、BS、CSともドロップやエラーが系統的に出ませんので、感度的に問題ないのでは、と思います。(悪天候の厳しい条件でまだ比較していませんが。)

BcudtvcsこちらはCS

衛星用パラボラアンテナは持ち歩く訳にはいかないのですが、家の中で使うにしても小さくて差し替え容易なこのチューナは、S1UDと併せ、USBハブに必要なだけ挿して使うなどTV視聴&録画の自由度をより高めてくれるのではないかと思います。

Bcud_s1udBCUD(上)とS1UD(下)

なお、騒ぎのおかげでUSBカードリーダは暫く入手難になっていましたが、どうやら元の価格で十分に供給されつつあるようです。この辺のリーダであれば、Windowsの32/64bitのいずれでも、問題なく利用できると思います。

本文はここまでで、以下は余談です。

まあそれにしても、事態がどのように動いていくか、注視していきたいですね。

このBlogの立ち位置としては、著作物の利用にはしっかり対価が払われるべきもので、また有料放送は新規事業者だけではなく、既存の放送局の中でもやる気ある人たちが活躍できる場所なので、健全に発展してほしいと思っていますが、コピー制御はそれとは関係なく、市場を閉鎖的に保って既得権益を守りたい人々が、様々な新規プレーヤーによって市場全体が活性化されていく可能性を毀損しながら"勝手に"やっていることなので、「そんなものは一刻も早く消え去ったほうがいい。さもなければ、国内産業がまた1つ世界から取り残されて消えていくだけ。」という発想を持っています。

「国内産業の担い手がDpaで旗振ってるんだから衰退していくのも彼らの自由」という意見もあるかもしれませんが、新興企業や他業種の主導で何かを始められてしまうことを阻害しながら「シマ(既存の流通経路)を荒らされるくらいならゆるやかに衰退するほうがマシ」という発想で国内ルールを作ってしまうのが日本の業界団体ならではのところで、電子出版や音楽配信なども同じ構図ですね。業界ロビイストはどこの国にもいますが、そういった勢力に健全に対抗する政治勢力やシンクタンクがなく、監督官庁も業界指導の伝統で国内業界の育成役に祭り上げられ、お墨付きを与えてしまい、天下り先まで提供されてしまう、といったところが日本全体の地力がなくなっていく1つの縮図だったりもします。

以前は非関税障壁などと言われた日本の製品安全基準や規格は現在かなり公正なものになっていると思いますが、「著作権保護」というのが聖域化されてしまっていて、市場の閉鎖性を保つ格好の名目になっている感じですね。JASRACやSARVHといった団体も一種の番犬役に過ぎないと思います。(時々飼い主を噛んだりもしますが)
そうではないと言いたいのかコピー制御を推進している人々からは、「日本発で世界標準になるような素晴らしい著作権保護技術を作るのだ!」というような鼻息荒い声も聞かれますが、ことこの辺の技術に限ってはそういう可能性は万が一にもないと思います。というのは著作権保護というのは根本的に供給側の論理なので、「ユーザーのニーズからマーケットが生まれる」という大原則から言っても、これ自身が需要を生むことはありえず、したがって日本以外のメーカーが進んで日本の技術を採用する理由がありません。グローバルなコンテンツ提供者側も、本当に必要なのは時代に合せてコンテンツの流通手段を進化させて(不正利用の損失も加味しても)ビジネスボリューム全体を最大化させる事が第一のはずです。したがって商用に流通するコンテンツの保護技術は、ユーザーの新しい利便性の価値を損なわない範囲で、目立たず必要十分な妥協点が柔軟に選択できればよく、大上段の理想論は必要とされません。(そんなものが必要だという主張は、既存の流通手段での既得権益者が、中抜きにされるのを恐れて足枷をはめる目的でロビー活動しているだけです。巧妙に著作権者の声に偽装されていますが。)
またMicrosoftのDRMのようにある程度広く採用された保護技術でも、それ自体が大した利益を生むものではないので、「大企業や国が総力を挙げて」取り組むようなものでは決してなく、力を入れる方向性を完全に間違えていると思います。(が、ビデオカメラの映り込み防止技術とか、他でもいろいろ勘違いをやってますね日本の役所とメーカーは。)

その話とは別に、「タダ見」ができてしまう仕組みは、そのまま定着してしまうと有料コンテンツを生業にしようとした事業者の体力を奪っていきます。
しかし、業界構造全体から見れば新参者の有料放送が苦境に立つことよりも、「致命的な欠陥が見つかったシステムだからゼロベースで見直す。」という(もっとも真っ当と思われる)判断では築き上げてきた"肝心の部分"が否定されるため、それだけは断固として阻止したい勢力のほうが強いのではないかとも思います。特に強引なBCASの普及に一役二役買っていると思われるNHKさんの「衛星受信料徴収促進」の目的には何の影響も出ないため、腫れ物を触るようなスタンスに終始するのではないでしょうか。
コピー制御を回避するチューナーの話とB-CASクラックの話は全く別物だと思っていますので、その辺を混同した議論には注意すべきだと思いますし、あえて一緒くたにして規制規制と言い出す人がいたら、眉に唾して聞くべきだと思います。なにしろ技術的保護手段回避の有無に関係なく、なんでもない普通のカードをちょっとクラックしてしまえば普通のTVやレコでただ見も録画も好きなだけできてしまい、それを"摘発"するには全国民を被疑者にした魔女狩りしかないわけですから。

つまる所こんな「些細な」クラックでシステム全体が崩壊してしまうのは、日々進化するITの動向を知らずそれを舐めきって「難しい事はメーカーさんに任せたから」と言うような人たちが、閉鎖的に利権優先で考えたシステムだからでしょう。結局それはデジタルTVの仕組みそのものが、将来ITやネットワークの中でオープンに発展していくような事を想定したシステムに全くなっておらず、その不便さへの不満の声も封殺してきたことと、根っこのところで同じだと思います。"ムラ"の中の掟で物事を決め、"部外者"の建設的な意見にも懸念にも"パブコメ"の場を設けて適当にあしらいながら聞く耳を持たなかったからこそ、このような脆弱なシステムが生まれてしまっているわけで、構図は原子力産業と全く同じです。

ホントのところ(グローバルな競争に負けて表舞台から退場することを余儀なくされる前に業界の改革を実現して)、コピー制御などから解き放たれたREGZAやDIGAの技術を観たいですね。汎用ネットワーク上で機能をいくらでも追加できるとか、APIが公開され数多くの技術者に支持されてアプリを”物好き”や新興企業が競いながら発展していくとか。
既存の企業にそのような自己改革を期待するのは無理かもしれませんが、メーカーの中にいてきっちりとしたベースをもった技術者は、減給やリストラにおびえるのではなく、自らの意思で飛び出して海外の資本なりを借りて挑戦していける分野なんじゃないかとも思います。

昨今家電メーカーの人減らしで多くの経験豊富な技術者が開発現場を去ったりしているのですが、そうした人々に蓄えられた技術力は本来次の革新を生む原動力になり得るのですから、意味のない業界ルールや規制を極力なくしてベンチャーによる新しい挑戦ができる舞台を用意することが重要だと思います。既存メーカーがTV事業から撤退しつつあるような状況を放置すると、コンピューター産業や半導体産業と同じく、わずかな企業のみが国内向けに細々と存続するのがやっとの状態になり、将来に何も残さなくなってしまいます。

中国アジアの低コストにはとても勝てない、という話はありがちですが、それらに小手先の製造技術で太刀打ちできなくなっているのは欧米企業も同じで、それでも成長企業を次々に生んでいるのはそれぞれにベンチャーが芽を出し成長できるような風土とオープンな国内マーケット、およびグローバルなコミュニティの一員としての積極的な参画があり、そこでの成功がグローバルに勝負する力に直結しているためです。
必要なのは安い労働力や資金力ではなく(それらは探せばグローバルに調達することができます)、ユーザーのニーズを嗅ぎ取る能力と、主従関係ではなく相補関係のコミュニティを積極的に活用してトレンドの技術を素早く取り込み、いち早くユーザーやコミュニティの支持を得てデファクトスタンダードを作ってしまう能力で、これは長い経験を持ち、常にユーザーの近くに居て「知識」ではなく長く培われた「文化」からくる「ニーズを先読みする能力」に長けた「先進諸国」のベンチャーだからこそ大きく差別化できるポイントです。(かつ、今まで島国の中の"絆"で成長してきた日本企業が、共同体の中の主従関係だけで"そこそこ"のものが生み出せていたがために軽視していた価値観です。まあ、かつて日本の安くて高品質な製品に太刀打ちできなくなった欧米の産業界が、それに打ち勝つ価値観を生み出すことで甦ったとも言えますが、もはや時計の針は戻りません。)
テレビ周りの産業も過去の成功体験から来る独りよがりな発想を捨て、業界環境をオープンに変えていくことが何よりも重要だと思います。

2012年2月29日 (水)

2012年3月1日のBS新チャンネル対応、および2012年10月1日までのCS110再編対応について(TVTest、TVRock)

第11版 10/1朝の変更を反映いたしました。新規追加:FOXムービー:(ND24,229)、歌謡ポップス:(ND06,329)、ディズニージュニア:(ND08,339)、TBSチャンネル2:(ND22,297)、囲碁・将棋チャンネル(ND04,363) 名称変更:e2プロモ→スカパー!プロモ 廃止:FOXプラス、ディズニーXD。

第10版 9/1 朝の異動を反映いたしました。sky・Aスポーツ+(ND06,250)→(ND04,250)、ホームドラマCH(ND04,294)→(ND06,294)、MTV(ND12,323)→(ND06,323)、ディズニーXD(ND04,334)→(ND06,334)、CNNj(ND12,354)→(ND06,354)、GAORA(ND06,254)→(ND12,254)、エムオン!HD(ND22,325)→(ND12,325)。
第9版 8/1 東映チャンネル (ND6,221)→(ND8,218)、衛星劇場 (ND6,222)→(ND8,219)、ミュージック・エア (ND12,324)→(ND8,326)
第8版 2012/7/24 今朝のCS110チャンネル変更&トラポン移動に対応いたしました。キッズステーション(ND8,ch335)→(ND12,ch330)、チャンネルNECO (ND6,ch223)→(ND4,ch223)、ヒストリーチャンネル(ND16,ch342)→(ND4,ch342)、ナショジオチャンネル(ND22,ch343)→(ND16,ch343)、BBCワールド(ND12,ch353)→(ND16,ch353)、FOX(ND4,ch312)→(ND22,ch312)、スペースシャワーTV(ND4,ch322)→(ND22,ch322)、カートゥーン(ND4,ch331)→(ND22,ch331)。
第7版 2012/7/1 今朝のCS110チャンネル変更&トラポン移動に対応いたしました。TBSチャンネル(ND22,301)→(ND2,296)、テレ朝チャンネル(ND12,303)→(ND2,298)、朝日ニュースター(ND12,352)→(ND2,299)、時代劇専門チャンネル(ND6,292)→(ND14,292) 、ファミリー劇場(ND22,293)→(ND14,293)、スーパー!ドラマTV(ND16,310)→(ND14,310)。
いずれの局名も今後HDが末尾に付きますが、TVRock上の局名は当面変わらずとします。

第6版 2012/6/5 CS110フジテレビNEXT 今朝の移行に対応しました。 (ND2,306)→(ND20,309)。
第5版 2012/5/30 今朝の計画停波で、CSで結構大がかりなトラポン移動がありました。
GAORA (ND14,254)→(ND6,254)、ディスカバリー (ND20,340)→(ND6,340)、動物ch/アニプラ (ND20,341)→(ND6,341)、スーパードラマ (ND6,310)→(ND16,310)、AXN (ND6,311)→(ND16,311)。

第4版 2012/5/21 TVRock、TVTestの定義体に地デジ難視聴地域用BSを追加しました。
第3版 2012/5/10 CS110のスカチャン3 移行対応(ND16→ND10 ch803→ch805)
第2版 2012/4/17 CS110のザ・シネマ 移行対応(ND10→ND4 ch228→ch227) 4/17,18日付けでは他のトラポン移行はありません。
第1版 2012/2/29 新BSチャンネル反映

.

3月1日にBSでは、以下のチャンネルが放送開始(およびCS110から移動)になりました。

 ディズニーチャンネル 

 IMAGICA BS 

 J SPORTS 3  

 J SPORTS 4  

 BS釣りビジョン 

 日本映画専門チャンネル 

 D-Life 

また、2012/4月以降には、上記移動で空いたスロットを使いながら、玉突き式にCS110のチャンネル再編が行われる予定です。こちらの方は総務省資料

http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/eisei/eisei.pdf

の20ページに、2012年10月1日時点でのCSのチャンネル配置予定図があり、確かに10月1日時点でチャンネル配置は(資料に未反映な新規チャンネルや名称変更もありますが)この通りになったことがわかります。

これのTVTest,TVRockを使ったTV視聴・録画環境での対応ですが、以下の簡単な作業で最新版のチャンネル配置に対応できます。

なお、ここの手順は、TVRockのCSチャンネル名称を極力変更しない前提を置いています。これによって手順は非常にシンプルになるのですが、CSのチャンネル名称も最新のものに変更する場合は、別記事をUPしておきましたので、ご参照いただければと思います。
そちらの記事の内容では予約済のデータに若干メンテを入れる必要がありますが、一旦やってしまえば、今後暫くはCSのチャンネル構成も安定すると思われますので、より使い易くなると思います。

なお注意点ですが、2011年10月の新BS放送対応をまだされていない方は、いずれにしろ一度その対応をしていただく必要があります。(つまり2011年10月以降、BSはトラポンの再割り当てでBS-5,7,11,19,21,23が加わることになったのですが、ソフトウェアや設定が古いままだとそれらのチャンネルをそもそも受信することができないため、まずはその対応をしているかが重要になるわけです。)
覚えがない人は(例えば今のTVTest環境でBSチャンネルスキャンしても「グリーンチャンネル」が出てこない人は)、リンク先の手順でまず対応させてください。該当手順は最新のCSチャンネル名称等も反映してありますので、対応後はここの作業もリンク先の作業も不要です。

またこの内容は現時点で当ブログの過去の手順にも反映されています。それらの手順で2012/10/1以降に導入された方も同じく、ここの作業もリンク先の作業も不要です。

1.TVTestについて

TVTest  ver.0.7.22r2以降をお使いの方であれば*、以下のファイルをそのまま

「Preset_BS.ch2」をダウンロード (2012/3月以降は当分BSの異動はありませんので、一回やっておけば次回以降このDLは必要ありません。)

「Preset_CS.ch2」をダウンロード

「右クリック」→「対象をファイルに保存」で、保存先に\TVTestフォルダを選んで「保存」をクリックしてください。(上記の名前のままでDLするように注意してください。ときどきブラウザが勝手に.txtという拡張子に改変してダウンロードしようとする場合がありますので、その場合は再度この操作をやり直して、拡張子が.ch2になることを確認してください。)

「上書きしますか?」には「はい」と答えます。

*なお、TVTest で ver.0.7.21以前のバージョンをお使いの方は、上記「Preset_BS.ch2」だとチャンネル名称が少しおかしくなりますので、その代わりにこちらのファイルを使ってください。

「Preset_BS.ch2.old」をダウンロード

これを適切なフォルダに「右クリック」→「対象をファイルに保存」でダウンロードし、「Preset_BS.ch2」にリネームした上で、\TVTestフォルダに上書きコピーしてください。

TVTestを立ち上げ、左下でBonDriver_Spinel_PX_W3U3_Sx 等の衛星系BonDriverを順番に選びます。

画面上で右クリック→設定でチャンネルスキャンのタブを選び、対象チューニング空間でBSを選択し、「プリセット読み込み」をクリックしてください。

(2012/3月以降は当分BSの異動はありませんので、すでに一回BS新チャンネルに対応済みであれば、このBSの作業は必要ありません。特にPX-BCUDの場合、BSのプリセット読み込みを再度やってしまうとチャンネルマップがおかしくなりますので、ご注意ください)

Bsscan

これでBSについては、2012/3月時点での最新のチャンネルが反映されます。

次にCS110について最新の編成にします。CS110は2012/4月以降にも何度か異動がありますので、その際にも以下をおこなってください。

「対象チューニング空間」で「CS110」を選び、「プリセット読み込み」をクリックします。

Csscan

これを全ての衛星系BonDriverでおこなえば、TVTestの作業は完了です。一旦TVTestを終了させて再度立ち上げれば、BS、CSの最新チャンネルが反映されます。

なお、衛星系のチューナーが沢山あったり、Spinelで何台ものPCにTVTestの環境を展開している場合は、全部でチャンネルスキャンをおこなうのはちょっと面倒かもしれません。それが面倒な場合は、1個のBonDriverで上の手順でスキャン(プリセット読み込み)をすれば、該当の

BonDriver名.ch2

というファイルが現在の日付に更新されていますので、これをそのままどこかに個数分コピーして、

(各衛星系)BonDriver名.ch2

にリネームしたのち、\TVTestフォルダに上書きコピーしていけば、同じチャンネル編成を楽に反映できます。
(ただしPX-BCUDの場合はチャンネルマップが少し違いますので、他の衛星系BonDriverの.ch2ファイルを単純に上書きコピーするのではなく、ちゃんと設定画面を開けてCSのプリセット読み込みをおこなってください。Spinel経由で使う場合も同様です。)

2.TVRockについて

TVRockでは上記リンク先の昨年10月再編対応が済んでいれば、新BSチャンネルは既に登録されています。(対応されていない方は、リンク先の手順を参考にしてください)

これで番組情報取得をおこなえば、新BSチャンネルの番組表が取得でき、予約録画もできるようになります。

一方CS110については、BSに移行するチャンネルのほか、2012年3月以降に五月雨式に放送終了するチャンネル、トラポン(&チャンネル番号)が異動するチャンネルがあります。その都度、以下をおこなってください。

1) トラポン異動(NDxxが変更)やチャンネル番号の変更されたチャンネルがあった場合は、都度、以下の作業をおこないます。
なお、この作業の前に下記「CS110側からいなくなったチャンネルを削除する」の手順で、まずは不要になるチャンネルを削除しておいてください。
また、もし複数PCでTVRockが連携して(マスター&スレーブとして)動いている場合は、削除した筈のチャンネル情報が誤って他TVRockから拾われることのないよう一旦全TVRockを落とし、移行は各TVRockだけを立ち上げた状態で順におこなうことをお勧めします。

①以前ここのBlogの手順でTVRockを設定した方であれば、BS、CS110の変更内容をプリセットしたファイルを用意しましたので、

「tvrock_ch_preset.zip」をダウンロード

これを解凍した中にある、「ch-cs.txt」を、TVRock作業フォルダ(図の赤丸部で指定してあるフォルダ)に上書きコピーしてください。

その後

(1)タスクトレイのTVRockアイコンで「右クリック」→「TvRockの終了」を選択

(2)TVRock実行フォルダにあるDTune.batを、ダブルクリックして実行する。

(3)チューナー数を現状と同じ数(PX-W3Ux 1台なら4個)で選択

(4)以降、各チューナーの設定済み内容が表示されるので、「次へ」を順にクリックしていく。

(5)チューナー設定の画面が終わると、チャンネル設定の画面になるので、これも「次へ」をクリックしていく。

(6)「番組情報を取得します」の画面になったら、次へを押す。数秒後、TVTestが2タスク起動するので、タスクバーで右クリックし、「ウインドウを閉じる」を選択して2タスクとも終了させる。すると、「終了しました。次へ進んで下さい。」の画面になるので、「次へ」を押す。

更に「次へ」を押せば、「終了」のボタンが出てくるので、クリックする。

起動したWeb画面は終了させて構わない。

(7)その後、「DTuneで再設定したことにより、TVRockの設定値が初期状態に戻ってしまうもの」が3点あるので、適切な設定値に戻しておく。以下は私の例。

・設定→システム設定で、「復帰処理をタスクスケジューラーで行う」をチェックアウトしていたのがチェックされていた。=>チェックアウトに戻した。

・設定→インテリジェントで、TVRock番組表を「認証無し」にしていたのが「Digest認証」になっていた。=>「認証無し」に戻した。

・番組情報取得の対象チャンネルが地上波だけになり、衛星のチェックが解除されていた。=>、「インテリジェント」→「番組情報取得」でBS,CSを再度全チェックにし、「記憶する」をクリックした。

ほかにも一応、TVRockの「設定」内容を確認。

最後にTVRockをいったん終了し、再起動する。

なお、この段階で、番組表やRockバーの表示順は新しく追加したものが後ろになっていますので、これが気に入らない時は、チャンネルエディタで(移動したいものをまとめて選択したうえで)「上へ」「下へ」をクリックすれば順番を変更できます。良く観るチャンネルを上に持って行ったり、映画・音楽などカテゴリーでまとめておくと、より使い易くなると思います。

以上で、TVRockの対応作業も終わりです。

注)この設定でチャンネル名称が少し古いものもありますが、TVRockではチャンネル名称を主キーとして使っており、これを変える場合、一旦チャンネルエディタで旧名称のチャンネルを削除した上で、ch-cs.txtにそのチャンネル名称を反映し、それを使って上記(1)~(7)の作業をおこなう必要があります。これはチャンネルの入れ替えが激しい今の時期におこなうと混乱の元になりますので、ここの手順では、CS110のチャンネル名称は変えない前提を置いています。よって例えば「女性ch/LaLa」は「LaLa HD」のまま、「100%ヒッツ!スペースシャワーTV プラス」は「Music Japan TV」の名称のままで使うことになりますが、それで問題ない方はご了承ください。
これらのチャンネルを最新の名称に修正する方法は別途UPいたしました。若干作業量は増えますが1回だけですので、ご検討される場合はそちらをご参照願います。
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② 上記手順が使えない場合、具体的には過去にここのBlogの手順でTVRockを設定した訳ではない場合、単純に上記「ch-cs.txt」を上書きすると、既存のチャンネル情報とちょっとした違いが生じ、その分が二重登録になって幽霊チャンネルが出現する危険性があります。
その場合の手順は、以下の通りになります。

A)このBlogの手順ではないにしろTVRockはDTune.batでチャンネル設定している場合

TVRock作業フォルダ(図の赤丸部で指定してあるフォルダ)にあるch-cs.txtをテキストエディタを開いて、

以下の行を削除する。

e2プロモ
ディズニーXD
FOXプラス

以下の行を追加する。

スカパー!プロモ 808124416 100
FOXムービー 834338816 229

ディズニージュニア 813367296 339
歌謡ポップス 810745856 329
TBSチャンネル2 831717376 297
囲碁・将棋チャンネル 808124416 363

以下を青字のように変更し、保存する。(チャンネル名称が微妙に異なる場合は、敢えてそこは変更せず元の名称のままにする。)
上から順に新しい変更分なので、既に変更してあるところ以下は気にしなくて良い。

GAORA 818610176 254
スカイ・A sports+
808124416 250
ホームドラマch
810745856 294
MTV
810745856 323
エムオン!
818610176 325
CNNj 810745856 354

東映チャンネル 813367296 218
衛星劇場
813367296 219
ミュージック・エア
813367296 326

キッズステーション 818610176 330
チャンネルNECO
808124416 223
ヒストリーチャンネル
808124416 342
ナショジオチャンネル
823853056 343
BBCワールドニュース
823853056 353
FOX
831717376 312
スペースシャワーTV
831717376 322
カートゥーン ネットワーク
831717376 331

TBSチャンネル 805502976 296
テレ朝チャンネル
805502976 298
朝日ニュースター
805502976 299
時代劇専門チャンネル
821231616 292
ファミリー劇場
821231616 293
スーパー!ドラマTV
821231616 310

フジテレビNEXT 829095936 309
ディスカバリーチャンネル 810745856 340
アニマルプラネット
810745856 341
スーパー!ドラマTV
823853056 310
AXN
823853056 311

ザ・シネマ 808124416 227
スカチャン3 815988736 805

また以下の行が残っていたら削除しておく。

C-TBSウェルカムチャンネル
プライム365.TV
ザ・ゴルフ・チャンネル
洋画★シネフィル・イマジカ
日本映画専門チャンネルHD
J sports 3
J sports 4
ディズニー・チャンネル

あとは、①-(1)~(7)の手順に従って設定する。

B)TVRockのチャンネル設定を「設定」→「チューナー」タブで直接編集している場合

この方法を今まで使っている場合、DTune.batだとチャンネルの設定内容がロールバックしたり重複してしまう可能性があるので、以下のように個別に設定していくことになります。(なお、この面倒くささとミスの危険を避けるため、ここのBlogではチャンネル設定変更に、DTune.batを常に使うようにガイドしています。ここではあくまでご参考まで)

チャンネルエディターで、新規追加分のチャンネルを定義します。

 「スカパー!プロモ」、「FOXムービー」、「ディズニージュニア」、「歌謡ポップス」、「TBSチャンネル2」、「囲碁・将棋チャンネル」
 以上を追加し、それぞれ放送波をCSにセットして、「OK」。

「設定」→「チューナー」タブで、各衛星系チューナー全てで以下の変更をおこないます。上から順に新しい変更分なので、既に変更してあるところ以下は気にしなくても良いです。 

右中央あたりにある「チャンネル設定」で、「スカパー!プロモ」、「FOXムービー」、「ディズニージュニア」、「歌謡ポップス」、「TBSチャンネル2」、「囲碁・将棋チャンネル」をそれぞれ選び、

スカパー!プロモ: チャンネル:808124416 サービス:100
FOXムービー: チャンネル:834338816 サービス:229
ディズニージュニア: チャンネル:813367296 サービス:339
歌謡ポップス: チャンネル:810745856 サービス:329

TBSチャンネル2: チャンネル:831717376 サービス:297
囲碁・将棋チャンネル: チャンネル:808124416 サービス:363

「GAORA」、「スカイ・A sports+」、「ホームドラマch」、「MTV」、「エムオン」、「CNNj」をそれぞれ選び、

GAORA: チャンネル: 818610176 サービス: 254
スカイ・A sports+: チャンネル: 808124416 サービス: 250
ホームドラマch: チャンネル: 810745856 サービス: 294
MTV: チャンネル: 810745856 サービス: 323
エムオン!: チャンネル: 818610176 サービス: 325
CNNj: チャンネル: 810745856 サービス: 354

東映チャンネル」、「衛星劇場」、「ミュージック・エア」 をそれぞれ選び、

東映チャンネル: チャンネル: 813367296 サービス: 218
衛星劇場: チャンネル: 813367296 サービス : 219
ミュージック・エア: チャンネル: 813367296 サービス: 326

「キッズステーション」、「チャンネルNECO」、「ヒストリーチャンネル」、「ナショジオチャンネル」、「BBCワールドニュース」、「FOX」、「スペースシャワーTV」 、「カートゥーン ネットワーク」 をそれぞれ選び、

キッズステーション: チャンネル: 818610176 サービス: 330
チャンネルNECO: チャンネル: 808124416 サービス: 223
ヒストリーチャンネル: チャンネル: 808124416 サービス: 342
ナショジオチャンネル: チャンネル: 823853056 サービス: 343
BBCワールドニュース: チャンネル: 823853056 サービス: 353
FOX: チャンネル: 831717376 サービス: 312
スペースシャワーTV: チャンネル: 831717376 サービス: 322
カートゥーン ネットワーク: チャンネル: 831717376 サービス: 331

「TBSチャンネル」、「テレ朝チャンネル」、「朝日ニュースター」、「時代劇専門チャンネル」、「ファミリー劇場」、「スーパー!ドラマTV」をそれぞれ選び、

TBSチャンネル: チャンネル:  805502976 サービス: 296
テレ朝チャンネル: チャンネル:  805502976 サービス: 298
朝日ニュースター: チャンネル:  805502976 サービス: 299
時代劇専門チャンネル: チャンネル:  821231616 サービス: 292
ファミリー劇場: チャンネル:  821231616 サービス: 293
スーパー!ドラマTV: チャンネル:  821231616 サービス: 310

「フジテレビNEXT」、「ディスカバリーチャンネル」、「アニマルプラネット」、「スーパー!ドラマTV」、「AXN」をそれぞれ選び、

フジテレビNEXT: チャンネル:  829095936 サービス:  309
ディスカバリーチャンネル: チャンネル:  810745856 サービス:  340
アニマルプラネット: チャンネル:  810745856 サービス:  341
スーパー!ドラマTV: チャンネル:  823853056 サービス:  310
AXN: チャンネル: 
823853056 サービス:  311

「ザ・シネマ」、「スカチャン3」をそれぞれ選び、

ザ・シネマ: チャンネル: 808124416 サービス: 227
スカチャン3: チャンネル: 815988736 サービス: 805

以上を入力。

これを全ての衛星系チューナーで行った後、OKを押す。

C)dtvgenによる移行についてのコメント

現在、TVTestのスキャンしたチャンネル情報をTVRockに簡単に反映するdtvgenというツールが公開されており、CSで移動があった時も簡単に反映できる便利なツールとの評価があるようです。

ただしこのツールは、TVTestのスキャンした(ときどき変更されたり、元々ユーザーのTVRockが使っている名称とは異なる場合もある)チャンネル名称を、TVRockのdtv.iniに自動的に反映してしまうため、TVRockが他の場所に持っている定義と矛盾が出て、動作を不安定にする危険性があると個人的には思っています。(一旦DTune.batを経由する方法も提供されていますが、その場合も同じです。)
TVRockはチャンネル名称を主キーとして使っているため、これを安易に変更するのは注意すべきです。dtv.iniの中だけで全てが完結していればそこを変更するだけでも良いのですが、それ以外からも複雑な参照があると思われ、実際に手作業でdtv.iniを編集するというまく動作をしなくなる場合があるのもその辺が原因です。その理由でここではお勧めはしません

ただしdtvgenの動作や注意点が私自身もう少し検証できてくればもっと評価ができるかもしれませんので、その際は改めてご紹介しようと思います。

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2) CS110側からいなくなったチャンネルを削除するには以下のようにします。

なお、この手順は(順番は前後していますが)Dtune.batを動かす前におこなってください。
というのは、この手順で該当チャンネルを削除した後、放っておいたり、TVRock(あるいはシステム)を終了・再起動させてしまうと、削除したはずのチャンネルが「幽霊」となって、地上波のチャンネルとして復活してしまいます。
あまり悪影響はないのでそのままでも良いのですが、番組情報取得の際にその「幽霊」の分だけ余計にスキャンをおこなってしまいます。
よってここの手順でチャンネルエディタから不要チャンネルを削除したら、速やかにTVRockを終了させ、次に1)の手順で(何も変更がなくても)Dtune.batを動かしてみてください。それをおこなうことで幽霊チャンネルは復活しなくなります。

下のほうにある削除対象のチャンネルについて、

タスクトレイのTVRockアイコンを右クリックして、「ツール」→「チャンネルエディタ」を選びます。

Channeleditor

表示されたチャンネルエディタで、CSからなくなったチャンネルを下図のように選んで、順に「削除」をクリックし、終わったら「OK」を選びます。

Deletemovedcsc_2

削除対象の選択では、放送波が「CS」であること(「BS」の新チャンネルも類似の名前ですので、決して誤ってそちらを削除しないこと)、類似の名称のチャンネルも誤って削除しないこと、などに気をつけてください。

一個ずつ選択して「削除」していっても良いですし、Ctrlを押しながらクリックしていけば、複数のチャンネルをまとめて選択し、削除できます。また誤って別のものを削除した場合は、慌てず「キャンセル」を押して、最初からやり直してください。

CS削除対象は以下の通りです。(表示順はこの通りとは限りません)

 2012年10月1日分

e2プロモ
ディズニーXD
FOXプラス

 2012年4月1日分

C-TBSウェルカムチャンネル
プライム365.TV
ザ・ゴルフ・チャンネル

 2012年3月1日分

洋画★シネフィル・イマジカ
日本映画専門チャンネルHD
J sports 3
J sports 4
ディズニー・チャンネル

なおご参考までに、2011/10月の段階で以下のチャンネルもCSから無くなっていますが、削除し忘れて残っている時は(番組表でブランクができていると思いますので)、これらも削除しておくと良いと思います。(これも誤って「BS」のものを削除しないように注意)

スター・チャンネル プラス
スター・チャンネル クラシック
J sports 1
J sports 2
アニマックス

(何かのきっかけでこの名称のチャンネルが「地上波」のチャンネルとしてチャンネルリストや番組表に復活することがありますが、その場合はこの節の冒頭にあるように、再度削除した後、速やかにTVRockを終了し、何も変更がなくても1)のDtune.batを実施してください。それで復活しなくなるはずです。
ただしあまり神経質に削除しなくても特に悪さはしないので、気にしなくても良いと思います。番組情報取得の対象から外しておくだけで良いと思います。)

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2012年中に予定されていたBSおよびCS110の再編(新規チャンネル追加、トラポン移動・チャンネル番号変更)も、10月1日を以てほぼ完了したと思われます。次の大きな変更のタイミングは難視聴BSが終了する2015年以降だと思いますが、それまでの間も、小規模な変更や事業者の入れ替えにともなうチャンネル変更は時々あるかもしれません。気が付いたものがあれば、今後もトップの「第xx版」に更新情報を入れた上で、都度対応していきたいと思います。

一応ご参考資料として、今年(2012)3月からのCS110チャンネル変遷履歴をファイルにしておきました。
「ChannelMap.xls」をダウンロード

2012年1月25日 (水)

1月24日スカパーe2のプチ異動対応メモ (TVTest、TVRock) :何故かナショジオが観られなくなった人向け

*当記事は書いた時点で有効だったスカパーe2 チャンネル変更の対応手順と感想を書いてありますが、現在はナショジオも含めたスカパーe2全体の再編対応の手順を、別記事でまとめてあります。よってこの記事はあくまでご参考として、実際に対応される際の手順としては以下をご参照ください。

TVRock (およびTVTest) のスカパーe2最新編成対応と、チャンネル名称も最新にする方法 (TVRockのチャンネル名称も含めて最新編成に対応させる手順です。対応としては完全ですが、途中で録画予約済データをメンテする必要があります。)
2012年3月1日のBS新チャンネル対応、および2012年10月1日までのCS110再編対応について (現在のチャンネル名称を残したまま受信・録画に必要な情報のみを更新する手順です。作業のリスクはなく時間もかかりません。)

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さきほどウチで観ていて気が付いたネタですので、今回は短めに。スカパーe2視聴者だけに関係のある情報です。

なお特にPX-W3Ux専用ではなく、PT2、W3PEなどの衛星系チューナーでも共通の手順です。

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昨年から今年にかけて、BS、CS110のいくつかのチャンネルの移動、新設、整理が予定されていて、昨年10月分は既に実施済みです。→対応方法はこちら

現状のCS110ではリンクのようなチャンネル配置になっていますが、異動実施後はこちらのリンクのようになることが予告されています。

次の大きな異動は今年の3月に予定されていますが、実はその前にも小さな変更はあるようで、リンク先に本日(2012/1/24)付のCS110「スカイ・A sports+」のチャンネル変更が告知されていました。

http://www.e2sptv.jp/oshirase/oshirase_20111017_001.html

まあこれだけなら観てもいないチャンネルですし、気にもしていなかったのですが、実は今日付でCS110「ナショナル ジオグラフィック チャンネル」にも異動があり、トランスポンダがND6(中心周波数12.371GHz)からND22(中心周波数12.691GHz)に変更になっていることが判明しました。

後から考えると昨夜からこの辺のチャンネルで計画停波があったのですが、これが1つの目的だったようです。

ナショジオはチャンネル番号が変わりません(ch343)ので、普通のARIB仕様デジタルTV/レコーダにはこの変更は自動的に反映されるらしく、このナショジオ異動の告知はほとんど(というか、検索した中では全く)ありませんでしたが、このBlogで解説しているts抜き環境では自動的という訳にもいかず、TVTestやEDCBではCSチャンネル再スキャン、TVRockでは該当チャンネル情報の修正が必要です。

ナショジオは元理系な私にとっては好奇心のわく番組が結構あり、録画や視聴する番組もありますので、見逃すわけにはいかない変更です。実はこの話に気付いたのも、今日帰宅後にTVTestでナショジオを観ようとしたところ、チャンネルがなぜか合わせられず(何度やってもND6先頭の東映チャンネルになってしまう)、チャンネルスキャンしてみた結果、ようやくこういうことらしいと判りました。

確かに上記リンクでも最終的にこうなることは公表されていますし、このチャンネルについていつ異動するかの情報はありませんでしたので、この手の告知なしの変更はありえるのですが、特に今年の7月までは注意しておく必要があります。(1/30月曜深夜にも怪しい停波がありましたが、そこでの変更はなかったようです。:1/31追記)

ここでは一応、1/24付けの「スカイ・A sports+」 および「ナショナル ジオグラフィック」チャンネル異動のTVTestとTVRockへの反映方法について、メモしておきます。

なお他の記事についても現時点で修正を入れましたので、これからこのBlogの手順で導入・更新をされる方は自動的にこの内容も反映されます。

1.TVTestの対応

衛星系各チューナーでCS110のチャンネルを再スキャンする形でも良いのですが、全チューナー分(更にSpinelで複数PCから観られるようにしている場合はその台数分)のスキャンにはそれなりに時間がかかりますし、放送休止時間のチャンネルを見逃す場合もありますので、プリセットしたファイルを用意しました。よければ使ってください。以下はその使用方法です。

1)添付ファイルを「右クリック」→「対象をファイルに保存」で適切な場所にダウンロードし、それをTVTestの実行フォルダに上書きコピーします。

「Preset_CS.ch2」をダウンロード

(上記の名前のままでDLするように注意してください。ときどきブラウザが勝手に.txtという拡張子に改変してダウンロードしようとする場合がありますので、その場合は再度この操作をやり直して、拡張子が.ch2になることを確認してください。)

2)TVTestを起動し、左下をクリックして、衛星系のBonDriverを順番に選択しながら3)~4)の作業をおこないます。

0124tvtest15

3)TVTest画面で右クリック→設定から「チャンネルスキャン」を選びます。

4)対象チューニング空間でCS110を選択後、「プリセット読み込み」をクリックして、OKを押します。

0124tvtest2

ちなみにこの作業をおこなった後のCS110チャンネル情報は、赤丸の2箇所が変わっているはずです。

0124tvtest3

これを全ての衛星系BonDriverでおこないます。

以上でTVTestの対応作業は終わりです。TVTestを一度終了させて再度立ち上げれば、該当チャンネルをまた視聴/録画できるようになります。

(Spinel経由で視聴可能なPCがある場合は、同じ作業をおこなってください。BonDriver名が同じであれば、BonDriver名.ch2ファイルをコピーする形でも良いです。)

2.TVRockの対応

1)以前ここのBlogの手順でTVRockを設定した方であれば、CS110の変更内容をプリセットしたファイルを用意しましたので、

「ch-cs.txt」をダウンロード

このファイルを「右クリック」→「対象をファイルに保存」で適切な場所にダウンロードし、それをTVRock作業フォルダ(図の赤丸部で指定してあるフォルダ)に上書きコピーしてください。

その後

①タスクトレイのTVRockアイコンで「右クリック」→「TvRockの終了」を選択

②TVRock実行フォルダにあるDTune.batを、ダブルクリックして実行する。

③チューナー数を現状と同じ数(PX-W3Ux 1台なら4個)で選択

④以降、各チューナーの設定済み内容が表示されるので、「次へ」を順にクリックしていく。

⑤チューナー設定の画面が終わると、チャンネル設定の画面になるので、これも「次へ」をクリックしていく。

⑥「番組情報を取得します」の画面になったら、次へを押す。数秒後、TVTestが2タスク起動するので、タスクバーで右クリックし、「ウインドウを閉じる」を選択して2タスクとも終了させる。すると、「終了しました。次へ進んで下さい。」の画面になるので、「次へ」を押す。

更に「次へ」を押せば、「終了」のボタンが出てくるので、クリックする。

起動したWeb画面は終了させて構わない。

⑦その後、「DTuneで再設定したことにより、TVRockの設定値が初期状態に戻ってしまうもの」が3点あるので、適切な設定値に戻しておく。以下は私の例。

・設定→システム設定で、「復帰処理をタスクスケジューラーで行う」をチェックアウトしていたのがチェックされていた。=>チェックアウトに戻した。

・設定→インテリジェントで、TVRock番組表を「認証無し」にしていたのが「Digest認証」になっていた。=>「認証無し」に戻した。

・番組情報取得の対象チャンネルが地上波だけになり、衛星のチェックが解除されていた。=>、「インテリジェント」→「番組情報取得」でBS,CSを再度全チェックにし、「記憶する」をクリックした。

ほかにも一応、TVRockの「設定」内容を確認。

最後にTVRockをいったん終了し、再起動する。

以上で、TVRockの対応作業も終わりです。

2)なお、過去にここのBlogの手順でTVRockを設定した訳ではない場合、単純に上記「ch-cs.txt」を上書きすると、既存のチャンネル情報とちょっとした違いが生じ、その分が二重登録になって幽霊チャンネルが出現する危険性があります。

その辺の不安がある場合、以下の手順がお勧めです。

A)このBlogの手順ではないにしろTVRockはDTune.batでチャンネル設定している場合

TVRock作業フォルダ(図の赤丸部で指定してあるフォルダ)にあるch-cs.txtをテキストエディタを開いて、以下の2ヶ所を青字のように変更し、保存する。(チャンネル名称が微妙に異なる場合は、敢えてそこは変更せず元の名称のままにする。)

スカイ・A sports+ 810745856 250

ナショナル ジオグラフィック チャンネル 831717376 343

あとは、1)-①~⑦の手順に従って設定する。

B)TVRockのチャンネル設定を「設定」→「チューナー」タブで直接編集している場合

DTune.batだとチャンネルの設定内容がロールバックしたり重複してしまう可能性があるので、「設定」→「チューナー」タブで、各衛星系チューナー全てで以下の変更をおこないます。(なお、この面倒くささとミスの危険を避けるため、ここのBlogではチャンネル設定変更に、DTune.batを常に使うようにガイドしています。)

①右中央あたりにある「チャンネル設定」で「スカイ・A sports+」を選び、

チャンネル: 810745856 サービス: 250  を入力

②同じく「チャンネル設定」で「ナショナル ジオグラフィック チャンネル」を選び、

チャンネル:  831717376 サービス: 343  を入力

以上を全ての衛星系チューナーで行った後、OKを押す。

以上で、とりあえず現時点でのチャンネル変更は全て反映されます。まあ今後も3月の大きな異動の前にこの手の異動があるかもしれませんので、その辺気付いたらこの記事に追記していくようにします。(尤も、ほとんど観ていないチャンネルは気付かない可能性大ですので、その場合はお許しを。。)

2012年1月 2日 (月)

PLEX USBチューナーに関するFAQ (PX-W3U2 W3U3 S3U2 S1UD BCUD)

ここのBlogではこれまで手軽に活用できるDTV環境として、この記事でPX-W3U2、PX-W3U3、およびPX-S3U2の導入手順を、またこちらではPX-S1UD用の手順をまとめました。

ただこれらの説明は基本は、自分自身の備忘録・メモ的に書いたものですので、大抵のことがうまくいく前提で書いてあります。

しかし実際の環境ではいろいろな問題が起きると思います。一通りの手順を書いた以上、その辺のありがちなトラブルに対するFAQも補完しなきゃなぁと思いつつ、なかなかまとめる時間がありませんでした。

そこで正月明けて落ち着いた今の時間に、グランプリをいただいたお礼も兼ねてちょっとこのようなものを作ってみました。(といいつつ、本来PLEXさんの所にこういう情報サイトを、特に本体関連についてBBS形式で構いませんので、作っていただきたいと願います。)

ここのサイトでいただいた質問やコメント、日頃気付いたこと、あるいはサイトに検索エンジンでやって来られる方のキーワードで気付いた(ありがちな)疑問点などをネタにしています。

なお一応免責事項ですが(^^;)当方メーカーサポートではありませんので、内容が薄い事、内容に一切責任は持てないこと、誤りや誤認識などは、どうぞご容赦ください。今後また気付いたことがあれば、少しづつ書き加えていく予定です。

目次

1.本体編
1)手順通りやってもデバイスマネージャー上、全く認識しない。あるいはデバイスマネージャー上では正しく認識しているのにTVTestから視聴しようとすると、どうやっても「BonDriverの初期化ができません」「チューナーのオープンに失敗しました」と出る。
2)TVTestのチャンネルスキャン、TVRockの番組表取得の最中、あるいは不定期に、BSOD(ブルースクリーン)になったり、PCがハングする。
3)スリープ・休止からの復帰後、よくこれらの現象(チューナーのオープンに失敗しました、BSODなど)が起きる。
4)デバイスマネージャー上、正しく認識しない。黄色い!がついた「ほかのデバイス」が出現し、チューナーをUSBから外すとそれが消える。
5)W3Uxなのに地上波1個、衛星1個のチューナーしか認識しない。あるいは最初は2個づつ見えているが、いつの間にか1個づつに減ってしまう。
6)チューナーを複数立ち上げていると突然ハングしたようになり、視聴できなくなる。信号強度は十分あるはず。
7)PX-BCUDをインテルの945Express(同じICH7の955/975あたりも可能性あり)のチップセットを使ったPCで動かそうとすると、「デバイスマネージャーでは正しく認識されているにもかかわらず」TvTestで”BonDriverの初期化ができません”とダイアログが表示され、視聴も録画もできない状態になる。
8)W3UxまたはS3UxをWindowsXPの環境に導入し、デバイスマネージャー上では一見正常に認識できている。(HDTV PX-xxxx USB BDA Driverときちんと表示されているし黄色い!マークなどはついていない。)しかしTVTestで視聴しようとしても、「BonDriverが初期化できません」のようなエラーが出て動作しない。他に設定に間違いがないことも確認している。
9)パラボラアンテナは設置してあって(あるいは共用のものが引いてあって)BSはきちんと映るが、CSが映らない。
10)BSの多くのチャンネルは映るが、2011年10月や2012年3月に追加されたBS-19~23の新チャンネルでドロップが出たり、受信状況が悪い。(例えばグリーンチャンネル、イマジカBS、日本映画専門ch、釣りビジョン、Jスポ、ディズニー、D-Lifeのいずれかの受信状態が悪い。) 

2.TVTest編
1)信号レベルが低すぎる。(地上波25dB、衛星13dB程度以上は欲しいところ) あるいは受信できない(0dBの)チャンネルが多すぎる。
2)W3UxあるいはS3U2で、ISDB-T_LNA_Controlツールのどれを使ってもほとんど信号レベルに変化がない。意味あるの?
3)W3UxあるいはS3U2で、自前でパラボラを立てているがBS/CSが全く来ない。LNB PowerSupplyツールを使ってアンテナに給電(LNB_ONを設定)しても同じ。
4)DirectShowの初期化ができません のメッセージ
5)(CATVやフレッツテレビで接続している場合)パススルーでBSやCS110が来ているはずなのに、チャンネルスキャンしても有料チャンネルがスキャンできない。またTVRockの番組表取得でも、有料チャンネル分が一切取得できない。
6)CATV環境だけどTVTestのチャンネルスキャンができない。
7)BonDriverの切り替えやチャンネル切り替えの時に、B-CASカードの初期化に失敗しましたというメッセージ、あるいは下のS(スクランブル)の数字が急激に増加し始め、画面に何も映らなくなる。
8)64bit版のTVTest(あるいはEDCB)が使いたいが、64bit版のBonDriverがない。
9)CSスカパーe2を契約済み、あるいは無料期間中で、視聴は正常にできるようだが、下のステータスバーではS(スクランブル解除エラー)の数字がどんどん増えている。大丈夫か?
10)1台のW3Ux内・地上波2チューナー(T0、T1)で、片方で視聴/録画を開始したりチャンネルを切り替えるとき、もう片方のチューナーが視聴/録画中だと、そちらにDropが出たり画面が乱れることがある。
11)CS視聴で画面がカクつく。(特に内蔵カードリーダを使っている場合や、E350/450やATOMなど性能の控えめなCPUを使っている場合に発生しやすい現象。)
12)地デジから地デジ、BS/CSから地デジのチャンネル変更がスムーズに出来ない。視聴の時は何度かリトライすればやっとチャンネルが切り替わるが、予約録画ではそうはいかず、予約したチャンネルでの録画が失敗する。 

3.Spinel編
1)Spinelモニター上ではチューナーは空いている筈なのに、「クライアントの接続を拒否しました。チューナのオープンに失敗しました。」のメッセージが出る。
2)B25Decoderの初期化に失敗しました、のメッセージが出る。
3)Spinelが高負荷時や録画開始/終了時に落ちることがある。 

4.TVRock編
1)tvrock 番組表が歯抜け状態になる。
2)定義していないチャンネルが幽霊のように増えている。
3)TVRock 番組表が重複する。
4)TVRockでCATV・周波数変換パススルー方式の地上波を定義する。
5)録画したtsファイルをWindows Media PlayerやPowerDVDなどで再生すると、ワンセグ画質の汚い映像になる。
6)衛星放送を録画したtsファイルをWindows Media PlayerやPowerDVDなどで再生すると、録画したはずの番組ではなく、別の番組が再生されてしまう。
7)キーワード(自動検索予約リスト)で予約録画しているが、同じ番組を二重に録画していることがある。
8)キーワード(自動検索予約リスト)で予約録画しているが、同じ時間帯に地上波、あるいは衛星チャンネル同志の録画が重なると、チューナーの空きはある筈なのに片方が録画されない。予約リストで見ると両方の予約に同じチューナーが割り振られた上で、片方がグレーアウトしている。
9)沢山録り貯めた映像ファイルを管理するソフトはないの?映像ファイルはサイズも大きいのであちこちのHDDやサーバーに保管したりH.264圧縮したりしてるけど、後から観たい番組を探すのが大変。

 FAQ

1.本体編

1)手順通りやってもデバイスマネージャー上、全く認識しない。あるいはデバイスマネージャー上では正しく認識しているのにTVTestから視聴しようとすると、どうやっても「BonDriverの初期化ができません」「チューナーのオープンに失敗しました」と出る。

2)TVTestのチャンネルスキャン、TVRockの番組表取得の最中、あるいは不定期に、BSOD(ブルースクリーン)になったり、PCがハングする。

3)スリープ・休止からの復帰後、よくこれらの現象(チューナーのオープンに失敗しました、BSODなど)が起きる。

これらはUSBコントローラーとの相性が疑われます。PLEX USBチューナーはUSBデバイスとして、接続できるPCを殆ど選ばないのが特長なのですが、PC側のUSBコントローラー、そのドライバーのバージョン、使うOSの組み合わせ、などは様々ですので、チューナーデバイスとしてそこそこタイミングにシビアな以上、組み合わせによっては上記の現象が起きるようです。

ただUSBポート、USBケーブル自体が不良だったり劣化している場合がよくありますので、別のポートやケーブルに繋ぎ替えると解決することがあります。また、腕に覚えがあるならUSBドライバーを、チップベンダが出している最新バージョンに上げると解決する可能性もあります。

また、PC側でUSB2.0とUSB3.0のポートが別々に付いていれば、それぞれが別のコントローラーを使っているので、今まで繋いでいないほうに繋ぎ替えてみると良いと思います。
特にUSB3.0ポートについては、メーカーの公式見解とは違って下位互換性に問題があるケースが散見されます(参考記事)ので、できるだけUSB2.0ポートを使った方が良いと思います。ちなみにUSB2.0 1ポートにハブ経由でW3Ux 2台接続しても、速度的には問題ありません。

スリープ/休止後の復帰ではマザーボードの種類によって、デバイス認識不良が起きることがあります。頻発する場合はdevconユーティリティをお試しください。USBカードリーダーでもこの現象が起きることがありますが、その場合もこの対策が有効です。

USBハブを間に入れるのはコントローラーとの相性の点ではあまり意味はありません。ただしたまに、USBポートからの給電が十分でない場合もありますので、セルフパワーのUSBハブを経由することで問題が改善する場合もあります。

それでもうまくいかない場合は、USB拡張カード(ノートやスリムPCの場合はExpressCardやCardBusタイプ、デスクトップの場合はPCIeやPCIタイプなど、それぞれのPCに導入できるものを選ぶ)を導入して、それ経由でUSBに繋ぐ、という対策をお勧めします。

USB拡張カードは手持ちのものや安いもので構いません。どのカードなら確実に動くというのは言えないのですが、USB3.0対応の最新版より、USB2.0のみ対応のほうが、どちらかといえば問題が起きないと思います。

4)デバイスマネージャー上、正しく認識しない。黄色い!がついた「ほかのデバイス」が出現し、チューナーをUSBから外すとそれが消える。

システム環境によっては、自動的にデバイスとして認識してくれない場合が、特に昨年10月/11月版のドライバーバージョンからあるようです。またドライバー導入のタイミングを間違えてもこの状態になります。

その場合リンク先のように、手動での導入を試してみてください。

ただし通常は一度認識してしまえば安定的に認識するようになるはずですが、例えばPC起動のたびに認識不良が起きる場合、何らかのデバイスとのリソースバッティングが起きているか、上のUSBコントローラーとの相性問題が起きている可能性があります。

5)W3Uxなのに地上波1個、衛星1個のチューナーしか認識しない。あるいは最初は2個づつ見えているが、いつの間にか1個づつに減ってしまう。

6)チューナーを複数立ち上げていると突然ハングしたようになり、視聴できなくなる。信号強度は十分あるはず。

何かの理由で1系統しか認識していない、つまりデバイスとしてもう1系統の認識に失敗している場合があります。その場合デバイスマネージャーで見ると、数が足りなくなっていると思います。
W3Uxの場合、PCが何かの理由で異常終了して再起動した後に、W3Uxでもエラーを拾ってこの状態になるケースが報告されています。そういう場合は再度PCを再起動させても同じ状態のままになる事もありますので、PCが立ち上がった状態でUSBの抜き差しをおこなってみてください。
スリープ/休止後の復帰でもマザーボードの種類によって、この状態が起きることがあります。頻発する場合はdevconユーティリティをお試しください。

そうではない場合一般的には、電源容量不足の可能性があります。AC電源がきちんと接続されていることを確認してください。もし接続していてもそうなる場合は、AC電源の接触不良/あるいは故障の可能性があります。

AC電源が正しく繋がれていても、USBポートからの給電不足の場合にもこの現象が起きるようです。USBハブ経由の場合ハブのAC電源が外れていないか確認する/PCに直接接続してみる/もともとPC直に繋げている場合は別のUSBポートに繋いでみるか、逆にセルフパワーUSBハブを経由させてみる、などを試してみてください。

特に、ACアダプターの代わりにこういうケーブルを使って、別のUSBポートから給電させると配線はすっきりするのですが、本来のUSBの給電能力を超えて使うことになるため、給電不足から全部のチューナーを認識しなかったり、BSODが出ることがあります。そういう場合もセルフパワーUSBハブを経由させると改善する場合があります。

7)PX-BCUDをインテルの945Express(同じICH7の955/975あたりも可能性あり)のチップセットを使ったPCで動かそうとすると、「デバイスマネージャーでは正しく認識されているにもかかわらず」TvTestで”BonDriverの初期化ができません”とダイアログが表示され、視聴も録画もできない状態になる。

これは2chのBCUD/S1UDスレにあった情報ですが、別の方が同じ方法で問題解消していますので、同じ原因によって起き、解消しているものと思われます。

私自身よく理解できている訳ではありませんが、同じ問題の場合、以下の方法で問題解消する可能性があります。
(DirectXのモジュール"msvidctl.dll"がこのチップセットだとうまく導入されず、結果としてBDAドライバがうまく動かないのが原因とのことです。)
該当スレから転記しておきます。

・DirectX(Mar2009)を展開してBDAXP.cabを解凍
・中にあるMSVidCtl.dllをsystem32にコピーしてregsvr32
・中にあるwstcodec.infを右クリックインストール
http://social.technet.microsoft.com/Forums/en-ZW/w7itpromedia/thread/625c83c3-4dc0-41cd-b6da-157969c4178d#643d39ec-ff3c-4803-8509-9bb0e5d48af7
 にあるレジストリを読み込む(Tuning Space\7だけでもOK)

8)W3UxまたはS3UxをWindowsXPの環境に導入し、デバイスマネージャー上では一見正常に認識できている。(HDTV PX-xxxx USB BDA Driverときちんと表示されているし黄色い!マークなどはついていない。)
しかしTVTestで視聴しようとしても、「BonDriverが初期化できません」のようなエラーが出て動作しない。他に設定に間違いがないことも確認している。

WindowsXPの環境ではBDAドライバーの導入後、最初にUSBに挿して認識させる時に、リンク先のような手動の操作が必要です。
ここであまり考えずに「次へ」で送っていったりするとうっかり間違った指定がされ、ドライバーが完全に組み込まれず、結果上記のような状態になりやすいです。

現在既にこういう状態になっている方は、一旦USBから外した後、BDAドライバーをUnstall.batで削除して、再度Install.batで導入し、USBに挿してこのリンク先の手順で再度、デバイスを認識させてみてください。

9)パラボラアンテナは設置してあって(あるいは共用のものが引いてあって)BSはきちんと映るが、CSが映らない。

10)BSの多くのチャンネルは映るが、2011年10月や2012年3月に追加されたBS-19~23の新チャンネルでドロップが出たり、受信状況が悪い。(例えばグリーンチャンネル、イマジカBS、日本映画専門ch、釣りビジョン、Jスポ、ディズニー、D-Lifeのいずれかの受信状態が悪い。)

チューナー本体でそのような問題は報告されていませんので、電波がチューナーに来るまでの間、つまりアンテナやケーブル、分波器/分配器の問題と思われます。

①パラボラアンテナは古いアナログ対応のものだと、上記BS新チャンネルは(BSの中でも周波数が高いですので)受信状態が極端に悪化することが多いです。また、あたりまえのことですがより周波数が高く偏波も異なるCSは(BS/CS両対応のパラボラでない限り)まともには映りません。
どのようなパラボラか、ご確認されることをお勧めします。(パラボラ自体は高いものではありませんので、対応していない場合はこの機会に買い替えてみてはいかがでしょうか?設置工事費がバカにならない場合もありますが、受信条件さえ合えば自前設置も可能です。)

②アンテナ配線はしっかりしたケーブルを使って、無駄な引き回しは避けるのがお勧めです。しかしもっと盲点なのは、途中に何気なく噛ませた分波器、分配器、ブースターです。→コメントでいただいた例はこちら
これらは古いものだとBS新チャンネルやCSの周波数に対応しておらず、その信号だけ劣化させる(旧来のBSチャンネルは何故かきちんと映る)という原因になり易いです。
また古い物でなくても、安価な物、不良品で同じ現象が起きることが割とありがちです。
上記の現象が起きたらスペックや工事屋さんのいう事はあまり信用せず、自分でその辺の機器をバイバスさせたり、分波器の場合は別のものに交換したらどうなるかを試してみると良いと思います。

 

2.TVTest編

1)信号レベルが低すぎる。(地上波25dB、衛星13dB程度以上は欲しいところ) あるいは受信できない(0dBの)チャンネルが多すぎる。

一応、元の信号がきちんと来ているかどうかは、できるだけ他のTVやチューナーでも確認してください。

TVTestで表示されるdB値は絶対的なものではなく相対的なものなので、他のチューナー機種や異なる放送波と比較しても意味がありません。他の機種で30dBと表示されているものがPX-W3U3で25dBだからといって感度が悪いというわけではなく、逆にS1UDの地上波では60~80dBと表示されているのが普通の状態です。

W3Ux、S3Uxの場合は上記のレベルを大きく下回ったり、大きく上下しながら落ち着かない状態だとドロップが発生しやすくなりますので、同じ放送波で他のチャンネルと比較しながら、以下の調整をやってみてください。

地上波については、ISDB-T_LNA_Controlツールを4種類使って、最も良いものを選んでください。(ただしAUTOはあまり賢くないのでお勧めしません。) 信号レベルが低いからといって、Amplifier(増幅)を使えば良いとは限りません。表示されている信号レベルは絶対強度ではなくあくまでC/N比ですので、チューナーにとって適正な電界強度範囲より強くても弱くても、信号レベルのdB値は下がります。
PXシリーズは全般に、弱い電界強度よりも、強い電界強度で限界が早めに来るようです。
なお、ISDB-T_LNA_Controlツールはもう少し細かい調整もできます。地上波の局毎の受信状況が大きく違っていて、なかなか全部を網羅した最適な設定が見つからない、という場合は、こちらもご参照ください。
なお、BDAドライバーを更新したり、unstall.bat→install.batで再導入したり、あるいは別系のUSBポートにチューナーを繋ぎ直したりすると、このLNAやLNB給電ツールの設定がリセットされることがあるようです。そのような作業をおこなった場合はこれらのツールを使って忘れず再度設定をおこなうことを心掛けてください。(何度同じ設定をしても特に問題はありません。)

またBS/CSと地上波のいずれの場合も、家屋のブースターが強すぎたり、一部のケーブルテレビ経由のパススルー環境では信号が強すぎることがあり、その場合信号レベルが低く表示されて一部の局が受信できない/Dropが出ることがあります。これは外付けのアッテネーターを付ければ解消する可能性がありますので、該当しそうな方はご検討されると良いと思います。

また衛星・地上波いずれも言えることですが、

元のアンテナ端子が地上波とBS/CSの混合で来ている場合、まず分波器で分けることをお勧めします。PXシリーズのチューナーは混合入力でも不要な方はフィルターされる筈ですが、環境によってはノイズ源になり、C/N比悪化の原因にもなります。

安価なブースターの設置は、信号レベルの向上にはあまり効果がありません。上にあるように信号レベルは絶対強度ではなくC/N比が重要ですので、分配器を2、3段経由しても、質の悪いものでなければそれほど劣化するものではありません。むしろブースター自体がノイズ源になって、信号レベルが悪化する可能性があります。それらを既に使っている場合は、試しにそれらをバイパスして、チューナーを壁のアンテナ端子直結(ただし分波後)で繋いでみてどうなるか確認し、それが問題だと判った場合はケーブル配線をご再考ください。

また雷対策などでアンテナ線を、個人で買えるレベルのサージ防止装置へ経由させると、一挙に信号レベルが劣化することがあります。(理由は同じくノイズを拾うため。)これも使っている場合は、外してどうなるかご確認ください。アンテナに雷が落ちたらいずれにしろその程度では防げませんので、雷対策はアンテナの置き場所等で対策するか、建屋でのきちんとした設備を業者に依頼する、というのが賢明です。

2)W3UxあるいはS3U2で、ISDB-T_LNA_Controlツールのどれを使ってもほとんど信号レベルに変化がない。意味あるの?

3)W3UxあるいはS3U2で、自前でパラボラを立てているがBS/CSが全く来ない。LNB PowerSupplyツールを使ってアンテナに給電(LNB_ONを設定)しても同じ。

まずはこれらのツールがうまく働かない単純なケースなのですが、W3U2の場合は一時期(2011年10月中旬から11月中旬の間)、PLEX公式サイト上には誤ってW3U3用のツールがUPされていました。この時期にDLしたものを使っても何も効果は無いはずですので、思い当るかたは現在UPされているものを試してみてください。

またS3U2では2011年10月中旬以降、PLEX公式サイト上には誤ってW3U2用のものがUPされており、それを使っても同じく効果は無いはずです。現在の2012年10月版に至るまでこれは修正されていませんので、一応こちらにS3U2用に修正したツールをUPしました。これを使ってみてください。

以上は誤った機種用のツールを使ったために設定が反映されないというケースですが、正しいツールを使っても、現在のWindows(特にVista以降でWin7含む)では、UAC(ユーザーアカウント制御)機能が邪魔をして、上記ツール群によるレジストリの変更を弾いて操作を無効化しまうケースがあります。

それが疑われるときは以下の方法で、ISDB-T_LNA_Controlツール、およびLNB PowerSupplyツールを使うようにしてください。いずれも使うファイルが違うだけで同じ手順になります。

①LNA、LNBのいずれかのフォルダを開いた状態にしておいてください。

②Windowsのスタートボタンからすべてのプログラム→アクセサリ の順に選んで「コマンドプロンプト」の上でマウスを右クリックし、「管理者として実行」をクリックしてください。コマンドプロンプトが管理者権限で開きます。

Regentry1

③ ①のフォルダ上の使いたいツールを右クリックし、クリックしたまま②のコマンドプロンプト上に持っていき、そこでマウスのボタンを放してください。(ドラッグ&ドロップ)

Regentry2

④コマンドプロンプト上に①のファイルのパスとファイル名(xxx.reg)が表示されますので、該当コマンドプロンプト画面を最前面(Active)にし、Enterキーを押してください。

Regentry3

セキュリティの警告には「実行」、レジストリエディターの確認メッセージには「はい」をクリックしてください。

以上でツールで操作した内容が反映されるはずですので、動作を確認してください。

.

補足) 実際はこの"ISDB_LNA_Manual_Mode"はもっと細かな調整もできます。

試しに"ISDB_LNA_Manual_Mode_ByPass.reg"を右クリック→編集 でテキストエディタで開くと、以下の3つのパラメーターがセットされています。

"LNA_AUTO_CTRL"=dword:00000000 (AUTOでない場合は常に0)
"External_LNA_ON"=dword:00000000
"Internal_LNA_Level"=dword:0000000d

このうち"Internal_LNA_Level"の末尾2ケタは、16進数の00 から 17 までセットでき、大きくなるほど感度を上げる設定になります。

また、"External_LNA_ON"の末尾は0 か 1 にセットできます。細かいことは省略しますが、ここを0にして"Internal_LNA_Level"を0x00~0x17で段階的に上げていき、それでも足りなければここを1 にして改めて"Internal_LNA_Level"を0x00~0x17の間にすることで、更に感度を上げる調整ができます。

ちなみに提供されているLNAツールの設定では、

モード External_LNA_ON   Internal_LNA_Level
ISDB_LNA_Manual_Mode_Amplifier    1 0x17 (十進数の23:設定可能な最大値)
ISDB_LNA_Manual_Mode_Attenuation    0 0 (設定可能な最小値)
ISDB_LNA_Manual_Mode_ByPass    0

0x0d(十進数の13)

以上のような設定になっています。

まずはこの3種類で試してみて(大抵それで最適なところが見つかるのですが)局毎の受信状況の差が大きくてもう少し細かい調整をしたい場合、この"External_LNA_ON" と"Internal_LNA_Level"の値を手動でセットし、別名(例えば"ISDB_LNA_Manual_Mode_Test.reg")で保存し実行して、受信状況の変化を確認しながら調整を繰り返すことで、受信可能な局を網羅した最適な設定を探すことも可能です。

なお、BDAドライバーを更新したり、unstall.bat→install.batで再導入すると、このLNAやLNB給電ツールの設定がリセットされることがあるようです。その場合は再度、これらのツールを使って適切な設定をおこなってください。

4)DirectShowの初期化ができません のメッセージ

TVTestの 設定→一般 でデコーダの欄に、そのPCがDirectShowで使えないデコーダが指定されている場合に出るメッセージで、別のPCのTVTest環境をそのままコピーした場合によく出ます。その場合、そのPCで使えるデコーダを適切に選択してください。

Vista以降であれば、Microsoft DTV-DVD Video Decorderがデフォルトで付いてきますし、XPの場合はフリーでffdshow Video Decorderを導入する方法もあります。

またそれとは別のケースとして、今までPowerDVD10かそれ以前のバージョンに付属のデコーダ(CyverLink Video/SP Decorder)を使っている環境で、PowerDVD11以降にバージョンアップするとそれがデフォルトで使えなくなるために、このメッセージが出る場合があります。これはデフォルトで使えなくなっているだけですので、リンク先の方法で復活させて、デコーダとして再度選べば、また使えるようになります。

5)(CATVやフレッツテレビで接続している場合)パススルーでBSやCS110が来ているはずなのに、チャンネルスキャンしても有料チャンネルがスキャンできない。またTVRockの番組表取得でも、有料チャンネル分が一切取得できない。

本来スクランブルがかかっている有料チャンネルでも、電波が来てさえいればチャンネルスキャンや番組表取得はできます。しかしアンテナからではなくパススルーの環境の場合、キャリア側が契約が無い有料チャンネルは最初から信号を送りませんので、スキャンすらできない事になります。(特にフレッツテレビの場合。)

一応無料開放デーには無料開放分を送っている場合があります。またお試し視聴でも、フレッツテレビ経由の旨申し込めば送ってくるようになるはずです。動作確認する場合は、そういうタイミングを活用してください。

6)CATV環境だけどTVTestのチャンネルスキャンができない。

地上波CATVの場合、パススルー方式が受信の前提になりますが、「UHF帯域外」周波数変換パススルー方式、「UHF帯域内」周波数変換パススルー方式、同一周波数パススルー方式のいずれのタイプかを確認してください。チャンネルにC13-C63のように書いてあったり、VHF変換とか単に周波数変換パススルー方式と説明してある場合は大抵、「UHF帯域外」タイプです。

「UHF帯域外」周波数変換方式の場合、対象チューニング空間に「地上D(CATV)あるいはCATV、CABLE」を選んでチャンネルスキャンします。あとの2つの方式の場合は対象チューニング空間に「地上DあるいはUHF」を選択してスキャンします。

その上でもやはり上手くチャンネルスキャンができない場合、信号強度の問題がないか、確認してください。(特にCATVの場合は信号が強すぎる可能性があります。)

BS/CSの場合、トランスモジュレーション方式で来ている場合はどうにもなりません。フレッツテレビ等への切り替えか、自前でのアンテナ設置をご検討ください。

まれに現在でもBSが周波数変換パススルー方式で送られているCATV会社もあるようです。その場合はBSアップコンバータを購入すれば、通常のTVでもPXシリーズでも受信できるようになります。ただし工事と称して結構な金をとられたり、BS新チャンネルには対応していなかったりする場合、自前でアンテナを立てたりフレッツを引くほうがリーズナブルな場合もありますので、よくご確認ください。

自前でのBS/CS110アンテナの設置については、南向きに空が開けた手摺付きの窓やベランダがあれば割と簡単(但し仰角も取り付け時に多少調整するのがお勧め)ですし、アンテナ自体も数千円でスカパーe2の1ヶ月優待が付いている場合もあります。壁にアンテナを通す穴がなくて、と躊躇される方もおられるかもしれませんが、そういう場合サッシケーブルで窓の隙間から簡単に通すことができます。(何を隠そう、ウチもそうしてます。。)

7)BonDriverの切り替えやチャンネル切り替えの時に、B-CASカードの初期化に失敗しましたというメッセージ、あるいは下のS(スクランブル)の数字が急激に増加し始め、画面に何も映らなくなる。

「CardReader_PX.dllをBonDriverxx.scardにリネームする方法」を使っていませんか?現在ではFakeWinSCardを使う方法がお勧めです。これを使えば同等以上の事ができるうえ、この現象もほぼ起きなくなっています。

8)64bit版のTVTest(あるいはEDCB)が使いたいが、64bit版のBonDriverがない。

過去の記事ではご紹介していませんが、Spinelを使って、64bit版のBonDriver_Spinelを使う方法があります。(この場合でもSpinel本体は32bitです。)

9)CSスカパーe2を契約済み、あるいは無料期間中で、視聴は正常にできるようだが、下のステータスバーではS(スクランブル解除エラー)の数字がどんどん増えている。大丈夫か?

Spinelを使って「Spinel側でスクランブル解除+TVTest側ではスクランブル解除しない」という設定にしているか、あるいはTVTestで「現在のサービスのみスクランブル解除する」をチェックしていない場合に、起きる現象です。

その場合視聴中のサービスのみではなく、同じチャンネル上の全サービスをスクランブル解除しようとしますので、その中に契約していない(および無料開放していない)サービスがあると、その分のスクランブル解除に失敗し、その数字がカウントアップされていきます。

特に悪さをするわけではありませんので、Spinelでスクランブル解除している場合は気にすることはありませんが、TVTestでスクランブル解除しているにもかかわらず「現在のサービスのみスクランブル解除する」をチェックしていない場合は、(意図してそうしてるのでなければ)チェックしておいてください。(ここここの2か所です。)

10)1台のW3Ux内・地上波2チューナー(T0、T1)で、片方で視聴/録画を開始したりチャンネルを切り替えるとき、もう片方のチューナーが視聴/録画中だと、そちらにDropが出たり画面が乱れることがある。

①感度調整(LNA_Control)ツールがAUTOの設定になっていないかチェックしてください。AUTOに設定したつもりはなくても、導入以来一度もLNA_Controlツールを使っていなければ、ドライバーのデフォルト値はAUTOになっています。

この設定がAUTOだとT0、T1共通の感度を調整してしまうので、片方のチューナーで受信を始めたチャンネルの信号強度が不適切とシステムが判断して、感度調整を自動的にやってしまうと、それにもう片方のチューナーも引っ張られて受信状態が変わってしまい、上記現象が起きやすくなります。こういう意図しない動きをする事がありますので、AUTOは使わないのがお勧めです。

なお、BDAドライバーを更新したり、unstall.bat→install.batで再導入すると、このLNAやLNB給電ツールの設定がリセットされることがあるようです。その場合は再度、これらのツールを使って適切な設定をおこなってください。

②現状W3Uxがほぼ唯一持っていると思われる(個体不良やPC環境との相性問題ではない)既知の問題として、地上波の18-19ch問題というのがあります。

これは片方のチューナーのチャンネルが地上波UHFの18ch、あるいは19chへ/から切り替わる際、もう片方で視聴/録画中の地上波映像にDropが発生する場合がある、というものです。

首都圏のようにこのチャンネルを地上波が使っていない場合は気にする必要はありませんが、このチャンネルを使って視聴している地域で絶対にDropを発生させたくない地上波の録画がある場合は、その録画をしている間は該当のPXチューナーのもう片方の地上波チューナーにもバックアップを兼ねて意図的に同じ番組を録画させる、等によって、他の録画/視聴を割り当てないような運用にするのがお勧めです。

11)CS視聴で画面がカクつく。(特に内蔵カードリーダを使っている場合や、E350/450やATOMなど性能の控えめなCPUを使っている場合に発生しやすい現象。)

CS視聴では観たり録ったりしているチャンネルだけではなく、同じ電波(トランスポンダ)の中に複数のチャンネル(サービス)が、多い時には9個乗っています。

これらはTVTestなどをきちんと設定しておかないと、録画やスクランブル解除もまとめてされてしまいますので、スクランブル解除のBCAS処理の負荷が予想外に増え、画面がカクついたり、Dropが発生することがあります。(特に性能の控えめなCPUと、内蔵カードリーダーの組み合わせの場合、1チャンネルの視聴/録画だけでもカクつくことがあります。)

TVTestで「現在のサービスのみスクランブル解除する」を設定しておけば、スクランブル解除は視聴/録画中のチャンネル(サービス)のみに行われるようになりますので、この現象は回避できます。→設定する場所はこちらこちらの赤丸部分

また、Spinel経由で視聴していて同様の現象が起きる場合は、Spinelでは「現在のサービスのみスクランブル解除する」という設定ができませんので、Spinelサーバー側でスクランブル解除するのではなく各TVTest側でスクランブル解除するように設定変更すれば、この現象は解消されます。→設定方法はこちら

Spinel側でスクランブル解除するやり方もそれなりのメリットはあるのですが、CSがカクつく現象が起きた場合はこの対処をされると良いと思います。(Spinelを使う場合、内蔵カードリーダーでCS 2ts以上、外付けカードリーダーでSandyBridgeクラスのCPUの場合でもCS 3ts以上になれば、この対処をお勧めします。)

12)地デジから地デジ、BS/CSから地デジのチャンネル変更がスムーズに出来ない。視聴の時は何度かリトライすればやっとチャンネルが切り替わるが、予約録画ではそうはいかず、予約したチャンネルでの録画が失敗する。

これは別記事でいただいたコメントをそのまま転記したものです。(koufukuteiさん情報有難うございます)

地デジの感度調整ツール(ISDB-T_LNA_Controlツール)がAUTOの設定になっていると、この状態になることがあるようです。こういう事もありますので、AUTOの設定は使わず、必ずManual_Modeのどれかを使うようにしてください。

なおAUTOの設定にしたつもりはなくても、使っているマシンで一度もISDB-T_LNA_Controlツールを調整したことがなければ、デフォルトでAUTOの設定になっています。その場合はリンク先の手順に従って、ISDB_LNA_Manual_Mode_ByPass.reg 等を実行してみてください。

また、BDAドライバーを更新したり、unstall.bat→install.batで再導入すると、このLNAやLNB給電ツールの設定がリセットされることがあるようです。その場合は再度、これらのツールを使って適切な設定をおこなってください。

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その他、TVTestのヘルプファイルの「補遺」の中に一般的なFAQやTipsがありますので、ご参考にしてください。

3.Spinel編

1)Spinelモニター上ではチューナーは空いている筈なのに、「クライアントの接続を拒否しました。チューナのオープンに失敗しました。」のメッセージが出る。

デバイスマネージャーでチューナーが全て正常に認識されているかどうか確認してください。Spinelモニター上には、\Spinel\BonDriver下に正しいネーミングルールでBonDriverが配置されていれば、とりあえずBonDriver個数分のチューナーがあるかのように表示されます。TVTest等が接続要求してくると、順番に使えるチューナーから割り当てていきますが、割り当てられるチューナーがなくなると上記のようなメッセージが表示されます。例えば衛星チューナーが2個定義されているのに1個しか認識されていなければ、最初の接続要求先がPXW3U2/0/S/0でもPXW3U2/0/S/1でも、使えるチューナー1個が割り当てられますが、それが接続されている最中に2番目の衛星チューナー接続要求が来ると、このメッセージが出ます。

2)B25Decoderの初期化に失敗しました、のメッセージが出る。

Spinel.iniで、DescrambleControlを 0 以外に設定してある場合、\Spinelフォルダには正しいB25Decorder.dllを置いておく必要があります。もしこれが見つからなかったり、正しくないB25Decorder.dllが置いてある場合(例えばBonCasClient専用のものをBonCasClientがない状態で置いてある、などの場合)に、このメッセージが出ます。

そもそもSpinel側のスクランブル解除機能を使うつもりが全くない場合は、DescrambleControl = 0 の設定にしてください。
また、DescrambleControl=2と設定してある場合、「クライアント(BonDriver_Spinelxx)側からスクランブル解除の要求がない限りSpinelはスクランブル解除しない」という動きになるはずですが、その場合でもクライアントの接続要求の度に、BCASカードの有無だけは確認するようです。その時にSpinel(のフォルダにあるB25Decorder)がアクセスできるBCASカードがない場合にも、このメッセージが出ます。
その動きの範囲内であれば特に悪さはしないので、気にしなくても良いと思います。

3)Spinelが高負荷時や録画開始/終了時に落ちることがある。

(Spinel側のスクランブル解除機能を使う場合)、B25Decorder.dllは最新版Ver2.20(Multi2Decの最新版Ver2.10に付属)ではなく、この用途にはやや古いバージョンVer2.14のほうが安定しているという話が以前ありましたが、現在のSpinelではこの問題は解消されているようです。(念のため Ver2.14についてはオリジナルのMulti2Decはアーカイブから消えていますが、少し前のEDCBのパッケージに入っていますので、もし気になる時には試してみてください。例えばここのEpgDataCap_Bon(人柱版9.4x)の中。

http://rumi.dip.jp/2sen.dip.jp/cgi-bin/friioup/upload.cgi7page=0&lm=10000

状況変わらなかったり却って問題が出る場合には元に戻してください。)

別の話として、経験上はSpinelモニターは迂闊に表示させず、タスクトレイに最小化したまま触らない方が良いようです。

4.TVRock編

1)tvrock 番組表が歯抜け状態になる。

①歯抜けになっているのがCSの場合、CSのチャンネル改編を見過ごしていませんか?特に2012年中はこの改編が多く、見過ごすと該当チャンネルの番組表が歯抜け状態になるだけでなく、視聴しようとしてチャンネルを選んでも即座に別のチャンネルに切り替わってしまい視聴すらできない、という状態になりますので、こちらの記事を時々チェックして、更新があったら忘れず手順に従って反映してください。

②番組情報取得のタスクには十分な時間を取っていますか?インテリジェント→番組情報取得で走るタスクは30分しかありませんので、衛星では全く足りず、地上波でも(関東地区のようにチャンネルの多い地域であれば)少し足りないと思います。 地上波に1時間程度、BSだけなら3時間程度、BS+CSなら6時間程度取ったタスクにして、定期的に走るようにしてください。同じ放送波に複数チューナーが使える場合は、高速化機能を使ってこの時間を短縮することもできます。

③Spinelでスクランブル解除をおこなっていると、マシン環境によっては特に衛星でスクランブル解除の負荷(時間)が重くなり、番組情報取得で失敗が頻発して、歯抜け状態になることがあります。そのケースではスクランブル解除はSpinelではなく、TVTestでおこなうように変更してください。この辺に解説があります。

④またSpinelを使っていなくても、TVTestで「現在のサービスのみスクランブル解除する」(ここここの2か所)をチェックし忘れていると、②と同じ理由でスクランブル解除の負荷が重くなって、衛星放送の番組表が歯抜け状態になることがあります。意図的に他サービスを同時録画したい場合を除いて、「現在のサービスのみスクランブル解除する」は必ずチェックするようにしてください。

⑤BS/CSでフレッツテレビやCATVのパススルーで受信していると、契約していない有料チャンネルは最初から信号が来ていない事があります。その場合も該当チャンネルが歯抜け状態になります。

⑥もっと基本的な問題になりますが、受信状態が悪いチャンネルについては、番組表取得も失敗しやすいです。単に視聴するだけであれば多少ドロップが出ても(ときどき画面が止まったりモザイク状になることはあっても)受信自体はできるのですが、番組表受信時はきちんとデータチェックを行うらしく、エラーデータがみつかると受信した番組表をまるごと破棄するロジックがあるようです。

これについてはできるだけドロップのない受信環境にすること、もし(昼と夜など)時間帯によって受信状態が良化/悪化することがあれば、できるだけ受信状態の良い時間帯に番組表取得をスケジュールする、というくらいしか回避策はありません。

2)定義していないチャンネルが幽霊のように増えている。

インターネット上のiEPG対応番組表、例えばテレビ王国などでiEPGボタンを押すと、TVRock自身はiEPG対応していますので該当の番組が一応予約されます。しかしチャンネル情報はTVRockのものと合っていないため、そのままでは正しく予約録画は走らず、しかもiEPGで受け取ったデータに含まれるチャンネル情報で、あたかも地上波の新チャンネルがあるかのようにどんどん登録されてしまいます。iEPGは使わないのが無難です。

3)TVRock 番組表が重複する。

新BS対応などでチャンネルエディターを弄った後、録画予約済のデータの中に変更前のチャンネル情報が残っていると、そのチャンネルが復活して、重複したような状態になることがあります。私自身のお勧めとしてはそのような状態にならないよう、チャンネルを弄る場合は一旦チャンネルエディターで旧チャンネル一式を削除した後、DTune.batを使って改めて定義する方法をご案内しています。リンク先では例としてBS,CSの全chを編集していますが、地上波chを編集する場合は、該当の地上波ch一旦削除したのち編集する形になります。

この手順だと録画予約済のデータの中の該当チャンネル欄は一旦消去されてしまいますので、あらかじめ作業前に予約一覧を印刷等しておいて、作業後に再設定することになります。その分の手間はかかりますが、少なくとも重複チャンネルや意図しない予約データのゴミは残りません。

またキーワード予約を使っている場合は、新しく設定したチャンネルで自動登録されていきますので、実質上それほど手間にはならない、というのが実感です。

4)TVRockでCATV・周波数変換パススルー方式の地上波を定義する。

以下はCATVで地上波が「UHF帯域外」周波数変換パススルー方式の場合、すなわち「TVTestのチューニング空間でCATV(CABLE)と付いているものを選んだ場合」の追加手順です。

「UHF帯域内」周波数変換パススルー方式の場合、①は必要ありません。②では「チャンネル」欄に単純に、TVTest設定→チャンネルスキャン の「チャンネル」の数字を入力していってください。

①\TVTest\PluginにあるTvRockOnTVTest.iniを編集。例えばTVRockの地上波チューナーが1番目(A)と3番目(C)に割り当てられている場合を例にすると、

[DID_A]

TerrestrialIndex=1

[DID_C]

TerrestrialIndex=1

を書き加える。(A、CはTVRockのチューナー定義に合わせて変更。また、[DID x]が無いものについては追加する。)

②DTune.bat実行時に、地上波のチャンネルを該当地域に合ったものを選んだ後、それぞれの「チャンネル」欄に、TVTestの設定→チャンネルスキャン の結果の「番号」の数字に13を足したものを入力していく。

参考→http://skrr69.blog88.fc2.com/blog-entry-1175.html

5)録画したtsファイルをWindows Media PlayerやPowerDVDなどで再生すると、ワンセグ画質の汚い映像になる。

6)衛星放送を録画したtsファイルをWindows Media PlayerやPowerDVDなどで再生すると、録画したはずの番組ではなく、別の番組が再生されてしまう。

ワンセグを一緒に録画していたり、衛星放送でチャンネル上の全サービスを一緒に録画してしまっているためです。これらのプレーヤーでは、どのサービスを再生するかを指定できないため、ものによっては意図しない映像が再生されます。それら余分なものを最初から録画しないようにするには、TVTestで「現在のサービスのみ保存する」をチェックしてください。

既に録画したtsファイルについては、「TVTest+BonDriver_FileまたはTvtPlay」で再生すれば、右クリック→サービスで、再生するサービスを選択できます。また不要なものを消したければ、TsSplitterを使ってHD映像のみ抜きだしたり、衛星放送のサービス毎にファイルを分けることが可能です。

ただし衛星放送で、こうしたプレーヤーを使って再生したりファイル分割をしてみてもどこにも目的の番組が存在しない場合、録画開始時のチャンネル切り替えが失敗していると考えられます。可能性としては、リンク先と同じ原因によって、録画開始時にスクランブル解除が一斉にスタートすることにシステムが追い付けなくなったのかもしれません。そうするとチューナーがハングしたようになって、チャンネル切り替えに失敗することがありえます。(私の環境でも過去に遅いPCでそうなったことがありました。) 思い当る場合はリンク先と同じ対策をして、スクランブル解除の負荷をできるだけ下げるようにしてください。

7)キーワード(自動検索予約リスト)で予約録画しているが、同じ番組を二重に録画していることがある。

8)キーワード(自動検索予約リスト)で予約録画しているが、同じ時間帯に地上波、あるいは衛星チャンネル同志の録画が重なると、チューナーの空きはある筈なのに片方が録画されない。

予約リストで見ると両方の予約に同じチューナーが割り振られた上で、片方がグレーアウトしている。

自動検索予約リストにある各レコードを見て、図の赤丸の部分のようにチェック状態を変えて、「自動検索予約変更」を押してください。

Tvrockautoserch_2

具体的には、「既に予約されている番組は登録しない」をチェックしておけば、別のキーワードや手動で既に番組が録画予約されている場合、二重に録画予約されることはありません。

一方、「録画優先度無効」がチェックされていると(デフォルトではそうなっています)、同じ時間帯に同系の放送波で録画が重なる場合でも、代替のチューナーを割り振ってくれません。

したがって「録画デバイス」を優先デバイスと設定した上で、ここのチェックは外しておいてください。そうしておけば、TVRockの設定→(各)チューナー の設定で、「連携録画(予約振り分け)」第一候補以下にある代替チューナーに、予約を割り振ってくれます。

9) 沢山録り貯めた映像ファイルを管理するソフトはないの?映像ファイルはサイズも大きいのであちこちのHDDやサーバーに保管したりH.264圧縮したりしてるけど、後から観たい番組を探すのが大変。

ホワイトブラウザ(WhiteBrowser)のご紹介記事を書きましたので、ご参考にしていただければ幸いです。

Whitebrowser

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その他、TVRockの一般的なFAQは有志が作成されたものがありますので、こちらをご覧ください。

2012年1月 1日 (日)

プレクスグランプリについて

明けましておめでとうございます。

昨年は景気が回復しない中での震災、それに起因した原発の問題、また個人的にもいろいろあった1年で、これらは年が明けたからといってクリアされたわけではありませんが、今年はこういったことが少しでも良い方向に進展していき、新しい夢が見られる1年になってほしいですね。皆様にとっても今年が良い年でありますよう、心から祈念申し上げます。

さて、当Blogでたびたび記事にしている地デジ&BS/CS 3波チューナー PLEX PX-W3Uxを活用したシステムで、昨年末にPLEX主催でやっていたコンテストに応募してみたところ、グランプリをいただきました。

Plexaward

システムは屋外水冷系も含めて、このBlogを書き始めたところから少しづつ作ってきたものの一部で、コンテストのために特に何か変えた訳でもありませんが(というか、狙ってそのために時間をかけてしまうと、後になってなんじゃこのマシンはと疲れが来ますので。。以前はそうでした^^;)そんなこんなでそれなりの評価をいただいたことに、素直にお礼を申し上げます。

Plexaward2(月刊iP! 2月号より)

Ipad1_2

まあこの手の選定は主観と時の運があり、応募された方にはなぜこのマシンが!という感想もあるかと思いますが、(実際、私は夏に参加したパワレポコンテストの運営と不透明な結果のgdgdぶりにはいろいろ書きたいこともあったのですが・とりあえずZOTACさんの賞もいただいたので忘れています。) 今回は多分この手のギミックが好きなスタッフの方がいたんでしょう。違った場所のものならまた違った結果になったと思いますので、今回は私にツキにご容赦を。

当Blogも明日で開始1年になりますが、最初は知り合いか好き者が見てくれればいいやと思っていたもののPV数ももうすぐ10万となり、ようやく人並のサイトっぽくなりました。

やはりデジタルTV関係は、特にts抜きになると皆ネットが頼りになるわけで私の所へのアクセスも多く、一方水冷PCとかはごく一部の好き者(失礼・褒め言葉です)向けらしいアクセス数(DTV関係の1ケタ落ち程度)ですね。でもそれにお構いなく、今年も好き者狙いのコンテンツも増やしていきたいと思いますので、また1年、何卒宜しくお願い申し上げます。

2011年12月14日 (水)

PLEX PX-S1UDは遊べるか?

PLEXからUSBドングル状の地デジチューナー PX-S1UDが発売されています。

さっそく先週末に秋葉原に立ち寄った際に、1個買ってみました。

S1udpackage

ホームページ上ではまだ発売予定になっていますが、現在秋葉原のTWO TOPやFaithのいわゆるユニットコム系で、先行発売になっています。(12/19追記:ホームページ上でも正式発売になったようです。)

PX-W3U2のようにこのままこの系列で売られていくのか、それともW3U3のように代理店のMVK扱いで広く販売されるのか、まだ良く判りませんが、カバンのちょっとしたポケットに入るサイズでプレゼントにも手頃な価格ですので、広く店頭に並べば、ボーナス&クリスマス商戦でもちょっとした人気が出るかもしれません。

箱を開けてみました。PLEXチューナーとしては例外的に(笑)ドライバーのCD-Rと導入マニュアルが付いています。

S1ud_package

早速ドライバーを導入してみると、今までのPXシリーズとはだいぶ毛色が違うようです。
デバイスマネージャーの表示

Sianoinf

こちらはW3U2

Aciseninf

こうなると中身はどうなっているか気になってしまうのが元理科少年の性というもの、ドングルの隙間にマイナスドライバー(小)を差し込んで軽くグリグリしてみると、簡単に殻が開きました。

Insidedong

イスラエルに本拠を置く(といいつつ、マニュファクチャリングは中国の)Sianoのワンチップ・フルセグチューナーを使っています。

http://www.siano-ms.com/index.php/products-a-solutions/isdb-t-receivers

W3U2など今までのPLEX販売のチューナーはASICENの暗号化モジュールとコントローラーを中心とした製品でした。

チューナーにカードリーダーを内蔵する場合、暗号化のロジックは必須ですので、(まあ、それがまっとうな国内仕様のTVチューナーの形になりますが、)小さいとはいえ結構多くのチップを組み込むことになります。しかしその辺をそぎ落とすと割り切れば、Sianoのモジュールのように、暗号化関連のロジックを入れず、また地デジ1チューナーに絞ることで、(日本ではあくまでTVチューナーではなく研究用モジュールの位置づけになりますが)ワンチップ化したシンプルな基板で、ドングルサイズに小型化できることになります。

また、地デジのISDB-Tだけであれば日本以外にもブラジルや東南アジアに市場(しかも、コピー制御の前提がない)がありますので、このチップはその辺も睨んで作られているんじゃないでしょうか。つくづく、TVにPCアプリとしての制約も境界もない国がうらやましいです。。

Sianoはこの下位機種としてワンセグのチップも出しており、こちらはいくつか日本でも出ている商品がありますし、また(ワンセグの中でも)生のtsを出してくれるチューナーということで、一部で人気があります。

http://www47.atwiki.jp/cvoc-e121/pages/15.html

今回のチューナーが実はLinux上同じドライバーで動いて、6本組にして「Linux版24時間ワンセグ野郎」で使えたりするとちょっと楽しいのですが、

http://pocketnews.cocolog-nifty.com/pkns/24/index.html

たとえ使えたとしてもコスパ的に少しどうかなというのと、今Linuxで検証する気力は私にはありません。。誰か検証してくれないかな。。

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1.実際にどう使うのか

1)(一番標準的な考え方として)自分の家でアンテナケーブルに繋げ、USBカードリーダーにBCASカードを挿して使う。

これは一番簡単な使い方です。派生型として、既にts抜きチューナーの視聴環境が作ってあれば、そのスマートカードリーダーを(あるいは内蔵リーダーをFakeWinSCardのようなツールを使って)共有する形で、地デジ追加チューナーとして使う、というのもあります。

考えてみると、自分では2年前にBS/CS110のアンテナを自前で立てて有料放送に加入してから、そちらを観ることのほうがずっと多くなりました(というか、もともと地上波をあまり観なくなっていました)ので、地デジオンリーのチューナーにはあまり価値を感じていませんでしたが、一般的には地上波の録画ができれば十分という方も多いと思います。

あるいはCATVでBS/CSが受信できてもトラモジで来ていると、PT2やW3Uxのように衛星チューナーが付いていてもどうにもなりませんので、地デジだけは自由な録画がしたい、必要になったら2個3個と簡単に増やせるようにしたい、それに絞ったコンパクトなチューナーが欲しい、という方もおられるかもしれません。そういう場合にも手軽に使えます。

2)フルセグのまま持ち運ぶ

とはいえせっかくの小型チューナーですので、歩きながらとは言わなくても、出張先やオフィスや学校での息抜きに、ノートPCなどに挿してちょっとしたアンテナを使って、きちんとフルセグで観たいというニーズもあると思います。(実際、私はこんなのが出るとは知らず、以前出張用にW3U3を買い足してしまいました。。→記事 今回の購入理由もこの辺です。)

また実際に測ったわけではありませんが、昨夜ずっとこれを上げっぱなしにしていても、殆ど熱を持っていませんでしたので、消費電力もかなり低く、ノートPCの電源も長持ちすると思います。

ただ、これを外で使うために、USBカードリーダーとBCASも一緒に持ち歩けば良いのですが、カードリーダーはかさ張りますし、大抵(私はそうなのですが)いざ観たい時に限って、家に忘れたことに気が付くことになる気がします。

そういう場合、(もちろん禁断のNetCASという方法もありますがそれは禁じ手として)以前このBlogでご紹介したBonCasLinkをVPNと併用して、家のBCASに外からいつでもアクセスできるようにしておくと便利だと思います。ただそのためには、DDNSを取得して家へのVPNアクセスの環境を作る必要がありますので、1)より少し構築の手間がかかります。

アンテナは、普段チューナーと一緒に持ち歩けるサイズにしたいですね。更にそこらにある材料を拝借してアンテナ自体をさくっと作成して、それで平然とTV見だしたりすると、何だか宇宙人から地球を救ってくれる技術者みたいで、格好良いかもしれません^^; 

ただビルや建物の陰になっていたり建て込んだ場所の場合は、UHF電波は壁などの障害物で急速に弱まりますので、できるだけ窓の近くに持って行って微妙な調整をする必要があり、その上でも全部のチャンネルは映らないことが多いです。(あるいはそういう場所では、壁のアンテナ端子を探して拝借したほうが速い?)

3)ワンセグと使い分ける

妥協の産物かもしれませんが、家や腰を落ち着けられる所ではフルセグチューナーとして使って、そうでない所ではワンセグチューナーとして使う、というのが最も便利な気がします。ワンセグチューナーで使うならカードリーダー(BCAS)も必要ありませんし、簡易なアンテナでフルセグではドロップ多発の場合でも、普通に観られる場合も多いです。

単なるワンセグチューナーであれば2,000円前後で同じようなサイズのものが売っていますがS1UDの場合、ワンセグでもts抜きができますし、普段は本格的なフルセグts抜きチューナーとして使える、というのが特長になります。

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2.設定について

さて、以上のような使い道を考えましたので、それぞれの設定を簡単にメモしたいと思います。

なお、S1UDの発売当初はSpinel上でこれを使うことはできなかったのですが、Spinelの新版(version 3.6.1.1)にてS1UDに対応していただきました。定義体もデフォルトで含まれています。(2012/4/7追記)

Spinelを使う場合は、PX-BCUD関連と併せて後日記事を追加しました。LANでS1UDを共有して使いたい、あるいは既存のSpinel環境に追加して使いたい場合など、これをSpinelで活用したいかたは、そちらの手順を参照していただければと思います。

ここではS1UDを手元のPCで利用する、あるいはPCとS1UDを持ち運んで利用できるようにしたい、といった場合の手軽な使い方(Spinelを使わない手順)をご説明します。

一応お約束の前提として、Microsoftのランタイム類を導入しておきます。(既存のTVTest環境にS1UDを追加する場合は不要です。)

 Visual C++ 2005 SP1 再頒布可能パッケージ (x86)

 Visual C++ 2008 SP1 再頒布可能パッケージ (x86)

 Visual C++ 2010 再頒布可能パッケージ  (x86)

をそれぞれクリックして、表示された画面で「ダウンロード」をクリックし、「実行」して導入してください。

Cppruntime2005

この画面では「はい」と答えれば導入されます。また「修復」「アンインストール」二択の画面になる場合は既に導入済みですので、「キャンセル」を選んで導入を終了させてください。

1)自分の家で使う

①TVTest最新版こちらから S1UD用BonDriverこちらからダウンロードします。(既にTVTestを導入済の方は、BonDriverのみで大丈夫です。)

なおTVTestは上記リンクからダウンロードできない時は、こちらにアーカイブがあります。

TVTestを適切な実行用フォルダ(仮に\TVTestというフォルダ名とします)に解凍して、その中に解凍したS1UD用BonDriver(BonDriver_Siano.dll)を入れます。

(既に導入済のTVTestにこのチューナーを追加する場合は、既存のTVTest実行用フォルダにBonDriver_Siano.dllを入れてください。)

PX-S1UDにアンテナを繋いでUSBスロットに挿した上で、パッケージ添付の手順書を使って、デバイスドライバーを導入してください。なお最新版のデバイスドライバー 2012/2/4 版が以下のリンクにUPされています。これをダウンロード・解凍したものを使ってください。

http://www.plexshop.jp/shopdetail/023010000098/

なお、Windows8 (64bit)環境に導入する場合は、現時点ではドライバーの導入で署名回避の手順が必要です。リンクの記事をご参照ください。

ちなみに、ドライバーを過去の既に一度CDから導入している場合は、単に「ドライバーの更新」では最新バージョン(ver.1.0.1)に更新できませんので、デバイスマネージャー上でドライバーを一旦「削除」してから、手順書に従って「ドライバーソフトウェアの更新」で、上記フォルダから再導入してください。正常に導入できれば、のように認識されるはずです。

さて、既存の環境にS1UDを追加される方は良いとして(→次の手順へ進んでください。)、今回ts抜き環境を初めて導入される方は、BCASカードと、それ用のスマートカードリーダーを確保する必要があります。(初めてじゃないけど既存のものとは別に確保して、S1UDと一緒に持ち歩きたいという方にも必要ですね。)

なお、netcasなど代替のwinscard.dllを使う場合は、\TVTestフォルダにそれを入れることになります。その場合を除けば、今リーダーとカードが手元にない場合、ちょっと余分な出費になりますが、1セット手に入れておけば、今後衛星チューナーや2個目以降のチューナーを増やしていく際にもずっと使えます。

BCASカードは青いタイプを用意してください。(もちろん赤でも可)。CS液晶テレビでググると赤BCAS付きの液晶TVがいろいろ出てきますが、手元に余っているものがない場合は、この辺を参考にして入手することになります。(青タイプはたまに秋葉原の路上で数百円で出ていることもあるらしいですが、そのために探し回ったり、怪しげなショップやオクで高いものを購入する必要はありません。) BCAS社で手続きされる場合、費用も変わりませんので後日のために、赤BCASカードを入手されるのが良いと思います。また、USBスマートカードリーダーを入手される場合は、このBlogのPX-W3U2の記事の最初のあたりに、どのようなものが必要かを簡単に解説してあります。

またはコメントでいただいた情報の請け売りですが、、もしmini B-CASカードを入手できるなら、以下のようなドングルサイズのカードリーダーが使えるそうです。これだとS1UDと一緒に持ち歩くのに良いですね。(ただし当方ではmini B-CASがなく検証しておりませんので、自己責任で)。

http://item.rakuten.co.jp/donya/87692/

と思っていたら、プレクスさんも出していますね。ドングルサイズよりちょっと大きめのようですが、BCASカードのサポートも明記してありますので、ご興味あれば。→PX-ICCR06

なお、BCASカードとリーダーがまだ準備できていない間でも、とりあえずこちらの手順で、S1UDをワンセグチューナーとして使うことが可能です。

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次に、以下(a)~(c) のいずれかの方法で、S1UDを使うソフトウェアがBCASカードにアクセスできるようにします。 ただし netcasなど代替のwinscard.dllを\TVTestフォルダに入れる場合これらは関係なくなります。

 (a) USBスマートカードリーダーをPCに接続して、BCASカードを挿してある状態にしてください。(他のチューナーで使うために既に接続してある場合は、そのままでOK)

 (b) 既にPX-W3Ux、S3Ux、もしくはW3PEを内蔵カードリーダーで使っている場合は、FakeWinSCardを導入して、WinSCard.dll以下の3つのファイルをTVTestのフォルダにコピーしておいてください。これで既存の内蔵カードリーダーをスマートカードリーダーとして、S1UD環境からもアクセスできるようになります。(FSUSB2等を既にお使いの場合も、類似の手順がありますので、ご確認ください。)

 (c) (a)(b)いずれの場合でも、S1UDをBCASカードが今繋がっているPCとは別のPCで使いたい場合、BonCasLinkを設定してください。両方のPCが立ち上がっていることが前提になりますが、LANを経由してBCASカードにアクセスできるようになります。

\TVTestフォルダにある TVTest.exe をダブルクリックしてください。すると初期設定画面が出ますので、図のように選択(入力)します。

Tvtestinitsiano

(デコーダは7/Vistaであればこのように選べるはずです。Winodws8の環境や、XPで選択できるものがない場合は、リンク先をご参考に「ffdshow Video Decoder」などを導入して、ここで選択ください。)

(もし既存のTVTest環境にS1UDを追加する場合はこの画面になりませんので、TVTest画面左下でBonDriver_Sianoを選び、次に画面右クリック→設定で下のチャンネルスキャンの画面に進んでください。)

フォルダを作成しますか?に「はい」と答えると、図のようになりますのでこれにも「はい」と答えます。

Scansrart

チャンネルスキャンの画面になりますので、「対象チューニング空間」で、アンテナの環境に合わせて地デジか地デジ(CABLE)をセットし、「スキャン開始」をクリックします。

Tvtestscansiano

数分で地上波のスキャンが終わります。

Tvtestscansianoe

残りの作業として、この画面左にある「一般」「録画」のタブを順に選んで、リンク先の赤い丸印のように設定してください。これは録画にワンセグが混じったり、不要なスクランブル解除で負荷がかかることを防ぐためです。

以上で設定は終わりです。「OK」をクリックしたのち、TVTest画面右上のTvtestxをクリックして、一旦TVTestを終了させてください。

次に \TVTestフォルダあるTVTest.exeを右クリック(ドラッグ)したままデスクトップにカーソルを動かし、

Tvtestdand

そこで放す(ドロップ)すると、図のような選択枝が出ますので、「ショートカットをここに作成」を選択します。

Tvtest_making

これでデスクトップに図のようなアイコンが出来ます。

Tvtest_2

これをダブルクリックすればTVTestが起動します。これでTVの視聴と、簡単な録画ができるようになります。

TVTest画面下(ステータスバー)にある「録画」ボタンを左クリックすれば、視聴中の映像をそのまま(もう一度このボタンをクリックするまで)録画できますし、同じ所で右クリックすれば

Photo_3

「(EPG情報を利用して)この番組を最後まで録画する」とか、「詳細」で開始/終了時刻を指定して録画するなど、いろいろな録画方法が選べます

その他にもいろいろな機能がありますので、リンク先も参考にしてください。ニコニコ実況プラグインWhiteBrowserなどもお勧めです。

予約録画の環境作りは少しだけ面倒になりますが、余裕があったらチャレンジしてみてください。以下ではTVRockを使った手順を解説します。(ただし、既に動いているTVRockにこのチューナーを追加する場合はダウンロード不要です。⑥、⑦も飛ばして⑧に進んで下さい。)

TVRockは、リンク先のファイル置き場から「期限解除パッチ適用済みTvRock09u2(up0699.zip)」をダウンロード可能です。それより前のバージョンはTvRockスレ@ウィキ の倉庫にあります。
http://www35.atwiki.jp/tvrock/pages/27.html

DLしたファイルは適切な実行用フォルダ(以下、\TVRockフォルダとします)に解凍してください。

また、TvRockOnTVTestの最新バージョン(2012/2月時点ではMod 9.1r2)を作者のかたのファイル置き場よりダウンロードします。

http://tvtest.uuuq.com/ リンクからダウンロードできない時は、TvRockスレ@ウィキ の倉庫にもアーカイブがあります。
http://www35.atwiki.jp/tvrock/pages/27.html

TvRockOnTVTestは解凍後、「TvRockOnTVTest.ini」 と「TvRockOnTVTest.tvtp」の2つのファイルを、TVTestを導入した\TVTestフォルダの下の、\Pluginsフォルダ にコピーしておきます。

まずはBS/CS最新チャンネル対応のための前処理をおこないます。
PX-S1UDを使うだけならBS/CSチャンネル情報は必要ありませんが、これは後々同じTVRockで、追加のBS/CS対応チューナーも管理できるようにするためのお勧め処理です。
(これをやっておかないとTVRock内部に持っている古くて使えないBS/CSチャンネル情報が勝手にセットされてしまい、後でBS/CSチューナを追加する時に少々面倒になります。)

\TVRockフォルダにあるtvrock.exeをダブルクリックして、TVRockを起動してください。

以下のような初期化ダイアログ、

Tvrockinit

あるいは

Tvrockinitb

が、(場合によっては何回か)出ますが、全てキャンセルを選んでください。
(なお、キャンセルを選ぶのはこの時だけです。以降の手順や通常の起動時に同じダイアログが出るときは、常に「OK」と答えてください。)
タスクバーにTVRockアイコンTvrockiconが表示されまますので、その上で右クリックし、「設定」を選びます。

表示されたTVRock設定画面で「システム設定」のタブを選びます。

下図の赤丸の「TvRock作業フォルダ」で「参照」を押して、\TVRockフォルダの場所 をセットしてください。

Tvrock1

以上でOKを押し、タスクバーのTvRockアイコンに戻って、右クリックし、「TVRockの終了」を選んでください。

次に、以下の2つのファイルをそれぞれ「右クリック」から「対象をファイルに保存」を選び、\TVRockフォルダを指定して、「保存」をクリックしてください。上書きしますか?と聞かれたら「はい」と答えます。

「ch-bs.txt」をダウンロード

「ch-cs.txt」をダウンロード

以上で前処理は終わりで、ここからTVRockの設定に入ります。
\TVRockフォルダにある、DTune.batをダブルクリックしてください。

Tvrockdtune_1

1チューナーを選択。(S1UDを2個以上導入する場合は個数分を選択。)

チューナー1にて、

Tvrock_dtune1_2

「視聴・録画アプリケーションがあるフォルダ」に、\TVTestフォルダを指定。

「チューナータイプ」を地上波デジタルに指定。

「実行アプリ名(視聴用)」をtvtest.exeとし、オプションに

/d BonDriver_Siano.dll /DID A

を入力。

「実行アプリ名(録画用)」もtvtest.exeとし、オプションに

/d BonDriver_Siano.dll /min /nodshow /DID A

を入力。

録画先フォルダを適切に指定。

入力が終わったら「次へ」をクリック。2個以上のS1UDを導入するときは同じように入れていくが、視聴用・録画用両方の「オプション」で

/DID x

xを、A以降に続く次のアルファベット(例えば2個目のチューナーであれば/DID B)にして、「次へ」をクリックしていく。

以降の手順はリンク先に従って、

「このPCで視聴したり予約録画するための設定は、これで完了です。」

というところまで進めてください。予約録画の方法もリンク先に解説してあります。

以上で予約録画環境も完成です

なお、既存のTVRockにこのチューナーを追加する場合、タスクバーのTVRockアイコンで右クリック→終了 を選んだ後、⑦のDTune.batの手順に沿って進めて、追加分を定義すると良いと思います。

ただし、上記の修正点として、以下のようにしてください。

・最初のチューナー数の選択で、既存のTVRockのチューナー数+1 を選択する。

・その後、既存のチューナー定義はそのままにして、「次へ」で進めて行く。

・追加分のチューナーのところで、

「視聴・録画アプリケーションがあるフォルダ」に、\TVTestフォルダを指定。

「チューナータイプ」を地上波デジタルに指定。 録画先フォルダも適切に指定。

「実行アプリ名(視聴用)」をtvtest.exeとし、オプションに

/d BonDriver_Siano.dll /DID x

「実行アプリ名(録画用)」もtvtest.exeとし、オプションに

/d BonDriver_Siano.dll /min /nodshow /DID x

ただし、DID x のx は、定義済みのチューナーに続く次のアルファベット(例えば既存のチューナーがA~Dで振ってあればE)に設定する。

・あとはそのまま終了まで進めて行く。(チャンネル設定も既に定義したものが表示されますので、そのまま「次へ」で進めて良いです。)

・DTune.batの副作用(もともと定義してあったTVRockの設定内容の一部が初期値に戻っている)を元に戻す。→手順

以上でOKです。

2)フルセグを持ち運ぶ

スマートカードリーダーとBCASカードを一緒に持ち歩いていれば、あとは出先でアンテナを確保するだけですが、それでは携帯性が損なわれるというもの。

ここまで設定できていれば、ぜひ以下の設定にも挑戦して、S1UD単体で外出先でのフルセグ視聴ができる環境にしてしまうことをお勧めいたします。

BonCasLinkの設定

netcasなど代替のwinscard.dllを使う場合は関係ないのですがそれ以外の場合、これを設定しておけば、家で立ち上がっているPCのスマートカードリーダー(あるいはFakeWinSCardを使っての内蔵カードリーダー)に挿したBCASカードを、LAN/WAN越しに共有できるようになります。設定方法はリンク先を参考にしてください。

ただし、BonCasLinkでは、サーバー(BonCasService)をドメイン名ではなく、IPアドレスで指定する必要があります。

家の中でのローカルアドレス(192.168.0.250 など)の話なら自分で勝手に決めれば良いのですが、インターネット内で固定のグローバルアドレスを割り振ってもらう話になると現実味がありませんので、TV視聴時には次のようにVPNで家とネットワークを接続して、家の中と同じIPアドレスでアクセスできるようにするのが良いと思います。

②DDNSによるVPNの構築

良い参考記事がありますので、ご紹介しておきます。

http://blog.ap.teacup.com/applet/tomba/20111020/archive

このうち、前半のVPNのパートをご参照ください。これで一旦環境を構築できれば、(家に常時起動のサーバー役PCが必要ですが)、出先でVPNにログインするだけで、家のBCASカードにアクセスできる状態になります。

なお、ルーターにPPTPサーバーの機能がなくても、ルーターを買い直す必要はなく、WindwsのPPTPサーバー機能で代替できます。以下もご参照ください。

http://memo-log.9999ch.com/2011/06/26/939(ルーター・ポートマッピングのLAN側ホストには、いずれもPPTPサーバーのローカルIPアドレスを設定します。)

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まあ、家のネットワークにアクセスできるのなら、TV視聴も家のチューナーからSpinel経由で、というのが一番道具も要らず、簡単です。しかしその場合、TVストリームの20Mbps程度の回線速度が必要ですので、家側(上り)と出先側(下り)の両方が、その速度の出せるブロードバンドで接続されていなければなりません。

そうでない環境でもS1UDを持ち歩く前提なら、BCASとのやりとりのための僅かな帯域でネット接続してあれば、フルセグ視聴が可能になります。

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③(以下は事前ではなく、持ち運んだ先での作業ですので、とりあえずは読み飛ばして次へ進んで大丈夫です。いざこれを持って旅行等に行くときに見ていただければ。)

持ち運んだ先が同じ放送区域なら特に不要ですが、放送・チャンネル区域が異なる場合、受信できる状態のアンテナに繋いだ上で、TVTestでチャンネルスキャンをかけてください。

(しかし持参したアンテナを使う場合、まずはTVTestを使ってアンテナの置き場所を調整しないと、チャンネルスキャン自体ができません。その場合まず、\TVTestフォルダの「BonDriver_Siano.ch2」ファイルを削除するかリネームした上で、TVTestを起動すれば、「UHF XXch」という形でチャンネルの選択ができますので、(PDFですが総務省の放送局チャンネル表などを見て) 該当地域・中継局で放送されているチャンネルのどれかに合わせた上で、アンテナ調整 を先にやってください。上記チャンネル表だと自分の場所がどれに近いのか判りにくいと思いますが、こちらで中継所のおおまかな位置とサービスエリアも判ります。アンテナ調整したら、チャンネルスキャンをかけます。)

壁や部屋のセットトップボックスのアンテナ端子を拝借する場合は、(もちろんダミーだったりS1UDでは使えない形で来ている場合もありますが)CATVで来ているかもしれませんので、CATVでもスキャンしてみます。ダメなら諦めて持参のアンテナを使ってください。

TVTestのチャンネルスキャン後、更に予約録画のためのTVRockも設定したい場合は、

(1)タスクバーのTVRockアイコンで、右クリック→ツール→チャンネルエディタ を開き、定義済みの地上波チャンネルを全選択して、「削除」し、「OK」を押します。

(2)TVRockアイコン右クリックで「終了」を選んだ後、\TVRockフォルダのDTune.batを起動して、「1チューナー」を選択後、確認しながら進めていき、地上波のチャンネル設定の画面になったら、地域に合わせてプリセット値を再設定します。

ただし、同じ県内でもリストにない中継局を経由している場合もありますので、TVTestのチャンネルスキャン結果を見ながら適切なものがない場合は、同じ県のプリセット値を表示させた上で、「チャンネル」と「サービスID」値を、手で修正して、TVTestのスキャン結果に合わせてください。

終わったらDTuneを「終了」まで進めて行きます。

(3)DTuneの副作用の、

・システム設定で、「復帰処理をタスクスケジューラーで行う」をチェックアウトしていても、強制的にチェックされてしまう。

・インテリジェントで、TVRock番組表を「認証無し」等にしていても、「Digest認証」になってしまう。

以上を適切に元に戻した後、TVRock終了させ、再起動します。

これでOKです。(自宅に帰ったら、同じ手順で元のチャンネル設定に戻してください。)

まあ余程の長期出張でない限り、出先でTVRockの予約録画は必要ないだろう、と思ったのですが、よく考えてみると、旅先でいろいろ出歩く前とか就寝前にしかけておいて、ローカルな番組やCMを自動でエアーチェックしておくのも、楽しいかもしれません。私は以前、関西に出張した時は、サンテレビなどの独特な深夜番組が物珍しく、つい夜更かししていたことを思い出しますが、そういったものをとりあえず録画しておけば、旅先での余計な夜更かし防止にもなります。

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3)ワンセグを併用する

ワンセグの視聴用に、TVH264を導入します。

リンク先から、最新版のTVH264をダウンロードし、TVTestの実行用フォルダに解凍します。
なお上記リンクからDLできないときは、こちらにアーカイブがあります。

TVH264をダブルクリックして立ち上げ、TVTestの設定と同じように各種設定を行います。ワンセグですのでカードリーダーは「なし」で大丈夫です。

なおワンセグの場合、デコーダにMicrosoft DTV-DVD Video Decorderを選ぶと何も表示されません。ffdshow Video Decoder

http://www.losttechnology.jp/Movie/ffdshowsetup.html

を導入すれば、ワンセグ視聴可能なデコーダとしてffdshow Video Decoderが選べるようになります。

なお、チャンネル情報はTVTestでスキャン済みの情報(BonDriverxxx.ch2)があればそのまま使うようです(改めてチャンネルスキャンを要求しません)が、なければ最初にスキャンするか聞いてきますので、TVTestの手順と同じようにチャンネルスキャンしてください。なおTVH264側でスキャンをかけると、専用のチャンネル定義ファイル(BonDriverxxx.ch1)ができるようです。

以上でワンセグの視聴環境も完成です。視聴中に録画ボタンを押せば、番組をその場で録画することも可能です。ワンセグとはいえ生のtsが録画できるのは、そこらのワンセグチューナーにはできない特典です。

なお、旅先でアンテナ調整のために、スキャン済みのチャンネルではなく UHF XXch の形で選局したい場合は、「BonDriver_Siano.ch1 および ch2」ファイルを、削除するかリネームしてからTVH264を立ち上げてください。

以上で、フルセグアンテナ+BCASにアクセス可能な環境であればTVTest、そうでない場合はTVH264を立ち上げてワンセグという、使い分けが可能になります。

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3.携帯に便利なアンテナについて

まあ、先に免責事項(笑)ですが、これから説明するような携帯アンテナでいつでもTVを視聴できるわけではないです。

私も思い出すともう十年近く前になりますが(当然アナログ放送の時代)、BuffaloのUSB接続TVチューナーを買って、会社のオフィスで深夜残業中にTVを見ようと思って小型のブースター付屋内アンテナを買ってセットしたところ、自分の机にアンテナを置いても全く映らず、それどころか窓のすぐ側までアンテナを引っ張って行って、ようやく(ノイズだらけですが)辛うじて映る状態でした。

しかもそれでも、ちょっとアンテナが動いて方向が変わると映らなくなってしまう、ということで、結局その目的では全く使えなかった(自腹でしたのでチューナーはその後自宅で役立ちましたが、屋内アンテナは使い道がなく人にあげてしまった。。)、という、ほろ苦い(?)思い出があります。

結局その時のオフィス周辺の電波条件も悪く、近くの窓も東京タワーの方角ではなかったので、事例としては良くないのですが、一般的にTVアンテナが置いてある屋根の上と比べて、ビルの屋内ではTV電波の状態はずっと悪いですので、綺麗に受信するためには、電波塔を窓から見通せる所にアンテナを持っていったり、更に方角をちょっとずつ変えてみたり位置をずらしたりしながら、ベストなところを探す必要があります。

とはいえ地デジ化したことで実感していますが、アナログで多少ノイズが乗るような条件でも結構ストレスなく綺麗に映りますし、ドロップだらけで殆ど見られない条件になってもワンセグなら十分に視聴可能な場合も多く、「モバイルTV視聴」の条件は改善されています。

出先のささやかな楽しみとしてフルセグの視聴が楽しめるよう、こういった時に簡単に持ち運べて、調整も容易な「モバイルTVセット」を、ためしに作成してみました。

持ち運び用のアンテナとしては市販の小型屋内アンテナ

などであれば、左はA5を更に半折りにしたサイズで厚さも1cm強、右は折りたたみ携帯を一回り大きくしたサイズですので、(ノートPCを持ち運んでいることを考えれば)カバンに入れてもかさ張らない程度と思われ、アンテナ自作なんてかったるいと思う人には、こういったものが候補になると思います。

しかしこれでもS1UD本体と比べれば大き過ぎて値も張り過ぎる、と思った私のような人向きの、持ち運ぶ時に小さく折り畳めて価格も大したことないアンテナ、というものも探してみたのですが、見つかりませんでした。そこで無いものは作れば良い、と自作してみることにしました。

作ったものは以下の通り、かなりシンプルなものですが、経験上屋内TVアンテナは、たとえアンテナとしての性能が良いものであってもきちんと調整しなければ使えないですので、実用上大きな差はないと思っています。

昨今は携帯や無線LANを普通に使ってますので、電波はよほど奥まったところや地下でない限り届くのが普通、とつい思ってしまいますが、TV電波はずっと遠くのほうから微弱なものが、屋根の上のきっちりしたアンテナでの受信を期待して飛んできます。

屋内の場合は、いくら高性能アンテナでもブースター付けても、ただ目の前に置いて向きをぐるりと回してみた、くらいでは大抵、何も映りません。まずケーブルを伸ばしてアンテナを持って動き回り、いろいろな方向に向けてアテをつけて、良さそうな所の近辺で固定できる場所、アンテナ台として使えるものを探して仮固定してみて、そこで少しずつ方角や位置を調整しながら、ベストなポジションを見つける必要があります。

このようにどのみち調整が必要でケーブルも引くのであれば、どこにでも取り付けられてあまり邪魔にもならないようなアンテナ兼ケーブルにすれば、結果として、素早く良い場所を見つけてさくっとセットできるだろう、と考えて作成したものがこれです。

Hd_travelset2

左のアンテナケーブルはアンテナを兼ねています。

これにはF型コネクタが付いたアンテナケーブルなら何でも使えますが、普通に市販している3C、4Cといった規格のケーブルは、性能は良くても太くて固く、それだけで携帯性を損ないます。そこで、これ用途にはこのような細いアンテナケーブル(2.5C規格)を手に入れて、

このどちらかの端など、お好みの長さで切って使えば良いと思います。

私はタンスの中のアンテナ分配器に細いケーブルが付いていましたので、それを根元で切って使いました。(約2m)

このように、片側を切って簡易アンテナに改造してしまうわけですが、もし携帯用アンテナケーブルを調達する場合、旅先の部屋にアンテナ端子が出ている場合も考えて、改造しない1~2m程度のものももう1本持っておくといいかもしれません。(アンテナ自作しない場合でも、こういった細いアンテナケーブルをS1UDと一緒に携帯しておくと便利だと思います。)

ケーブルタイはケーブルをまとめるためだけではなく、固定のために実際に使います。

それとアンテナ固定用にマグネットクリップを使います。ただし、マグネットだと鉄にしか固定できませんので、吸盤付きクリップのようなものがあれば、それも併用できればBetterだと思います。

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アンテナケーブルはあらかじめ、下図①、②のように先のほうを15cmほど、カッターなどを使ってビニールの被覆を(ケガのないように慎重に)剥いで、次に③、④のように、先の細いドライバーなどで網線の根元をほぐし(こじ開け)た上で、中の芯線を根元から外に引き出して、二又にしておきます。

芯線が引出しにくい場合は、網線を先のほうから"ズボンを降ろす"感じで緩めながら、芯線を根元のほうにたぐり寄せていきます。また、芯の周りにはシールドの銀紙が巻いてあったりしますが、それは引き出した後に取り去って芯のビニール線がむき出しの状態にします。(⑤)

Makingdipoleantennaa

3C以上のケーブルだと芯線は固いので、こうやって引き出すのも難しいのですが、2.5Cのケーブルなら割と簡単です。あるいは電気工作好きな人ならこの通りでなくても、芯線と網線それぞれに15cm程度の被覆線をハンダ付けする形でもOKです。(ただしショートさせないように、ハンダ付け部分はテープで被覆すること。)

さて、まずは手製アンテナ自体、ここのサイトを参考にさせていただいたので、これに倣って、ハンガーアンテナを作成してみます。

Hanger1

ハンガーはプラスチックや木製のものを、行った先で拝借するものとします。

金属の棒や面と平行に固定すると、表か裏かにかかわらず金属が電波を遮蔽してしまいますので、金属ではないものを使います。(これはアンテナを取り付ける壁なども同じです。)

二又にしてある線をそれぞれ、ハンガーの両端にケーブルタイでしっかり固定します。

Hanger2

これで完成です。アンテナをきっちり延ばして固定できる点で、ハンガーは便利ですね。

しかし、使ってみるとこのハンガーアンテナは、いろんな電波条件になる出先では、あまり使い易いものではないことが判りました。

ハンガーはそこそこ重いですし、ぶら下げられる所は結構限られています。壁に下げると大抵電波は壁に遮ぎられて届いておらず、逆に電波が届きやすい窓際だと下げられる場所は限られます。

またぶら下げた状態だと、折角良いポジションを見つけても、すぐに動いたり落ちてしまい、うちで使ってみた限りではイマイチな感じでした。

要はもっと軽くて、ちょっとした所にも簡単に取り付けられて、微妙な調整もでき、それでいて一度位置決めしたら簡単には動かないものが良い、と判りましたので、それではということで、同じ素材で次のようなアンテナにしてみました。

Dipoleantenna4

これは結構性能が良く、(周りに建物が多くてあまり電波状況の良くない)私の部屋でも、調整した結果フルセグが充分に視聴できました。(MXやEテレはダメでしたが。。)

この作り方ですが、上のモバイルセットを元に、出先でストロー2本とセロテープを少々(あるいはシールなど、ストロー同士を固定できるものを)入手します。

Dipoleantenna1

で、ストロー2本にアンテナケーブル先の二又を1本ずつ入れて、

Dipoleantenna2

真ん中をセロテープで、まっすぐになるよう固定します。

Dipoleantenna3

これの真ん中をクリップで挟めば完成です

これをケーブルの届く範囲で電波が来そうな所に置いて、TVTestのdB値やドロップ数を見ながら、良いポジションと方向を探っていきます。照明スタンドなどがあれば、移動可能なアンテナ台として使えます。

クリップを使う利点はこの微調整と固定がかなり自由な点ですね。それにアンテナ自体の重さが軽いですので、一旦固定したらちょっとやそっとではアンテナが動いたりしません。

良いポジションが見つかったら、他のチャンネルでもやってみます。同じテレビ塔から来ているはずですが、周波数が違うためか、(直接テレビ塔が見える場所とは違って、いろんな反射波が干渉しながらやって来るため)必ずしも同じ場所や方向がベストとは限りません。できるだけ多くのチャンネルが良好に受信できる場所を探ります。

とりあえず今回は磁石付きクリップでしたので、ラックの鉄の枠や照明スタンドに固定してみて、結果的にウチではPCモニターの上がベストポジションでした。

Dipoleantennacomplete

視聴中の状態です。なかなか格好いいでしょ^^

吸盤付きのクリップに取り換えれば、窓やプラスチックにも固定できますので、もっと良いポジションに置ける可能性があります。(一般的に窓に近いほうが電波状態は良いです。窓にぴったり貼り付けるのがベストとは限りませんが、いろいろ動かして見れば、安定して受信できる場所が見つかる事も多いです。)

吸盤で固定する場合、場所を決めたら面と吸盤を一旦良く拭いて、水を少しつけてくっ付ければ、結構しっかり固定されると思います。

実際に吸盤で窓に固定した例です。

Mado_2

これは吸盤付きクリップではなく、吸盤の取っ手の穴にケーブルを予め通しておいた上で、ストロー2本を上の例のように棒状に束ねて、それを吸盤の取っ手にテープで固定したものです。

最初の場所ではうまく受信できなかったのですが、いろいろ場所を上下に動かした結果、モニターの天面に置いた時には受信できなかった局も安定して受信できる、「スポット」を見つけました。このような作りのアンテナだからこそ使えるスポットですね。

こういった材料はホームセンターやアマゾンなどで簡単に手に入りますので、S1UDを入手された方は、ちょっとした日曜工作にいかがでしょう?細型アンテナケーブルなら小さく折りたためますので、長さも3~4mくらいあったほうが、使う時にいろいろな場所に引っ張っれて便利な気がします。その辺はお好みで。

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以上、駆け足でしたがS1UDについては、今のところ、地上波フルセグチューナーとして感度もよく、安定している感じです。

S1ud_2

加えて持ち運びに便利な極小サイズの"ts抜き製品"ということで、年末年始の帰省、旅行での活用など、いろいろと新しい利用法も考えられます。

旅行先のホテルにもテレビくらい置いてあるだろって?もちろんそうなんですが、ホテルのテレビって使いにくいと思いませんか?慣れてないリモコン等の操作性も一因かもしれませんが、一度新しい視聴スタイルに慣れてしまうと、ただ流してるだけのTVには後戻りできない気もします。考えてみると最近の私の視聴スタイルは、ニュースはいいとしてドラマやアニメ、スポーツ観戦で、観始めてこれはいい!と思った番組は視聴と同時に録画もしておいて、後でポイントの場面や見逃した所を観なおしたり、途中で電話が入ったり人と話したりのインタラプトにも普通に応対して、TVのほうは後で追っかけ再生で観る、というスタイルになっていました。その辺がいつでもどこでも使える、というのがいいですね。

また、今年3月の震災の時は、私も首都圏が勤務先ですので、帰宅できずオフィスに閉じ込められ、皆で携帯のワンセグとUstreamを食い入るように見ていましたが、携帯は数時間で電源も切れ、Ustreamの情報も断片的でした。こういう時にノートPCにこれを挿しておけば、もっと見やすい画面でリアルタイムに情報が得られたと思います。いくらか劣化してきたとはいえ、通信状況が悪化した時のリアルタイム性では放送は頼りになるわけで。。

などなど、使い道を考えていくともうひと声安ければ、2個3個と買ってしまいそうなんですが^^;

2011年10月25日 (火)

PX-W3U3の設定手順メモ (Spinelなしのクイックガイド追記)

ここではPX-W3U3の導入について、備忘録的に書いています。すぐに設定を始めたい方はこちらにジャンプ。

さて前回、W3U2を3台体制にして、既に12チューナーの構成になったのですが、家人用と出張持ち出し用を兼ねてもう一声増やそうかと思っていたところ、先日プレクスからPX-W3U3が発表になっていましたので、早速追加で買ってみました。これで平時4台16チューナー体制です。

(一体何を録ろうとしてるんだ俺は。。)

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4台並べてみました。右下がW3U3です。ガンダムvs三連星?

W3u3

W3U3は先週からPLEXのホームページで、「近日発売」となっていたのですが、一部ショップでは先行してネット販売されており、私もドスパラで購入しました。

昨日(10/24)時点で、PLEXからBDA&PBDAドライバーとユーティリティ(ISDB_LNA設定とLNB ON/OFFツール)がダウンロードできるようになり、WMCからは視聴可能になった(はず)ということで、正式発売の状態になったようです。実際BDAドライバーを入れてPCに接続すると、このように認識されます。

W3u3devman

ただし、この状態でW3U2とはデバイスIDが違うようで、W3U2用のBonDriverからはチューナーは認識されません。対応版のBonDriverが必要になります。

ということでちょっと待ちの状態になっていましたのでその間に、筐体を開けてW3U2と基板を比較し、ほとんど同じという噂を検証してみることにしました。

1.基板の比較

①表側

W3U3基板

W3u3_1_2

W3U2基盤(ややテカって文字が見えにくい)

W3u2_1_2

W3U2 拡大

W3u2_1b

②裏側

W3U3

W3u3_2

W3U2

W3u2_2

以上のように、基板そのものは色違い、使っているチューナー&暗号化モジュール(Fitipower FC0012 x2、ASIE5606B2+ASV5211が表裏2セット)、復調用IC(TC90512XBG 2個)、USB HUBコントローラー(GL850G)、などの構成とコンデンサーやパターンも、違いは見つかりません。(敢えて言えば、LEDが違います。外形デザインに合わせたんだろうと思います。)

ファームウェアが違うためデバイスとしては別の扱いになりますが、それがどういう形で商品としての性格の違いになっていくのかは今のところ不明です。

まあ、個人的な予想としては、販路の違いによって商品を分けるという意図ではないか、というのに1000点。。

まあデバイスとして区別してくれますので、私のようにW3U2と混在させて多チューナー構成にする場合は、どのチューナーに問題が起きたかが判りやすかったり、抜いて持ち出す際にうっかり録画中のチューナーを抜かないように区別できるなど、扱いやすくなる面もあります。

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2.対応版BonDriverとSpinel定義体を作成

待っていてもなかなか対応BonDriverがUPされませんでしたので、のんびり待つのが苦手な私はW3U2用BonDriverを元に、バイナリエディタでパッチを当ててW3U3用にしました。これでTVTest直、Spinel配下とも使えています。

加えて、Spinel配下でW3U3をW3U2と区別するための定義体を作成しました。

Spinel側では定義体を弄らずに、BonDriverの名前を変えてW3U2として扱う方法も考えましましたが、実際やってみると多少不具合がありました。

(地上波用チューナーの片方が、受信できているにも関わらず画面表示されなくなった。)

したがって、このように「正規の」定義体を追加する方針にしました。これで正常動作を確認しています。

以上のファイルはDTV板にUPしておきました。(up0848.zip PX-W3U3用BonDriver)

http://www3.wazoku.net/2sen/dtvup/
上記ファイル置き場がリンク切れしている場合はこちら
W3U3用BonDriver→up0848.zip

尚、Spinelへの定義体の反映方法は、ファイルに添付のreadme.txtをご参照ください。もちろんSpinelを使わない場合は、この辺は関係ありません。

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3.PLEX PX-W3U3の設定について

PX-W3U3もW3U2とほとんど同じ手順で導入できます。

といっても、ここを見ている方は、W3U2など今まで持っておらず今回初めてW3U3を買った、という方が多いでしょう。そこで今までの例に倣って、ゼロから導入する手順を一応解説したい、と思います。

しかし、実際手順はW3U2と全く同じといって良いです。そこで、Spinelを使いこなす本格的な手順は「PLEX PX-W3U2の設定について (PX-W3U3およびPX-S3U2の手順も追記)」に反映させましたので、そちらを参照いただくとして、ここではPX-W3U3を購入した方のH/W動作確認の手順と、「まずはとにかくW3U3を動かしてみたい。」という人のためのクイックスタートガイドを作ってみました。ご参考にしていただければ幸いです。

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まずはPX-W3U3用の ①デバイスドライバー(Driver) ②ツール(Utility) をダウンロードしてください。PLEXのホームページからダウンロードできます。

http://www.plexshop.jp/shopdetail/023010000096/

[ドライバ・各種ツール]→ダウンロードから、デバイスドライバー(BDA用およびPBDA用:PBDA用はここでは使いません)とツールの両方が、一度にダウンロードされます。

(尚、最近PLEXが出している簡易マニュアルには、BDAとPBDAの関係を間違えて逆に書いてありますが、気にしないでください。今回使うのはあくまでBDAドライバーで、WindowsMediaCenter用のPBDAドライバーは使いません。)

① 解凍すると、DriverフォルダにBDA用32bit版と64bit版ができますので、それぞれのOSに対応したものを、該当フォルダのInstall_Driver.batをダブルクリックして導入します。

ここでちょっとした注意点なのですが、ドライバーはW3U3を、USBから外した状態で導入してください。

導入後、W3U3をUSBで接続すれば、デバイスマネージャー上に個数分のデバイスが展開されるはずです。(ただしWindowsXPの場合は自動ではなく、リンク先のような追加手順が必要です。)

もしデバイスの数がおかしいようでしたら、ゴミが残っています。その場合はUSBから外して、再度 uninstall → install をおこなってください。.

W3U3が正しく認識されると、デバイスマネージャー上で図の赤枠内のデバイスが認識されるはずです。(W3U3 1台の場合。2台の場合はこの2倍、というように認識されていくはずです。)

W3u3add_devman_2

たまに、どうしてもこうならずに「ほかのデバイス として(!)の付いた状態」になってしまう場合があります。その場合何かの理由でデバイスの自動導入に失敗していますので、リンク先を参照して手動導入をトライしてみてください。

尚、緑の部分のように、私のこの環境では、PX-W3U3用のヒューマン・インターフェース(つまり、リモコン受光器)に何故か「!」、つまりリソースの競合が表示されます。理由は判りませんが、W3U2との共存環境ではどちらかがこうなるようです。まあ共存環境ではリモコン受光器はどちらかが働けば良いので、今のところ特に気にしないことにしています。

② ツール2つのうち、LNB PowerSupplyレジストリ設定(W3U3.LNB) は、BS/CSアンテナにPX-W3U3から給電するかどうか、の選択です。アンテナを自前で立てている場合は、いずれにしろ(まともな分配器なら)アンテナ分配器が適切に電源を選択しますので、ON(LNB_ON_PX_W3U3.regをダブルクリック)で良いと思います。

それ以外の共同アンテナ、CATV経由等の場合はOFF(LNB_OFF_PX_W3U3.regをダブルクリック)にします。

地上波デジタルチューナ用 感度調整ツール(LNA_Control)は4種類ありますが、とりあえずISDB_LNA_Manual_Mode_ByPass.regをダブルクリックしておいてください。感度が低いと思ったら後で他の3種類を試してみると良いと思います。ただしAUTOはあまり賢くないのでお勧めしません

なお、これらのツールはレジストリを操作するため、UAC(ユーザーアカウント制御)の設定によっては操作した内容がうまく反映されず、いろいろやってもBS/CSが映らない(衛星アンテナに電源供給されない)、地上波の感度か上がらない、といった場合があります。そういった時の対応方法はリンク先に説明してありますので、参照してみてください。

また、BDAドライバーを更新したり、unstall.bat→install.batで再導入すると、このLNAやLNB給電ツールの設定がリセットされることがあるようです。きちんと設定したはずなのにいつの間にかこの辺りのふるまいがおかしくなっているような場合は再度、これらのツールを使って、適切な設定をおこなってください。

③ BonDriverはPX-W3U3用を使います。DTV関係ファイル置き場より最新版 up0848.zip をDLしてください。

http://www3.wazoku.net/2sen/dtvup/

上記ファイル置き場がリンク切れしている場合はこちら
W3U3用BonDriver→up0848.zip

この up0848.zip PX-W3U3用BonDriver (Spinel定義体およびFakeWinsCard同包) をダウンロードし、適切なフォルダに解凍いただければ良いです。

ここで、なにはともあれPX-W3U3を動かしてみたいという人や、あんまり面倒くさいのは嫌いという人のために、安直コースを作ってみました。まずはW3U3を使ってみたい方は→こちらのクイックスタート・コースへ

これは本編で解説するようなSpinelを使わない手順です。 

ただ、このコースを選択した方も十分慣れたら、リンク先本編の手順にも挑戦してみることをお勧めします。

最初はちょっと面倒でも、使いこなしていくことで、家の中のTV環境を全てW3U3を使って再構築でき、いつでも好きなデバイスからアクセスできるts抜きシステムのメリットを感じていただけるようになるはずです。

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4.以降の導入手順

W3U2用の手順に沿って進めていけばOKです。(BonDriver_PX_W3U3_S.iniには、BS新チャンネルの定義体も既に反映されています。)

写真は、私の環境でサーバーPC上・TVTestを2画面表示させた状態です。

W3u3add_

右の画面がW3U3の衛星チューナー、左の画面がW3U2の衛星チューナーを使っています。また、クライアントPCからもW3U3の衛星チューナーを1個使っているのがSpinelモニターから判ります。

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5.結果、16チューナー構成になった

W3U3の組み込みにより、映像サーバーZ68-ITX機は、4台16チューナーを管理することになりました。このうちとりあえず、8チューナーを録画(TVRock)用、8チューナーを視聴用に割り振っています。

導入当初はサーバー機のUSB3.0ポート(VIA VL800という、ちょっと問題のあるコントローラ)との相性が悪くてブルースクリーンで不定期に落ちたり、時々W3U3のチューナー半分を見失う(理由は、経由していたUSBハブの電源が抜けて電力不足になっていた)ということもありましたが、その辺の問題解消後は、2ヶ月以上 24時間運用で度々チューナー8個同時録画+W視聴もあったにも関わらず、一度も落ちることもなく、録画の失敗がありません。

素性としては極めて安定しているので、もし他で不安定やBSODの話があれば、USBや他のデバイスなどPCの環境を疑った方がいいんじゃないかと思えます。

現在のチューナー利用ダイアグラムは、以下の図のようになっています。

16

とりあえずこれは暫定版で、今後の使い方によって割り振りは変わってくるかもしれません。

例えば現状CSで録画が重なることが多く、また番組表取得の高速化のために衛星3チューナーを2時間弱占有させていますので、サーバーTVRockに割り振る衛星チューナーを増やして、地上波3チューナー&衛星5チューナーにするとか、また残りの8チューナーも視聴用だけに使うのではなく、サーバーTVRockが録り切れない場合のバックアップとしてE350機のTVRockに割り当てておく、というようなことを考えています。

ただE350機だと、本格的なバックアップには役者不足ですので、そのうちもう1台、サーバー機と同程度のPCを立てて、その役割を持たせる予定です。(とりあえず現サーバーのZ68ITX機は高性能、無音かつ24時間運用に耐える、という非常に凝った作り方をしているので、体力・時間的に同等のものはそうすぐには作れませんが。。というか、、ジサカーとしては殆ど同じようなものをもう1台作るのもモチベーションが下がりますので、またちょっと違ったものを構想中です。)

構築中サーバー弐号機のチラ見せです。時間が無くなかなか進捗しないのですが、、乞うご期待。

Photo_2

ただし有料放送契約済みのBCASカードは1枚しかない(2枚に増やすとスカパー契約料が1.5倍に増えてしまうのがネック)ですので、ここが障害のウイークポイント(いわゆるSingle Point of Failure)になります。つまり、外出中や就寝中にBCASを繋げたPCが落ちてしまうと、バックアップ機が録画してくれても、録画ファイルはスクランブルが掛かったままのものになります。

smartcard splitterを使って2台とも同じBCASが読めるようにすれば?という意見もあるかもしれませんが、その場合はsmartcard splitterが障害のウイークポイントになるので、大して意味はありません。(むしろ信頼性を落とす要因になる。)

そういう意味で、2台に増やしても完全なバックアップ体制にはなりませんが、スクランブルのまま録画されたファイルだろうと、tsで録画されていれば後でスクランブル解除が可能ですので、有料放送用BCASが1枚しかない事も致命的にはなりません。

そのような柔軟さも、ts抜き環境ならでは、ですね。

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補足)クイックスタート手順

0)PX-W3U3の場合、まずは上の「3.PLEX PX-W3U3の設定について」の手順で、①デバイスドライバー(Driver) ②ツール(Utility) をダウンロード&導入してください。

なお、ここのクイックスタート手順でPX-W3U2/PX-S3U2を導入される方は、まずはこちらの手順ドライバー類をダウンロードしたのち(但しS3U2の場合は囲み内にも注意)、リンク先①②の手順を実施して、ここに戻ってきてください。以下ではW3U3の文字をW3U2やS3U2と置き換えて、またS3U2の場合はチューナー数を4個→2個と読み換えれば良いです。

次に、用意したBCASカード(手元に余っているBCASカードがない場合は、この辺を参考に入手)を挿し、アンテナ線と付属の電源を繋いで、USBでPCに接続してください。

1) Visual C++ 2005 SP1 再頒布可能パッケージ (x86)

 Visual C++ 2008 SP1 再頒布可能パッケージ (x86)

 Visual C++ 2010 再頒布可能パッケージ  (x86)

をそれぞれクリックして、表示された画面で「ダウンロード」をクリックし、「実行」して導入してください。

Cppruntime2005

この画面では「はい」と答えれば導入されます。また「修復」「アンインストール」二択の画面になる場合は既に導入済みですので、「キャンセル」を選んで導入を終了させてください。

2) 3-③でダウンロードしたup0848.zip(W3U3用BonDriver)を適切なフォルダに解凍すると、以下のファイルが展開されるはずです。

Meltbon_2

ここの\BonDriver_PX_W3U3というフォルダの中身は、以下のようになっています。

Boninside

W3U2S3U2を導入される方向け: 各リンク先からBonDriverをダウンロードしてください。
 上記リンク先がリンク切れしている場合はこちら
 W3U2,W3PE,S3U用BonDriver→
up0625.zip
 S3U2用BonDriver→BonDriver_PX_S3U2.zip

中には上と同様のファイルが入っていますので、リンク先の「追記」の手順で更新した上で使ってください。(なお、S3U2用には他にもTVTestのファイルが沢山入っていますが、それらは使いません。)  またいずれもWinSCard.dllが入っていませんので、それだけW3U3用BonDriverに入っているものからコピーしておきます。

3)リンク先からTVTestの最新版をダウンロードしてください。(2012年1月末時点では、TVTest_0.7.23.zip が最新版です)

上記リンクからダウンロードできない時は、こちらにアーカイブがあります。

これを適切なフォルダ(仮に\TVTestというフォルダ名とします)に解凍して、2)の \BonDriver_PX_W3U3 の中身をここにコピーすれば、以下のようになるはずです。

Tvtestfolder

なお、WinSCard.dllは内蔵カードリーダを使うために必須ですが、もし外付けスマートカードリーダを使う場合は、これは削除するか、WinSCard.dllXのようにリネームしてください。そうしないと外付けリーダが使えません。

なお、netcasなど代替のwinscard.dllを使う場合は、\TVTestフォルダにそれを上書きコピーすることになります。

.

4)BS、CSチャンネルの最新内容の反映のため、以下のファイルを

「Preset_BS.ch2」をダウンロード

「Preset_CS.ch2」をダウンロード

「右クリック」→「対象をファイルに保存」で、保存先に上の\TVTestフォルダを選んで、「保存」をクリックします。「上書きしますか?」には「はい」と答えます。

(上記の名前のままでDLするように注意してください。ときどきブラウザが勝手に.txtという拡張子に改変してダウンロードしようとする場合がありますので、その場合は再度この操作をやり直して、拡張子が.ch2になることを確認してください。)

Cschupdate

5) \TVTestフォルダにある TVTest.exe をダブルクリックしてください。すると初期設定画面が出ますので、図のように選択(入力)します。

Tvtestinit_2

(デコーダは7/Vistaであればこのように選べるはずです。Winodws8の環境や、XPで選択できるものがない場合は、リンク先をご参考に「ffdshow Video Decoder」などを導入して、ここで選択ください。)

フォルダを作成しますか?に「はい」と答えると、図のようになりますのでこれにも「はい」と答えます。

Scansrart

6)チャンネルスキャンの画面になりますので、「対象チューニング空間」で、アンテナの環境に合わせてUHFかCATVをセットし、「スキャン開始」をクリックします。

Scanspaceterra

数分で地上波のスキャンが終わります。

Scanfinish

ここで一旦、「OK」をクリックします。

7)次に左下の「UHF(またはCATV)」と表示されているところをクリックすれば図のように表示されますので、「BonDriver_PX_W3U3_S」をクリックします。

Select

画面の中のどこかで右クリックし、「設定」を選びます。

Tvtest

するとBSのチャンネルスキャン画面になりますので、「プリセット読み込み」をクリックします。

Bsscan

次に「対象チューニング空間」で「CS110」を選び、同じく「プリセット読み込み」をクリックしてください。

Csscan

残りの作業として、この画面左にある「一般」「録画」のタブを順に選んで、リンク先の赤い丸印のように設定してください。これは録画にワンセグが混じったり、不要なスクランブル解除で負荷がかかることを防ぐためです。

以上で設定は終わりです。「OK」をクリックしたのち、TVTest画面右上のTvtestxをクリックして、一旦TVTestを終了させてください。

8) \TVTestフォルダあるTVTest.exeを右クリック(ドラッグ)したままデスクトップにカーソルを動かし、

Tvtestdand

そこで放す(ドロップ)すると、図のような選択枝が出ますので、「ショートカットをここに作成」を選択します。

Tvtest_making

これでデスクトップに図のようなアイコンが出来ます。

Tvtest_2

これをダブルクリックすればTVTestが起動します。

これでTVの視聴と、簡単な録画ができるようになります。

9) TVTestを起動して左下(BSとかUHFと表示されるところ)をクリックし、「チャンネル選択画面」をクリックすると、

Photo

図のような画面になります。

Photo_2

ここでPX_W3U3_Tにカーソルを合わせて、そのまま右にカーソルをスライドさせて観たいチャンネルのところでクリックすれば、地上波のチャンネルが選択できます。
(なお、起動直後は番組情報は空欄ですが、いくつかチャンネルを開くうちに番組情報が表示されるようになります。)

また、PX-W3U3_S[BS]から選べばBSのチャンネル、PX-W3U3_S[CS110]から選べばCS110(スカパーe2)のチャンネルが選べます。画面に表示しきれていないチャンネルは右側のスクロールバーをクリックして上下させれば表示されます。

10) TVTestは複数画面立ち上げることができ、地上波は2画面まで、BS/CS110も2画面まで、独立してチャンネルを選択できます。

11) TVTest画面下(ステータスバー)にある「録画」ボタンを左クリックすれば、視聴中の映像をそのまま(もう一度このボタンをクリックするまで)録画できますし、同じ所で右クリックすれば

Photo_3

「(EPG情報を利用して)この番組を最後まで録画する」とか、「詳細」で開始/終了時刻を指定して録画するなど、いろいろな録画方法が選べます。

録画ファイルが保存される場所は、図のように「設定」→「録画」 の「保存先フォルダ」で設定できます。

W3u2_tvtest1_2

また、ここの「ファイル名」の欄に以下をコピペしておくと、
%event-name% %channel-name% %month%月%day%日%hour%時%minute%分.ts
録画ファイル名が「番組名 局名 月日時分.ts」のようになり、判りやすくなります。
.

TVTestには他にもいろいろな機能がありますので、リンク先も参考にしてください。ニコニコ実況プラグインWhiteBrowserなどもお勧めです。

付属リモコンの使い方もご紹介しておきます。

「TVTestの画面右クリック」から「設定」を選択します。

左側のメニュー一覧から「リモコン」をクリックします。

Remotecondef

「リモコン」設定画面の上のほうにある「コントローラ」で「HDUSリモコン」を選択し、「OK」を押します。

次に「TVTestの画面右クリック」から「プラグイン」にカーソルを合わせ、そのまま右に辿って行って「HDUSリモコン」に合わせ、クリックします。

Remoteconact

(1回やるごとにチェックマークが付いてる状態と外れた状態に切り替わりますので、チェックマークが付いた状態にします。)

これで準備完了です。付属のリモコンに電池を入れ、W3U3に向けて操作すれば、TVTestのリモコンとして使えるようになります。

ボタン毎に機能が割り振られていますので、いろいろ操作してみてください。初期状態では基本的な機能しかありませんが、上の「リモコン」設定画面でいろんな割り当てが可能です。図では青ボタンに衛星チャンネルへの切り替えを割り当てています。

Remotecondef2

TVTestの起動だけはマウスで操作する必要がありますが、それ以外の大抵の操作はリモコンでも可能です。

なおPX-S3U2の場合2chのスレで、付属のリモコンが上記の手順だけではうまく動かない、という報告があります。
(このblogへのコメントで見ると、S3U2のユーザーの方も上記手順でうまく使えているという話もあるのですが、なにぶん「WMC用」という正規の使い方ではないため、出荷のロットによって動作が違うのかもしれません。)
その場合有志の方作成のPXRemoconというツールを使って、以下の手順で動作するという報告がありますので、ご参考までに。(ただし私自身はS3U2を持っておらず、細かい手順を検証したわけではない事はご了承ください。)

ⅰ)PXRemoconを以下のリンクよりダウンロードし、適切なフォルダに解凍する。
http://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/361360  

ⅱ)中のReadme.txtを読んで、PX-S3U2の場合の手順に従って導入していく。

ⅲ)ただし、Readmeの手順を、以下のように読み換える。

   設定ファイル PXRemocon_PX-W3U2_S3U2_W3U3.txt を PXRemocon_PX-W3U2.txt にリネームする。
   テキストエディタで開いて、該当部分を
   TARGET=0B06_0003
   に変更し、保存。
   PXRemocon_PX-W3U2.txtをPXRemocon.exeにドラッグ&ドロップしてください。
   PXRemocon_PX-W3U2.txt.regが作成されます。
   PXRemocon_PX-W3U2.txt.regをダブルクリックしてレジストリに追加してください。
 

以上でチューナーをPCから外して再び接続するかPCを再起動すれば、S3U2でもリモコンが使えるようになる筈です。
ここのファイル名が PXRemocon_PX-S3U2 ではなく PXRemocon_PX-W3U2 でなければならない理由はよく判りませんが、スレの情報に従います。
またTVTestでリモコンを使うための設定は上記11)の手順と変わりませんが、キー配置は PXRemoconによっていろいろ弄ることができます。(Readme.txtを参照。)

ⅳ)なおここの手順では.regファイルでレジストリを直接操作しますので、VistaやWin7以降では、UACの設定によってはうまく設定できないかもしれません。
その場合は
リンク先の手順を参考にして、管理者権限で上記.regファイルを実行してみてください。

以上、TVTestだけで結構いろいろな機能があり、このように簡単な手順で使い始めることができます。

.

クイックスタート手順2.TVRockを使って予約録画

予約録画の環境を作るのは少しだけ面倒になりますが、余裕があったらチャレンジしてみてください。ここではTVRockを使った手順を解説します。

① TVRockは、リンク先のファイル置き場から「期限解除パッチ適用済みTvRock09u2(up0699.zip)」をダウンロード可能です。それより前のバージョンはTvRockスレ@ウィキ の倉庫にあります。
http://www35.atwiki.jp/tvrock/pages/27.html

DLしたファイルは適切な実行用フォルダ(以下、\TVRockフォルダとします)に解凍してください。

また、TvRockOnTVTestの最新バージョン(2012/2月時点ではMod 9.1r2)を作者のかたのファイル置き場よりダウンロードします。

http://tvtest.uuuq.com/

上記リンクからダウンロードできない時は、TvRockスレ@ウィキ の倉庫にアーカイブがあります。
http://www35.atwiki.jp/tvrock/pages/27.html

TvRockOnTVTestは解凍後、「TvRockOnTVTest.ini」 と「TvRockOnTVTest.tvtp」の2つのファイルを、TVTestを導入した\TVTestフォルダの下の、\Pluginsフォルダ にコピーしておきます。

② BS/CS最新チャンネル対応のための前処理

\TVRockフォルダにあるtvrock.exeをダブルクリックして、TVRockを起動してください。

以下のような初期化ダイアログ、

Tvrockinit

あるいは

Tvrockinitb

が、(場合によっては何回か)出ますが、全てキャンセルを選んでください。
(なお、キャンセルを選ぶのはこの時だけです。以降の手順や通常の起動時に同じダイアログが出るときは、常に「OK」と答えてください。)
タスクバーにTVRockアイコンTvrockiconが表示されまますので、その上で右クリックし、「設定」を選びます。

表示されたTVRock設定画面で「システム設定」のタブを選びます。

下図の赤丸の「TvRock作業フォルダ」で「参照」を押して、\TVRockフォルダの場所 をセットしてください。

Tvrock1

以上でOKを押し、タスクバーのTvRockアイコンに戻って、右クリックし、「TVRockの終了」を選んでください。

次に、以下の2つのファイルをそれぞれ「右クリック」から「対象をファイルに保存」を選び、\TVRockフォルダを指定して、「保存」をクリックしてください。上書きしますか?と聞かれたら「はい」と答えます。

「ch-bs.txt」をダウンロード

「ch-cs.txt」をダウンロード

③ 次に、 \TVRockフォルダにある、DTune.batをダブルクリックしてください。

Tvrockdtune_4


4チューナーを選択

チューナー1にて、

Tvrock_dtune1_2

「視聴・録画アプリケーションがあるフォルダ」に、\TVTestフォルダを指定。

「チューナータイプ」を地上波デジタルに指定。

「実行アプリ名(視聴用)」をtvtest.exeとし、オプションに

/d BonDriver_PX_W3U3_T.dll /DID A

を入力。

「実行アプリ名(録画用)」もtvtest.exeとし、オプションに

/d BonDriver_PX_W3U3_T.dll /min /nodshow /DID A

を入力。

録画先フォルダを適切に指定。

以後、チューナー2~チューナー4を順に、以下のように設定していきます。

---------------------------------------

「チューナータイプ」をBS/CS

「実行アプリ名(視聴用)」オプションに

/d BonDriver_PX_W3U3_S.dll /DID B

「実行アプリ名(録画用)」オプションに

/d BonDriver_PX_W3U3_S.dll /min /nodshow /DID B

他はチューナー1と同じ

---------------------------------------

「チューナータイプ」を地上波デジタル

「実行アプリ名(視聴用)」オプションに

/d BonDriver_PX_W3U3_T.dll /DID C

「実行アプリ名(録画用)」オプションに

/d BonDriver_PX_W3U3_T.dll /min /nodshow /DID C

他はチューナー1と同じ

---------------------------------------

「チューナータイプ」をBS/CS

「実行アプリ名(視聴用)」オプションに

/d BonDriver_PX_W3U3_S.dll /DID D

「実行アプリ名(録画用)」オプションに

/d BonDriver_PX_W3U3_S.dll /min /nodshow /DID D

他はチューナー1と同じ

---------------------------------------

(DID A~Dをきちんと別々の値にしないと同時起動でハングするので、注意してください。)

④ 以降の手順はリンク先に従って、

「このPCで視聴したり予約録画するための設定は、これで完了です。」

というところまで進めてください。予約録画の方法もリンク先に解説してあります。

.

以上は入門編ですが、PC1台でPX-W3U3を使うには十分な機能がありますので、いろいろ弄ってみてください。番組表を使って1週間先までの番組を録画予約したり、キーワードを使った自動録画など、一通りのことができるようになります。

ただ弱点としては、せっかくチューナーが沢山あってもこのPCでしか使えないとか、チューナーは先に使ったものに常に優先権があるため、録画や番組表取得のスケジュールが始まる時にうっかりTV視聴していると、録画や番組表取得が失敗してしまう場合があります。

(チューナーの数が足りていれば問題ありませんが、例えばTVTestで視聴中に同じ放送波の録画や番組表のタスクが2つ走ってしまうと、1つが失敗することになります。)

こちらの設定方法では、Spinelを使ってその辺の問題を解消し、より汎用的に使えるようにしてあります。

W3U3やPT2を単に予約録画に使うのであればSpinelは必要なく、私も以前は放送を直接観る時は液晶TVを使っていましたので、長らく(PT2を)ここにあるような単純な構成で使っていました。

しかしその後有料チャンネルを契約したところ、BCASカード毎に課金される仕組みが馬鹿馬鹿しく、また実際に使っていくとTVTestで再生してマウスでチャンネルや録画予約を操作するのが、TVを観るにしても録るにしてもずっと便利に思えてきました。以前はTVTestは画質がいまいちだと思っていたのですが、それはデコーダやレンダラの設定と使っていたPCモニターの問題で、その辺をきちんと設定して本物の液晶TVに映したところ、TV内蔵のチューナーと比べても全く遜色ありませんでした。

そこで構成を考えた結果、液晶TVもPCにHDMI接続して単なるPCディスプレイにして、TVTestで視聴することにしました。それに合わせてW3Uxを接続した常時ONのPCと、液晶TVで視聴&録画再生するためのPCを立てて、(チューナーで視聴と録画が競合した時の排他制御も必要でしたので)Spinelを導入することにしました。

一旦その構成にすると、更にチューナーを増やしていっても柔軟に組むことができ、また家にある全てのPCでTVを観たり録ったりができるようになったりと、チューナーの使い道が大きく広がった感じです。同時に、YoutubeやUstream等の動画サイトも高画質化されつつありますので、最近はちょっとしたネットの動画再生も液晶TVを使って大画面で観たりと、TVの使い道も広がりました。

最初が少し面倒ですが、一通り使いこなせるようになったら次のステップとして、ぜひチャレンジしてみることをお勧めします。

2011年10月10日 (月)

3台のPX-W3U2で12チューナー

新BSチャンネル対応が終わったところで、久しぶりにいろいろ弄ったTVTest、TVRock、Spinelをもっと使いこなすにはどういう構成にすれば良いか、と考え始めました。。

で、考えているうちにいつの間にか、PX-W3U2をもう2台購入していました(笑)。合計3台・12チューナー体制です!

で、買ったからにはさっさとセットアップしないと、忙しくなってまたタンスに眠ったまま、となりかねませんので、この連休中にセットアップすることにし、結果一昨日の土曜日にほぼ完成しました。

チューナー3台並んでいるところです。積み重ねると熱を持ちそうなので、とりあえずこのように並べています。

W3u2_3(置き場が汚くてすみません;)

USBデバイスだと、増設がこのように簡単にできるのが利点ですね。また、PC側の造り替えやメンテナンスの時などに、予備のPCに簡単に繋ぎ替えが出来るのも便利なところです。

無事認識されると、デバイスマネージャー上では以下のようになります。

Photo_2

標準BDAドライバーで3台分を無事認識

312

Spinelで3台12チューナーを管理している状態

.
細かい説明もナンですので、全体の構成図を書いてみました。

これと過去記事 を参照されれば、具体的な設定も簡単に把握できると思います。

12_3

12チューナーの使い分けですが、とりあえず6チューナー(地上波3、衛星3)を視聴用として、サーバー/クライアントから自由に見られるようにしました。

今のところ特に排他の設定はしていませんが、例えば3人家族なら1人1セット(地上波1、衛星1)ずつ優先権をつけて、それぞれ用のPCからはそれだけ排他制御できるようにルールを決めておけば、チャンネル争いも無くなります。

.

残りの6チューナーはTVRockに優先権を持たせ、録画/番組情報取得中はチャンネルをロック(排他制御)するようにしました。

今のところ6チューナーが必要なほど予約録画はしていないのですが、BS,CS含めて80チャンネルを超える局で一日中いろいろな番組を放送していますので、とりあえずキーワード予約などで録画しておいて、後でサムネイルなどでチェックして不要なものはどんどん消していく、という使い方でも遊べそうです。

また、番組表取得でチューナーが占有される時間は馬鹿にならないのですが、その時間帯をやりくりする心配も不要になります。

逆に、視聴中に突然予約録画が始まって、見ていた番組が切り替わってしまう、という事が今まであったのですが、視聴用と分けてしまえばそういう事にも悩まされなくなります。

.
1.ドライバーについて

W3U2の場合、ノーマルのBDAドライバーで問題なく3台分認識しました。

ただし、事前にドライバーを入れておくことが前提で、挿した後から入れるとゴミが残り、3台分認識しないことがあります。その時は一旦ドライバーをUninstallしてW3U2を外し、再度ドライバー導入から始めてください。

.

2.スクランブル解除の使い分けについて

(以下で説明している「Spinel側でスクランブル解除して配信する機能」を使うためは、\SpinelフォルダにB25Decoder.dllというモジュールを入れておく必要があります。過去にはW3U2の記事の中でその手順も解説していましたが、現状このモジュールの入手性が悪くなっているため、現在使わない方法のみを解説しています。このモジュールはMulti2Decのパッケージか、一部のEDCBパッケージの中に入っていますので、やってみたい方はネットで探してみてください。)

過去記事では基本的にSpinel側でスクランブル解除する構成をご説明し、後日それに加えて、SpinelではなくTVTestからスクランブル解除する方法(BCASカードをBonCasLinkで共有する方法)を追記しました。

ここ5,6年以内のメインストリームのCPUであれば、手元でスクランブル解除しながらHD画像を表示しても大した負荷ではありませんので、サーバー側の負荷を無用に上げないためにも後者のやり方は有効です。(なにしろ全部で12チューナーありますので、さすがに少しずつ負担してもらわないと。。)

しかし性能の高くないPCでこれをやらせると、1画面でも画像が微妙にカクつくことがあります。

実際うちのE350機で大型画面に映してみると、特に空撮映像のようにハイビジョン映像の全体がゆっくりした動いていくようなシーンで、その微妙なカクつきが気になることがあります。

E350機はハイビジョンTV(AQUOS)の映像表示を担当しており、ある意味これに有料放送を映すのが、今回チューナーを増やした1つの目的でした。(TV側のチューナーで有料放送を受信しようとすると、TV側のBCASカードにも有料契約が必要になります。その際に割引はあるとはいえ、二重に視聴料を払わなければならないという、馬鹿げた料金システムです。。)

しかしこれではせっかくの高品質を気持ちよく視聴もできないですので、静かで省電力ということでこの目的に使おうとしたE350機の存在意義も下がってしまいます。

こういう場合はサーバーSpinel側でスクランブル解除させるようにすれば、クライアント側の負荷を下げることができます。実際やってみると、E350機でのカクつきも綺麗に無くなりました。

Spinelはこの辺便利にできていて、Spinel.iniで

DescrambleControl = 2

と指定しておくと、クライアント側BonDriver_Spinelxxx.iniで

DesiredDescrambleControl =  を、

 0 とすればスクランブル解除しないままのTS

 1 とすればスクランブル解除処理をおこなったTS

で配信するようになります。

Spinelのスクランブル解除処理はTS上の全サービスに対して行われますので、無闇に使うとサーバーZ68ITX機の負荷も馬鹿にならなくなりますが、とりあえず必要な時に選べるのは便利な機能です。現状うちではE350機だけSpinelで処理、それ以外やTVRockではTVTest側でスクランブル解除処理するようにしています。

.

3.で、結果は?

出費はともかく^^;)設定は割と簡単でした。

結果として居間の液晶AQUOSも、今やもっぱらW3U2をチューナーとして動いています。

Spinel経由で視聴しているとW3U2付属のリモコンも働かないのでマウスで操作する必要がありますが、PCからマルチスクリーン出力にできるのなら片方をTVにつないでメインの映像出力にし、もう片方を手元の操作用とすれば、RockバーやEPG番組表を見ながらチャンネルを切り替えたり録画予約したり、後述のWhiteBrowserでサムネイルを見ながらサクサク再生したりと、PC画面なので当たり前ですが矢印キーを何回も押す手間もなく、直感的な操作が可能になります。

ハイエンドのPCなら、(意味があるのかどうかは判りませんが)1台で同時に数チャンネルを映しながら面白い番組かどうかチェック、音は1画面だけ出す、という事も可能です。

この辺はCPU性能よりGPUの能力に依存していて、メイン&サブ機のGTX580なら同時4画面程度、Z68ITX機のGT430なら2画面、E350なら1画面程度が、カクつきのない映像としては上限でのようです。

4

メイン機で4画面映した例

(昔のアナログチューナーボードではもっとたくさん映していた、とおっしゃる方もいるかもしれませんが、HD画像を滑らかに表示するのは、最新のGPUでも結構大変です。)

.

一応、導入の最終確認として、12チューナーが独立して動くことをテストしてみました。

実は最初、予備的なテストとして、E350機にW3U2 2台を接続して手順を検証したのですが、ドライバーの入れ方がまずかったため(機器を接続した後に導入たため、ゴミが残ってしまった)、デバイスマネージャー上で1台しか認識されておらず、チューナーも1台分(地上波2、衛星2)しか動いていませんでした。

このときSpinel側では、2台分のBonDriverを定義してあったのですが、そういう場合Spinelがどう振舞うかというと、Spinelのモニター上ではあたかも2台分(地上波4、衛星4)が動いているかのように表示されます。TVTestからどのBonDriver_Spinel_x を選んでみても、個々には問題なく動きます。(BonDriver_PXが、動いているチューナーを順に割り当てるようです。)

しかし、TVTestを同時起動して別々のチューナーを割り当てていくと、1台分(地上波2、衛星2)を超えた時点でエラーが出て、新しいチューナーが選べなくなります。

以上の事前テストで、Spinelで多チューナーを構成する場合の振る舞いが判りました。

今回はドライバーの導入手順に間違いはなく、デバイスマネージャーでも3台分がきちんと認識されていますが、最終的には実際に12個のTVTestを同時に動かしてみるのが確実です。

ただ12画面は1台で表示するには重すぎますので、3台のPCで手分けして12個のTVTestを起動し、それぞれにBonDriver_Spinel_x を割り当て、別々のチャンネルを表示させてみました。

以下の画像はその時のSpinelモニター画面です。確かに12チューナーそれぞれに、TVTestが1個づつ割り当てられています。

Spinel12

12個のTVTestでそれぞれチャンネルを切り替えても、他のTVTestが釣られて切り替わることはありませんので、ちゃんと別々のチューナーで動いているようです。

以上で、12チューナー構成が無事稼働していていることが確認できました。

.
4.録画した映像の管理にWhiteBrowser

さて、録画したファイルも増えてくると、いちいち内容をチェックするのも面倒になってきて、よくわからない映像がいつのまにかディスクを占めていたり、録画してあるのを忘れてレンタル屋に借りにいったり、という、よくわからない状況に陥りかねません。

そこで、最近その管理用ツールとして、WhieteBrowserの環境を整備しました。

WhiteBrowser268@Gt氏が開発されている動画管理用ブラウザで、非常にカストマイズの自由度が高いのですが、導入した状態ではサムネイルは3画像で、サポートされるフォーマットも限られています。

そこで私は写真のように、1動画ファイルあたりのサムネイル数を増やして凡その内容が判る程度にし、またサポートフォーマットもデジタル放送を録画した状態のts、iPod用に変換したmp4、またDVDのisoファイルなどを追加しました。

Whitebrowser

WhiteBrowserはファイラーではなく、映像ファイルが置いてあるドライブや階層は、画面上で区別しません。次の画面のように監視対象のフォルダを登録しておけば、それらのフォルダ(及び、必要があれば下の階層全て)に存在している映像ファイルを、一括して取り扱います。

Photo_2(フォルダの登録はドラッグ&ドロップ一発です。)

この辺も映像ファイル管理では都合が良いです。映像ファイルはサイズが大きく、1個のドライブに集中させるとすぐに容量が足りなくなるので、複数のドライブに分散させるのが普通だと思います。(私の場合最終的には10個を超えるHDDに分散して保管しています。)そうなると後でファイルを探すのも大変です。

その点WhiteBrowserだと、上記メイン画面からフラットなリストとして見えますので、一覧性が高いですし、ここから一括した検索もできます。(ファイル名にいろいろ情報を入れておけばそれで探せますし、後からタグを付けることも可能です。)

例えば、「宇宙」をキーワードとして検索した結果です。

Whitebrowser_

目的のファイル上で右クリックすれば操作の一覧が出ますので、ここからVLCなどで再生したり.isoをバーチャルドライブにマウントしたり、まとめて移動/削除したり、というのが、一般的な使い方になります。

更にスグレモノだと思うのは、WhiteBrowserが停止しているときにエクスプローラー等でファイルの移動をおこなっても、(WhiteBrowserが監視しているフォルダ同士での移動であれば)WhiteBrowserが起動する時に、「同じファイルがあるフォルダから消えて、別のフォルダに存在する。」ということを認識して、インデックスを自動的に貼り直してくれることです。

録画ファイルは、分類やアーカイブの目的で移動は頻繁に行ないますので、その辺を自動的に追跡してくれるのは、よく考えられていると思います。その辺が作りこまれていることも含めて、動画を一括管理するにはかなり便利なツールです。

ここでは以上のご紹介だけですが、また機会があればカストマイズ方法などもご紹介していきたいと思います。→解説記事を追加いたしました。

だいぶウチのデジタル映像環境も整ってきた感じです。

2011年10月 3日 (月)

2011/10月および2012/3月のBSチャンネル移行にともなう、TVTest、TVRock、PX-W3U2の設定変更について

(2012年3月1日追記:最新のBS新チャンネルおよびCSチャンネルを反映しました。)

さて気が付いたらもう10月、そういえばいくつかのCSのチャンネルがBSに移行したなあ、W3U2の環境も更新しなきゃなぁ、と思い、この土日で取り掛かったところ、例によってチャンネル更新関係の情報は、PT2関連やFriio関連など、いろんな所に散在している状態で、いろいろ探して集める必要があることが判りました。

またPT2に関してはBonDriverの対応版が出ているようですが、Plex関係者がやっているはず(笑)のPXSeries用BonDriverは更新の気配もありません。ということはBonDriver自体はPT2用と違って、最初から新しいBSチャンネル周波数にも対応していることは予想できますが、定義体(.iniファイル)には既存のBS13チャンネル分しか定義されていません。その辺修正が必要になりますので調べたところ、W3PEやS3U2関連の修正項目が、ネットに情報としていくつかまとめられていました。

それらを参考にしてBonDriverのiniファイルを修正し、TVTestとTVRockも必要な対応をおこなった結果、週末に無事移行が完了しました。

そういえば、と思ってみると、以前のW3U2の記事へのアクセスがここへ来て少し増えていることに気が付きました。同じことを考えている方も結構おられるのかもしれません。

調べるのが面倒でちょっと、という方に少しでもお役にたてればと思いますので、物凄く備忘録調ですが、私がやった内容をまとめとして書いてみます。

なお、一度ここの手順でBS新チャンネル対応をされた方は、以後のBS、CSチャンネル更新ではこの手順は不要です。またこの記事の日付(2011年10月3日)以降にこのブログの手順でPLEXチューナをセットアップされた方も、(端折ったり手順を変えてない限り)この内容は反映されています。それらの場合の最新チャンネル編成への対応は、リンク先の手順に従ってください。

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移行手順そのものはSpinelの有る無しがあっても、PX-W3PEやPX-S3U2ならほとんど同じ手順になると思います。また、BonDriver用手順(これだけは機種毎にかなり違います)だけを置き換えれば、PT2やFriio等でも汎用的に使えます。

また中には、グリーンチャンネルの移行に伴って、今回初めて、普通に録画したいだけなのに「コピー制御信号を検出しました」を喰らって、BS環境でのTS抜きに挑戦される方もおられるかもしれません。そのような場合まずは機器と基本のセットアップが必要になりますが、PX-W3U2を使われる場合は、ここの過去記事がご参考になると思います。

ただし例によって説明の簡単化のために、細かいところはうちの環境決め打ちでの説明になっていますので、その点はそれぞれの環境に置き換えていただければと思います。また、CS(スカパーe2)関連は、視聴していない方は飛ばしてください。

作業の一覧図です。

Newbstvupdates_2

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0.作業前に、Spinel、TVRock、TVTestを終了させてください。

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1.BonDriver_PXについて

\Spinel\BonDriverフォルダにある

BonDriver_PX_W3U2_S0.ini
BonDriver_PX_W3U2_S1.ini

をテキストエディターで開いて、それぞれ[BS]セクションを以下の通りに上書きします。

[BS]
CHANNEL_NUM = 30
CH001 = BS1/TS0,0,11727480,0x4010
CH002 = BS1/TS1,0,11727480,0x4011
CH003 = BS3/TS0,0,11765840,0x4030
CH004 = BS3/TS1,0,11765840,0x4031
CH005 = BS9/TS0,0,11880920,0x4090
CH006 = BS9/TS1,0,11880920,0x4091
CH007 = BS9/TS2,0,11880920,0x4092
CH008 = BS13/TS0,0,11957640,0x40d0
CH009 = BS13/TS1,0,11957640,0x40d1
CH010 = BS15/TS1,0,11996000,0x40f1
CH011 = BS15/TS2,0,11996000,0x40f2
CH012 = BS17/TS1,0,12034360,0x4310
CH013 = BS17/TS2,0,12034360,0x4311
CH014 = BS5/TS0,0,11804200,0x4450
CH015 = BS5/TS1,0,11804200,0x4451
CH016 = BS7/TS0,0,11842560,0x4470
CH017 = BS7/TS1,0,11842560,0x4671
CH018 = BS11/TS0,0,11919280,0x46b0
CH019 = BS11/TS1,0,11919280,0x46b1
CH020 = BS11/TS2,0,11919280,0x46b2
CH021 = BS19/TS0,0,12072720,0x4730
CH022 = BS19/TS1,0,12072720,0x4731
CH023 = BS19/TS2,0,12072720,0x4732
CH024 = BS7/TS2,0,11842560,0x4672
CH025 = BS21/TS0,0,12111080,0x4750
CH026 = BS21/TS1,0,12111080,0x4751
CH027 = BS21/TS2,0,12111080,0x4752
CH028 = BS23/TS0,0,12149440,0x4770
CH029 = BS23/TS1,0,12149440,0x4771
CH030 = BS23/TS2,0,12149440,0x4772

以上で保存します。終了後Spinelを起動して、正常に立ち上がることを確認してください。

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2.TvRockOnTVTestについて

最新版のTvRockOnTVTestをダウンロードします。(2011/10/3現在はMod 9.1r2 既にこれ以降のバージョンを入れている人は、ここの手順は不要です。)

http://tvtest.uuuq.com/

上記リンクからダウンロードできない時は、TvRockスレ@ウィキ の倉庫にアーカイブがあります。
http://www35.atwiki.jp/tvrock/pages/27.html

解凍後、TVTest\pluginフォルダーに、新しいTvRockOnTVTest.tvtpとTvRockOnTVTest.iniを上書きコピーしてください。

ただし、CATV経由等でTvRockOnTVTest.iniを自分で書き換えしている時は、上書きコピーではなく、元のTvRockOnTVTest.iniをテキストエディタで開いて、BSチャンネルの更新部分を上書きしてください。必要なのは[BSFrequency]のセクションの更新です。

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3.TVTestについて

念のための事前の注意点ですが、もしTVRockからの録画に「RecTest」を使っている場合、そもそも新BSに対応していません。(βテスト中の後継品を除いて)。その場合TVRockの設定を変えて、録画アプリもTVTestに変更する必要があります。(過去記事参照) ただし、いずれにしろTVRockの再設定を後の手順でおこないますので、RecTest→TVTestの変更はその際に反映すれば大丈夫です。

さて、TVTestはver.0.7.22r2以降にする必要がありますので、現状がそれ以前のバージョンの方(あるいは現状バージョンが良くわからない方)は、最新版をダウンロードします。

http://tvtest.uuuq.com/

上記リンクからダウンロードできない時は こちらにver.0.7.23のアーカイブがあります。

解凍後、図の赤枠内のファイルを、TVTestの実行用フォルダに上書きコピーしてください。

Newbstvtest

以上でTVTestは最新版になります。

次に、BS、CSの最新編成に対応した、以下の添付ファイル

「Preset_BS.ch2」をダウンロード

「Preset_CS.ch2」をダウンロード

を、「右クリック」→「対象をファイルに保存」で適切な場所にダウンロードして、\TVTest実行用フォルダに上書きコピーしてください。

(上記の名前のままでDLするように注意してください。ときどきブラウザが勝手に.txtという拡張子に改変してダウンロードしようとする場合がありますので、その場合は再度この操作をやり直して、拡張子が.ch2になることを確認してください。)

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これを使って、BS,CSのチャンネル設定を更新します。

(Spinelを使っている方はSpinelを起動させた上で)TVTestを起動します。

左下で

BonDriver_Spinel_PX_W3U2_S0.dll (S0)
BonDriver_Spinel_PX_W3U2_S1.dll (S1)

等の衛星系BonDriverを順番に選択しながら、以下の作業をおこないます。

画面上で右クリックし、「設定」

Tvtestnewbs

「チャンネルスキャン」を選択し、

対象チューニング空間でBSを選択→真ん中下の「プリセット読み込み」をクリック
対象チューニング空間でCS110を選択→真ん中下の「プリセット読み込み」をクリック

以上でOKを押してください。

これをS0、S1で順番におこなってください。

この作業後、一旦TVTestを終了し、再度TVTestを起動してください。(こうしないと変更が十分に反映されず、TV画面が映りません)

左下でS0、S1を順番に選択し、またBS、CS110を順番に選択してみて、チャンネル一覧が更新されていることを確認します。またチャンネルを選んでみて、正常に受信できていることを確認してください。問題なければ、TVTestの更新は完了です。

なお、上記「チャンネルスキャン」画面で、「スキャン開始」を押すことにより、自分でチャンネルを探して設定することも可能です。

ただ今回最新のチャンネル・プリセット値が設定されていますし、自分でスキャンするとCSの移動済みチャンネル(移動の案内画面のみが放送されている)を拾ってしまったり、放送休止時間のチャンネルが検出できなかったりしますので、このプリセット値を使うことを推奨します。

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4.TVRockについて

これがちょっとだけ面倒かもしれません。変更後のチャンネル情報をそのまま読ませたりDTV.iniを書き換えるだけだと、私の場合どうしてもチャンネルが反映されなかったり新旧2重に登録されたり、という事が起きましたので、以下のようにしました。

一度この DTune.bat を使う方法でチャンネルを定義しておけば、今後のチャンネル追加/変更だけでなく、チューナーの追加/変更も一括したやり方で、ミスや不整合を起こすことなく行えるようになります。

ただし、注意点なのですが、この作業の前に録画予約していた衛星放送の番組については、TVRockのBS,CSチャンネルを一旦綺麗に削除・再定義する関係で、各予約レコードのチャンネルが「空欄」に変わってしまいます。

そのままでは予約録画がされませんので、事前にTVRockの番組表から予約一覧をプリントアウトしておいた上で、作業後、各予約にチャンネルを再設定してください。予約録画が沢山溜まっている方はちょっとご面倒かもしれませんが、番組表やチャンネル一覧にゴミを残さないためです。

(チャンネルエディターで一旦全部削除するのではなく、目で一個一個確認しながら無くなったり名称変更のあるチャンネルのみを一旦削除する手順なら、その辺は避けられると思います。ただ手順として面倒になりますので、ここでは割愛させていただきます。)

① 添付した2つのファイル

「ch-bs.txt」をダウンロード

「ch-cs.txt」をダウンロード

を「右クリック」→「対象をファイルに保存」でダウンロードして、「TVRock作業フォルダ」に上書きコピーします。

ちなみに「TVRock作業フォルダ」は、TVRock設定の以下の赤丸部に指定されている場所です。

Tvrock_work

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② TVRock作業フォルダをバックアップする。

TVRockでチャンネルを一挙に削除すると、TVRockが再起動しなくなるトラブルが起きることがあります。それに備えてこのタイミングで、\TVRock作業フォルダを丸ごと、他のどこかにコピーしておいてください。何かトラブルが起きて元に戻したい場合は、TVRock作業フォルダの中身を削除してこのバックアップから戻すことによって、前の状態を復元できます。

③ TVRockを起動し、右クリック→ツールからチャンネルエディタを選びます。
Tvrocknewbs_ched

チャンネル一覧から、BS、CSの全チャンネルを選択します。(BSの一番上をクリックしてから、スクロールバーで一番下までスクロールしてCSの一番下をShift+クリックすれば、まとめて選択ができます。)

次に真ん中下の「削除」をクリックし、OKを押します。

以上で既存のBS,CSチャンネル設定は一旦削除されます。この状態でTVRockを一旦終了します。

④ \TVRockフォルダで

DTune.bat

をダブルクリックして起動します。

開始してよろしいですか?に「OK」を答え、次のターゲット数の指定で、今までの定義と同じ数(例えばW3U3 1台で使っていたら「4チューナー」)を選択します。

ここから各チューナーの設定画面になりますが、もし今まで録画アプリにRecTestを使っていた場合は、ここで以下のようにしてTVTestに変更するのをお勧めします。(RecTestはBS新チャンネルに対応していないため。)

・「実行アプリ名(録画用)」をRecTest.exeからtvtest.exe に変更

・ 対応するオプション欄をリンク先に従って変更

これ以外は、特にチューナー設定をいじる必要はありません。そのまま「次へ」を順に押していってください。

チューナー設定の画面が終わると、チャンネル設定の画面になります(地上波→BS→CSの順)。あっさりしてますが、ここが今回の作業のポイントです。

地上波は今まで設定してあったものが表示されますのでそのまま「次へ」を押します。すると「ch-bs.txt」,「ch-cs.txt」の内容がBS,CSチャンネルのプリセット値として表示されますので、基本はそのままで、またもし一部を意図的に変更したいならここで編集し、「次へ」を押していきます。

「番組情報を取得します」の画面になったら、次へを押してください。数秒後、TVTestが2タスク起動しますので、タスクバーで右クリックし、「ウインドウを閉じる」を選択して2タスクとも終了させてください。すると、「終了しました。次へ進んで下さい。」の画面になりますので、「次へ」を押します。

尚、もし図の状態のまま、2つのTVTestタスクが立ち上がらない場合、

Dtunehung

(本来このタイミングで立ち上がる筈の)TVRockがうまく起動しないと思われ、注1)のケースが考えられます。その場合は一旦この状態でキャンセルを押して処理を中断し、注1)の手順に従って2)からやり直してください。

更に「次へ」を押せば、「終了」のボタンが出てきますので、クリックしてください。起動したWeb画面は終了させてOKです。

尚、私の場合、DTuneで再設定したことにより、TVRockの設定値が初期状態に戻ってしまったものが3点ありました。

・設定→システム設定で、「復帰処理をタスクスケジューラーで行う」をチェックアウトしていたのがチェックされていた。=>チェックアウトに戻した。

・設定→インテリジェントで、TVRock番組表を「認証無し」にしていたのが「Digest認証」になっていた。=>「認証無し」に戻した。

・番組情報取得の対象チャンネルが地上波だけになり、衛星のチェックが解除されていた。=>下にある番組情報取得の手順でBS,CSを再度、全チェックにした。

ほかにも一応、TVRockの「設定」内容を確認してみてください。

最後にTVRockをいったん終了し、再起動してください。

以上でRockバーから見えるBS,CSのチャンネル一覧、およびテレビ番組表の表示が更新されている筈ですので、確認してください。表示順が気に入らない時は、チャンネルエディタで(移動したいものをまとめて選択したうえで)「上へ」「下へ」をクリックすれば、番組表やRockバーに表示される順番を変更できます。

次に、録画予約していた衛星放送の番組について、各予約にチャンネルを再設定してください。

上記の手順が終わったらブラウザから予約リストを開いてください。
図のように一覧が表示されますが、

Photo_2

削除したチャンネルに予約していた予約録画情報は、チャンネル欄が図の赤丸部のように、「ブランク」となっている筈です。

これと事前にプリントアウトしておいた予約録画情報

Photo_3

を比較しながら、予約情報(のタイトル欄)を1個ずつクリックし、表示された図のような画面で

Modchannel

「チャンネル」欄で、該当する(更新された)チャンネル名を再セットしてください。

セットしたら、「予約を変更」をクリックして、設定を反映してください。

以上を全てのチャンネル欄がブランクになった予約録画情報についておこなってください。予約が多い場合は少し面倒かもしれませんが、今回だけの辛抱です。

(もしチャンネル欄ブランクのものが残っている場合、TVRock(あるいはPC)を終了して再起動する際に、「予約データにチャンネルが設定されていません。」という警告ダイアログが出ます。よってブランクになった予約には全てチャンネル情報を反映するか、あるいは不要な予約は「予約を削除」し、TVRock起動で警告が出なくなるようにしてください。)

もう1点修正が必要なのは、TVRockの「自動検索予約リスト」です。

チャンネル削除・再設定直後は、新規追加されたり「削除」→「再登録」されたチャンネルが検索対象から外れていますので、ほうっておくとそれらのチャンネルが、自動予約の対象外になってしまいます。(既に予約済のデータは上で対応されますが、今後の追加の対象外になってしまいます。)

この対応としてブラウザから「自動検索予約リスト」を開き、リスト項目を1個づつ選んで、「キーワード編集」をクリックし、編集していきます。

Autoserchlist1

次の図が「キーワード編集」を開いた状態です。

Autoserchlist2

赤丸部の対象チャンネルから、変更/追加したチャンネルが除外されていることがわかります。(たとえ対象チャンネルを指定していないつもり=全てのチャンネルを対象としていたつもりでも、こうなっています。)

もともと検索対象チャンネルを絞っていた場合はここで改めてチャンネルを指定してください。もし対象チャンネルがどれだかわからなくなった場合はとりあえず全部を指定して「検索」を押してみて、改めてそこから絞っていっても良いですし、事前にプリントアウトしておいた予約録画情報からもだいたい判ると思います。

全チャンネルを改めて対象にするときは、(全てを選択、というボタンはありませんので)図のように、いちばん上のチャンネルを「クリック」してから一番下までスクロールしていき、一番下のチャンネルで「Shift+クリック」すれば、全部が選択されます。
以上が終わったら「自動検索予約の編集」を押し、

Autoserchlist3

最後に「自動検索予約変更」を押してください。これで変更が反映されます。

Autoserchlist4

以上を各「自動検索予約リスト項目」に反映すればOKです。

新チャンネルや移動したチャンネルについては番組表が取得されていませんので、「インテリジェント」→「番組情報取得」で必要なチャンネルをチェックし直した上で「記憶する」を押し、適宜スケジュールを入れておいてください。面倒でなければ、BC,CSとも全チェックにしておくと良いと思います。.

これでTVRockの対応も完了です。

このようなBS新チャンネル対応に限らず、引っ越し・マシンの持ち運びやチャンネル編成の変更のときにTVRockのチャンネルを編集する場合は、DTune.batの活用をお勧めします。理由は以下の通りです。

・編集したチャンネルの内容はch-ts.txt、ch-bs.txt、ch-cs.txtというファイルに保存され、次に編集(DTune.batを起動)するときもそれを呼び出せること。また、チャンネル設定をファイルで展開できること。(一方DTuneを使わずにチャンネルエディタとTVRockの設定画面で変更した内容は、簡単には再利用できません。)

・編集したチャンネルの内容は全てのチューナーに直ちに反映され、手間とミスが省けること。

・一旦削除したチャンネルは予約録画済みのレコードのチャンネル欄が空欄になるので、(自動で再設定はされないものの)どれに再設定が必要かが判りやすいこと。編集前のチャンネル情報がゴミとして残らないこと。

・実はチャンネルエディタで一旦削除するのは、何か変更のあるチャンネルだけで良いのですが、ch-xx.txtの中身と少しでもズレがあるチャンネルは「幽霊ch」になるため、ここでは確実性を取ってBS,CS全チャンネルを一旦削除するようにしています。(今回は外からch-xx.txtファイルを上書きしますし、チャンネルの変更対象も多いですので)

一旦ch-xx.txtを使ってチャンネル定義し、以後の変更ではこれを編集しながらDTune.batで反映していく形にすれば、チャンネルエディタで編集対象のchだけを一旦削除してからDTune.batで更新、という手順が使えるようになります

・DTuneの副作用(上のように一部設定値が初期値に戻る点)が判っているので、そこだけ再設定すればよいこと。(作業としては一瞬です。)

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5.Spinel経由で視聴している他PCについて

これらについても、TVTestを同じ手順で更新してください。BonDriver名が同じであれば、BonDriver名.ch2ファイルをコピーする形でも良いです。

もし他PCでTVRockも動かしている時は、そちらも上記TVRockの手順に従って更新してください。
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以上です。CS110→BSに移行したチャンネルは、帯域も広がったのか映像も綺麗ですね。できればJSPORTSなどより、もっとほかのチャンネルが移行してくれたほうが良かった気もしますが、こればかりは好みの問題ですね^^;

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注1)チャンネルエディタでチャンネルを削除した後、TVRockが起動しなくなる場合。

これはどのような条件で起きるのか正確に判っているわけではありませんが、削除したチャンネルが予約済みの録画情報で多く参照されていた場合に起きることがあるようです。

現象としてはDtunes.batで設定している最中に、図の状態でTVTestのタスクが立ち上がらず止まってしまう、という形で現れます。

Dtunehung_2

この状態ではTVRockを単独で起動させようとしても立ち上がらなくなってしまいます。

このような現象が起きた場合は「キャンセル」を押して、\TVRock作業フォルダの中身を削除(たまに削除できないファイルができている場合もありますが、その時はそれだけスキップしてそれ以外を削除)した後、バックアップから\TVRock作業フォルダの中身をそこに復元し、TVRockを起動して、もう一度 4-③からやり直してください。

ただし予めプリントアウトしておいた予約録画情報を見て、たくさん参照されているチャンネル(例えばここの例ではテレ朝チャンネル、TBSチャンネルなど)については削除せずに残しておくようにしてください。
それで最後までうまく行ったら、しばらくはそれで運用すれば良いです。上で削除せず残したチャンネルについては、重複する(少し名前の違う)新しいチャンネルが出来ることがありますが、まああまり問題はないと思います。(番組表取得がその分余分にかかったり、自動検索予約で2重に予約されたりしますが、都度録画対象から古い方を除外したり、2重予約されたら古い方を無効にしていけば害はありません。) 重複チャンネルがなければそのままでOKですし、重複ができた場合も該当の(古い)CSチャンネルを予約の対象から外していって、参照する予約がなくなった段階で、削除対象を該当チャンネルに絞って4-①の手順からやりなおせば、無事削除されると思います。
あるいはそれでも上手くいかない時は、衛星系の予約情報を全て削除してから上記手順をおこない、設定が終わったら再度予約を登録する、という強引な方法もあります。その場合でも、自動検索予約リストで多くの予約がおこなわれる場合は、気にせず予約を削除しても、次の番組表取得のタイミングで、新しいチャンネル対象で予約が復活します。
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2011年8月31日 (水)

ZOTAC賞と、PC部屋の近況

気がついたら2ヶ月近く更新サボってました。スミマセン;
といっても実質は、前記事ZOTACのZ68-ITXマザーは、日付の7月6日以降、1ヶ月くらいかけてトピックを書き足してました。その後もPCをあまり弄ってなかったわけではなく、パワレポの省電力コンテストにZ68ITXとE350マシンで応募し、
http://www.dosv.jp/contest/7eco/entry/detail.php?id=714
http://www.dosv.jp/contest/7eco/entry/detail.php?id=715 (以上の2つは実質1投稿)
http://www.dosv.jp/contest/7eco/entry/detail.php?id=502
前者のZ68ITXのほうはZOTACさんの賞をいただきました。
以下がその内容です。

Zotac

JOJO NG氏ってのはスタンド使いの一族の方でしょうか?とりあえず、IONマシン有難うございます!

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さて、写真はPC部屋の近況です。
Traderoom

PC内訳でいくと、miniITX機のZOTAC Z68ITX-b-e機は前記事の通りですが、Fusion E350機も、ケース(ISK-100)をもう1個買ったのでそれに入れて、見事復活しました。とりあえず音楽や録画した番組を流しっぱなしにする場合は、そちらを使っています。

また、外付けの「おかもちBOX(HDD3台とDVD2台を搭載可能な外付BOX)」をそれぞれに作成し、写真のように取り付けました。

Okamochistyle

ラックにこの2台を上下に並べて、現在は写真のような状態になっています。

Miniitccases

現状、この2台はほぼ点けっぱなしの状態で、TV予約録画やファイルサーバーの役目を果たしています。

ちなみに、このおかもちBOXのFANはHDD温度で制御しており、42℃以下は停止、それ以上になると600rpmくらいで回るようになっています。これはZ68機のほうは本体のbigNGから、またE350機のほうは初登場のminiNGを使って制御しています。

本当はZ68機で静音化にこだわったので、ここもSmartDriveといきたかったところですが、、実際稼働させてみると私の耳はまだHDD回転音が気になるほど、”静音の病”が進行していないようです。確かに他が静かになったので、HDDのシャーという回転音がどういうものか、よく判るようになりましたけどね^^

miniNGはE350が加熱したときのケースファン駆動も制御もしています。これらの制御情報は、前もってbigNGに接続して転送してあります。
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さて、前記事の終わりあたりで全水冷機の屋外水冷化構想を書きましたが、CM690II機以外はほぼ対応が完了し、HDD以外の冷却は屋外でやってる形になりましたので、部屋内は今まで以上に静かになり、また何よりメイン・サブ機を立ち上げていても、部屋にほとんど熱気が溜まらなくなりました。
A77F機はそのために、ファンコンをKoolanceのTMS-200に替え、裏面に固定しました。

A77fkool写真左上部の基板がファンコン

A77fkoolanceファンコンの空いた所にDVDを一基増設

ファンコンは図のように一定以下の水温ではファンを止める設定にし、

Koolancecurve

結果屋外水冷系が働かない場合のみにケース内のラジエターファンが駆動するようにしています。

BigNGと比べて機能的には低く、値段も安からずですが一応プログラマブルであり、既に取り付けてあるKoolance水温センサを入れ替えなくて済む=水抜きせずに済むので、これにしました。

ファンは0%(停止)から100%まで10%刻みで11段階の制御ができますが、最低回転の10%でも7~8割のrpmで回ってしまうため、きめ細かな制御にはなりません。

ただ停止モードがあるのと制御温度を上の図のように自由に設定できるのが、今まで使っていたKoolance CTR-CD10(これも高かったT^T)よりかは改善された点で、一定水温以下ならファンを止めるという制御が、これでようやくメイン機でも可能になりました。

ファンはPWM(電圧パルス)制御ですが、bigNGのPWMと比べれば、ノイズやLEDの明滅は出ません。

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1200機もBigNGの設定を同様に変え、屋外系が動いている間はラジエターファンを止めています。
またそれ以外に、以前水漏れさせたせいか、グラボが調子悪くなっていましたので、グラボをGTX480SLI→GTX580SLIに替え、水枕もBitsPowerのBlack Freezerを取り付け、緑のLEDを着けました。綺麗に輝いてなかなかカッコいいです。

1200with580x2

1200evolve

1200with580x2裏側も(これでも)結構整理

本来これはCM690II機にMaximus4Extremeと共に取り付ける予定だったのですが、そちらのほうの完成は、いよいよ判らなくなりました。だって、今あるPC4台で十分といえば十分だし。。組み立てを待ってるパーツ達、スマン。

結局、こうなると各機が持っているラジエターシステムはバックアップに過ぎず通常は不要で、普段は各PCは1000Wで発熱していようと、小さなヒートエクスチェンジャーが1個付いていれば冷却は十分ということになります。

もともと屋外系の水冷システムはどの程度信頼できるのか、また真夏に使えるのかも判らなかったので、あくまで補助的な位置づけだったのですが、半年以上安定して使えている上このように威力も十分で、更に静音化にも役立つのが判りましたので、今後はもっとこれを積極的に使っていこうかなと思っています。

例えばCM690II機も改装の折には、緊急用のラジを1個だけにしてヒートエクスチェンジャーを付け、残りの空いたスペースは他の用途で有効に使おうかな、など、構想だけは進んでいます。

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ほかに、ディスプレイ系をデュアルリンク対応のディスプレイ切替器 2台などを使ってモニター6台+1(TV)を4台のPCで活用できるようにしたこと、オーディオを4台のPCそれぞれからデジタル接続して、1月に買ったONKYOの5.1chサラウンドシステムをようやくフル活用できるようになったこと、などが現状手を加えた点で、やっと1月頃に考えたシステムが一応の完成をみた気がします。ここまで手を加えてしまうと、部屋の模様替えもうかつにできませんが、、まあその時はそのときに悩むことにします。。

2011年7月 6日 (水)

ZOTACのZ68-ITXマザー

昨日、所用で秋葉原をうろついていたところ、以前から気になっていたZOTACのZ68 mini-ITXマザーが店頭に並んでいるのを見つけ、いったい何に使うのか用途が定まらぬまま、買ってしまいました。
買ったのは、オンボードにGeforce GT430が付いた、Z68 GT430 ITX-WiFiというモデルです。

Z68は(全てのモデルではありませんが可能性としては)OC可能でありながら、内蔵グラフィックスが付いていてコンパクトにまとめることも可能、ということで、「超小型・省電力でありながら高性能」という羊皮狼型のマシンを構成できるはずで、これのITXモデルが出てくるのは実は密かに期待していました。
実際、このZOTACマザーは注目度もそこそこ高かったようで、秋葉のドスパラには2ヶ月近く前からcoming soonの紙が貼られていたのになかなか現物を目にすることができませんでしたが、ようやく出回り始めたようです。
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早速、サブ2号機入れ替え用に待機していた2600Kを入れて、以前ディラックさんから賞でいただいた、クモ型ベンチ台にセットしてみました。
Zotav_z68itx

WiFiアンテナがクモの触手のようですね。
水冷でテストするのは、ベンチ台に既に水冷一式が仕込んであるからで、こうしておくとむしろ空冷よりもセッティングがお手軽です。

こちらは別のアングルから。

Zotav_z68itx_2

まあ、何故このベンチ台にラジエターやら熱交換器が仕込んであるのかは、話せば長くなりますので、今回割愛します^^
.
さて組み立てようとしたところ、メモリーが一般的なデスクトップ用ではなく、SO-DIMM DDR3という、ノートPC等で使われるタイプであることが判りました。

これはさすがに予想しておらず、手持ちもなかったので、翌日秋葉原に寄って、Hyper-Xの204pin OCメモリーを入手し、仕切り直しました。

結果は以下の写真のようになり、無事起動しました。

Zotav_z68itx_3_2


.実は、このマザーに(SANDY Kモデルの場合の)TB倍率自由設定でのOC機能があるのか、とか、コア電圧等を適切に調整できるのか、とか、このマザーの魅力度を左右するような情報が、ネットにはマニュアルもアップされていないため殆どわからず、さらに購入して付属マニュアルを見ても、ほとんど解説されていませんでした。
そこで、まずは現物のBIOSを立ち上げて、確認することにしました。
.

結果、一応OCに必要な最低限度の機能は備えていました。
写真がそれに関係する項目の"X-Setting"で、Advancedタブの中にあります。

Zotav_z68bios_setting01

(ちなみにこれはBIOS画面に見えますが、中身は(恐らく)UEFIと思われ、マウスも使えます。個人的にはこちらの方が使い易いです。ASUSなどで最近みられるGUIベースのUEFIは、マウスの操作が不可解でとても使いにくい・・)
.
ここから、"CPU Performance"を選ぶと、CPU(およびメモリ)に関する、OCのための設定項目が出てきます。

Zotav_z68bios_setting02

以下がデフォルトの設定内容です。ここでTB倍率を設定し、また電圧を調整することになります。

Zotav_z68bios_setting03


ただ、このメニューで見ても判る通り、コア電圧に関する設定項目は"Additional Turbo Voltage" のみです。
つまりTBが効く(OC設定した倍率に上げる)際に、どれだけコア電圧を追加で盛るか、という設定のみで、ピーク時のCPU電圧を制御することになります。

この辺、OCの設定項目としてはかなり物足りない気がします。確かにSandyのOCでCPU電圧を調整しなければいけない項目は、Gulftownあたりと比べれば極めて少ないのですが、それでもLLCとか、OC時の電圧の安定にかかわる調整項目は結構重要でした。

更に言えば、この"Additional Turbo Voltage" は、記憶ではMaximus4 Extremeなどのマザーにもありましたが、負荷の急激な変化の時にシステムを不安定にすることがあったので、使っていませんでした。
今回のマザーではそれに頼らなければならないことになります。なので、ぎりぎりまでのOCではなく、CPUとしてはかなり余裕を持たせた範囲にとどめるのが賢明ですね。

.

ところで、実際にやってみるとコア電圧の調整はこれだけではなく、本来は倍率の上昇の際に、マザーが勝手に判断して自動的に盛る仕様になっていることがわかりました。
つまりは上記の"Additional Turbo Voltage" は、それに更に追加する"微調整用電圧"というのが、正しい解釈になります。

それに気づかず、最初この"Additional Turbo Voltage" に150mV(=0.15V)などと入れたところ、TB倍率45倍でピーク時コア電圧が1.55Vを超え、焦りました。この場合、もともとマザーは自動でコア電圧を1.4Vあたりまで上げていたと思われます。

(ちなみに国内のレビュー記事を見ると、GT430なしのモデルですがここに200mVとか盛っている報告が少なからずありますが、CPU-Zは最新版の1.58以降に上げておかないとコア電圧は正しく表示されません。200mVも盛っていれば、ピーク時Vcoreは軽く1.55Vを超えると思われ、もれなくシステム不安定になると思います。)

マザーの電圧調整は定格あたりで使う限りは殆ど矛盾しませんが、OCを進めていくと無駄に高い電圧を盛ってしまったり、安定性を無視して急激に電圧を変動させたりして、悪さをするようになります。

そのため、普通はOCを突き詰めていく場合、そういった機能はOFFにして、手動の設定にしていくのですが、このマザーはそれをOFFにできませんので、そういった機能の振る舞いを見ながら、システムが不安定にならない範囲での設定を探っていくことになります。

このマザーの場合、自動で電圧を盛ったり下げたりするロジックはTB倍率に大きく依存しているようで、46倍以上になるとシステムを不安定にするような制御をしてしまうようです。

実際このマザーで、46倍=4.6GHzの設定でもテストしてみましたが、Prime等の負荷テストは通りそうな雰囲気だったものの、負荷を落とした瞬間に、(多分コア電圧の急な降下によってシステムが不安定になり、)画面が固まってしまう現象が発生しました。

よって、TB倍率は45倍くらいに留めておいてくのが妥当なのではないかと思います。以下ははTB45倍、ベースクロック100MHzでの設定です。

Zotav_z68bios_setting04_2

Additional Turbo Voltage" は、0mVだと僅かにシステムが不安定になりましたので、20mV=0.02Vとしました。その際のCPU-Zによる電圧の読みは以下の通りでした。

Zotac_prime_3

コア電圧は1.44Vとなっています。つまりCPU45倍の際、マザーが自動的にコア電圧1.42Vまで上げようとしたところに、調整値として0.02Vを加えている状態です。

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その後、ベースクロックでクロックを上げていくチューニングをした結果、現在は以下のセッティングで安定して動いています。
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ベースクロック: 105MHz(M4Eでは101MHzでも不安定だったCPUですが、z68のお蔭か、それともPCIeに何も挿していないからか、安定しています。但しこのクロックで、PCIeにRAIDカードを挿すと認識しないことがあるのは確認済。通常は何も挿さない予定ですのでこれで。。)
TB倍率: 45倍 
TB時CPUクロック: 4.72GHz
Additional Turbo Voltage = 40mV
この状態で、負荷ピーク(prime95)時のVcoreは1.45V前後です。
メモリークロック: 1680MHz(105x16) 10-10-10-30
  (Hyper-Xの1866 11-11-11-32 4GBx2のSO-DIMMを使用)

Primzo472_3hr

更にもうちょっと上のクロック、具体的にはベースクロック106MHz、CPUクロック4.76GHzでも常用テストをクリア可能です。それを超えると時々メモリーエラーで起動しない事がありますので、現状その辺をこのマザーの常用上限と判断して、普段はそこからちょっと落として、ベースクロック105MHzで運用しています。

ちなみにベースクロック106MHz、コアクロック4.76GHz時のシステム全体での消費電力は、写真のように、アイドル時:41W、ピーク時:232W(OCCT power supply test時)となりました。

Zotac_maxconsumpt_2

この時はGT430も若干OC(コア743MHz メモリー850MHz)させていますので、定格クロックと比べれば80~100Wのピーク電力増となりますが、一方で平時の消費電力の低さは、SandyBridgeの特長に加え、オンボードにGPUを載せたことによって、電力消費をいくらか効率化できているのではないかと思います。

いずれにしろ、今まで作ったいくつかの大型ハイエンド機と比べれば、極めて優秀な省電力特性を持っています。

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運用上の注意点としては、リンクのサイトによると、今回購入したGT430付きモデル(Z68ITX-B-E)は4PhaseのDrMOS、無しのモデル(Z68ITX-A-E)が8Phase DrMOSのようです。
http://forums.itxgamer.com/viewtopic.php?f=3&t=152

Phase数だけで単純に半分の電源容量、という訳ではありませんが、両製品は普及モデルと上位モデル、という関係ではなく性格分けされており、Z68ITX-B-Eはコンパクトなオンボードだけでゲームや3D Visionも楽しみながらそこそこOCもできる構成、Z68ITX-A-Eは機能的には割とオーソドックスながら、CPU OC時のマージンをもっと前面に押し出した構成(大きなVRMヒートシンクも結構効き目ありそうです)という感じでしょうか。

といってもこのくらいのCPU電力であれば、4PhaseDrMOSでも十分な能力がありまので、私のシステムではbigNGを使ってVRM周りの温度を監視し、VRMの温度が上がったらサイドファンを作動させて冷やす、という形で運用したいと思います。

構想としては、今の録画やファイルサーバー、水冷系コントローラーという現Fusionマシンの役割を引き継ぎつつ、録画単体での後処理エンコード、動画視聴、日頃のWebブラウジングや音楽鑑賞といった役割をこのマシンに持たせ、一方長時間の一括エンコードやゲームなど重い処理はGulftown機でおこなおうと思っています。、、って、3Dゲームやるとき以外、ほとんどGulf機の出番なくなるじゃん。。

私なりの、自宅PCエコ化プロジェクトです。

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いろいろ考えた結果、基本的にはこれを現行Fusion機と同じ位置づけにして、置き換える予定です。(もともとこれを狙ってISK-100の電源容量を300Wに強化してあったのですが、予想より早くモノが出てきて、しかもさっさと買ってしまった、この無計画性。。。^^;)。
常時ONで使いますので、できるだけ、少なくともアイドル時や軽い処理の時は静音化します。
そのためにCPUは水冷化しますが、オンボードのGT430がやっかいで、現状ではいかにも煩そうな小型ファンがついており、実際ピークになると相当な騒音です。

0711


しかも実際にGPUコア温度を見てみると、Furmark や 3DMark Vantage のピーク時は軽く80℃台に達しており、さすがは腐っても(?)Fermiコア、なかなかの爆熱仕様ですので、専用ファンを止めたり撤去するわけにもいきません。実際ネットで調べてみると、GT430単体のカードでもファンレス仕様は殆どなく、あっても大げさなヒートシンクをつけているようで、いかにピークで熱を持つ仕様かがわかります。
そこで、オンボードGPUコアも水冷化をトライしてみました。
まずは標準のヒートシンクを外します。

0711_2

するとGT430のコア(左)とチップセット(右)が出てきます。

チップセットはそれほど発熱しないと思われますが、ヒートシンクを外したままで使う訳にもいきませんので、この2つを冷やせるように水枕を付けます。

これに合うような汎用の水枕を選びたいのですが、装着のためにマザーに開いている穴は3箇所で、位置関係も3角形に並んでいてちょっと特殊なので、なかなか合いそうなものがありません。そこで、KoolanceのVRM用水枕を使うことにしました。

これはアームで取り付け位置をいろいろ調整できるようになっていて汎用性が高く、かつ上記2つのチップを両方冷やせるだけの十分な長さがあります。
http://www.jpcomputersolutions.com.au/koolance-mvr-40-mb-vreg-no-nozzles-regulator-block.html
しかしやってみると、VRMはそれほど発熱量は大きくないことを前提にしており(確かにフル水冷化した無風状態の環境なら熱くなりますが、本来は空冷CPUクーラーから漏れてくる風で十分冷える程度の発熱量)、それを冷やすためのVRM水枕では、爆熱GPU(Fermi)を冷やすのはなかなか大変で、プレートを挟んだり、取り付け場所が水流から離れていると、簡単に熱処理が破たんすることが判りました。(負荷をかけるとすぐに100℃を超える。)
いろいろやってみた結果、オプションプレートやコンパウンドは使わずシリコングリスのみを使って、水が流れている部分のできるだけ近くにGPUの中心を密着させると冷えが良くなることが判りましたので、アームを使って場所を調整して、なんとか冷えがよくなるようにしつつ、チップセットも冷却できる位置に装着しました。

0711_3


それでもGPU温度はFurmark時に80℃近くまで行きます(GT430はFurmarkリミッターがありませんので。。)

Zotac_furmarke


まあ、元からすれば同程度以上に冷えていて、GPUを余分に冷却するのではなく"黙らせる"のが目的なので、これはこれでよしとしましょう。

ちなみにプラグインにしたのは、できるだけ高さを低く押さえて、ISK-100にうまく収めたかったためですが、、うまく収まるかどうか、やってみなければ判りません。

0711_4


まあ、その辺から先は次のトピックに分けるべきですが、とりあえず続けます。

確認のため、ISK-100の筐体に入れてみました。

Zotac_in_isk100preview_2


無事、収まりそうです。サイドパネルも(正確にはCPU水枕のフィッティングがちょっとだけぶつかりますが)きっちり閉まり、サイドファンの回転も異音もなく、その辺の問題もありません。

(電源は150W AC電源x2の300W仕様に増強済み。過去記事のFusionマシンを参照)

そして組み上げた状態がこちらです。

Completed_zotacz68_in_isk100

え?バックパネルが入ってないって?

そうなんですが、一応平時ファンレス運用にした時に、VRMの発熱がどのくらいになるか判らないので、風通しのためにとりあえずバックパネルを開けっ放しにして、様子を見ようと思っています。

VRMには写真のように、BigNG接続のデジタル温度計をセットしました。

Photo

これでVRMが過熱してきたら、BigNGの制御でサイドファンを回す予定です。

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また、肝心の水冷系をどう回すか、ですが、率直に言って、こちらになります。

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元の構成案(参照:サブ機の改装と、水道水冷却の最後の図)との変化は、ISK-100がZ68-ITXに替って、引き続き補助水冷系を制御しつつ、自分も補助水冷系のリングの中に入って、自身を直接冷やすようにしたことです。

まあ要は、番人の立場でありながら、ちょっとだけ自分も冷気をガメてると。。

FusionとZ68-ITXのケース内をちょっと比較してみます。

Fusion_in_isk100Fusion

Zotacz68_in_isk100_2Z68-ITX

意外とZ68のほうがすっきりしているように見えますね。

翌日、電源&LANと配管を繋げて、いよいよ電源を入れました。

Zotacz68_in_isk100on電源投入!

といっても派手なLEDがあるわけでもなく、見た目変わりませんね^^

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*ところで、ちょっと悩まれている方をネットで見掛けましたので、一応情報として書いておきますと、このマザー上のPower SWの端子にISK-100の電源SWを接続したところ、SWは効かず、電源繋いだ瞬間に電源入るようになってしまいました。(SWを接続しない状態も同じ)。

ただこの電源接続でPower Onになる部分に限れば大した話ではなく、BIOS(UEFI)で
ACPI Settings -- Restore From AC Power Loss
が、デフォルト"Power On"になっているためです。
これを"Power Off"に変えれば、電源スイッチを押すまで電源は入りません。ただしウチのこのPCの場合は家庭内サーバーと録画サーバーの役目も兼ねてますので、万一の停電の後でも自動で起動してくれるように、Power Onのままにしています。

しかし電源SWが効かない問題は、shutdown後、電源を入れるたびに一旦コンセントを抜差ししなければいけないなど、いろいろと不便です。

そういえばクモ型ベンチ台の電源SWでは、何故か極性があって逆挿しだとSWが効かない、という不思議な現象を確認していました。

どうやらこのマザーの場合、ケースによってはありがちなLED付きソフトスイッチのように、Power ONでGNDに接地させるタイプのSWではなく、単純にショートさせるタイプの電源SWでないと、スイッチとして動作しない模様です。したがって私は写真のような、「実験用スイッチキット(AINEX)」を別途買って付けることにしました。これで正常動作しています。

Zotacz68_in_isk100sw

同じ現象に遭われた場合、電源ボタン延長キットでも良いですし、似たようなものなら何でも良いと思います。

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さて、製品の性格の違いが甚だしいので、改装前(Fusionマシン)と比較するのも何なんですが、いくつかベンチを取ってみました。

Zotac_wei_2

Windowsエクスペリエンス グラフィックス関係以外は文句のない値ですが、GT430もオンボードグラフィックスとして見ると、かなり健闘している値です。

Zotac475_cb115_3CineBench11.5(4.76GHz)

Zotac475_pi1m_2pi 1M(4.76GHz)

この辺はOC 2600kとしては普通の値。

Zotac_ff14lcFF14B(Low)

Zotac_3dm113DMark11

この辺はオンボードのGT430(AfterBurnerで740MHzにOCしています。)に見合ったスコアで、ゲーミング環境としては(人によって)許容範囲、また動画再生等では全くストレスはないと思います。

次は4.76GHz設定でPCMark7のデータを取ったものです。

4core_zotac475_pcmark7_withvirtur

6000くらい行きたいところですがGT430との組み合わせですので、まあ十分じゃないでしょうか?

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また、ISK-100内蔵ディスクは、手元にあったC300とm4、いずれも128GBモデルの異種混合でRAID0にしてみました。

Zotac_cdmc300m4_256

スピードは十分ですが、256GBの容量ではファイルサーバーとしてはすぐに一杯になりますので、HDDを外付けで増設することを予定しています。

以上、CPUとしては4.7GHz 2600k+GT430に見合った性能の静音・省電力(?)マシンが、極小の場所を取らない大きさで完成しました。

といってもこのマシン、今までFusionでやっていた、BigNGによる水冷系の制御や、PX-W3U2・3波視聴・録画サーバーの設定など、本来のセッティングをこれからやらなければなりません。常時ONで使いますので、省電力設定ももう少し詰めていきたいと思います。

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が、使い方の制約がない環境は、やはり楽しいですね。

(Fusion Eマシンを否定するわけではありません。あれはiPadみたいな使い方や、ホームサーバー用途としては極めてバランス良くできていると思いますし、消費電力はアイドル時10W台、ピークでも30W前後ですので、改装後と比べると5~6分の1です。が、私は日用機ではエンコードのほか、VisualStudioやらいろいろ重い処理も走らせたくなり、そういう用途にはほとんど向いてません。)

うっかりすると、現在3機あるメイン機・サブ1,2号機の役割も兼ねてしまい、それらの電源を入れる時間を減らしてしまいそうですが、それはそれでエコになりますので、今の社会情勢に合っているかもしれませんね。なにしろ今は、それら3機のうちの1~2機は、帰宅後の夜の時間帯はずっと点けっぱなしですので。。

ともあれ、以上でマザーボード Z68ITX-B-E のセッティングは、ひとまず終了です。

2011年6月26日 (日)

サブ機の改装と、水道水冷却

ちょっと暇ができた先週末から、久しぶりのPC弄りで、サブ1号機

1200

を改装してみました。

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1200heatex

改装中  ヒートエクスチェンジャーがここにも!
(小型のHXP-135 タイプ)

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改装後1E_post3_3

改装後2Photo

改装後3Photo_2

実質的には、水冷系と配線の組みなおし以外は、
①マザー:ギガのGA-X58A-UD3RからASROCK X58 Extreme6 に交換

②CPU:980Xから(中古で売って代わりに)990Xに交換

③ヒートエクスチェンジャー装着

これだけっちゃぁ。。。これだけなんですが、模様替えだと元があって余裕がある分、いろいろ日頃気になっていたところも直しが入れられて完成度も上り、なかなか楽しいですよ。

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せっかくなので、ヒートエクスチェンジャーを使って、以前ネタとして考えていた「水道の蛇口直結の冷却システム」をテストしてみました。

ヒートエクスチェンジャーのオープン側のチャネルに、写真のように、水道の蛇口から水を送ります。

1200withheatex_

右上の差し込み写真の通り、水温は約24℃です。それに対して、クーラー入れていない室温は、この時約30℃に達していました。

まあ、クーラーを入れればいい、とも言えますが、これから日中家を留守にしている時はもっと室温は上がりますので、テスト環境としてはこのくらいが良いかと^^

水の勢いはだいたい写真のような感じにしてます。

Photo_5

1分間で洗面器1杯分くらいの水量でしょうか。

この後、出水口を完全に水に沈めて、空気の逆流を防ぐようにします。

さて、水を流していない状態でのシステムの状態は、こんな感じです。

Wo測定中

1200withheatex

負荷としてPrime95を10分間だけ掛けた状態です。

右上はBigNGで計測した内部の水温(CPU直前)で、38.0℃、またcoretempでは、コア温度の最高値は63℃であることがわかります。

一方、水を流すにあたり、BigNGで、ラジエターファンの動作曲線を以下のグラフのように設定しました。

Bigngoperationcurve_2

36℃から増速、一方、31℃を下回るとファンを止める設定です。これを新しく取り付けた水温センサーに連動させました。

これで水を流してみると、

W_2

このように完全にラジエターファンは停止します。

システムの状態は、

1200withheatex__

水温29.5℃、Prime10分間でのコア最高温度は53℃で、上のものと比べて、水温で-8.5℃、コア温度で-10℃の効果+ラジエターファン無音化の効果、があることがわかります。

空気での冷却と違って、水道水での冷却は昼間でもあまり温度が上がらず、また熱はどんどん排水口から外に出してくれますので室内に籠ることもなく、そのためにクーラーをつける必要もないので、消費電力という意味では省エネです。

(といっても、水資源の大変な浪費ですし、、そもそもこんな大電力PCをこさえている時点で、エコを語る資格はないと思います。^^;)

水が豊富で水不足の心配がない土地にお住いのかたは、ひとつ試されてみてはいかがでしょう? 水道水だけでなく、屋外ラジなど、いろいろ応用できますよ、*注

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注)この改装機にHXP-135を付けたのも、本来は屋外ラジを、メイン機と数珠つなぎで繋げるのが目的です。

図が全体像になります。(屋外ラジエターとFusion機、およびメイン機の構成は、過去の記事がご参考になると思います。)

Photo_2


今回サブ1号機を追加しましたが、今後サブ2号機を(改装時に)このループに追加する予定です。いずれもカップリングで取り外し自由にしますが、圧損で効率悪化しないか、各機の熱量を収容しきれるのかどうか、、出来上がるのが楽しみです。。

2011年5月25日 (水)

PLEX PX-W3U2の設定について (PX-W3U3およびPX-S3U2の手順も追記)

ここでは自分がやったPX-W3U2の設定について、備忘録兼ねて書いています。

内容としてはW3U2と記載してある文字を全てW3U3 、あるいはS3U2に置き換えていただければ、PX-W3U3、あるいはPX-S3U2の設定にもそのまま使えます。

その際ファイル名や定義体はそのままコピペできるようになっていますが、うっかり間違わないよう一旦テキストエディタにコピーして、「置換」でW3U2をW3U3 あるいはS3U2に変換してからコピペすると良いと思います。

またS3U2の場合、チューナー数は4個を2個など半分に読み換えてください。S0、S1、T0、T1のような部分もS0、T0分だけを実施すればOKです。

すぐに設定スタートしたいときはこちらへジャンプ

まずはあまり手間をかけたくない方には→こちらのクイックスタート・コースもあります。(Spinelを使わない設定です。PX-W3U3用になっていますが、他の機種でも使えます。)

PX-W3U3も性能的に同等です。デザインの好みか、入手し易いほうで良いと思います。)

目次

はじめに

1.各種ソフトウェアのダウンロード
  0)各種ソフトウェアの概要
  1)Microsoftランタイム類の導入
  2)ソフトウェアを各サイトからダウンロード
  3)各ソフトウェアを配置

2.各ソフトウェアの設定
  1)機器の接続
  2)Spinelの起動
  3)TVTestの起動と設定
  4)DTune.batによる、TVRockの設定
  5)TVRockの残りの設定と予約録画の方法

*補足1 内蔵カードリーダの使用について
*補足2 Spinelを使った他PCからの視聴・録画とTVRock間連携について
*補足3 サーバーPCに視聴用TVTest環境を別途作成する

その他・BonCasLinkを使ってサーバーのBCASを共有する。
その他・TVTestの使い方に関するTIPS
  1)TVTestのヘルプファイル
  2)TVTestの使い方に関するFAQ
  3)録画したTSファイルの再生方法 (BonDriver_FileとTvtPlay)
  4)PowerDVD11以降のデコーダとしての利用について
  5)その他便利なプラグイン (字幕、ニコニコ実況、Androidリモコン、L字カットと超マルチディスプレイ化など)
  6)WhiteBrowserによる録画ファイル管理のご紹介 (サムネイルによる映像ライブラリー化)
  7)Blu-rayディスクに焼く

その他・WindowsXPの場合のデバイス導入手順
その他・既存の環境にPXシリーズを追加する
まとめ

はじめに

このPX-W3U2に限りませんが、今出回っているTS抜きチューナーは、動かすだけだったら大して難しくはありません。

チューナーを正しく導入できていれば、TVTestのパッケージを適当なフォルダに置いてBonDriverというツールを入れ、あとはパラメーターやファイル名をちょっと調整すれば、視聴と簡単な録画はすぐにできるようになります。(裏もの解説本などでは、この段階までのガイドで終わってるものも多いです。)

また、予約録画はTVRockかEpgDataCap_Bon(EDCB)をその上に被せる形で導入していけば、思ったようにはなかなか動かないのですが、とりあえず形はできてきます。

この辺までなら、特にPX-W3U2のように実績のあるチューナーなら2ch専用スレもありますし、ネット上に各種ツールのガイドもありますので、やる気さえあればいろいろ試しながら、だんだんポイントもわかってくると思います。

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しかしネット上の情報は大抵、断片的だったり曖昧ですので、動くようになった段階で既に「何故そうなったかわからない」設定が沢山残ってしまいます。そのうち何かうまくいかないことが出てきますが、この状態では誰に聞いてもどうすれば良いのか判りません。いろいろ試行錯誤していくうちにソフト構成や設定もぐちゃぐちゃになっていきます。

私も今までこの手の機器はDY-UD200、PT2、OSはXP、Vista、7(32)、7(64)の順で何回もセットアップしましたが、ズボラなせいでろくにメモも残しておらず、後から弄るのもなにか不具合を起こしそうで、今から思うと機能を十分に使いこなせないままになっていました。本来はその辺を使いこなしてこそ、TS抜きチューナーの良さが生きてくるのですが。

その反省から今回は手順をBlogにメモしておきたいと思います。

なおW3U2を前提にしていますが、デバイスドライバーとツール及びBonDriver_PXの設定以外は機種に殆ど依存しませんので、SpinelやTVTest、TVRockの導入手順としてはW3PEやPT2等でも使えると思います。

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使い方の前提ですが、ある程度私の環境と同じという決め打ちで、以下のようにしています。

1)TVTestで視聴する。

2)TVRockで予約録画する。

3)PX-W3U2を(TVTest直接では使わず)Spinel配下とし、他のPCからもLAN経由で視聴・録画や連携ができるようにする。

4)BCASカード用にはUSBカードリーダを使用しても、内蔵カードリーダを使用しても良い。 (ここではUSBカードリーダを使う手順を説明しながら、内蔵カードリーダの手順を随時補足しています。)

5)地デジ、無料BSのほかに有料放送(BS&CS スカパーe2)も視聴する。

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1)はTS抜きでは普通ですね。2)はEDCBでも良いのですが、私の慣れだけの問題です。

3)は今回の主な動機です。これで家中のPCそれぞれにチューナーやアンテナケーブルを設置しなくても、有線/無線LANの届くところならどこでも、CS放送含めたTVが視聴できるようになります。古いPCやネットブックも自由にTVとして活用できますので、1台4チューナーのW3U2を存分に使い倒せます。

4)W3U2は内蔵カードリーダを持っていますが、私が導入した時点ではかなり制約がありましたので、私はUSBカードリーダを使うことにしました。導入トラブルをできるだけ避けたい方には、今でもトラブル要因が少なく、性能面でも信頼できますので、お勧めです。

ただ現在では、FakeWinSCard.dll というツールを使うことによって、内蔵カードリーダもUSBカードリーダと、ほぼ同等に使えるようになっています。(詳しい説明はこちらをご参照ください。)処理能力的にはUSBカードリーダの半分程度ですが、まずこれを使ってみて、(BCAS処理の負荷が高い)CSをSpinel経由で視聴される方でカクつきが出る場合は負荷を下げる方法を併用したり、もしスクランブル解除失敗がたまに出るようなら改めてUSBカードリーダを購入して使う、という形でも良いと思います。

または、W3U2 1台だけで有料放送も当分観ない、という方であれば、最も簡単確実に内蔵カードリーダを使う*補足1の方法もあります。PCの負荷も軽いですので、ts抜きが初めての方や、非力なマシン環境の方にお勧めできます。

USBカードリーダを使う場合、安売りしているものにはWindows7(64) で使えないものもありますので、入手するときは仕様を確認してください。ご参考までに、以下は64bit対応カードリーダの例です。(私は左を使っています。右も使用例多数です。)

なお、BCAS騒ぎの余波で、以下のリーダも暫く価格が高騰したり納期未定となったりを繰り返していました。W3Ux、S3Uxとも内蔵リーダが十分安定して使えますのであまり大きな問題にはならないのですが、今は値段も供給状況もだいぶ落ち着いてきましたので、2千円前後であれば入手しておけば、より安心感はあると思います。

ちなみに導入全般で、今回私が導入したマシンのOSはWindows7(32)、およびWindows7(64)ですがXPやVistaでも手順は特に変わりません。64bit版の7やVistaの場合も、BDAドライバーを64bit版にするだけで、あとは同じものを同じ手順で導入します。(現状64bit版のTVTest等も存在しますが、敢えて使う意味はありません。)

それでは必要なソフトウェアを揃えるところから、手順を説明していきます。

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1.各種ソフトウェアのダウンロード

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0)各種ソフトウェアの概要

必要なソフトウェアと、その簡単な説明です。これらをダウンロードするためのフォルダをそれぞれ作っておきます。ここに入れた各ソフトウェアは、解凍後マスターとして編集し、保管しておくと、後で再構築したりバージョン管理するのが楽になります。

①デバイスドライバー

PX-W3U2をWindowsからデバイスとして扱えるようにするためのドライバー。BDAドライバーはそのうち、BonDriverが使うために必要な機能を備えたドライバーで、WindowsMediaCenterが使うためのPBDAドライバーとは別物・共存不可。今回はBDAドライバーを使う。

②ツール

BSアンテナへの電源供給の有無と、(地上波の)感度を調整するためのツール。実際にはこのツールで設定値をレジストリに書き込み、それをデバイスドライバーが読み取ってW3U2本体に設定する仕組みになっている。

③BonDriver

BonDriverは、いわゆる「TS抜き」チューナーを、TVTestやSpinel、EDCBなどの「TS抜き」共通アプリが使えるようにするためのソフトウェア。 機種毎に必要で、ここではPX-W3U2専用のものを使う。

④Spinel

Spinel本体はその下に置いた様々なチューナー機種毎のBonDriverを仮想化して、共通のBonDriver_Spinelで被せる機能を持つ。

Spinel本体とBonDriver_Spinel間はネットワーク越しに置くことができ、1つのチューナーをローカルのアプリで使ったり、LAN上の別のPCから使ったりが自由になるだけでなく、1つのチューナーを複数PCで同時視聴する1対多配信もできる。排他制御やスクランブル解除などの機能も独自に持つほか、BonDriver間を切り替えるときの不具合のような、各機種BonDriverごとの"癖"を隠せるという利点もある。

⑤Multi2dec

Spinelは独自にスクランブル解除して配信する機能も持っていますが、そのためには\SpinelフォルダにB25Decoder.dllというモジュールを入れておく必要があります。ただ現在このモジュールの入手性が悪くなっているほか、衛星チューナー利用時の負荷が高くなるなど使い方にも注意が必要なため、当Blogの以下のガイドではスクランブル解除の手段として現在使っていません。このモジュールはMulti2Decのパッケージか、一部のEDCBパッケージの中に入っていますので、もし機能を使ってみたい方はネットで探してみてください。

⑥TVTest

BonDriverから送られるTSデータからサービスを抜き出し、(必要があれば)スクランブル解除し、デコーダやレンダラを使って、Windows上でリアルタイムに視聴できるようにする、「TS抜き」環境の基本ソフトウェア。高機能なTVとしての操作性を提供するほか、TSファイルに「録画」したり、逆にプラグインを使ってTSファイルを再生する機能も持っている。

⑦BonDriver_Spinel

Spinelが元のチューナー(ここではPX-W3U2)用BonDriverの上に被せる、仮想化されたBonDriver。ネットワーク越しでもTVTest等のアプリからチューナーが使えるようになる。

⑨TvRockOnTVTest

TVRockがTVTestと連携するためのプラグイン。

⑩TVRock

予約録画&視聴のためのソフトウェア。ブラウザ・ベースの使いやすいインターフェースから番組表を見ながら録画予約したり、それらを編集することができる。

番組表の取得と予約のスケジューリング&実行、キーワード予約のような機能の他、PCのスリープや再起動のための制御、複数のTVRock間での連携のような機能も持つ。

実際の録画にはTVTestの機能を呼び出している。

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1)いろいろな前提になりますので、予めMicrosoftのサイトから、以下を導入しておきます

 .NET Framework 3.5 Service Pack 1

 .NET Framework 3.5 SP1 Language Pack

 .NET Framework 3.5 SP1 修正プログラム KB959209

(以上はWindows7、Windows8では導入済ですが、有効化されているかどうかリンクの手順で確認し、何もチェックされていないようであればチェックしてください。
またXP、Vistaの場合は、「コントロールパネル-プログラムの追加と削除」を見て、導入されていないようであれば、「Windows Update-重要な更新プログラム」から導入できます。個別に入れる時はこちらこちらから。)

 Visual C++ 2005 SP1 再頒布可能パッケージ (x86)

 Visual C++ 2008 SP1 再頒布可能パッケージ (x86)

 Visual C++ 2010 再頒布可能パッケージ  (x86)

(以上は一度導入してあればOKですが、よくわからない場合はとりあえずここで再導入しても問題ありません。リンク切れしているときはググればすぐに出てきます。)

これらについては必要です、と言うしかありませんので^^;、以降では説明は割愛させていただきます。

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2)ソフトウェアを各サイトからダウンロードし、解凍します。

①デバイスドライバー ②ツール をPX-W3U2公式サイトより。Windows 32bit/64bit BDAドライバ、LNB PowerSupply レジストリ設定ツール、地上波デジタルチューナ用 感度調整ツール の3つをDL

http://www.plexshop.jp/shopdetail/023010000090/

*2011/11/17修正

2011年11月15日以降は、W3U2用デバイスドライバー&ツールの新パッケージを[ドライバ・各種ツール] として、まとめてDLできるようになりました。解凍すると(PX-W3U2フォルダの下に)DriverとUtilityのフォルダができますが、前者の中身が①デバイスドライバー、後者が②(W3U2専用)ツールとなります。

補足ですが、ここの手順に沿ってPX-W3U3またはPX-S3U2を導入される場合は、それぞれ用のデバイスドライバーとツールをリンク先からDLいただければ良いのですが

http://www.plexshop.jp/shopdetail/023010000096/ (W3U3)

http://www.plexshop.jp/shopdetail/023010000091/ (S3U2)

現在S3U2用の「ツール」は、内容がW3U2用になっており、このままでは機能しません。一応S3U2に使えるよう修正したものをアップしておきましたので、よかったらお使いください。→PX-S3U2用修正済みツールをダウンロード 

③BonDriver_PX_Series (up0625.zip) をDTV関係ファイル置き場よりDL

http://www3.wazoku.net/2sen/dtvup/

なお③については、W3U3をお使いの場合は「up0848.zip PX-W3U3用BonDriver」を、S3U2をお使いの場合は「up0685.zip BonDriver_PX-S3U2」をDLしてください。

上記ファイル置き場がリンク切れしている場合はこちら(待避所)

W3U2,W3PE,S3U用BonDriver→up0625.zip
W3U3用BonDriver→up0848
S3U2用BonDriver→BonDriver_PX_S3U2.zip

⑥Tvtest(ver 0.7.23) ⑨TvRockOnTVTest(Mod 9.1r2) を作者のかたのファイル置き場よりDL。

http://tvtest.uuuq.com/

なお、上記リンクにこれらのファイルがない場合は ⑥のTvtestはこちら、⑨はTvRockスレ@ウィキ の倉庫にアーカイブがあります。
http://www35.atwiki.jp/tvrock/pages/27.html

④Spinel ⑦BonDriver_Spinel をBlog-Lapis Labsより。最新バージョンをDL

http://lapislabs.blog24.fc2.com/

⑩TVRockは、リンク先のファイル置き場から「期限解除パッチ適用済みTvRock09u2(up0699.zip)」をダウンロード可能です。それより前のバージョンはTvRockスレ@ウィキ の倉庫にあります。
http://www35.atwiki.jp/tvrock/pages/27.html

.

3)各ソフトウェアを配置します。

以下の説明は新規に構築する場合の手順です。もし既にPT1/2やHDUSなど他のチューナーで作った視聴/録画環境があって、それにPXシリーズを追加したい場合は、リンク先を参照してください。

設定や利用していく上でのFAQはこちらにまとめてあります。もしうまくいかないことや疑問点があったら、随時参照してみてください。

まずはPX-W3U2を接続するPC本体のほうに、ファイルを図のように配置していきます。

Jpg_2

具体的には、

①デバイスドライバーは32bit版と64bit版が解凍されますので、Windowsが32bit版ならBDA_driver_32(XP_Vista_Win7)、64bit版ならBDA_driver_64(Vista_Win7)のフォルダにある、Install_Driver.batを実行します。 なお、この作業はW3U2をUSB非接続の状態でおこなってください。

(2台目以降のW3U2導入時には改めてドライバーを導入する必要はありません。)

導入が終了したらW3U2をUSB接続してください。数分待って(但しXPの場合はアクションが必要です)、デバイスマネージャーに以下のデバイスが展開されていれば成功です。 次に進んでください。

- サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラ

 1. HDTV PX-W3U2 USB BDA Driver

 2. HDTV PX-W3U2 USB BDA Driver

- ヒューマンインタフェイスデバイス

 1. HDTV PX-W3U2 HIDIR USB Remote Control driver for DTV

 2. HDTV PX-W3U2 HIDIR USB Remote Control driver for DTV

W3U2にAC電源が繋がっていないと、これが1個づつしかできません。必ずAC電源は接続してください。

それでも数が合わない時は、何かドライバーにゴミが入っています。その場合W3U2をUSBから外した後で、Unstall_Driver.batを実行し、再度Install_Driver.batを実行してみてください。

 補足) うまくデバイスが認識できない場合の、ドライバー手動インストール

以上の手順を踏んでも、環境によってはどうしてもデバイスがうまく認識できず、下図のように、「ほかのデバイス」として(!)の付いた状態になってしまうことがあるようです。(特に10月24日版の新ドライバーの場合)

Driverfail1

その場合は、下図のようにW3U2をUSBに繋げたままの状態で、(!)の付いたデバイスをダブルクリックして、「ドライバの更新」から「ドライバーソフトウェアを手動で検索」を選択し、BDAドライバの場所(32bit版、64bit版それぞれのフォルダ)を指定して、OKを押してください。

Driverfail2

この操作が成功して認識されたデバイスにもまた(!)が付いていることがありますが、その場合は(!)の付いたデバイスに同じ操作をくり返してください。H/W、S/W環境に問題がなければ、最終的にうまく認識されるはずです。

完全に(!)が消えない場合でも、「HDTV PX-W3U2 USB BDA Driver」が正常に認識されればOKです。「HDTV PX-W3U2 HIDIR USB Remote Control driver」はリモコン受光デバイス部分ですので、最悪うまく認識されていなくても、リモコンが使えないだけです。

.

ドライバ導入確認が済んだら、一旦W3U2はUSBから外してください

②ツール2つのうち、LNB PowerSupplyレジストリ設定は、BS/CSアンテナにPX-W3U2から給電するかどうか、の選択です。アンテナを自前で立てている場合は、いずれにしろ(まともな分配器なら)アンテナ分配器が適切に電源を選択しますので、ON(LNB_ON_PX_W3U2.regをダブルクリック)で良いと思います。

それ以外の共同アンテナ、CATV経由等の場合はOFF(LNB_OFF_PX_W3U2.regをダブルクリック)にします。

地上波デジタルチューナ用 感度調整ツール(ISDB_T_LNA_Control)は、とりあえず感度調整など不要、と思う場合でも、ISDB_LNA_Manual_Mode_ByPass.regをダブルクリックしておいてください。これをしないと、PX-W3U2は動きません。(何を隠そう、私はその罠にはまって悩みました。。) 他にも3種類ありますので、感度が低いと思ったら後で最適なものを選ぶと良いと思います。ただしAUTOはあまり賢くないのでお勧めしません

なお、これらのツールはレジストリを操作するため、UAC(ユーザーアカウント制御)の設定によっては操作した内容がうまく反映されず、いろいろやってもBS/CSが映らない(衛星アンテナに電源供給されない)、地上波の感度か上がらない、といった場合があります。そういった時の対応方法はリンク先に説明してありますので、参照してみてください。

2台目以降のW3U2導入時には改めてこれらのツールを操作する必要はありません。(同じPLEXチューナーでも機種が違えば、それぞれ用のものを操作してください。)
なお、BDAドライバーを更新したり、unstall.bat→install.batで再導入すると、このLNAやLNB給電ツールの設定がリセットされることがあるようです。ちゃんと設定したはずなのにいつの間にかこの辺のふるまいがおかしくなっているような場合は再度、これらのツールを使って適切な設定をおこなってください。

レジストリをいじりましたので、ここで一旦システムを再起動してください。 操作の反映だけなら再起動は必要ありませんが、OSに修復ポイントを覚えさせるためです。

③PX-W3U2用BonDriverは、解凍したBonDriver_PX_W3U2フォルダの下にありますが、解凍直後は以下の構成になっています。

(W3U3の場合も名前がW3U3に変わっているだけで同じ構成です。またS3U2用の場合は他にもいろいろ入っていますが同じ構成のものが含まれています。)

a) BonDriver_PX_W3U2_S.dll

b) BonDriver_PX_W3U2_S.ini

c) BonDriver_PX_W3U2_T.dll

d) CardReader_PX.dll

e) CardReader_PX.ini

ここにある d),e) は内蔵カードリーダをFakeWinSCardで使うときに利用しますが、とりあえずそのままにしておきます。

*11/5追記 BS新チャンネルへの対応

(PX-W3U3ではこれは反映済みなので、不要です。)

b)BonDriver_PX_W3U2_S.ini

をテキストエディターで開いて、[BS]セクションを以下の通りに上書きします。

[BS]
CHANNEL_NUM = 30
CH001 = BS1/TS0,0,11727480,0x4010
CH002 = BS1/TS1,0,11727480,0x4011
CH003 = BS3/TS0,0,11765840,0x4030
CH004 = BS3/TS1,0,11765840,0x4031
CH005 = BS9/TS0,0,11880920,0x4090
CH006 = BS9/TS1,0,11880920,0x4091
CH007 = BS9/TS2,0,11880920,0x4092
CH008 = BS13/TS0,0,11957640,0x40d0
CH009 = BS13/TS1,0,11957640,0x40d1
CH010 = BS15/TS1,0,11996000,0x40f1
CH011 = BS15/TS2,0,11996000,0x40f2
CH012 = BS17/TS1,0,12034360,0x4310
CH013 = BS17/TS2,0,12034360,0x4311
CH014 = BS5/TS0,0,11804200,0x4450
CH015 = BS5/TS1,0,11804200,0x4451
CH016 = BS7/TS0,0,11842560,0x4470
CH017 = BS7/TS1,0,11842560,0x4671
CH018 = BS11/TS0,0,11919280,0x46b0
CH019 = BS11/TS1,0,11919280,0x46b1
CH020 = BS11/TS2,0,11919280,0x46b2
CH021 = BS19/TS0,0,12072720,0x4730
CH022 = BS19/TS1,0,12072720,0x4731
CH023 = BS19/TS2,0,12072720,0x4732
CH024 = BS7/TS2,0,11842560,0x4672
CH025 = BS21/TS0,0,12111080,0x4750
CH026 = BS21/TS1,0,12111080,0x4751
CH027 = BS21/TS2,0,12111080,0x4752
CH028 = BS23/TS0,0,12149440,0x4770
CH029 = BS23/TS1,0,12149440,0x4771
CH030 = BS23/TS2,0,12149440,0x4772

以上で保存します。

*(追記・終わり)

次に、a),b),c)をコピー&ペーストで同じものを2個ずつにし、ini,dllそれぞれを以下のようにリネームします。

a') BonDriver_PX_W3U2_S0.dll

a") BonDriver_PX_W3U2_S1.dll

b') BonDriver_PX_W3U2_S0.ini

b") BonDriver_PX_W3U2_S1.ini

c') BonDriver_PX_W3U2_T0.dll

c") BonDriver_PX_W3U2_T1.dll

(2台目以降のW3U2導入時は、サフィックスを単純に増やしていってください。例えば既存のものがS0,S1,T0,T1を使っていたらS2,S3,T2,T3など。)

④Spinelは解凍したものを、そのまま適切な実行用フォルダ(以後、仮に\Spinelとします。)にコピーしておきます。

直下に以下の2つのフォルダができますので、

 \BonDriver

 \DeviceDefinitions

この\BonDriverの下に、3)-③で作成した a')~c") の6つのファイルをコピーしておきます。

この段階で一旦\SpinelにあるSpinel.exeをダブルクリックして起動し、すぐに終了させると、\SpinelにSpinel.iniというファイルが作成されます。これをテキストエディタで開き、該当箇所を以下のように設定し(既にそうなっている場合はそのまま)、保存します。

DescrambleControl = 0

PX-S3Uを併用される方用の補足

最新のSpinelパッケージ(Ver3.6.1.1以降)には、PX-W3U3、PX-S3U2とも定義済みですが、もしSpinel配下でPX-S3U(無印)を併用される場合、元のBonDriverのネーミングルールだとS3U2と混同してしまうので、それ以前のSpinel定義体とはネーミングルールが少し変わっています。
それに対応して、BonDriver名称を*S3U1xxx のように変更してください。具体的には
\Spinel\BonDriverにあるPX-S3U用BonDriver名を以下のように変更(dll、iniとも)

 BonDriver_PX_S3Uxxx → BonDriver_PX_S3U1xxx

⑥TVTestは解凍したものを、そのまま適切な実行用フォルダ(以後、仮に\TVTestとします。)にコピーしておきます。

S3U2をお使いの場合、BonDriver_PX-S3U2のパッケージの中にTVTest関連のファイルも入っていますが、新BSに対応していない古いバージョンですので、それらは使わないか、使う場合でもここで新しいものを上書きしてください。

なお、最新版のTVTestでも中に入っているBS、CSチャンネルファイルは必ずしも最新ではありませんので、次の添付ファイルを「右クリック」→「対象をファイルに保存」でダウンロードして、\TVTest実行用フォルダに上書きコピーしておいてください。

「Preset_BS.ch2」をダウンロード

「Preset_CS.ch2」をダウンロード

(上記の名前のままでDLするように注意してください。ときどきブラウザが勝手に.txtという拡張子に改変してダウンロードしようとする場合がありますので、その場合は再度この操作をやり直して、拡張子が.ch2になることを確認してください。)

⑦BonDriver_Spinelは解凍すると、直下に

a) BonDriver_Spinel.dll.ini

およびx86(32bit版:今回使用)フォルダの下に

b)BonDriver_Spinel.dll

ができます。今回はそれぞれ4回コピーして、以下のようにリネームします。

a') BonDriver_Spinel_PX_W3U2_S0.dll.ini

a") BonDriver_Spinel_PX_W3U2_S1.dll.ini

a"') BonDriver_Spinel_PX_W3U2_T0.dll.ini

a"") BonDriver_Spinel_PX_W3U2_T1.dll.ini

b') BonDriver_Spinel_PX_W3U2_S0.dll

b") BonDriver_Spinel_PX_W3U2_S1.dll

b"') BonDriver_Spinel_PX_W3U2_T0.dll

b"") BonDriver_Spinel_PX_W3U2_T1.dll

(2台目以降のW3U2導入時は、サフィックスを単純に増やしていってください。例えば既存のものがS0,S1,T0,T1を使っていたらS2,S3,T2,T3など。)

次にa')~a"")をテキストエディタで開き、該当箇所を以下のように書き換えます。

a')

TunerPath = "PXW3U2/0/S/0"

RequireExclusiveChannelControl = 1

DesiredDescrambleControl = 0

a")

TunerPath = "PXW3U2/0/S/1"

RequireExclusiveChannelControl = 1

DesiredDescrambleControl = 0

a"')

TunerPath = "PXW3U2/0/T/0"

RequireExclusiveChannelControl = 1

DesiredDescrambleControl = 0

a"")

TunerPath = "PXW3U2/0/T/1"

RequireExclusiveChannelControl = 1

DesiredDescrambleControl = 0

作成したa')~a"")、b')~b"")の8つのファイルを全て、3)-⑥の\TVTestフォルダ直下にコピーしておきます。

(2台目以降のW3U2の場合は、TunerPath =で機種識別に続く数字:PXW3U2/0 が"何台目"をあらわしますので、順に1、2と変えていってください。)

⑨TvRockOnTVTestを解凍した後、 TvRockOnTVTest.ini と、TvRockOnTVTest.tvtp の2つのファイルを、

\TVTest\Pluginsフォルダ

にコピーしておきます。

⑩TVRockを解凍後、そのまま適切な実行用フォルダ(以後、仮に\TVRockとします。)にコピーしておきます。

以上でファイル配置はすべて終了です。以後、各ソフトを起動して設定に入ります。

.

2.各ソフトウェアの設定

PX-W3U2を接続するPC本体のほうで、以下の順番に設定していきます。

1)機器の接続

PX-W3U2をUSB接続し、アンテナ、付属の電源を接続します。

*注:私の環境だけの問題かもしれませんが、後日ZOTACのZ68マザーでUSB3.0のポートに接続すると、後のチャンネルスキャン時にブルースクリーンが発生する、という障害がありました。USB2.0のポートでは問題ありませんでしたので、事例報告まで。

netcasなど代替のwinscard.dllを使う場合は \TVTest と\Spinelフォルダにそれを入れることになります。そうでない場合、スマートカードリーダをUSB接続し、BCASカードをセットしてください。

(内蔵カードリーダを使う場合は、下の*補足1、あるいはFakeWinSCardの説明を読んで設定に反映した上で、内蔵カードリーダにセットします。なお、FakeWinSCardを使う場合は、準備したWinSCard.dll以下3つのファイルを、\TVTest フォルダにコピーしておいてください。)

当たり前と思ってここまで説明していませんでしたが念のため、CS(スカパーe2)、あるいはBSでも有料チャンネルの視聴のためには赤いBCASカード、そうでない方でも青いBCASカードが必要ですので、入手しておいてください。(CS液晶テレビでググると赤BCAS付きの液晶TVがいろいろ出てきますが、BCASカードの入手の方法はネットで調べてください)。ちなみに数百円でたまたま入手できたという場合を除き、オクや怪しげなショップを使う必要はありません。B-CAS社で手続きされる場合は費用も変わりませんので、後々のために赤BCASで良いと思います。

2)Spinelの起動

SPINEL実行用フォルダのSpinel.exeをダブルクリックして、Spinelを起動します。

エラーして起動しない時は、環境設定に何らかの不具合がありますので、再度チェックしてください。私は最初、1-3)-③で BonDriver_PX_W3U2_Sx.ini をきちんと作っていなかったため、何故かSpinelが異常終了してました

うまく動いたら、Windows起動時に自動起動するようにしておいてください。ただし、Windows8だとスタートアップフォルダが見つけにくいところに隠れていますので、そこを使うよりは私の場合、「いじくるつくーる」で「起動時に毎回実行」を設定しています。
具体的には項目に以下のコマンドラインを追加しています。

名前:Spinel

コマンドライン: パス名\Spinel\Spinel.exe -WindowState=Minimized

.

3)TVTestの起動と設定

TVTest実行用フォルダのTVTest.exeをダブルクリックして、TVTestを起動します。

(なお、既存のTVTest環境にW3U2を追加する場合は、チャンネルスキャンの項まで飛ばしていただいて良いです。)

最初に初期設定の画面が出てきますが、以後で個々に設定しますので、ここでは"スクランブル解除しない"など、あまり気にせずに選んで、チャンネルスキャンも"しない"でOKです。

立ち上がると左下クリックでBonDriver_Spinel_PX_W3U2_のS0,S1,T0,T1が選択できますので、

Tvtestbon

それぞれ選択しながら、TVTest画面上で右クリック-設定を選んで、設定していきます。

いろいろな設定項目がありますが、特に重要だと思っているのは以下の4つです。

(ただしBonDriverごとに設定しなければならないのは「チャンネルスキャン」の項目だけで、他は最初の1個だけで設定すればOKです。)

・一般: デコーダ・レンダラの選択、およびスクランブル解除の設定、BonDriver検索フォルダの設定

デコーダはVista/7であれば「Microsoft DTV-DVD Video Decoder」が選べますが、Windows8、あるいはXPで選ぶものがない場合は、こちらをご参考に「ffdshow Video Decoder」等を導入して、ここで選択してください。もしPCに PowerDVD が導入されていれば、「CyberLink Video/SP Decoder」を使うのが良いと思いますが、PowerDVD11以降を導入されている方はこちらもご参照ください。

レンダラはVista以降ではEVR、XPではVMR9がお勧めですが、デコーダによってはそれでうまく映らない場合もありますので、その際は別のものを選んでみてください。 TVTestのヘルプファイルから解説を転記しておきます。(一部追記)

名前 説明
デフォルト 非推奨。一見無難に見えるが、実はWin98時代の古いレンダラ。
VMR7 DirectDraw 7 を使用したレンダラ。
XPの場合VMR9でうまく映らないときに選択。
VMR9 Direct3D 9 を使用したレンダラ。
VMR7 Renderless 特に意味無し。
VMR9 Renderless カスタム アロケータ プレゼンタを使用したVMR9。
キャプチャが好きな人向け。
EVR Vista/7 用のレンダラ。
環境によってはハードウェア再生支援が使えるかも。
Overlay Mixer オーバーレイを使用した古いレンダラ。

スクランブル解除については以下の図の赤丸部のように設定してください。

また、「BonDriver検索フォルダ」は空欄にしておいてください。TVTest実行フォルダにあるBonDriverを自動的に探しにいきますので、後でクライアントPCに移植するのが楽になります。

デフォルトのBonDriverは「最後に使用した・・」を選んでおくと、前回終了時のチューナーで起動します。

Emm_3

・録画の設定

「現在のサービスのみ保存する」、と「現在のサービスのみスクランブル解除する」をチェックしてください。

前者は地上波でワンセグを一緒に録画しないようにする事、また特に衛星放送では1つのTSに複数の番組(サービス)が乗っていることが多いので、録画の時に狙った番組のみが録画されるようにするためです。 後者はTVTest側でスクランブル解除しなければ意味がありませんが、後々のためにチェックしておいてください。

・「ファイル名」の欄は以下をコピペしておくと、

%event-name% %channel-name% %month%月%day%日%hour%時%minute%分.ts

TVTestの録画ボタンで録画したときのファイル名が「番組名 局名 月日時分.ts」のようになり、判りやすくなります。

W3u2_tvtest1_2

・チャンネルスキャン

地上デジタル(BonDriverでT0、T1を選ぶと出てきます)では、対応チューニング空間を地上D(あるいはUHF。ケーブルテレビで「UHF帯域外」周波数変換パススルー方式の場合にのみ、CATVやCABLEと付いているものを選択)、その上で「スキャン開始」を押します。しばらく待ってスキャンが終わったら、OKを押します。

Tvtestts

BS,CS(BonDriverでS0、S1を選ぶと出てきます)ではBS、CS110それぞれで「プリセット読み込み」をおこないます。

「スキャン開始」はおこないません(地域差もなく、無駄なゴミも拾ってしまうため。)

Tvtestbs

Tvtestcs_3

適切なチャンネルをセットできたらOKを押して、保存します。

このチャンネルスキャンを、TVTest画面左下クリックで BonDriver_Spinel_PX_W3U2_(S0,S1,T0,T1・・) を選びながら繰り返してください。

以上が終わったら一旦TVTestを終了させ、再度TVTestを立ち上げれば、視聴と簡単な録画ができるようになります。動作確認できたらデスクトップにTVTest.exeのショートカットを作っておくと良いと思います。

TVTestの使い方については、こちらも参照してみてください。ニコニコ実況プラグインWhiteBrowserなどもお勧めです。

Spinelの機能を使えばLAN上の他のWindowsPCからも、TVTestで同じようにテレビを視聴することが可能です。その構築手順をリンク先にまとめました。(ただし先に、以下のTVRockの環境を作ってから取り掛かっていただくことを想定しています。)

また、ここで作ったTVTestの環境は、以下のTVRock(予約録画のシステム)でも活用します。それはそれで良いのですがSpinelを活かして、TVRockで使うTVTestと視聴用のTVTestの環境を分けたほうが、録画の失敗のないシステムになります。その辺は補足3で解説してありますので、ご参照いただければ幸いです。

.

4)DTune.batによる、TVRockの設定

*(11/5追記 BS新チャンネル対応のための前処理)

もし既存のTVRock環境にPXシリーズのチューナーを追加する場合は、TVRockを終了させた上で、ここは飛ばして次に進んで下さい。

ただ既存のTVRock環境で、過去にチャンネル設定変更を(DTune.batを使わず)手動でやっていると、DTune.bat は使えない(チャンネル設定が元に戻ったり重複する)かもしれません。その不安がある場合は、ご面倒ですがチューナー追加作業はここの手順ではなく、TVRockの「設定」→「チューナー」で手動でおこなってください。お勧めはこの機会にDTuneを使ってチャンネル再定義いただくことで、手順もここにある通りで済みますし、後々のメンテナンス性も非常に良くなります。

1-3)-⑩で作成した \TVRock のフォルダにあるtvrock.exeをダブルクリックして、TVRockを起動してください。

以下のような初期化ダイアログ、

Tvrockinit

あるいは

Tvrockinitb

が、(場合によっては何回か)出ますが、全てキャンセルを選んでください。
(なお、キャンセルを選ぶのはこの時だけです。以降の手順や通常の起動時に同じダイアログが出るときは、常に「OK」と答えてください。)
タスクバーにTVRockアイコン
Tvrockiconが表示されまますので、その上で右クリックし、「設定」を選びます。

表示されたTVRock設定画面で「システム設定」のタブを選びます。

下図の赤丸の「TvRock作業フォルダ」で「参照」を押して、\TVRockフォルダを選んでください。

Tvrock1

以上でOKを押し、タスクバーのTvRockアイコンに戻って、右クリックし、「TVRockの終了」を選んでください。

次に、以下の2つのファイルを「右クリック」-「対象をファイルに保存」で適切なフォルダにダウンロードし、

「ch-bs.txt」をダウンロード

「ch-cs.txt」をダウンロード

ダウンロード後、それらを \TVRockフォルダに上書きコピーしてください。これで以降の手順を進めていけば、BS新チャンネルが自動的に反映されます。

*(追記終わり)

.

以降は \TVRockフォルダにある、DTune.batをダブルクリックして実行し、設定していきます。

Tvrockdtune_4


4チューナーを選択。ただし

* 既存のTVRock環境に追加する場合

ここは「定義済みのチューナー数+4」を選択してください。(ただし最大8チューナーまで。8個を超えるチューナーをTVRockで扱いたい場合は、TVRockを別PCか、仮想PCで動かした上で連携機能を使うのがお勧めです。)

また、定義済みのチューナーについてはそのまま「次へ」をクリックしていき、その後ろに追加して定義していきます。「DID A~D」の部分は既存のチューナーの後のアルファベットになるようにシフトさせてください。例えばチューナー2個(A、B)が既にある場合は、「DID C~F」と置き換えていただければ良いです。 *

** 2台以上のW3U2を導入する場合

8チューナーを選択し、「オプション」欄のBonDriver_Spinel_PX_W3U2_T(S)x.dllに、定義したサフィックス反映してください。また5番目以降のチューナー定義で、オプション末尾は順に「DID E~H」として、これが1つのTVRock内で他のチューナー定義と重ならないように、特に注意してください。  **

チューナー1にて、

Tvrock_dtune1_2

「視聴・録画アプリケーションがあるフォルダ」に、\TVTestフォルダを指定。

「チューナータイプ」を地上波デジタルに指定。

「実行アプリ名(視聴用)」をtvtest.exeとし、オプションに

/d BonDriver_Spinel_PX_W3U2_T0.dll /DID A

を入力。

「実行アプリ名(録画用)」もtvtest.exeとし* 、オプションに

/d BonDriver_Spinel_PX_W3U2_T0.dll /min /nodshow /DID A

を入力。

録画先フォルダを適切に指定。

以後、チューナー2~チューナー4を順に、以下のように設定していきます。

なお、この「オプション欄」は狭くて入力した内容を確認しずらく、特にBonDriver名称やDID xの部分は、うっかり間違えたままになり易いです。(後で設定→チューナで確認しても間違いは判りにくいです。ここはTVRockのミスが起き易い弱点だと思っています。)
後でトラブルが起きると判別が面倒になるので、ここの入力内容は(回答用紙の答えあわせだと思って)特に念入りに確認してください。

---------------------------------------

「チューナータイプ」をBS/CS

「実行アプリ名(視聴用)」オプションに

/d BonDriver_Spinel_PX_W3U2_S0.dll /DID B

「実行アプリ名(録画用)」オプションに

/d BonDriver_Spinel_PX_W3U2_S0.dll /min /nodshow /DID B

他はチューナー1と同じ

---------------------------------------

「チューナータイプ」を地上波デジタル

「実行アプリ名(視聴用)」オプションに

/d BonDriver_Spinel_PX_W3U2_T1.dll /DID C

「実行アプリ名(録画用)」オプションに

/d BonDriver_Spinel_PX_W3U2_T1.dll /min /nodshow /DID C

他はチューナー1と同じ

---------------------------------------

「チューナータイプ」をBS/CS

「実行アプリ名(視聴用)」オプションに

/d BonDriver_Spinel_PX_W3U2_S1.dll /DID D

「実行アプリ名(録画用)」オプションに

/d BonDriver_Spinel_PX_W3U2_S1.dll /min /nodshow /DID D

他はチューナー1と同じ

---------------------------------------

特に、DID A~Dをきちんと別々の値にしないと、同時起動する際にハングします。

この後、地上波、BS、CSの順で、以下のようにチャンネルセットをおこないます。

(既存のTVRock環境に追加する場合は、定義済みのチャンネルが表示されますので、それで問題なければ「次へ」をクリックしていってください。)

地上波の場合、一覧に地域のプリセット値があればそれを選択します。

もし、一覧に載っていない中継局から視聴している場合、あるいは「周波数変換パススルー方式」のCATVで視聴している場合は、TVTestを起動し、「設定」-「チャンネルスキャン」を開いて、チャンネルスキャン済みのデータを見ながら、 ここで手入力していってください。番組構成が同じ地域のデータを一旦表示させてからチャンネル&サービスIDを変更していくと、やり易いと思います。

周波数変換パススルー方式CATVの場合は、別の注意点もあります。こちらもご参照ください。

またいずれにしろ地上波のチャンネルは、TVRockのプリセット値が必ずしも最新ではありませんので、追加されたり無くなったチャンネルがないかを、TVTestのチャンネルスキャン済みの設定画面と見比べて確認し、違いがあればここで追加・削除するのがお勧めです。

例)東京地区のチャンネル構成 ・ プリセット値

Tvrockdtune_ts_2

東京地区のチャンネル構成 ・ 編集後

Ts2_2

.

BS、CSは、プリセット値のままで「次へ」進みます。

Tvrockdtune_bscs_3

Tvrockdtune_cs

最後に番組スキャンを行いますが、これは後でいくらでもスケジュール起動できますので、適当なところで強引に中断して良いです。

Tvrockdtune__3

「次へ」をクリックすると、TVTestが2タスク起動して番組スキャンを開始しますので、タスクバーから右クリックで、「ウインドウを閉じる」を選択して2タスクとも終了させてください。

すると、「終了しました。次へ進んで下さい。」の画面になりますので、「次へ」を押します。
更に「次へ」を押せば、「終了」のボタンが出てきますので、クリックしてください。起動したWeb画面は終了させてOKです。

.

5)TVRockの残りの設定

DTuneを終了させると、TVRockは以下のようにタスクバーに最小化されていますので、右クリックして「設定」を選択します。

Tvrock_2

いろいろな設定項目がありますが、特に重要だと思っているのは以下の5つです。

なお、既に設定済みのTVRock環境にW3U2を追加した場合、改めて以下を設定する必要はないと思われますが、DTune.batを使った際に一部の設定が初期値に戻っていますので、そこだけリンク先の手順で戻しておいてください。

①チューナータブで、4つのチューナーがDTuneで設定した内容になっているか?

Tvrock_tuner_2

②インテリジェントタブで、番組表の設定が画像のようになっているか?

-左下のTVRock番組表のセクションは、「起動する」をチェックしたうえで、もし番組表アクセスを特に規制しない場合は「認証無し」とし、(家の中でも)制限したい場合は「Basic認証」をチェックした上で適切なユーザーID&パスワードを入力しておいてください。

Tvrock_4

③プロセスタブでは、必要に応じて終了後コマンド等を定義しておくことができます。

ただし、これは敢えて今定義しておく必要はありません。ただ後でいろいろ録画サーバーとしての使い方を考えていく時に便利な機能ですので、ここでご紹介しておきます。

書くときは コマンド名:スクリプト のフォーマットで、複数行のスクリプトでは頭に同じ コマンド名:を付けていきます。以下が例です。

Move_XX:MOVE "%1" "移動先フォルダ・パス名"

 Move_XX:コマンドで録画後、ファイルを指定したフォルダに移動させる。

例えば家族で録画サーバーを共有しているときに、自分用の録画は自分用のフォルダで管理したいですので、そういう時にこのような後処理コマンドを指定してそれぞれ専用のフォルダに移しておく、という使い方ができます。また私の場合、iPodで観たい番組をMediaConverter7の「監視フォルダ」に送り込んで、iPod用のMP4に自動変換させる、という使い方をしています。

リンク先には予め動作するタイミングを規定されたコマンド予約語と、引渡しパラメーターの説明があります。終了後コマンドには予約語以外の名前を付けること。また 予約語:の形で、スリープ再起動時など規定時に走る自動スクリプトをここで定義することもできます。)

Rockpostprocessr

 * MP4自動変換については、HandBrakeをここで呼び出すこともできます。
MediaConverter7はQuick Sync Video が使えるので軽くて速く、(たまに失敗するものの)確実性も高いです。しかし有料SWですし、保存目的には音ずれや品質・圧縮率の面であまり褒められたものではありません。その点HandBrake は、音ずれもなく高品質なMP4が作成できます。(ただし失敗もありますので、作成後のチェック要。WhiteBrowserでまともなサムネイルが作られ音も正常に出ればOKです。)
CPUを激しく喰いますので、ハイエンドPC向け。処理中は何も表示は出ませんが、CPU-ZやCoreTempで見るとCPUをブン回してることで、処理していることが判ります。

ここでは以下のコマンドを定義しています。

HD:"HandBrake-H.bat" "%1"
 HD:コマンドで保存用高画質MP4ファイルに変換。元のファイルと同じフォルダに、*.H.mp4 のファイル名で保存される。サイズは元の半分~数分の1に圧縮される。
 再生環境もある程度のパワーが要る。

iPod:"HandBrake-L.bat" "%1"
 iPod:コマンドでDVD画質の高圧縮MP4に変換。元のファイルと同じフォルダに、*.L.mp4 のファイル名で保存される。サイズは元の1/10以下に圧縮される。
 再生環境もiPodやZacadeクラスで十分。

 いずれも元のTSファイルも残るので、チェック後不要になったら元ファイルは消していくと良いです。

なおこれらのバッチコマンドを使う方は、対応するバッチファイルの他、3つのプログラム(HandBrake、BonTsDemux、MKVToolNix)が必要ですので、それぞれ以下の手順で導入してください。

 (1)  こちらの作成済バッチファイルを「右クリック」→「対象をファイルに保存」でダウンロードし、適切なフォルダに解凍。
 (2) HandBrakeを
こちらから、使用中のOS(32bit、64bit)に合ったものをDLして導入してください。
 (3) BonTsDemuxは
こちらのup1091.zipをダウンロードし、適切な実行用フォルダに解凍してください。
 (4) MKVToolNixは
こちらを読んで、Download先から「Windows用 7zip archive」版をDL後、適切な実行用フォルダに解凍してください。
 (5) (1)で解凍された2つのバッチファイル HandBrake-L.bat とHandBrake-H.bat をテキストエディタで開き、中のREM文に従って、(2)(3)(4)のパス(実行用フォルダ)情報を反映し、保存してください。
 (6) (5)で編集済みのHandBrake-L.bat とHandBrake-H.bat を、「\TVRock作業フォルダ」下にコピーしてください。

以上で使えるようになります。なおこれらのバッチファイルの内容は この記事この記事を参考にさせていただきました。(有難うございます。)

終了後コマンドが定義してある場合、録画予約の際に図のように 「終了後コマンド」で指定することができます。(ここではHD:コマンドを指定)
デフォルトの「規定コマンドを実行」は通常何もしませんが、規定コマンドのTN:(チューナーデバイス録画終了後に実行)のスクリプトが定義してあれば、他を指定しない限り録画後は常にそれが実行されます。

Postcommandsample

.

④システム設定 タブ

‐「TvRock作業フォルダ」は、補足2.で説明する他PC展開のときの可搬性を良くするために、\TVRockフォルダを指定しておきます。またムービーフォルダは適切なフォルダを指定しておきます。

‐ログイン時にTVRockが自動起動するよう、「ログイン時に起動」をチェックしておきます。

-右上の(スリープ復帰の)タスクスケジューラ使用については、マシン環境によってうまく使える場合も、使えない場合もあります。もしタスクスケジューラを使う場合は、チェックした上でWindowsのIDとパスワードをここで指定してください。

DTune.bat 実行直後は、ここがチェックだけされてID&パスワードがない状態ですので、そのままでは正しい定義にはなりません。チェックを外すか、ID&パスワードを入力するかのいずれかを選択してください。

Tvrock2_4


⑤録画基本設定 タブでは、録画予約のときのデフォルト設定として、

-視聴・録画デフォルト: 「録画のみ」として録画中に映像が表示されるのを抑止し、CPUパワーを節約します。

-録画終了後デフォルト: 「アプリケーション終了」として、録画終了時に速やかにチューナーを解放するとともに、録画サーバーが休止やスリープしない設定にします。

-ファイル名置換フォーマット

これは私の例ですが

@TT@SB@NB [@CH] @yy年@mm月@dd日 @sh時@sm分@ss秒(@wk曜日)

としています。内容の判りやすいファイル名にするのと同時に、できるだけファイル名をユニークにして、万一シリーズ物が同じファイル名になって上書きされるのを防ぐためです。

Tvrockdefault_2_2

以上でTVRockの設定は完了ですので、「OK」を押して設定を反映させた後、タスクバーのTVRockを右クリックして一旦終了し、番組表取得のために、(TVRock実行用フォルダのtvrock.exeをダブルクリックして)再度起動してください。

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TVRockを使った録画予約は、番組表からの操作が基本になります。そのためにはまずタスクバーのTVRock右クリックで「インテリジェント」-「番組情報取得」を選び、 番組情報取得のタスクを定義します。

まずは以下の画面で、対象チャンネルを設定してください。

Photo_4

特に不要なチャンネルがなければ、地上波、BS、CSとも全チェックで良いと思います。(視聴することのないチャンネルや、例えばCSを契約していない場合CSを全解除にしておけば、それだけ番組取得の時間は短縮されます。)

上のようにチェックして、「記憶する」のボタンをクリックした後「開始」を選べば、番組表取得のためのTVTestタスクが2つ(地上波用とBSCS用)起動します。

ただしこのタスクは、30分程度でおわってしまう設定になっていますので、全チャンネルの番組表取得には時間が足りません。そこでこれらを基にして、定期タスクを作成します。

タスク動作中に右クリック→「予約リスト」から「番組情報取得スケジュール」のレコード(2つ)をそれぞれ開いて、画像のように書き換えてください。

これでOKを押せば定期タスクとなり、番組情報を自動的に取得してくれるようになります。

Tvrockprogramdltask

地デジと衛星用に、チューナー1,2でそれぞれ差し障りのない曜日、開始時刻を指定しておくと良いと思います。取得できる番組表は取得日から1週間分で固定(ただし地デジ難視聴対応BSチャンネルは2~3日分のみ)ですが、図のように「カスタム」を選んで複数曜日を指定しておくと番組変更に対応しやすくなるのと、仮に取得に失敗したチャンネルがあっても次回でリカバリーできます。

衛星用は、私のようにCSの番組表も取得する場合、BS,CS合わせてチャンネル数は80を超えます。こうなると全チャンネル取得には5時間弱かかる場合もありますので、それも見越した十分な長さの時間をセットしておいてください。地上波のほうは1時間程度もあれば十分です。

なお、特にこの衛星系の番組表取得の時間を短縮するために、2チューナー以上を使った「高速化」の機能もあります。

これには上の番組情報取得の設定で、「同じ放送波の同時取得時には高速化を行う」をチェックして、「記憶する」にした上で、番組情報取得スケジュールの別のタスクを、ぴったり同じ曜日、同じ時間帯に、同じ放送波の別のチューナー(例えば衛星ならチューナー4)を使って、同時に開始するよう、作成しておきます。

例えば私のところでは、(W3U2が複数台ありますので)チューナーの4、6、8を使って、図のように火曜早朝に、衛星系の番組表取得のタスクが3つ同時に走るように定義してあります。

Concurrentprogramdl_2

こうしておくとTVRockは自動的に判断して、それぞれに均等に放送局を振り分け、同時並行で番組表取得をおこなうようになります。

この機能を使えば、例えば1チューナーで5時間かかる番組表取得も、2チューナーなら2時間30分、3チューナーなら1時間40分程度にまで短縮されます。

(ただしその間、これらのチューナーは普通の予約録画に使えなくなりますので、チューナー数に余裕がある場合の方法です。

またいくら実際の時間が短縮できても、タスクに定義してある時間帯が長いままだと、該当チューナーはその間予約録画で使うことができませんので、それも短くしていってください。上図では3チューナーで高速化する前提で、2時間弱で定義してあります。)

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番組表が取得できれば、利用のための準備はできましたので、あとは実際に使いこなしていくだけです。いろいろな機能がありますが、以下のような使い方を覚えれば十分だと思います。

予約は、タスクバーのTVRock右クリックで、「インテリジェント」-「TV番組表」を表示して、対象の番組で、「予約」をクリックして録画予約していきます。

Tvrock

これが便利ですね。ブラウザーの「お気に入り」に追加しておけば、以降は直接呼び出すことができるようになります。

ただし、初期状態ではこの「予約」ボタンが、下の図のように個々のチューナーを選ぶボタンになっていることがあります。

 Tablenotprior

その場合は番組表の図の位置にある、「優先デバイス予約」という欄をクリックすれば、「予約」ボタンの表示に変わります。そうしておけば予約時には、空いているチューナーを自動的に割り当ててくれるようになります。

Switchtoprior_2

*番組表を利用するブラウザについて(注意点)

現状IE9だと、番組表がなかなか表示が出てこなかったり、場合によってはTVRockがハングしてしまう、という不具合があります。IE8以前であれば問題ありませんが、既にIEを9にバージョンアップされている方は、TVRock用にはFirefox等を使う形にして、この番組表のアドレス(http://localhost:8969/nobody/now)をお気に入り登録しておけば、そのほうが快適に操作できると思います。

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もう1つ、応用編として、キーワードによる自動予約録画の機能をご紹介しておきます。

TVRock番組表→キーワード検索から、タイトルキーワード、詳細キーワードを入れれば、番組表の中から条件の合致する番組を検索することができます。

Keywordserch1

ここから更にキーワードを足したり、チャンネル、ジャンル、曜日などで絞り込むことが可能です。
キーワードに正規表現をいろいろ組み合わせて、例えばタイトルに「007」を含んで「全作ガイド」を含まないものを検索する(007 not 全作ガイド)のような指定が自由にできるのもTvRockの特長ですので、慣れてきたらやってみると良いと思います。→この辺を参照

この検索結果に対してそのまま「予約」ボタンを押してもいいのですが、今後もこの検索条件に引っかかる番組を自動録画していくためには、この画面で「自動検索予約の編集」ボタンを押します。

そうすると、この画面になります。

Keywordrecording_2

ここで録画時の必要な情報を入れてください。私の場合いつも入れているのは、

(1) 「録画優先度無効」のチェックを"外す"。(デフォルトだとここがチェックされていますが、そのままだとチューナーの先約があるときに、自動で代替チューナーを割り当ててくれません。チェックを外すと空いている順に割り振ってくれます。)

(2) 「既に予約されている番組は登録しない」にチェック。(2重の録画を避けるため。)

(3) ファイル名が「番組タイトル+サブタイトル」だけだと情報が少ないので、「番組内容をサブタイトルへ変換」と「番組詳細をサブタイトルへ変換」の両方をチェックして、サブタイトル=「番組内容+番組詳細」 に変換する。

(4) (3)の指定だけだとファイル名が余りに長すぎるので、変換したサブタイトルをもとに適切な長さのファイル名を生成する。(注:たとえば後ほどご紹介する映像管理ソフト「WhiteBrowser」では、パス名+ファイル名が 255Byte を超るとエラーが出ることがありますので、それに収まるようにしています。)
ここでは「ファイル名置換」をチェックして、ファイル名のネーミングルールを

@NS1'^.{0,30}'@NS2'(出演|主演).{0,15}'@TT@PS1 @PS2@NB [@CH] @mm月@dd日

としています。これはちょっとした正規表現を使っていて、こうすると
タイトル名+サブタイトルの先頭30文字+(もしサブタイトル中にあれば)出演か主演に続く15文字+[局名]+月日.ts
というファイル名になります。 ^.{0,30} の部分が「番組内容+番組詳細」の先頭30文字(30文字以下なら全ての文字)のマッチング、(出演|主演).{0,15} の部分が同じく、出演または主演に続く最大15文字のマッチング を指定しています。

このようにファイル名にいろいろ番組情報を反映して後で判りやすくできるのも、自動検索予約機能の特長の1つです。

以上のような必要項目を入力したら、「自動検索予約リスト登録」を押してください。

一度登録しておけば、自動検索予約リストから削除するまでこの設定は有効です。新しい番組表が取得されるたびに、同じ検索条件で予約が追加されていきます。たとえ何週間か家を空けることがあっても、自動で番組を検索して録画していきます。

また良く映画のプロモーションなどで、注目している女優さんがバラエティ番組などに直前に出演決定し、番組表にもそれが直前に反映されることがあります。大抵こういうのは地上波ですので、地上波の番組表取得を毎日にしておけば、その辺も上手く拾える場合があります。

また、どんな番組が予約されるのか時々チェックするのも楽しいのですが、特に衛星系の放送局では、同じ番組の繰り返し放送も多いので、時々「予約リスト」をチェックして重複に気づいたら、予約無効(○→×に変更)にしておくと良いと思います。("削除"してしまうと、また登録されます。)

また検索条件の変更は、「自動検索予約リスト」で該当の項目を選び、「キーワード編集」のボタンを押せば検索画面が出てきますので、そこでいつでも変更可能です。

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このPCで視聴したり予約録画するための設定は、これで完了です。

このような環境を初めて構築されたかたは、まずはいろいろ触ってみて、操作の感覚を掴んでください。

その他、TVRockの使い方で参考になりそうなサイトをご紹介しておきます。
http://tv.2ch.tc/tvrock/help.htm#apply
http://adier.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/pt2-tvrock-0846.html
特に私はスリープ・休止運用をやっていませんのでその辺の情報をあまり書いていませんが、この辺とかご参考に。
http://freesoft.tvbok.com/tidegi/tvrock.html 
また、別記事にTVRock関連を含めたFAQをまとめておきましたが、有志作成のTvRockスレ ウィキには一般的なFAQがあります。そちらもご参考にしてください。
http://www35.atwiki.jp/tvrock/pages/15.html

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これ以降では、他のPCからTVを視聴/予約録画するための設定方法のほか、内蔵カードリーダを使う方法、サーバー内に視聴専用環境を作ること、などについて補足説明します。

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*補足1 内蔵カードリーダの使用について。

    (USBカードリーダを使う人は読み飛ばしてください。)

PX-W3U2は内蔵カードリーダを持っていますが、以前はこれを信頼性の高い方法で、特に有料放送用に使うことができませんでしたので、私はUSBスマートカードリーダを使う構成にしました。しかし現在では2つの方法で、内蔵カードリーダを安定して使えるようになっています。

1つは、PX-W3U2のハードウェアの機能を使ってスクランブル解除する方法で、以下に解説します。

これはPCの負荷も軽く、2つ目の方法であるFakeWinSCardよりシンプルな仕組みなので、どのような環境でも安定して使える点が特長です。ただし「有料放送の視聴は不可、チューナー(W3U2)1台ごとにBCASカードが必要 」という制約がありますので、それで問題がない場合にお使いください。

その辺の制約のないやり方は別の(2つ目の)方法になりますので、FakeWinSCardを使う方法をご参照ください。

1-3)-③で、

a') BonDriver_PX_W3U2_S0.dll

a") BonDriver_PX_W3U2_S1.dll

b') BonDriver_PX_W3U2_S0.ini

b") BonDriver_PX_W3U2_S1.ini

c') BonDriver_PX_W3U2_T0.dll

c") BonDriver_PX_W3U2_T1.dll

という6つのファイルを作りましたが、その中で

b') BonDriver_PX_W3U2_S0.ini

b") BonDriver_PX_W3U2_S1.ini

をテキストエディタで開き、最後の行に

[M2]

M2_Dec=1

を追加し、保存してください。

また新たに、空のテキストファイル

f') BonDriver_PX_W3U2_T0.ini

f") BonDriver_PX_W3U2_T1.ini

を作り、いずれもテキストエディタで開いて、

[M2]

M2_Dec=1

をコピペして、保存してください。

以上のa')~f")を

\Spinel\BonDriver

に上書きコピーします。

次に、\Spinel\Spinel.iniをテキストエディタで開き、該当箇所を以下のように書き換え、保存します。

DescrambleControl = 0

以上で再起動すれば、内蔵カードリーダを使ってスクランブル解除がおこなわれるようになる筈です。

 

 補足1に関する補足(ここからは、せっかく付いている内蔵カードリーダをフルに使い倒したい人向け。ここまでで満足した方には余談です。)

winscard.dll は独自に実装したものを、実行ファイルと同じフォルダに置くことで Windows標準のものとすり替える(フックする)ことができます。(最近話題のNetCASはこの方法を使っています。) TVTestの機能では更に、BonDriverと同じフォルダに、ユーザーが実装したwinscard.dll を”BonDriver名.scard” とリネームして置くことで、BonDriver毎にこのフックができるような機能を持っています。

CardReader_PX.dll は実装が足りないため、winscard.dllそのものとしてはうまく動きませんが、この(後者の)使い方であれば、”ほぼ”うまく動くため、この使い方を勧めているBlogや記事も結構あります。

しかし、上記のようにAPIとしての実装が不完全で、チャンネルやBonDriverの切り替えタイミングによって使えなくなるなどトラブルが多く、私はこれ単体ではお勧めできるレベルではないと考えています。

ただしこの辺の動作を安定させたり、汎用性を高める開発も有志によって行われています。例えばこのCardReader_PX.dllの不備を補完して、完全なwinscard.dllとして使えるようにした、FakeWinSCardというツールがあります

ここでは、これを使う手順を簡単にご紹介しておきます。これを使えばスマートカードリーダを別途購入する必要はありません。本体だけで有料放送のEMM処理を含む、スマートカードリーダと同等の全ての事が出来るようになります。

(ただし、環境によってはうまく動かないこともあるかもしれません。あくまで有志作成ツールですので、その場合はスマートカードリーダの利用をお願いします。 使ってみた感じだとBCAS処理能力はUSBカードリーダの半分程度で、同時視聴を増やしていった時の限界もやや早めに出るようです。ただまあW3Uxを1、2台使う程度なら、負荷的には何の問題もありません。)

①PX_Series用FakeWinSCard をDTV板

http://www3.wazoku.net/2sen/dtvup/

よりダウンロード。

 上記リンク先が機能していない場合の一時待避所を置いておきます。→up0800.zip

②FakeWinSCard.dll  をWinSCard.dll にリネーム
以後、

WinSCard.dll (上記でリネームしたもの)

CardReader_PX.dll (リネームしない)

CardReader_PX.ini  (リネームしないが、中のデバイス名・番号を、カードを挿すデバイスに合わせる。

   具体的には[Settings]以下の内容を、BCASカードを挿すデバイスに合わせて次のようにしてください。

    TunerFrendlyName=HDTV_PX_W3U2 BDA Digital Tuner_0   (PX-W3U2 最初のデバイスの場合)

    TunerFrendlyName=HDTV_PX_W3U3 BDA Digital Tuner_0   (PX-W3U3 最初のデバイスの場合)

    TunerFrendlyName=HDTV_PX_S3U2 BDA Digital Tuner_0   (PX-S3U2 最初のデバイスの場合)

    TunerFrendlyName=HDTV_PX_W3PE BDA Digital Tuner_0   (PX-W3PE 最初のデバイスの場合)

    TunerFrendlyName=HDTV_PX_S3U BDA Digital Tuner_0    (PX-S3U 最初のデバイスの場合)

   同じデバイスを2個以上挿している場合はTuner_0になるとは限らず、Tuner_1、Tuner_2等のように指定しますが、
   どのデバイスが何番になるかは、挿すUSBあるいはPCIeの位置関係で決まってくるようなので、いろいろ試してみてください。

この3つをワンセットにして、独自に実装したwinscard.dllとして使うと、内蔵カードリーダが完全に機能するスマートカードリーダになります。

③例えば\TVTestフォルダにこれを入れれば、TVTestからスマートカードリーダとして使えるようになります。

また\Spinelフォルダに入れればSpinelによるスクランブル解除に使え、BonCasServiceと同じフォルダに入れれば、BonCasLinkで他PCとBCASカードを共有できるようになります。

EDCBでスクランブル解除するならEpgDataCap_Bon.exeと同じフォルダ 、TsSplitterならTsSplitter.exeと同じフォルダにこの3つセットをコピーすればOKです。

要は各プログラムと同じフォルダに入れることで、それぞれから内蔵カードリーダを使えることになります。

尚、上記のM2_Dec=1の方法とは併用できませんので、実行用の \TVTestフォルダや\Spinel\BonDriverフォルダにある BonDriver_PX_W3U2_xx.ini は全て、 M2_Dec=1 という設定があれば M2_Dec=0 と書き換えてください。

私自身、最初からこれがあれば使っていたかもしれませんが、一応今はスマートカードリーダがあって困っていないことと、16チューナー環境でスクランブル解除するためには、少しでもパフォーマンスの高い本物のカードリーダの方が良いので、現状では使っていません。したがってご参考情報にしてありますが、十分使えるものだと思います。

各プログラムのフォルダ毎にこれら3つのファイルを置かなければならないのはちょっと面倒ですが、逆に応用として、複数個の\TVTestフォルダや\Spinelフォルダに別々のPXチューナーを指定したCardReader_PX.iniと置いたり、置かずにUSBカードリーダの処理にして、BCAS処理を負荷分散させることもできます。

尤も有料チャンネル契約BCASカードは金がかかるので増やせませんが、未契約カードや青BCASでも番組表取得なら出来ますので、それらのカードを使って無料放送用だけではなく、BS,CSでの番組表取得の負荷軽減にも使えます。

以上です。

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尚これは、BonDriver_PXxx.iniでM2_Dec=1を指定するのとは全く別の方法です。M2_Dec=1では、CardReader_PX.dllは全く使いません。

M2_Dec=1を指定すると、スクランブル解除はデバイス(W3U2)内部でおこなわれるようになります。内蔵カードリーダの存在をアプリケーション側は知らず、デバイス本体からスクランブル解除(Multi2解除)済みの信号を単に受け取る形になります。

各デバイス内でMulti2解除処理ができるよう、デバイス毎にカードが必要になりますし、今のところEMM処理については、内部でおこなうオプションはBonDriverには用意されていません(よって上記では、有料放送を視聴しないことが前提になっています)が、元々デバイスH/Wが持っている機能を使っていますので、動作は安定しており、PCへの負荷もかかりません。

 (Multi2解除処理とEMM処理の仕組みをもう少し知りたい方はこちら。)

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*補足2 他PCからの視聴・録画について

Spinelを使えば、他のクライアントPCから、チューナを共有して家の中のどこでもTVを視聴・録画することが簡単にできるようになります。

ただし、予め

●チューナーを導入したサーバーのIPアドレスを固定する。

●サーバー上のBCASカードを共有するBonCasLinkを設定する。
(netcasなど代替のwinscard.dllを使う場合は、サーバ、クライアントの各TVTestフォルダにそれを入れておけば BonCasLinkは全く必要なくなりますが、そうでない場合この設定は必須です。)

以上を準備する必要がありますので、先にその手順をご説明いたします。

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 ●チューナーを導入したサーバーのIPアドレスを固定する。

ここでは一応固定IPアドレスの設定をやったことがない人のために敢えて説明してありますが、ご存じの方はあまり気にせず、適切なアドレスに設定してください。以下の何箇所かでは仮に192.168.0.250というアドレスを設定するものとしてサンプルを書いてあります。

一応、固定IPアドレスの設定をやってことがない方のために手順を説明しますと、

サーバーPC上で、「コントロールパネル」→「ネットワークと共有センター」→「アダプター設定の変更」から、(現行LANの)「ローカルエリア接続」を選択(ダブルクリック)します。(これはWin7の場合です。XP,Vistaの場合の操作はそれぞれ微妙に異なりますが、該当するものを探してください。)

結果、以下の左のようなウインドウが出てきますので、矢印の順でセットしていきます。

Ipfix_2

大抵の家庭内LANでは、アドレス体系(IPv4)はここにある192.168.0.x の形式で、ルーターのアドレスは192.168.0.1になっている筈です。 もし判らない場合は、Windowsのスタート→すべてのプログラム→アクセサリ→コマンドプロンプト を選んで、以下の図のように「ipconfig」とコマンドを打ってみてください。

Ipconfig_3

ルーターのアドレスが図の赤い枠内の場所に表示されます。
固定IPアドレスは、この192.168.a.xの末尾の数字[x]を適当に決めてセットしてください。大抵の家庭内LANでは、192.168.a.2 から32or64個分のアドレスはDHCPが管理していると思いますので、それと重ならない大きなアドレス末尾(~255)を割り振ると良いです。以下では仮に、192.168.0.250 とセットしています。

サブネットマスクに255.255.255.0を入れ、デフォルトゲートウェイと優先DNSサーバーにルーターのアドレス192.168.a.1をセットし、後はOKを押していけば終わりです。

 ●サーバー上のBCASカードを共有するBonCasLinkを設定する。

各クライアントごとにBCASカードとカードリーダをセットするのは著しく利便性を損ないますが、ネットワークでBCASカードを共有するBonCasLinkを設定しておけば、不要になります。設定手順はこちらにありますので、まずはサーバー上でのBonCasService、およびサーバー内でのBonCasProxyを設定してください。

①クライアントPC側の設定

ここまでに作成した\TVRock、¥TVTest、\BonCasLinkの各フォルダをクライアントPCの適切なフォルダ下にコピーし、設定していきます。

Lanpcjpg

.

●まず、コピーした¥TVTestフォルダの、直下にあるBon_Spinelドライバー用iniファイル4つ

a') BonDriver_Spinel_PX_W3U2_S0.dll.ini

a") BonDriver_Spinel_PX_W3U2_S1.dll.ini

a"') BonDriver_Spinel_PX_W3U2_T0.dll.ini

a"") BonDriver_Spinel_PX_W3U2_T1.dll.ini

を、テキストエディターで編集し、該当箇所を以下のように書き換え、保存します。

Address = "192.168.0.250:48083"

RequireExclusiveChannelControl = 0

ForceTCPDataLinkMode = 1

 注)AddressはサーバーのIPアドレスに合わせて適切に設定してください

●コピーした¥TVRockフォルダはとりあえず弄る(使う)必要はありませんが、クライアントPCで予約録画をおこなったり、あるいは目覚まし代わりにクライアントPC側で決まった時間にTVTestが起動するようにしたい、といった場合は、③にその方法を解説してあります。

●次に、コピーした\BonCasLinkフォルダにある BonCasProxy.exe をダブルクリックして起動します。するとタスクトレイに図のようなカードの形をしたアイコンができますので、右クリックから「クライアントの設定」を選びます。

Bcproxy

図のような設定画面が出ますので、上の手順で設定したサーバー側IPアドレスを入れ、OKを押してください。

Bcproxysettingc_2

設定値を保存するため、一旦タスクトレイ上のアイコンで「右クリック」→「終了」し、再度BonCasProxy.exeをダブルクリックして起動してください。(設定したあと上げっぱなしにするとIPアドレスは保存されませんので、ご注意ください。一旦終了させれば、サーバーのアドレス情報が\BonCasLinkフォルダ上 BonCasProxy.ini ファイルとして保管されます。)

・BonCasProxy.exeをWindowsスタートアップ時に起動するようにしてください。これで、TVTestからのBCASアクセスは、常にBonCasProxyを経由してサーバーにアクセスするようになります。

・もし今まで内蔵カードリーダを使う設定にしていて、\TVTestフォルダに「FakeWinSCard.dllをリネームしたWinSCard.dll」が存在している場合は、それを削除しておいてください。(そうでないwinscard.dll は削除してはいけません。)

TVTestの設定

1-1)の各種ランタイムをクライアントPCに導入してください。.

導入したら、上記\TVTestフォルダにあるTVTest.exeを起動します。

このとき、クライアントPCにサーバー側で使ったデコーダがない場合、

「DirectShowの初期化ができません。」

というメッセージが出て、映像が表示されません。その場合は、「設定」‐「一般」で適切なデコーダ(Microsoft DTV-DVD Video Decoderなど)を選んでください。Windows8、あるいはXPで選ぶものがない場合は、こちらをご参考に「ffdshow Video Decoder」等を導入した上で、ここで選択してください。

以上で一旦TVTestを終了し、再度TVTestを起動してください。チューナー/チャンネルが適切に選択でき、映像が表示されれば、視聴環境の設定は完了です。

②ここまで設定した \TVRock、¥TVTest、\BonCasLinkの各フォルダを、マスターとして別の場所にコピーして保管しておきます。

これを他のクライアントPCにコピーしていけば、僅かな調整で簡単に視聴環境を展開していくことができるようになります。

各クライアントで展開のたびに必要な作業は、以下の通りになります。

-1-1)の各種ランタイムを導入すること。

-BonCasProxy.exeをWindowsスタートアップ時に起動するようにすること。

-(必要があれば)TVTestで適切なデコーダを選択すること。

これだけです。

.

●録画予約

クライアントPCからサーバーに録画予約する場合、(仮に)録画・視聴サーバーのIPアドレスを192.168.0.250とすれば、ブラウザーでアドレスバーに

http://192.168.0.250:8969/nobody/now
と入力すれば、サーバー上の番組表を常に参照できます。これをお気に入りに登録しておけば、簡単に呼び出せます。

ただし上のほうにも書きましたが、番組表を見るブラウザは、ie9ではハングしたような状態が頻発しますのでFirefox、ie8などが推奨です。

ここから録画予約すれば、録画はサーバー側にスケジュールされます。また現在の全ての予約内容の一覧を見たり編集もできるので非常に便利で、私も常用しています。

.

③(オプション) クライアントPC側に独立したTVRock環境を作る場合。

普通のクライアントPC設定は上記②までで十分です。サーバーに対する録画予約はブラウザーを使って簡単にでき、そのほうが録画が重なった場合でもチューナーを適切に割り振ってくれます。

しかし、敢えて他PCで独自に予約録画をおこないたい場合もあるかもしれません。例えばサーバー側は省電力のミニマムマシンを常時ONにして、おもに受信してSpinelで配信する役割と、④でご説明するTVRock間連携&マジックパケットを使った"叩き起こし役"に専念させておけば、スリープ復帰の失敗を避けながら、CPU能力と大容量のHDDを持った録画機を必要な時だけ動かす運用ができます。

またTVRockは、録画だけでなく実は視聴オンリーでも予約できますので、予約した時間になったらクライアントPCで、TVTestを指定のチャンネルで自動的に立ち上ける、という、テレビによくある機能を実装したい場合もあるかもしれません。(目覚まし代わりに使いたい時など。)

そういう場合は、TVRockもSpinel経由・他PCで動かすことができます。以下はその手順です。(当面その必要のない方は、この③と④は読み飛ばしてください。)

クライアントPCでTVRockを起動します。

以下のような初期化ダイアログが何回か出ますが、

Tvrock

キャンセルを選んでください。(OKを押してしまうと、展開用マスターで作ったものではなく、デフォルト値がセットされた構成ファイルが、勝手にできてしまいます。)

TVRock右クリックから「設定」を開き、「システム設定」のタブで、「TvRock作業フォルダ」を、クライアントPCの \TVRockフォルダに指定します。(図は例です。)

Tvrock2

OKを押したのち、一旦タスクバー上のTVRockアイコンを右クリックして、「TVRockを終了」させます。

\TVRockフォルダ上でDTune.batを実行します。

以降は「2-4)DTune.batによる、TVRockの設定 および、5)TVRockの残りの設定 」と同じ手順を進めてください。多くの項目はサーバー側で設定済の内容がそのままプリセットされていますが、

-チューナー毎にクライアントPC側の\TVTestフォルダに指定しなおすこと。

-同じく録画先フォルダをクライアントPCの環境に合わせて適切に指定すること。

以上(図の赤丸部)に注意してください。

Tvrock_dtune1_2b

Dtune終了後、設定画面で内容を編集していきます。ほとんどの項目はサーバー側の設定がそのまま引き継がれますが、以下の3項目は(Dtuneの制約上)設定が初期化されています私の場合以下のように編集しましたが、各自のポリシーに合わせて再設定してください。

・システム設定で、「復帰処理をタスクスケジューラーで行う」をチェックアウトしていたのがチェックされていた。=>チェックアウトに戻した。

・インテリジェントで、TVRock番組表を「認証無し」にしていたのが「Digest認証」になっていた。=>「認証無し」に戻した。

・番組情報取得の対象チャンネルが地上波だけになり、衛星のチェックが解除されていた。=>インテリジェント-番組情報取得の手順で、BS,CSを再度全チェックし、「記憶する」をクリックした。

以上で、TVRockを終了・再起動すれば、クライアントPC上で独自の予約ができるようになります。

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④(オプション) クライアントPC側のTVRockを、サーバーTVRockと連携させる場合。

TVRockを③のように複数PCで動かす場合、例えば番組表をそれぞれのPCで取得するのはチューナーの無駄ですので共有したいですし、各PCの予約内容を俯瞰して、適切なPCに再割振りしたい場合もあります。

その場合TVRockには「同期」という便利な機能がありますので、簡単にご紹介しておきます。

サーバー側TVRockの設定画面を開き、「同期」タブで、以下のように「マスターモード」をチェックします。

Tvrockserver_2

「接続できるスレーブの数」は適当にセットしておけばOKです。

次にクライアントPC側TVRockで同じ画面を開き、

Tvrockclient

「スレーブモード」をチェックして、サーバーPCのIPアドレスを入力します。

以上でサーバー、クライアントそれぞれのTVRockを終了→再起動すれば、以後連携するようになります。

具体的にはサーバー側で取得した番組表はクライアントTVRockでも参照できるようになりますし、それぞれの予約状況を1つの番組表で確認したり、録画するPCを変更したりなど、自由に編集できるようになります。

また、シャットダウンしているPCを、予約時間になったら常時ONのPCが、Wakeup on LANを使って「叩き起こす」という機能もあります。

図は連携した状態での予約リストの例で、2台のコンピュータそれぞれでの予約一覧が出ています。

Photo_2

なお、ここまでの設定では、実際はチューナーはSpinel経由で共有していることに注意してください。同じチューナーで同じ時間帯に別のPCが録画しようとすると、排他の優先権のあるTVRock(この場合サーバーPC側のTVRock)がチューナーを奪い取ることになります。

この辺は1つのTVRock内の予約なら、同じ時間帯にチューナーが重複しないように管理しますが、同期機能はSpinelの存在は関わり知りませんので、別のPC上のTVRockが使うチューナーは別物と見なしています。この辺は予約時に注意する必要があります。

本来はこの機能は、別々のPCがそれぞれのチューナーを持っている場合を想定した連携機能です。また、後日の私の環境のように、1つのTVRockが使えるチューナー数の上限(8個)を超えるチューナーを使う場合に、複数PCで予約録画を分担させる場合にも有効です。

例えば私のところでは後日4台16チューナー体制になりましたので、クライアント側にもう1つTVRockを立てて残り8チューナーを受け持たせ、予備の役割にしました。図のように代替チューナーを定義しておけば、予約録画時に空いているチューナーを順に探していきます。

Tvrock_2

このうちサーバー"K"機内の予約振り分けは、DTune.bat を使って初期設定する際に自動的に定義されるものですが、クライアント"P"機への振り分けは、連携機能を使って初めて可能になるものです。(ただしチャンネル再設定やチューナー追加で DTune.bat を走らせると、この赤枠内の「他サーバー」機への振り分け部分が「使用しない」に戻ってしまいますので、都度再設定しておいてください。)

こう定義しておくと、予約の際に衛星チューナー2番が他の予約で埋まっていれば、サーバー"K"機内の残りの3つの衛星チューナーを順に探し、それも埋まっていればクライアント"P"機内の4つの衛星チューナーを順に探して、空いているチューナーに予約を割り振るようになります。

また、そもそもTVRockは予約を必ずしも自マシン優先で割り振るのではなく、他マシンへの録画割り振りを優先させることもできます。図のように録画基本設定で「放送波別優先予約デバイス」で他のマシンのチューナーを割り振っておけば

Rockpriordevice

そのマシンの番組表にアクセスして録画予約をおこなっても、実際の録画は別のマシンでおこなわれます。これは常時起動しているマシンと録画用マシンを分ける場合に有効です。
ただしその場合、録画用マシンのほうも起こされてすぐには同期が完了せず自分に録画が割り振られたことに気づきませんので、「同期」タブで「予約情報更新時にマジックパケットを送って貰う」などを指定して、予め起こして伝えておくようにしておいたほうが良いです。

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*補足3 サーバーPCに視聴用TVTest環境を別途作成する

ここまでの手順でサーバーPCに作成したTVTest環境はTVRockでも使いますので、チューナー操作の優先権を持たせてあります。(BonDriver_Spinelの排他制御オン:RequireExclusiveChannelControl = 1 と設定してあります。)

こうしておくことでTVRockは確実に録画開始することができますし、録画中に他のアプリがうっかりチャンネルを切り替えてしまうようなことも防げます。

しかしこのTVTest環境を視聴にも使うと、そこでの操作にはTVRockは優先権を持てませんので、予約録画や番組表取得を妨げるような悪さをすることがあります。

サーバーPC上でTVRock用TVTest環境と視聴用TVTest環境を分けて作っておくと、この辺のミスが起きない環境になりますし、Spinelを使うメリットをPC1台でも享受できます。これは文章で説明すると判りにくいですので、以下の図で説明します。

Tvtest

このグレー点線枠内の「サーバーPCにおける視聴用TVTest環境」 を作る手順を説明します。

1)\TVTestフォルダをエクスプローラーで表示した状態で、以下の図のようにコピーした後、リネームして \TVTest視聴用フォルダ(名前は任意)を作成します。

Tvtest_2

2)この中には\TVTestフォルダと全く同じものが入っていますので、その中の以下の4つのファイルを順にテキストエディタで開いて

BonDriver_Spinel_PX_W3U2_S0.dll.ini

BonDriver_Spinel_PX_W3U2_S1.dll.ini

BonDriver_Spinel_PX_W3U2_T0.dll.ini

BonDriver_Spinel_PX_W3U2_T1.dll.ini

該当箇所をそれぞれ次のように書き換え、保存します。

RequireExclusiveChannelControl = 0

これ(だけ)で出来上がりです。デスクトップには \TVTest視聴用 にあるTVTest.exeのショートカットを置いて、通常の視聴にはこちらを使うようにします。

なお作成するのは簡単ですが注意点としては、両方のTVTest環境とも同じようにメンテナンスする必要があり、その点が二度手間になります。(尤もメンテナンスは片方だけでおこなって、その都度 BonDriver_Spinel_xxxx.dll.ini 以外のファイルをもう片方に上書きコピーする手順でも構いません。とくにチャンネル再編については、*.ch2 ファイルをコピーするだけでOKです。)

私自身の経験上も、TVRock用と視聴用のTVTest環境は分けた方が、録画のうっかりミスもなくより完成されたシステムになります。

またちょっとした応用ですが、上の絵にもある通りSpinelを使えば、同じチューナーを使って複数のPC/TVTestから同じチャンネルを観ることができます。(排他制御はチャンネルを切り替える権利を与えたり与えなかったりする機能であり、Spinelのこの機能の本質はむしろ同じチャンネルのtsを何重にも配信できる所にあります。その時にチャンネル制御が混乱しないように排他制御をおこなう、という発想です。)

これを使えば何台ものPCで同じ番組を映すことが可能ですし、工夫すればマルチモニタの表示にも応用できます。

排他制御の応用について

ここまでの手順では、TVRockで使うチューナーに排他制御の優先権を設定してあります。録画中や番組表取得中に、それを知らないユーザー操作やうっかりミスで該当チューナーのチャンネルを操作してしまうと録画や番組表取得が失敗してしまうので、それを抑止するのが目的です。

これはサーバーとクライアントPCの使い方に合わせて、細かくカストマイズすることもできます。

例えばTVRockはサーバーとクライアントPCの両方で動かすことができますが、それに全部のチューナーを定義する必要はありませんので、TVRockが使うTVTest環境はそれぞれ分けておいて、その中には対応するTVRockが使うチューナー(用のBonDriver_Spinel_xxxx)だけを置いて、それぞれの BonDriver_Spinel_xxxx.dll.ini で排他制御をオン、すなわち

RequireExclusiveChannelControl = 1

と設定しておけば良いと思います。

視聴用のTVTest環境では好きなだけBonDriver_Spinel_xxxx を置くことができますが、そちらでは排他制御オフ

RequireExclusiveChannelControl = 0

としておけば、予約録画が走っていない間は自由に使うことができ、また予約録画や番組表取得がスタートするとそのチューナーの制御権がTVRockに移って、チャンネルが切り替わるとともに録画終了するまではチャンネルを弄れないようになります。

TVRockが使わないチューナーについては、視聴用TVTest環境での排他制御は個別にオンにもオフにもできます。

これを応用して、各人のPCで優先視聴できるチューナーを決めて、それだけ排他制御をオンにしておけば、他人やTVRockに邪魔されずゆっくり視聴できるTV視聴環境にもできます。

もっともそうやって録画用と視聴用のチューナーを分けていくと、W3U2 1台分のチューナーではとても足りないですね。私は後日W3Ux 4台16チューナーの構成にしましたが、今はそれを録画専用8チューナーと、視聴・兼録画予備用8チューナーに分けて使っています。

その状態で今年の正月番組で同時録画が沢山走った時も、最大で8チャンネル同時でしたので、視聴用のチューナーは充分確保できていました。(そのときは衛星6チャンネルを同時録画していましたので、W3Ux を4台にした意味はありました)

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その他・BonCasLinkを使ってサーバーのBCASを共有する。

さて、これを導入した当初は、Spinel側でスクランブル解除を全ておこなっていましたが、特にCS(スカパーe2)で、2チューナー以上で同時に視聴/録画していると、Spinelの仕様で同一トラポン上の全サービス(9個に達する場合もある) を一斉にスクランブル解除しようとするため、BCASの処理能力を超えてしまい、画面が固まる/カクカクする、といった事が発生しやすくなりました。

サーバーをFusion(E350)機からZ68ITX(i7 2600k)機に増強したところこれは幾らか改善されましたが、Spinel側でスクランブル解除することはこのようなボトルネックがあり、また別の理由として後日、B25Decoder(の入っているMulti2Dec)の公開状況が危うくなってきましたので、Spinel側でのスクランブル解除はやめ、TVTest側で一括しておこなう設定にガイドを全て変えることにしました。その場合、BCAS/カードリーダが付いているサーバー機はTVTestとBonDriver_Spinelの設定を変えるだけで良いのですが、
クライアント機はサーバーのBCASを参照する必要があります。そのためには、BonCasLinkを導入する必要がありますので、以下に解説いたします。

(ただし、netcasなど代替のwinscard.dllを使う場合には、この手順は意味がありません。BonCasLinkは使わず、サーバおよび各クライアントPCの \TVTestフォルダに winscard.dll を入れて配布するだけの話になります。)以下はそれ以外の場合の対応です。

この手順は、BCASをネットワークで共有したい場合に広く使えます。ただしツールの性格上、USBカードリーダか、FakeWinsCardを使うことが前提になります。

こちらのリンクからBonCasLinkのzipファイル(up0714.zip)をダウンロードしてください。

解凍したものは以下のようになります。

Boncaslinkfiles

この\BonCasLinkフォルダをサーバー、クライアントそれぞれにコピーし、実行用フォルダとします。

(尚、FakeWinSCardを使って内蔵カードリーダを使用する場合は、用意した3つのファイルを、サーバー上で\BonCasLink\サービス版 フォルダにコピーしておいてください。)

・サーバーで、上記\BonCasLink\サービス版 フォルダの「サービスインストール.bat」 ファイルを右クリックし、「管理者として実行」してください。画面で何か聞かれたらEnterを押せば良いです。

Bcserviceentry

Windows8について補足)
Windows8のマシンで上記の操作をすると、次のようなメッセージが出てサービス登録がうまくいきません。
Casservice_3

BonCasServiceの動作自体はWin8でも問題ありませんが、登録手順はこちら補足がありますので、ご参照ください。

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・次に「スタートメニュー」→「コントロールパネル」から「システムとセキュリティ」→「管理ツール」→「サービス」の順に選びます。

Bcserviceauto

・図のような画面になりますので、スクロールさせてBonCasServiceを探し、ダブルクリックします。

Bcserviceset

・表示された画面で、図のように「自動」を選び、「開始」をクリックした上で「OK」をクリックしてください。これで自動開始サービスとして登録されます。

・次にサーバー側のWindowsファイアウォールで、BonCasServiceへのアクセスを許可するために、以下の作業をおこないます。

スタートメニューの「コントロールパネル」→(システムとセキュリティ)→「Windowsファイアウォール」から「詳細設定」を選び、「受信の規則」から「新しい規則」をクリックします。

Fwentry

規則の種類で「プログラム」を選んで「次へ」を押すと、対象のプログラムを聞いてきますので、「このプログラムのパス」を選んで「参照」を押し、「\BonCasLink\サービス版」 フォルダにあるBonCasService.exe を指定します。

Fwprogrampath

以降は「次へ」を押しながら、「接続を許可する」→「プライベートのみ(ドメインとパブリックのチェックは消す)」を指定し、最後に「BonCasService」と名前を入れて、「完了」をクリックします。

Fwcomplete

以上で、BonCasServiceの設定は終わりです。(これはWindows7での手順ですが、他のOSの場合も類推しながら作業いただければ。)

・次に、サーバー、クライアントの双方で、\BonCasLinkフォルダにあるBonCasProxy.exeをダブルクリックして起動します。タスクトレイに図のようなカードの形をしたアイコンができますので、右クリックから「クライアントの設定」を選びます。

Bcproxy

図のような設定画面が出ますので、サーバー側はこのままで「OK」、またクライアント側には、サーバーのIPアドレス(リンク先のように固定のアドレスに設定する前提)を入れ、OKを押します。

Bcproxysetting

設定値を保存するため、クライアント側では一旦タスクトレイ上のアイコンで「右クリック」→「終了」し、再度BonCasProxy.exeをダブルクリックして起動してください。(設定したあと上げっぱなしにするとIPアドレスは保存されませんので、ご注意ください。一旦終了させれば、サーバーのアドレス情報が\BonCasLinkフォルダ上 BonCasProxy.ini ファイルとして保管されますので、\BonCasLinkフォルダを丸ごとコピーすれば、他のクライアントにも簡単に展開できます。)

・BonCasProxy.exeはサーバー側、クライアント側とも、Windowsスタートアップ時に起動するようにしてください。これで、TVTestからのBCASアクセスは、BonCasProxyとBonCasServiceを経由するようになります。

・もし今まで内蔵カードリーダを使う設定にしていて、\TVTestフォルダに「FakeWinSCard.dllをリネームしたWinSCard.dll」が存在している場合は、それを削除しておいてください。
(そうでないwinscard.dll は削除してはいけません。クライアント側、サーバー側両方とも。)

・次に、スクランブル解除を原則SpinelではなくTVTest側でおこなうように、Spinel、TVTestの設定がそうなっていなかったら、以下のよう統一してください。

 ○サーバー、クライアントの両方で、以下の設定に合わせる。

(サーバー側Spinel.iniで、DescrambleControl = 0 に変更する、またサーバー・クライアントの各TVTestフォルダにある全ての BonDriver_Spinelxxx.dll.ini で、 DesiredDescrambleControl = 0 に変更する

 ○サーバー・クライアントの両方で、TVTestの「設定」→「一般」で、カードリーダを"なし"になっていたら、"スマートカードリーダ"に変更する

 これに伴って、TVTestのスクランブル解除関係のチェック項目が加わる(ホワイトアウトした状態からチェック可能な状態になる)ので、設定しておく。

Emm_3(図の赤丸部のように設定)

以上です。ミスのないように詳しく説明しましたので長くなりましたが、数分でできる簡単な設定です。

ちなみにここまでご紹介していませんでしたが、通常のWindows7の仕組みだと、リモートデスクトップでサーバーを操作した瞬間に、SpinelやTVTestのようなアプリがスマートカードリーダを読めなくなるという仕様上の制約があります。しかしBonCasLinkを導入すれば、上手くWindows7を騙しているのか、この問題が起きなります。このようにリモートデスクトップをPC運用で多用する人にも、BonCasLinkを使うことのメリットがあります。

実はサーバー内については、TVTestでスクランブル解除するときに敢えてBonCasLinkを経由させる必要はないのですが、リモートデスクトップが使えるメリットと、オーバーヘッドもほとんど無いことから、今回その構成にしました。あとでBCASを別サーバーに移したり負荷分散させたりといった応用が効くのもメリットになります。

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その他・TVTestの使い方に関するTIPS

TVTestは、TS抜き環境で映像を楽しむための基本になるソフトですので、少しばかりTIPSを書いておきます。

1)TVTestのヘルプファイル

TVTestは画面を見ながら操作していけば大体は判った気になるのですが、実は視聴中にさかのぼり録画ができたりと、機能豊富です。ところが、TVTestの導入方法が書いてあるサイトは多いのですが、使い方やカストマイズは意外な盲点で、なかなか情報がありません。

あまり知られていないのですが、TVTestには便利なヘルプファイル

Tvtesthelp

が付いています。ここではこれを使う方法を説明します。

\TVTestフォルダに、TVTest.chm というファイルがあり、これがヘルプファイルなのですが、Windows7の場合デフォルトでは、これをダブルクリックしても何も中身が表示されません。そこで、

①TVTest.chmファイルを1回クリックして、その後右クリック→プロパティを選ぶ。

Tvtest_chm

②プロパティの「全般」タブで、「ブロックの解除」をクリックする。

Tvtest_chm_property

以上でOKを押す。

これでTVTest.chmをダブルクリックすれば、上記のヘルプが表示されるようになります。

普段使えるように、デスクトップにこのヘルプファイルのショートカットを作成(ファイルを右クリックしたままデスクトップの上に持って行って、「ショートカットをここに作成」)しておくと使いやすいと思います。

2)TVTestの使い方に関するFAQ

別記事にTVTest関連を含めたFAQをまとめておきましたが、上記ヘルプファイルの「補遺」の中には一般的なFAQやTipsがあります。
それほど情報量はありませんが、使っていく上でありがちな疑問点をカバーしています。

3)録画したTSファイルの再生方法

再生環境を作り込んでいくときりがないですが、とりあえず普段の再生にはWindowsMediaPlayerや、お好みによってVLC、GOM、PowerDVD(有料)などが使えます。

しかし放送用フォーマットのTSファイルをそのまま再生する場合、これらの汎用プレーヤーでは操作性が悪いと感じる事があります。

例えば二ヶ国語音声の操作が面倒だったり、音がうまく出なかったり、サイズカットされた映像の比率変更も機能が少なめです。

この辺は、もともとテレビとして作られているTVTestの機能を、そのまま再生にも使えたほうが便利と考える人もいて、有志によってTVTest用のプラグインが開発されています。

実際私も使っていますが、特にCSの標準画質の映像はこれでないとうまく扱えないことが多く、重宝しています。

以下に代表的なものをご紹介します。詳細は各パッケージのReadmeにありますが、簡単な解説サイトもリンクしておきますので、参照してみてください。

なお、これらは既存のTVTestの環境に付け足してもよいのですが、もう1個\TVTestフォルダを作って、他のBonDriverを入れずに再生専用にして、デスクトップのショートカットも別に作ったほうが使い易いと思います。

①BonDriver_File: 定評あり。ただし新規入手できなくなっていますので、既にDL済みの方以外は②を使ってください

解説サイトの例

http://gomacat.blog18.fc2.com/blog-date-200905.html

②TvtPlay: 最近出てきたものですが評判良

ここから最新版(ver.2.0)をダウンロード

やや古いですがアーカイブはこちらhttp://www2.wazoku.net/2sen/hdusup/

解説サイトの例

http://www.dxcode.com/archives/2011/08271704.php

4)PowerDVD11以降のデコーダとしての利用について

PowerDVDを購入して導入済の環境の場合、PowerDVD用デコーダ(CyberLink Video/SP Decoder)をTVTest用デコーダとして使う人も多いと思います。

しかしPowerDVD11以降にバージョンアップすると、TVTestのデコーダとして、これが選択できなくなります。

これはWindowsの汎用デコーダとして使えなくなったわけではなく、デフォルトで表示されなくなっているだけです。(CyberLinkがなぜそうしたかの理由は判りません。)

以下の方法で復活させることができますので、PowerDVDの綺麗な画質や動画再生支援を気に入っている方は、試してみてください。

・コマンドプロンプトから操作します。Windowsのスタート→アクセサリ→コマンドプロンプト で、コマンドプロンプトを表示してください。

以下の順に1行づつコマンドを入力してください。(一行づつコピーして、マウスをコマンドプロンプトの上に置いて、右クリック-貼り付けし、Enterしていくと良いです。)

なお、ここではPowerDVD12を導入した場合のコマンドをご紹介しています。PowerDVD11を導入された方は、フォルダ名を PowerDVD12→PowerDVD11と置き換えるだけで対応できます。
一旦下記をテキストエディタにコピペして 12→11 と置換したうえで、この手順を進めると良いと思います。

(64bit Windowsの場合)

C:

CD \Program Files (x86)\CyberLink\PowerDVD12\Common\VideoFilter

regsvr32 CLVsd.ax

exit

(32bit Windowsの場合)

C:

CD \Program Files\CyberLink\PowerDVD12\Common\VideoFilter

regsvr32 CLVsd.ax

exit

以上でTVTestの 設定→一般→デコーダ で、「CyberLink Video/SP Decoder」が選択できればOKです。

5)その他便利なプラグイン

① 字幕プラグイン

文字通りの機能で、地上波、衛星放送とも結構多くのドラマや番組で字幕が表示できるようになります。
これは外国語番組の字幕機能ではなく(それらはもともと映像の中に埋め込まれています)、放送中の日本語の音声を文字にしたもので、本来は難聴の人向けのサービスと思われますが、夜中などに音を小さくして視聴したい場合に表示しておくと、結構便利です。

TVCaptionMod2-12.zip TVCaptionMod2 Plugin ver.1.2  をダウンロードします。
解凍した中にある

TVCaptionMod2.tvtp
Caption.dll

の2つのファイルを、\TVTest フォルダの下の\Plugins フォルダにコピーします。(誤ってx64版をコピーしないように。)

・TVTestの画面で右クリックし、図のように プラグイン→TVCaptionMod2の上でクリックします。

Tvcaptionmod

クリックするたびにTVCaptionMod2の前にチェック✔が付いたり消えたりしますが、✔が付いている状態にすれば字幕機能が有効になり、上の図のように字幕が表示されます。

録画したTSファイルを上記3)のBonDriver_File やTvtPlay で再生する時も同じように、このプラグインで字幕を表示することができます。
前提としては録画環境のTVTestで図のように、「字幕データを保存する」が指定されている必要がありますが、

Capsave_2

ここまでの手順ではこの設定になっている筈です。

② NicoJK ニコニコ実況プラグイン

その名の通りのプラグインです。地上波のみの対応ですが、ニコ実の使い方からすれば十分じゃないでしょうか。

1_2

導入も簡単です。

・前提S/Wとしてこちらから、ニコニコ実況SDKをダウンロード&解凍し、jknicom_release.exe を実行して導入してください。

・次に、NicoJK導入パッケージはこちらにありますので、お好きなバージョンのNicoJK_revxx.zipをダウンロードしてください。
なお動作の観点で最新版が必ずしも良いとは限らず、私の環境では後述のようにNicoJK_rev.12のほうがうまく動きました。念のために最新版の他、その辺のバージョンもダウンロードしておくと良いと思います。

・解凍後、NicoJK.ini に放送局名とニコニコ実況番号(JK)との関連付けがありますので、首都圏の方はそのままで、それ以外の方はお住まいの地域に合わせて編集してください。といっても基本ニコニコ実況の地上波分は東京キー局+関東ローカル局分しかありませんので、各地域の放送局でも、対応するキー局の実況を流す形になります。

お住まいの地域の放送局名(TVTestがスキャンしたものを半角/全角含めて正確に:BonDriverxxx.ch2ファイルからコピペすれば良)=対応するキー局のJK

と修正していくか、書き加えてください。

例えば愛知県なら

NHK総合・名古屋=1

東海テレビ=8  などなど書き加えていけば良いです。

・編集が終わったら、NicoJK.ini とNicoJK.tvtp を、\TVTest\Plugin フォルダにコピーしてください。TVTestを起動後、画面で右クリック→プラグイン→NicoJKをクリックすれば、ニコニコ実況の表示ON/OFFが切り替わります。

なお、私の場合最新版の rev.13 だと以上の設定をしてもうまく実況が表示されず、rev.12で、かつNicoJK.iniで useSDK=1 とした ( ; を外して ニコニコ実況SDKを使用するように変更した)ほうが、うまく表示されました。うまく動かない場合は試してみられると良いと思います。

2

以上で導入完了です。盛り上がる場面はもちろん、TVを観ていて「冷温停止なわけないだろ!」などツッコミ入れたくなるところでその通りのツッコミがどーっと入ったり、地震のときはテロップよりはるかに速くほぼ瞬時に「茨城揺れたwww」などのコメントが多数流れたりと、TVをリアルタイムで観たくなりますね。TV局もドワンゴ任せではなくこういうサービスをいろんな視聴層向けに拡充するとリアルタイムの視聴者増えると思います。尤もヤラセ、サクラ、検閲済みのコメントばかりになると逆効果でしょうが。。

非力なマシンだとそこそこ負荷になって画面がカクつきますので、その点はご注意を。
負荷の観点というよりもずっと実況が流れっぱなしの画面を観るのも疲れますので、メインのTV画面では実況表示なし、別のTV画面で表示させるという視聴方法もあります。(Spinel経由であれば別のPCでも、同じBonDriver_Spinelを使って同時に画面を出せます。TVTestはそれぞれ設定できますので、片方だけで実況を表示させると、観ていて疲れません。)  これで2009年のWBC決勝なども観たかったですね。

③ リモコンの使い方

・付属のリモコンの使い方については、W3U3の記事に使い方を説明してあります。→記事はこちら

・ただしSpinel経由クライアントPC側でテレビを視聴する場合、付属のリモコンは使えません。(あくまでWindowsからはW3U2のリモコン受光部はUSBデバイスの扱いになるため、USBで繋がったPC以外では利用できない)

それ以前に付属のリモコンは、TVTestの中の機能であればほぼ割り当てできるのですが、TVTest自体を立ち上げることはできませんし、例えばマウスの代わりにも使えませんので、TVTestでEPG番組表は表示できても何か操作することはできないなど、TVをリモコンで全操作したい方には、やや機能が不足しています。

その辺を解決するものとしては、PCリモコンがあります。

これは例ですが、TVTestのリモコンとしてはもちろん、ショートカットキーの割り当て、マウス代わり(操作性は別として)にも使えますし、もちろんW3Ux、S3UxシリーズだけではなくPX-S1UDやBCUDなど、TVTestで使えるチューナーなら何でも使えます。
TVTestの起動をリンク先を参考にショートカットキーに割り当てた上でそれをリモコンのボタンに割り当てたり、TVRockに割り当てることも可能です。

*といってもこのリモコンの場合、TVとして使うPCの1台1台にIRレシーバーを繋がなければならない、というのがやや格好悪いかもしれません。

そういうかた向け(?)に、もしAndroid携帯をお持ちでしたら、それをTVTestのリモコンにするプラグインが開発されていますので、試してみられてはいかがでしょうか?

TVTestリモコン http://nilposoft.info/mobile/
解説記事 http://d.hatena.ne.jp/korokorokoron/20120922#1348312370

残念ながら私はAndroid携帯は持っていないのでテストはできないのですが、家庭内無線LANにAndroidが接続できて、該当PCのIPアドレスにアクセスできる環境になっていればどのPCに対しても、図のような操作パネルからリモコンとしてTVTestを操作できるようになります。
無線LANに繋がっていれば良いので、リモコンをテレビのほうに向ける必要すらありません。(クセでついやってしまいそうですが。)

Smacon

部屋のPCをTV代わりに活用したい、でもリモコンのないTVなんて何か足りない気がする。。と思われる方は、このようなものを活用されてはいかがでしょうか?

④ 画面をカットしてL字画面をパン&スキャン(画面全体に拡大)する方法

画面を分割し、複数ディスプレイの大画面でTV鑑賞する方法

・TVTest画面下のステータスバーにある1440x1080のような映像サイズの項目(表示されていない場合は 設定→ステータスバー で「映像サイズ」をチェック) で右クリックすると、図のようにパン&スキャンの選択ができます。

Panscan2_2

地上波やBSでは日頃は使う必要はないと思いますが、CS110でSD放送では、画面の上下や左右がカットされた番組がありますので、ここで「レターボックス」とか「超額縁」などを選んで画面にフィットさせることができます。

更に地上波でも、選挙や災害などのときは、いわゆるL字画面になることがありますが、ここにあるL字の項目を選べば、それらをカットして画面にフィットさせることができます。

しかしこのL字の各局仕様は異なりますので、それらを拡張する設定をご紹介します。

TVTest_パン&スキャンの設定(up0575.zip)」をダウンロード&解凍して、「パン&スキャンの設定.txt」に従ってTVTest.iniを編集してください。

さらにおまけで私が作った定義です。以下の内容も書き加えれば、ナショジオの一部SD放送の画面フォーマットにも対応できます。

PresetCount=8
Preset0.Name=L字 CX



Preset7.Name=NatioGio
Preset7=0,7,100,86,16,10

(赤字部を変更および追加)

このように追加定義した結果のメニューです。

Panscan3_2

・このようなPreset値は自由に定義を追加できます。ただしTVTest.ini ファイルの直接編集ではなく、上記メニューで「パン&スキャンの設定」を選んで入力し、追加&更新したほうが、画面上で確認しながら進めることができ、判りやすいと思います。

.下図のように各設定の名前をつけながら、切り取りの左上の位置と切り取る大きさを、それぞれ画面全体を100とした縦横%で指定し、「追加」していく形になります。

Panscandef5

ここの「比率」は普通にディスプレイ全画面を使う時は16x9で良いですし、ディスプレイを縦に使う時は9x16なども可能です。(切り取る領域の縦横比もそれに合わせる必要がありますが:ディスプレイを縦に3つ並べて使うときは、「大きさ」を33.3%x100%くらいに設定すると良いと思います。)

追加&更新した内容はTVTest.iniの[PanAndScan]の項目に追加されていますので、[PanAndScan]セクションをまとめてコピペしていけば他のTVTest環境にも展開できます。

・これを応用すれば、画面の1/4とか1/9ずつを表示させる設定などもできますので、例えば9台のディスプレイを 3x3 に並べて、それぞれに表示領域を受け持たせたTVTestを全画面表示させて、「9台のテレビで映像を拡大表示」ということも可能です。

さらに 4x4 とか 5x5 のような”超マルチモニター構成”でも、Spinelを使ったAkamai的な配信システムを組めば、LANの帯域を節約しながら無理なく構成することができます。

PCでEyefinityなどを使った動画マルチモニタ表示にすると、マルチモニタとしての汎用性は高いのですがディスプレイ接続など専用に作りこまなければならず、また頑張っても6画面分割が上限です。その点Spinel経由であれば一般的なPC数台で、それぞれのTVTestを使って表示領域を分担させることで、このようなシステムを簡単に構成できます。(各画面でタイムラグがある時は、主な原因はオリジナルのBonDriverでのバッファリングにありますので、Spinelを2段以上にして各TVTestには1段目では配信せず1本のSpinel-Spinel間セッションを共有し(ここで同期される)2段目以降から配信する、という構成が良いようです。更にスクランブル解除を最初のSpinelでおこなう設定にした上で、各画面で右クリック→リセット をおこなうことで、綺麗に同期します。)

次の写真はTVTest4画面分割の例で、上の図にある4x1, 4x2, 4x3, 4x4の設定を使っています。

実際にディスプレイを2x2に並べて映してもこのような絵になります。

Panscan4screen

同じくこちらは、縦ディスプレイ4つを並べてシネスコサイズの映画チャンネルを観る設定にしてみたり。

Panscan4cinesco_2

・ただし今のところ残念ながら、このパン&スキャンの設定は起動時やチャンネル/BonDriver切り替え時にはリセットされますので、その度にセットする必要があります。

チャンネルを保持している間は、図のように「番組の切り替え時にデフォルトに戻す」をチェックアウトすることで、保持することができます。

Panscandef3

うかつにチャンネルを替えられない点がちょっといまいちですが(チャンネル切り替え自体はどれか一画面を切り替えれば同期して切り替わります)、このような2x2のモニタスタンドで

(解説には17インチまでと書いてありますが、24型、27型にも対応しています)

日頃は普通の複数PC用ディスプレイとして別々に使い、ロンドンオリンピックやワールドカップ中継の時には皆で54型相当の大画面で盛り上がる、なんて楽しいかもしれませんね。

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6)WhiteBrowserによる録画ファイル管理のご紹介

必ずしもTVTestを使うためだけの機能という訳ではないのですが、このシステムで録画した大量のファイルを管理し、鑑賞しやすくするためのツールとして、WhiteBrowserの導入方法をご紹介しておきます。

Wbmainscreen

こんな感じのメイン画面です。(表示デザインはいろいろあり、様々なスキンも出ています。)

これはファイラではなく映像管理ツールですので、様々なフォルダやHDDに散らばった映像ファイルをフォルダ階層を辿りながら探して回る必要は全くなく、一覧で表示してフラットに管理できる点が単純に便利な所です。

もちろんそれだけではなく、映像管理ソフトとして便利な機能がいろいろ実装されており、拡張も容易です。
実際、WhiteBrowser自体はもう何年も前から公開されていたのですが、最近はHD画質のTSファイルも安定して扱えるようになり、環境に依存していろいろ試す必要のあったコーデックの導入も不要になりました。ソフト単体が強力になったというより、外部ソフトも進化して、それとうまく連携することで、よりこなれてきた感じがします。
タグ付けやカストマイズの自由度が高すぎて、そういった面の応用ばかりが強調されていたために却ってマニアックなイメージもあったのですが、デジタルTV環境での活用を主体に考えれば、特別なことをしなくてもTvRockが付加してくれるリッチな情報が検索に使えますし、TvTest(TvtPlay)との連携も直感的にサクサク使えますので、今まで以上に強力なツールになっていると思います。

以前は数百MB程度が主体だった映像ファイルも今はTSをそのまま保存すれば数GB~20GBのファイルが普通になりました。しかしそれ以上に今はHDDが圧倒的に安く大容量なメディアになりましたので、わざわざカット編集や圧縮をしてDVDやBDなどに焼かずとも、3TBあたりのコスパの良いHDDを必要なだけ並べて、録画したままでオンラインで管理できる時代になっています。
映像ファイルが全てオンラインになれば、それを思い通りに検索してすぐに利用できるこのようなツールは威力を発揮します。
簡単ですが以下でそのポイントを解説します。

① WhiteBrowserの導入方法ですが、まずはリンク先から「WhiteBrowser 書庫バージョン」をダウンロードし、適切な実行用フォルダ(以下では\WhiteBrowserフォルダとします)に解凍します。

http://www12.atwiki.jp/whitebrowser/pages/16.html

注)Windows8の環境では、現時点ではVC++のランタイムエラーが頻発してうまく使えません。それを回避するには手動でパッチを当てる方法がありますので、ご興味のある方はこちらをご参照ください。

② 次に、以下の添付ファイルをダウンード後解凍し、

「WBFiles.zip」をダウンロード

中にある all.bat iso.bat を \WhiteBrowserフォルダにコピーしてください。
これらは①のWiki にあるサンプルを元に、いろいろ改修してTSでの動作を安定させたものです。

③ 同じく②で解凍したファイルの中にあるthumbフォルダを(フォルダごと)\WhiteBrowser\skin フォルダの下にコピーしてください。

Wbhumbskin
これはSkin Library にある"dosukebe"スキンを元にしました。(といっても殆ど名前を変えただけだったり。。)

④ 次に、以下のリンクを「右クリック→新しいウィンドウで開く」 で出てきたページで数秒待って出てくるダウンロードメニューで、MPlayer をダウンロードし

http://sourceforge.net/projects/mplayer-win32/files/MPlayer%20and%20MEncoder/revision%2034401/MPlayer-p4-svn-34401.7z/download

解凍後、中にあるmplayer.exe を、\WhiteBrowserフォルダ直下にコピーしてください。

⑤ 同じく、MediaInfoをダウンロードし、
(使用中のOSに係らず、32bitのCLI版を選ぶ)

http://mediainfo.sourceforge.net/ja/Download/Windows

解凍後、中にあるmediainfo.exe と mediainfo.dll を、\WhiteBrowserフォルダ直下にコピーしてください。

⑥ 利用しやすいように、\WhiteBrowserフォルダ直下のWhiteBrowser.exeのショートカットをデスクトップなどに作成しておくと良いと思います。

⑦ WhiteBrowser.exe(のショートカット)をダブルクリックして起動します。

⑧ 初期設定として図のようなダイアログが出るので、適切な名前を入れて「OK」し、次のダイアログも「はい」と答えてください。

Wbinit

⑨ これでメイン画面が起動しますが、画面下のフレームは使う上であまり役に立たないので、右下のほうにある図のようなX印を3回クリックして、フレームを消してしまうのがお勧めです。

Wbinitsc1

⑩ 次にスキンを図のように、thumbに切り替えてください。

Wbinitsc2

⑪ 左下のCONFIGをクリックし、ポップアップしたメニューからVIEW CONFIGを選んでください。

Wbinitsc3

⑫ 表示されたメニューで、図のように入力&チェックしてください。(メニューが表示し切れない場合は、マウスでウィンドウサイズを広げれば表示されます。)

Thumbsetting

入力し終わったら、「更新」をクリックしてください。

⑬ 次に図のように「ツール」→「この管理ファイルだけの設定」を選び、

Setting1

フォーマット設定で、追加フォーマット欄に ts,iso と入力してください。

Setting2

(メニューが表示し切れない場合は、マウスでウィンドウサイズを広げれば表示されます。)

入力が終わったらOKをクリックします。

⑭ 次に「ツール」→「共通設定」を選び、

Setting

図のように再生用プレイヤーを設定してください。

Postcommandsampler

(メニューが表示し切れない場合は、マウスでウィンドウサイズを広げれば表示されます。)
とりあえず赤枠の部分を入れておくと良いと思います。

「再生用プレイヤー」は、サムネイルをダブルクリックすると、ここに設定したプレイヤーを使って再生されるようになります。

ここではTvtPlayを再生用プレイヤーとして設定しています。(パラメーターは /d BonDriver_Pipe.dll /tvtplay /nd /s /tvtpofs <ms>   )
ちなみに/tvtpofs <ms> の指定によって、サムネイル上で 「右クリック」→「サムネイル位置から開く」 が有効になります。

Thumbpos

TSファイルの問題で10秒前後の誤差はありますが、(呼出し後の細かい位置調整がTvtPlayの±ボタンで可能です) それでも録り貯めた映像の特定のシーンを観たくなった時に、すぐにサムネイルから直接呼び出すことができるのは大変便利です。

また、上図ではMPC(Media Player Classic:お持ちでないかたはmpc-hc.exe(32bit)をDL)
も設定しています。パラメータに /start <ms> を指定していますが、これによってMPCでもサムネイル直接シーンジャンプが可能になります。MPCはTSファイル以外にも様々なメディアフォーマットの再生が可能ですし、ISOファイル以外なら直接シーンジャンプが使えます。
(逆にTvtPlayはTSファイルしか扱えませんが、TSファイルに限ってはこの上なく便利なので、ここではこちらを標準のプレイヤーにしています。)

プログラム1~プログラム5には他にも、良く使う処理を割り当て可能です。上の図ではご参考までに、以下のような割り当てをしています。

プログラム  概要

ISOファイルを仮想ドライブにマウントするための VirtualCloneDrive を割り当て。
ここでは /d=n の設定で、何番目の仮想ドライブにマウントするかを指定している。

2、3

TSファイルをMP4に変換するためのHandBrakeを割り当て。
プログラムパスはHandBrake-L.bat (DVD画質版)とHandBrake-H.bat (高画質版)でパラメーターは <file>
起動するとコマンドプロンプトが開き処理を始める。(複数起動可。) CPUの負荷がかかるのでローエンドマシン向けではないが、音ずれや画質劣化が少ないMP4を生成してくれる。うまくすればファイルサイズが数分の1になるので、大きめの映像ファイルを長期保存目的で圧縮するのに非常に重宝。
変換後のファイルは元のファイルと同じフォルダにそれぞれ「元のファイル名.H.mp4」(高画質版)「元のファイル名.L.mp4」(DVD画質版)という名前で保存され、「監視フォルダ更新チェック」で表示される。変換がうまくいかず壊れたファイルができることもあるので、正常なサムネイルが作られ音も正常に出るかでチェックし、問題なければ元のファイルを削除すれば、HDD容量を節約できる。

なお、これらのバッチファイルを利用するには、こちらの(1)~(5)の手順が必要です。編集済みのバッチファイル HandBrake-L.bat とHandBrake-H.bat を、「\WhiteBrowser実行用フォルダ」にコピーしておいてください。

VLCを割り当て。 --start-time=<sec> の設定で、MPCと同じく直接シーンジャンプを可能にしている。
使い道はMPCとほとんど同じ(サクサク感はMPCのほうが上だがMP4の画質はこちらが良)。ISOファイルからの直接再生にも便利 。

このように設定したプログラムはサムネイルの上で、右クリック→「プログラムから開く」 から呼び出せます。

Wbprogramselect

⑮ 以上で設定は終わりです。一旦WhiteBrowserを終了させて、設定を確実に反映します。

⑯ ここまでセットアップした \WhiteBrowser フォルダは、マスター用にコピーしておいてください。このマスターをコピーしていけば、各クライアントPCでもWhiteBrowserが使えるようになります。
(⑰以降の作業は、各クライアントPC毎にドライブの見え方も違うためそれぞれで実施する必要がありますが、ここまでの環境はコピーすれば展開できます。ただし⑭の再生用プレイヤーはそれぞれのPC環境ごとに設定してください。)

⑰ WhiteBrowserを起動します。最初はサムネイルは何も表示されていないので、監視対象にしたいフォルダをあるだけ図のように、

Wbaddf

エクスプローラーから WhiteBrowser のメイン画面にドラッグ&ドロップしていきます。すると図のような登録メニューが出ますので、上のように指定してOKを押してください。(このように指定すれば、ドラッグしたフォルダのサブフォルダも表示&監視対象になります。)
映像ファイルが既に沢山あると最初のサムネイル作成に時間が掛かりますが、必要なフォルダは全部登録しておいてください。(何かダイアログが出たら全部「はい」と答えれば良いです。) 長くても一昼夜も放っておけば出来上がっていると思います。

また真ん中のチェックを外して、起動中の常時監視をしない設定にしてあるのは、常時監視だとWhiteBrowserを立ち上げっぱなしにしている間に録画が始まるとすぐにサムネイル登録しようとしてしまい、結果的に頭の画像だけがズラリと並んだサムネイルができてしまうためです。

こう設定した上でサムネイルを更新するには、図のように「ツール」→「監視フォルダ更新チェック」 をおこなえば、

Updatechk

その時点での最新の状態に更新されます。(録画中の映像があれば現時点までの映像でサムネイルが作成されます。)

中途半端なサムネイルを作ってしまった映像ファイルは、後から右クリック→「等間隔サムネイル作成」で再作成できます。

注意) サムネイル作成の最中に、たまに何十分待っても特定ファイルのサムネイル作成で突っかえて先に進まない、ということが起きることがあります。その場合サムネイル作成が進まなくなり、こちらの図の「サムネイル作成待ち」の数字も止まったままになります。

これは壊れた映像ファイルがある時に、サムネイル作成に使っているプログラム(mplayer)がハングアップすることがたまにあり、そのプロセスが処理の進行を邪魔をすることによって起きます。(特にMP4への変換が失敗して壊れたファイルができた時に、この現象が起きやすいです。)
これがあるとWhiteBrowserを再起動しても同じ状態になり、また該当ファイルを掴んだままmplayerがハングしているため、システムを再起動しないと該当ファイルの削除もできない状態になります。
この状態を解消するためのバッチを作成しましたので、添付しておきます。以下のzipファイルをダウンロードして、適切なフォルダに解凍してください

「サムネイル作成がハングした or ファイル削除失敗する時のバッチ.zip」をダウンロード

この.batファイルのショートカットをデスクトップに置いて、この現象が起きたらダブルクリックすれば良いです。
なおこのバッチファイルは、ファイル自体の削除はおこないませんので、壊れたファイルが判ったら(どのみち壊れてますので)削除するか、WhiteBrowser監視外フォルダに移すことをお勧めします。

⑱ 以上で録画した映像の管理ができるようになります。

サムネイルのコマ数や大きさはの設定で調整できます。(但し変更すると全サムネイルの再作成が始まりますので、最初のうちに決めたほうが良いです。) 私の場合少ないシーン数でファイルを沢山表示させるよりも、多めにシーンを表示させたほうが概要が判り易いですし、シーンジャンプの機能も便利ですので、このように1映像ごとに24コマを表示させる設定にしています。ただサムネイルの作成速度はコマ数に比例しますので、遅いマシンであまり待てない場合はコマ数を控えめにした方が良いかもしれません。

TVRockの設定で(上の画面例のように)録画ファイル名にいろいろ情報を入れておけば、TVRockの正規表現とまではいきませんが左上の検索欄から、

Searchbox

このように細かく条件を絞っての検索がいろいろ出来ます。

SQL検索の例 {file_date >= '2012-01-01' AND file_date < '2012-04-01'}
     録画日が 2012年の1月1日から3月末までのファイルを選ぶ。

検索結果はリアルタイムに反映されます。リセットするには検索欄をクリアするだけです。

他にも、監視フォルダ間の移動は自動で検出してインデックスを貼り直してくれるなど、映像管理に適したいろいろな機能を備えています。詳しくは作者の方のWikiをご参照いただくと良いのですが、簡単なTipsをいくつかご紹介しておきます。

Wbmainscreentips_2

画面のスクロールはマウスのスクロールホイールが便利ですが、下にあるスクロールバーである程度目星を付けてジャンプすることもできます。ただ映像が何百、何千にもなると、ここ数日内の映像以外は検索機能の絞り込みと併用するのが普通の使い方になります。

⑲ 再生は⑭の解説のように、サムネイルから個々のファイルを直接起動できます。しかし何個かの映像ファイルを連続して再生したいときは、図のようにWhiteBrowser上で(Ctrl+クリックやShift+クリックで)複数ファイルを選択した上で、TvtPlayやMPC等の画面にドラッグ&ドロップして、まとめて再生させることもできます。

Listplay

ただこのままだと再生順はシステム任せなので、連続物を正しい順番に再生させるには、TvtPlayなら下のNextbuttonボタンを右クリックして、名前順にソートしたり、再生順を入れ替えると良いです。

Dragonche_2
(オプションとして、ここから
「コピー」 → 「ワードパッド」に貼り付け → 「unicodeテキストドキュメント」形式で保存 → 拡張子を小文字の.m3uに変更
と操作すれば、TvtPlayやMPCから直接開ける再生リストが作れます。)

⑳ 映像ファイルはサイズが大いので、貯まっていくとすぐにHDDが一杯になります。そこでたまにしか観ないものはサーバーのアーカイブHDDに移したり、不要なものは順次削除していく必要がありますが、これもWhiteBrowserからサムネイルを確認しながらCtrl+クリック で選択していって 右クリック→「ファイルを移動」や「ファイルを削除」 で一括処理できます。 (削除したものはごみ箱に行きますので、あとでクリーンアップしておいてください。)

移動する場合、各PCであらかじめ移動先を監視フォルダとして登録してあれば、(フォルダ更新チェックのタイミングで)自動的に移動を検知し、インデックスを張り直してくれます。
削除したファイルについては、(削除処理した以外の)PCではサムネイルが白黒表示になります。(すぐにサムネイルを消さないのは本当に消えたのか、単にLAN上見えなくなったのかが判断できないため。)
そのままサムネイルが消えずに残っていくと邪魔になってきますので、ときどきLAN上のファイルも見えている状態で ツール→「存在しないファイルを登録から削除」 を使って、クリーンアップすると良いと思います。

移動や削除をする場合は、特定のフォルダ以下にある映像ファイルを一覧できると便利なので、その方法もご紹介します。

まず、画面の右上にある「FOLDERボタン」をクリックします。

Folderreorg1

するとドライブの一覧が出てきますので、そこでドライブ名、(さらに必要があればフォルダ名)をクリックすれば、その下層フォルダも含めて中にある映像ファイルのみが表示されるようになります。

Folderreorg2

空きを増やしたいドライブやフォルダがあればここで選んで、表示されるファイルを整理していけば良いわけです。 (上の例では C:\MC の下にある映像ファイルを選択表示しています。)

左上にある「TOP」の文字 をクリックすれば元の全体表示に戻ります。

なお「FOLDERボタン」を押したときに表示されるドライブ一覧は、システムが認識しているドライブ一覧ではなく予め登録してあるものを表示しているだけで、一種の検索キーの扱いです。
(当ガイドの設定ファイルでは、予めドライブ名(A~F、X~Z)が登録してあります。これで足りない場合は ③でコピーしたthumb フォルダ下のfolder.txt を編集してください。)

ドライブやフォルダ名をクリックすると、WhiteBrowserは登録済の映像ファイルから検索し、条件に合ったものを表示する形になります。
つまり、改めてドライブやフォルダを覗きにいくわけではありません。まあ、だからこそ軽快に動作するわけです。

このようにWhiteBrowserはファイラではなく、一種の映像データベースソフトになります。データベースだけに、後からレーティング(★)を入れたり分類タグを入れたり、いろいろ便利な使いこなしも可能ですので、ご興味あればWikiを読んでみてください。(といっても私はズボラなせいか、ここにある使い方だけで十分便利です。)

ちなみに現在の監視対象フォルダは、ツール→「監視フォルダ編集」で一覧でき、ここで設定変更することもできます。
Managingfolders

映像ファイル保存場所のネーミングルールを統一しておけば、新規クライアントPCに作成済サムネイルやタグ情報を含めたWhiteBrowserの環境を、そのまま持っていくことができます。
具体的には、

Diskmap

図の例のように映像ファイル置き場所のドライブレターのルールを、ローカルとリモートそれぞれで決めておきます。(この例ではローカルはD:、リモートはY:とZ:と決めています。もっと増える可能性があればもっと増やすもOK。)
監視フォルダもそれぞれのドライブ内で\(1~8)\MOVIE と決めておいて、あらかじめサーバー機のWhiteBrowserにこれらが(ダミーで良いので)見える状態にして、全て監視フォルダとして登録しておきます。

結果は以下のようになります。

Mngdiskmap

クライアントPCでWhiteBrowserを使い始める時は、既存のPCの\WhiteBrowser フォルダを原則同じフォルダ・パスに丸ごとコピーした上で、WhiteBrowserを起動します。 

既存PCのD: ドライブがクライアントPC側でネットワークドライブY:に割り当ててあれば、既存PCでローカルにあった D:\1\MOVIE 等の映像保存先は、クライアントPCからはネットワークドライブ上のY:\1\MOVIEのように見えることになります。WhiteBrowserから見ると、定義済みの監視対象の構成は同じなのに、中身は一斉にローカル→リモートに移っているように見えるわけで、(騙されて)移動検知のロジックが働き、全てのインデックスを張り直してくれます。
これには数分間待たされるものの、全映像ファイルのサムネイルをクライアント側で作成しなおす(下手をすると数時間~数日かかる)よりも遥かに速く完了し、それ以後はごく普通に使えるようになります。 (再生用プレイヤーの定義⑭は環境に合わせて修正が必要ですが、それだけです。)

以上のようにすれば、ノートPCやスレートPCのような非力なPCでも、WhiteBrowserで大量の映像ファイルを気楽に扱えるようになります。

なおファイルの移動に関しての注意点ですが、1ファイルあたり数GBの映像ファイルは、ドライブ間を移動するだけでも1ファイルあたり数分の時間がかかります。
数十~数百個も選んで移動を指示すれば軽く数時間はかかりますので、出かける前や夜寝る前に仕掛けておくのが良いと思います。

移動や⑰にあるサムネイルの再作成は、仕掛中にWhiteBrowserを落してしまうと処理が途中で終わってしまいますので、処理完了まで上げたままにしておく必要があります。
仕掛中の状況は右下のアイコンで図のように表示されていますので

Wbongoing

うっかり処理途中でWhiteBrowserを終了させないよう、ときどきチェックすると良いです。
ただしこれらはバックグラウンドの処理なので、仕掛中でもWhiteBrowserは普通に利用できますし、ファイルを様々な場所へ移動する処理も続けて追加できます。(裏でキューイングされた処理を黙々とやっていきます)

以上のようにWhiteBrowserは、沢山のHDDやLAN上に散らばった大量の録画ファイルを管理して、後で効率よく探して楽しむのに非常に便利なツールですので私も常用しており、お勧めです。
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7)Blu-rayディスクに焼く

以上のように、録画したファイルはHDDに保存したまま管理していくのが私のお勧めで、サイズが気になるものはタイミングを見てMP4などに変換しておけば良いと思います。

しかし中には、Blu-rayに保存して家電のレコと同じように運用したり、お手持ちのBlu-rayプレーヤーで再生したい、という方もいるかもしれません。

そういう場合、有料であればPowerDirector(Ultra以上)TMPGEnc Authoring Worksを使えば確実ですし使い勝手も良いと思いますが、フリーでも高機能なものがありますので、(解説付き)リンクをご紹介しておきます。

multiAVCHDの解説とダウンロードサイトへのリンクはこちら

詳しい解説もリンク先にあります。
BD-R書き込み可能なドライブが必要になりますが、任意のPCでこのツールを使って\AVCHDフォルダを作成したのち、BD-Rドライブが付いているPCでImgBurnを使ってライティングをおこなっても構いません。

なおこのツールでBlu-rayに焼くときは、MP4に変換していないTSファイルを使ってください。MP4からだとうまくいかない事が多いようです。
かなり機能豊富でボタンも多く、それだけに最初とっつきにくいと思いますが、最も単純には以下のように、

Multiavchd

①WhiteBrowserからBD化したいファイルを順にドラッグ&ドロップし、②保存先フォルダを選び(自動的にその下に\AVCHDフォルダが作成される)、③次にStartを押して ④Blu-rayを選べば、すぐに作成が開始されます。

⑤Finished のメッセージが表示されたら、できあがった\AVCHDフォルダを、上記解説の終わりのほうにある「出来上がったデータを、Blu-ray ディスクに焼く」の手順で「ImgBurn(本体+日本語化パッチ ちなみに最近どのDLサイトもそうですが、デカい字でDownloadとかClickと書いてあるのは広告サイトで、地味な文字で並んでいるものが本物です)」を使ってライティングすれば、Blu-rayディスクが完成します。
所要容量はほぼ元のファイルと同じですので、25GBのBD-Rであればそのくらいを目安に、複数のTSファイルをまとめて入れることができます。(作成されたディスクではそれらが連続再生され、また自動的に作られるトップメニューで各映像を選択することもできます。)

しかし、以上のようにして作成したBlu-rayディスクは、結構音ズレが出ますし、場合によっては音が出ないこともあります。その対策には少し工夫する必要がありますが、以下のサイトをご紹介しておきます。

http://ohtsuka.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/pt2tsmultiavchd.html
(なお現在2senが使えませんので、リンク先ガイドで使用するtssplitterはこちらのup0797.zip、BonTsDemuxはこちらのup1091.zipをダウンロードすれば良いです。)

 私が使っている感じだとtssplitterは使う必要はなく、
  ① BonTsDemuxで「デフォルト出力フォルダ」を適切にセット(予めフォルダを作っておくこと)。BD化対象TSを順にドラッグ&ドロップし、「変換開始」

Multiavchd_

  ② ①でできたAACファイルをまとめて xrecode II「ファイル」タブにドラッグ&ドロップ
Multiavchd__2

  ③ 「AC3」とビットレート「384」を指定の上「ソースと同じ場所」に出力設定して、「開始」

Multiavchd__3

  ④ multiAVCHDのMediaタブに、①でできたm2vファイルを順に、ドラッグ&ドロップ

Multiavchd__4

  ⑤それぞれのファイルを反転の上「properties」でAudioタブの「add」ボタンを押して、対応するac3ファイルを選択
Multiavchd_1

Multiavchd_2

  ⑥ Audioタブの表示を反転させた状態で、「Delay」欄にac3ファイル名末尾の”DELAY”に続く数字を入れる。
  ⑦ 「change」を押す。delayの数字が反映されたのを確認後、「Ok」。これを全てのファイルで繰り返す。
Multiavchd__5

  ⑧ 後は最初の図②以降と同じ順番でディスク焼きまで実施。

 以上の手順で良いと思います。
 ちなみに音ズレは家電レコや有料ソフトでも起きますが、この手順であれば音ズレのないBDが簡単に作れます。

なおデフォルトだとメニューの日本語ファイル名が文字化けしますので、Menuタブで図のように

Multiavchd_menu_2

Font typeを日本語フォントに変えておいてください。結果は下のMenu previewで確認できます。

カット編集やチャプターメニュー作成も⑤「properties」の画面からできないことはありませんがレスポンスが悪く、TSの場合経過時間検出も大きく狂っていたりするので、実用的ではありません。その辺までやりたいなら予め別ソフトで編集してから①~⑧をおこなう(但しTsTimeKeeperは現在こちら)か、有料ソフトがお勧めです。

Blu-ray再生に対応したPowerDVD(Pro以上)などのソフトをお持ちなら、ディスクに焼く前にmultiAVCHDが作成したAVCHDフォルダから再生することでどのようなディスクになるかが判りますので、気に入らなければ何度でも作り直すことができます。

いくつかのファイルで練習して慣れてきたら、画面と最初のリンクにある解説、あるいはこの辺この辺のサイトを見比べながら進めて行けば、結構格好いいメニューを作成したり複数のtsファイルを組み合わせてのオーサリングもでき、慣れるに従ってかなり凝ったBlu-rayディスクも作れるようになります。ご興味のある方は試してみてください。

Multiavchd_bdr

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その他・WindowsXPの場合のデバイス導入手順

私はあまり環境として使っていないので気にしていませんでしたが、XPの場合はUSBに挿すだけで自動的にW3U2の認識まで進むわけではなく、何回かダイアログに答える必要があり、間違い易いかもしれません。適当に次へ次へとやってしまうと失敗し易いので、ここの手順を以下にまとめました。

図のように都合5回(Loader→BDA→HIDIR→BDA→HIDIRの順)、同じように答えていく必要があります。

Xptejun

ただし、HIDIRの認識の過程で(つまり二度)、以下のダイアログが出る可能性があります。

恐らくはドライバーinfファイルの問題だと思いますが、これには以下のように、「参照」から(32bit,64bitそれぞれの)BDAドライバーを展開したフォルダを探して指定し、OKを押してください。(ちょっと面倒ですが。。)

Xp_hidir

デバイスマネージャーで、この通りにデバイスが展開されていれば成功です。

Xp_result

うまく動かない時はこうなっていなかったり、デバイスに!や?が付いた状態でないかどうか、良く見て確認してみてください。その場合ドライバーの手動更新を試みる必要がありますが、手順はVista&7と殆ど変りませんので、本文の説明に譲ります。

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その他・既存の環境にPXシリーズを追加する

既にPT1/2やHDUxなどのチューナーを使って動いているts抜き環境がある場合、それに追加する形でPXシリーズを使いたい場合も多いと思います。

その場合、既存の環境では必ずしもSpinelやTVRockを使っている訳ではないと思いますし、ソフトウェアの配置も様々だと思います。私の力足らずでそれら全ての導入ケースを網羅することはできませんので、ここのガイドを適宜、各人の環境に読み換えていただければ。

ただ、ソフトウェアのバージョンについては、既存の環境はちょっと前に作ったまま「凍結」しているケースが多いと思いますが、PXシリーズを混在させる際には、できるだけ新しいバージョンに上げた方が良い面もあります。そこで、既存の環境のままPXシリーズを混在させた場合はどういう点が問題になるか、またPXシリーズに関係なく、衛星系チャンネル再編イベントに対応するために必要なバージョン情報などを一覧にしました。

Addingpx_table

ご推奨は、この機会に各ソフトウェアのバージョンを最新に上げておくことですので、その方法も表の中に解説してあります。

もちろん環境によって予想しない問題が発生する可能性はありますので、既存の環境を一旦バックアップに取った上で作業されることをお勧めしますが、あまり躊躇することもないと思います。既にうまく動いている環境に何か手を加えるのはちょっと抵抗感もある筈ですが、いずれ必要になりますし、慣れの問題です。

各ソフトウェアをバージョンアップして、特にTVRockについてはチャンネル再編の対応方法をDTuneに統一しておくと、(最初ちょっと大胆な作業になりますが)今後のメンテがかなりやり易くなりますので、このタイミングでご検討いただければ幸いです。

またTVTestのバージョンについては、上の表のようにver.0.7.22r2以降の、できるだけ新しいバージョンに上げることをお勧めしていますが、諸般の事情で古いバージョンをそのまま使いたい事もあるかもしれません。

その場合、あまり古いバージョンだと新BSがうまく視聴できないと思いますが、厳密に検証した訳ではありませんので、どの版以前でどういう問題が出るかは判りません。その場合はあくまで自己責任で。。

ただし、ver.0.7.21以前だと、リンク先でダウンロードするように書いてある最新BSチャンネル・プリセットファイル(Preset_BS.ch2)がそのままではうまく使えません。(チャンネル名に%BS15/TS1 のようなゴミが付いてしまいます)。そこで、代わりにこちらを

「Preset_BS.ch2.old」をダウンロード

適切なフォルダに「右クリック」→「対象をファイルに保存」でダウンロードし、「Preset_BS.ch2」にリネームした上で、\TVTestフォルダに上書きコピーして使ってください。

また、Spinelも最新バージョンへのUPをお勧めします。(上記PXシリーズ正式対応のほかに、あまり古いバージョンだと新BSに対応できない、という不確定情報もあります。) その際既存の設定ファイル(.iniファイル)は流用して良いのですが、新機能対応との矛盾を起こさないために、以下の設定変更をお勧めします。

* Spinel.ini にて
以下の設定に置き換えて、既存の EnableB25Decoder = と EnableB1Decoder = の行は削除するかコメントアウトしてください。
DescrambleControl = 0
; B25/B1スクランブル解除の動作を指定します。
; 0: 常にスクランブル解除前のTSを送信します。
; 1: 常にスクランブル解除済みTSを送信します。
; 2: スクランブル解除ONを要求してきたクライアントには解除済みTSを送信しますが、
;    それ以外のクライアントには解除前のTSを送信します。
; 3: スクランブル解除OFFを要求してきたクライアントには解除前のTSを送信しますが、
;    それ以外のクライアントには解除済みTSを送信します。
それに合わせてこちらの設定もお勧めします。
* BonDriver_Spinelxxx.ini にて
DesiredDescrambleControl = 0 (Spinelはスクランブル解除しない) または 1 (Spinelがスクランブル解除する)
; スクランブル解除を行ったTSの配信を希望するかどうかを指定します。
; 実際に解除済みTSが配信されるかどうかは、サーバー側のDescrambleControl設定値によって決まります。
;   0: 特に希望がない(どちらでもよい)事を通知します。(デフォルト)
;   1: スクランブルが解除されたTSの配信を希望する事を通知します。
;   2: スクランブルされたTSの配信を希望する事を通知します。

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まとめ

家庭内であれば、1台常時ONのサーバーを置いてW3U2のようなチューナーを何台か入れておき、録画はサーバー側で一括しておこなう、視聴はそれぞれの部屋からSpinel経由のPCで、録画済ファイルはWhiteBrowserで管理してPCやiPodで鑑賞、というのが、映像環境として一番使いやすい気がしますね。本来デジタルTVはPCとの親和性がとても高いものだと感じられます。

有線or無線LANが繋がっていればアンテナ線の屋内配線は不要ですし、PCは非力なものでも十分です。PC用モニターはもれなくHD画質で、最近は27型も安くなっています。そもそも今の市販のTVはサイズが大き過ぎますね。一通りの画質と機能が揃ったのは最低でも32型という感じですが、部屋で観るには24型のPCモニターでも十分広く感じます。

それどころかウチではエコポイントの時に買った液晶AQUOSも、今やHDMI接続でSpinel経由TVTestのテレビ番組や録画(tsファイル)を映すことが圧倒的に多くなっていて、「単なるPCモニター」と化してます。操作性はTVTestのほうがずっと上ですし、それでいて液晶テレビらしい画質で見られますので、もはやテレビ本体にチューナー等の余分な機能は要らないですね。

昨今はこのようなミニPCが結構出回っていますが、

何故かどれも、本体をPCモニター裏に取り付けるためのVESAマウントが付いています。

日本では単に「カワイイ超小型PC」として(一部で人気があるとは言え)ニッチな存在であるこれらPCですが、本来グローバルでは、PCモニターやTVに取り付けて「テレビ兼PC」、あるいは「ネット動画の再生もできるセットトップボックス」として使うという、明確な目的がある訳です。最近はYoutubeの再生にも対応したテレビも増えていますが、ネット端末として見たときの機能や将来に亘る様々なサービスへの対応は「単なるPC」のほうが遥かに優れているわけで。。

確かに無線LANさえあればテレパソみたいな余計な装備は一切いらない(録画もBD焼きもサーバーに任せればいいので)、それでいて部屋のTVとして使えて、PCとしてWebやOfficeを使うにも能力十分という、(映像信号に変な制御のかかっていない海外では)結構使い勝手のいい製品で、日本ではノートPCやスマートホンに押されて存在感のないデスクトップPCやホームサーバーも、このような使い道の広がりが本来あるんじゃないかと思います。

あるいはこういうスレートが、

ごろ寝テレビ兼TS再生機として遊べそうなので、私も使ってみようかなと思っています。

普及の進まないDLNAと比べても、ずっと使いやすくて実用的な環境だと思うんですが。。

まあもっとも、「ユーザーが使いやすい映像環境」ではHDDレコも地デジTVも海外メーカーに席巻されると思われているからこそ、日本だけにしかない地デジのコピー制御なんて仕組みが出来上がってしまったのかも。というより本質的には、放送局にとって放映権料を現状維持するための言い訳に過ぎないコピー制御の大義名分に、島国規格を作って地デジ特需を総取り・山分けしたかった国内メーカーの利害も一致し、全国民を衛星受信可能にすることで収入の大幅増が達成できる某国営放送局がとりまとめ役(あるいは元の仕掛け役?結局目論見通りになったのはここだけだったそうですから)となって、国民はそれに付き合わされるという不幸な状況ですね。そこには日本特有の国民不在の業界/官庁談合体質があり、著作権保護の話は議論を枝葉に発散させ、本質的な問題を覆い隠すための方便にすぎないと思います。

閉塞感への抵抗なんて大それたもんじゃないですが、こういったチューナーを活用できてくると本当に楽しく、またいろんな形で視聴できるようになって改めて、TVで放送されているコンテンツの価値の高さに気付きます。私の最近の生活もこのシステムのおかげで、家でその日録りだめた番組を(CMも含めて)流しっぱなしにしながらくつろぐことが多く、そういう意味でのTV視聴時間がかなり増えました。

昨今放送コンテンツの劣化が言われますが、実際の制作には1つ1つの番組に数多くのプロフェッショナルが莫大な手間をかけていることが判りますし、それでもそれを限られた制作時間と費用でまとめ上げ、「良い番組」と評価されるのは非常に難しいことです。
少なくとも2,30年前の番組と比べればノウハウ・技術も役者さんのレベルも、格段に向上していると思います。というのは20年前にいいドラマだ、と思っていたものが、スカパーe2に加入して盛んに再放送されているのを改めて観るとアラが目立ちますから。当時の流行が今からすれば古いというだけではなく、脚本、台詞や演出も今の感覚からすれば随分大らかな感じがします。若手社員と私のようなバブル期の社員を比較するのと同じですね^^;
もちろん今でもやっつけの番組も多いですし、目先の視聴率を求めてタレントや芸人に頼る番組も以前より溢れています。また昔は何の疑いも無く聞き流されていた(原発報道や政治報道のような)国策寄り・政治部主導の報道が、今はネットでリアルタイムに虚偽がばれてしまうのが自覚されていないため、報道番組やそれを喋るアナウンサー全体の信用が失われている面もあります。
が、視聴率が昔の20-30%は当たり前というレベルから大きく下がっているのは、見る側にTV視聴に割く時間がなくなっているためで、制作現場にその責を問うのは酷でしょう。営放収入が落ちているのは従来の収益モデルが時代にそぐわなくなっているだけで、コンテンツ販売の手法やタイミングを、(今は視聴率最優先のためいろいろ足枷をはめられていますが)自由度を上げていけば、もっとゼニの取れる番組は沢山あるのになぁ、と思います。

で、以下は私見・ムダ話です。

TVで流されているコンテンツの著作権はしっかり保護されるべきもの、しかし罰すべきなのはそれを侵害して無断でネットに流したり不当な利益を得たりする行為であって、その罰則を一罰百戒的にすれば良いと思います。これは実際、違法サイトと知ってDLをすることも違法となるよう法律が改正されるなど、厳格化されつつあります。

しかしコンテンツ保護技術はというと、日本のコンテンツ業界には、”コピープロテクト”へのオカルト的信仰が生き続けているように思います。果ては「お札を剥がすのは神への冒涜」と言いたいのか、勝手に外してはいけないという法律まであります。(さすがに罰則はないものの。)
コピープロテクトは単純に複製を制限する、という事ではありません。今のITの世界では、「供給者がユーザーの利用法を細かく規定してそれ以外のアクセス方法を許さない」ということを意味します。利用方法を細かく制限しないと制御できないコピー方法がいろいろ出来てしまうからで、コピー制御の本質的な問題点はむしろそこにあり、1回か10回かの問題ではありません。
しかも実際には今はどうやっても穴があきます。iTunes Storeのような欧米のオンラインコンテンツ流通でもソフトウェアライセンス流通でも、DRMはオンライン認証で「人に紐付け」しなければもはや効果がなくユーザーの快適な利用にもそぐわないとしてコピープロテクトは廃れつつあるのですが、日本のコンテンツ業界は未だオフライン媒体での(公式にはコピーもリッピングも許していないという)建て前と、アングラPCゲームソフト並の身勝手なコピープロテクトの発想から抜け切れていないように思えます。
しかしコピーワンスやダビング10のような「放送向けコピープロテクト」の仕組みはもはや、本来の目的には役に立ちません。実際電機メーカーの営業も、「コピーして好きに加工したければBDに焼いてこれこれのソフトを使えば好きなだけできますよ」なんて平気で宣伝していたりします。
一方でコピープロテクトは現代のOSや主流のソフトウェアではサポートされない概念ですので、組み込んだ時点でファイルシステムもアクセス方法もどんどんITの世界標準から逸脱していきます。
日本流のコンテンツ保護をITに融合させたつもりのDTCP-IPなどの規格が世界に無視され続け、AdobeやGoogleなど世界の主要なソフトウェア製品やOSSでも、日本の保護付きデジタル放送手順が殆ど相手にされていない事実から目を逸らしてはならないでしょう。技術が理解されていないのではなく市場もそれほど小さいわけでもないのに殆どサポートもされないのは、アクセス制限どころかコピーやバックアップすら許さないようなその身勝手な囲い込みの発想が、今や世界共通のITのスタンダードでは許されていないからです。
結局コピー制御は悪意をもって不正に流通させようとする者には容易に突破される一方、正当にコンテンツを楽しもうとする大多数のユーザーには過剰な制約を課し、不便を強いることで、コンテンツに接触する機会を減らしていくだけになります。

当事者は「放送はオンライン認証もユーザー識別もできないんだからこれが精一杯の技術。しゃあないでしょ」と言いたいでしょうが、そうであれば最低限オンライン認証のインフラができるまで放送でDRMなどやるべきではないですし、ましてや不特定多数の人にできるだけ多く接触してほしい無料放送でそれをやるべきではなかったのではないでしょうか。それが日本以外の全ての国々の結論だと思います。
放送業界はこのような仕組みに頼るのではなく、現代人は忙しく生活も多様化していて、放送を録画して好きな方法で観られなければもはや視聴する機会は限られること、ユーザーの好む視聴方法はこれからも勝手に進化していくこと、コピー制御はどう理屈をつけてもそれらを妨げ、正当なユーザーを苛立たせ離反させるものでしかないこと、などを正視して、こういったものを建て前にしなければ成立しないようなビジネスモデルは変えていくしか無いことに気付くべきだと思います。

日本のデジタル放送のうわべだけの議論を見ていると、逆説的ですが放送局トップにとって実は著作権やコンテンツの保護などはどうでもよく、「放送局はユーザーに自由な録画をさせない。よって、(リアルタイム放送用の一次利用権だけがあればいい)局側の費用負担は、今まで通りで行くことを了解いただきたい。」と制作会社や権利者に主張できる仕組みだけが欲しかったんだろうと思えます。実態がどうであるかは関係なく、建て前として我々はここまで努力しているんだからと主張できれば良いのです。
そんな不毛な議論がまかり通るのも日本だけですので、結果日本だけにしかない不自由な仕組みがろくに議論もないまま、デジタル化と同時に必然的に登場したのでしょう。だれがどれだけ利用したかも判らないため著作者への還元ができず、一方コンテンツへの自由なアクセス権を購入する仕組みが紐付いているわけでもないので、これはDRM(Digital Rights Management)ではありません。単に放送したものはユーザーに与えたわけじゃないよ、好きには使わせないからね、という意思表示にすぎないと思います。

最近多くの人がテレビを見なくなっている理由をアンケートにとっても、「面倒なコピー制御があるから」と答える人は僅かだと思います。当たり前のことで、TVの前に座って観る機会が減っているときに、ガチガチの制御のせいでそれに代わりうるような手軽で魅力ある視聴方法を創造できなければ、視聴者がそれに興味を示して不便を感じる暇もなく単に見捨てられるわけで、コンシューマービジネスにおける販売機会喪失のようなことが永続的かつ大規模に起こっているだけだと思います。

それを克服するだけの新しい創造が、狭い業界内での話し合いやお役人のアイデアから生まれるなどと自惚れてはいけません。ブレイクスルーにはもっと、まったくの異業種/門外漢の力が必要で、また多数のユーザーがそれを自発的に支持していき、次々に新しいアプリケーションが誘起されていく自由度が必須でしょう。供給側がコンテンツの利用法を細かく規定するのとは真逆の発想で、今の日本での放送やデジタルコンテンツの在り様に根本的な疑問が抱かれているのもその点だと思います。

業界話し合いの産物として出来てしまった地デジコピー制御の仕組みは簡単には変えられないという雰囲気もあるかもしれませんが、そんなこともないはず。音楽CDのCCCDだって利用者や著作者が声を上げ、ビジネス上無意味であることを音楽業界も納得することで、あっという間に駆逐されたのが思い出されます。ただその間に「PCは不正コピーの温床でCDが売れなくなる元凶だから」と敵視して、PCに物凄い制約付きの音しか再生させないレーベルゲートCD等を「音楽業界の要請に応えて」推進していた国産メーカーは、携帯プレーヤー市場の主導権をPC(Mac)メーカーであったAppleに奪われ、そこから発展していくモバイルアプリケーション、個人向けクラウドなどの主導権も永遠に失なってしまいました。ならば、と活路を見出そうとしたガラケーも結局AppleとGoogleのスマホに席巻され、機材は作っても利益の出ない形になってしまう一方、着うた音楽ダウンロードで束の間の至福を味わった音楽業界も、改めてApple流のやり方に従うか否かの厳しい選択を迫られています。
変化を拒んで短期的な安泰を求めたことで、国内産業は多くの物を長期的に失い、強いられての変化をまた余儀なくされつつあるわけです。

単に一時的なブームや格好良さではなく、多くのユーザーはiPod&iTunesが(それまで裏モノツールの範疇だった)CCCD破りを堂々とおこない、DRMも徐々に縮小しながら、ユーザーの利便性や楽しさ(いわゆるユーザーエクスペリエンス)に軸足を置いたITの活用を提案し始めたことを支持したのです。iTunesを使えばCDの「抜き」も簡単にできますが、それを使って友達同士での音楽データ交換が盛んになったという話は聞きません。そんな些細なメリットよりも、「そうさせないためのコピー制御がもたらす不便さ」を排除し、「どこでも」「好きな時に」「好きな手順で」「(特定のケータイ専用ではない)手持ちのあらゆる楽曲を」聴けるようにするというユーザーへのコミットメントを強力に支持し、正当に代価を払ってiTMS(iTS)から曲をDLすることも、「そのコンテンツに対する自由なアクセスを手に入れる」手段として、抵抗なく受け入れたわけです。

それと同じで重要なのは、ユーザーの嗜好やライフスタイルが旧来のTV放送スタイルではもう満足できないほど変わっていることを直視して、ユーザーが何を求めているかを徹底的に分析し、今の収益モデルがそれに合っていないのであれば自らをそれに合わせて大きく変えていくことを厭わない姿勢です。ためらって変革を先延ばしにすれば、より大きな波を前にして立ちすくむ事しかできなくなります。(今やあらゆる企業がそうです)。

デジタルコンテンツの最大の魅力はこの記事でも少し感じていただけたかもしれませんが、いろんな利用形態やソフトウェアの進化に合わせて姿を変え観る楽しさを増し、また蓄積したものを瞬時に呼び出しいつでも楽しめる、という柔軟さにあると思います。その環境が出来てくると、今までつまらないと見過ごしていたドラマやドキュメンタリーなども、観るシチュエーションによってはとても楽しかったり役立つことに気が付きます。
デジタルデータを特定の利用方法に閉じ込めてしまうのは、そういった魅力の殆どを投げ捨てていることになります。確かに柔軟性を増すことは不正コピーの手段も増やすことにもなりますが、それはトップがビジネス全体の成長を考えたうえで戦略として決断しなければならないことです。目の前でコンテンツ離れが起きていて一方で新しいデジタル流通のチャンスがある時に、今までと変わらずにいたい、デジタル化のリスクは徹底的に避けたい、というのは戦略とは言いません。
違法サイトのチェックと違法流通の摘発にコストがかかるのならそれを社会共通のコストとして議論していただければ良いのですし、それはどんなコピー制御を仕込んでも殆ど変わらないと思います。リスクは避けようとしても避けられず、それを乗り越えるだけのメリットを造り出すしかないのです。
今の日本の状況はトップ以下すべての関わってる人が、技術や社会の進化に合わせた価値判断ができず、一方で不正流通が起きた時にお前の責任だと言わないよう、アリバイだけはチマチマ積み重ねていくという、いかにも日本的な流れの結果なんじゃないか、と思えます。

いずにしろ、このままではデジタル化を活かした真のムーブメントが海外で進んでいき、それに抗しきれず門戸を開いたときには競争力を失った日本の企業は退場するか、最も利益率の高い標準ソフトウェアやIPとしてのノウハウ、放送を起点としたコンテンツサービス基盤などに社運を賭けて取り組んでいた海外企業に根こそぎ持っていかれる、そしてコンテンツや部品などの素材メーカーとしてささやかに生き延びるしかなくなってしまう、という、いつか来た道をまた辿ることになります。

この辺からはTVにかかわる国産メーカーの話ですが、TVやデジタルコンテンツはもはやPCネットワークの中でこそ活きてくるので、そこに過剰な制約を課してしまう映像システムは時代錯誤で、ユーザーにとって何の魅力もなくなっています。TV技術の主戦場は変えられたのではなくそうなるべくして変わり、実際の製品の中身も殆どPCと言っていいほど技術を流用しているのですが、表向き家電のシマを侵食されたくない国産メーカーは、PCとのオープンな相互活用を頑なに嫌っているかのようです。そうやって日本にだけは家電製品の理想郷(シャングリラ)を作りたかったのでしょうか。そこがシャングリラではなくガラパゴスだとしたら、総務省やデジコン委員会などのお墨付きを幾らもらおうとも、その運命は決まっているのですが。

泣いても笑ってもこれから、箱物テレビ&レコーダー等が全く売れないという家電メーカーさんにとって辛い時代に突入することになりますが、この期に及んで業界の次の期待は4K TVだ、というような話を聞くと、個人的には失望感しかありません。良く言われることですが高品質化を徹底すれば高く多く売れるというのは1980年代の日本企業の成功体験に過ぎず、今や購買行動を生むものは箱物そのものでは無く、消費者の日々の"ユーザーエクスペリエンス"を楽しく演出するという複合的なニーズを紐解かなければ出てこないのですが。今の時代に合ったニーズやグローバルの潮流から1mmでもズレてしまえば今や利益を生むような需要は全く創造できないことを、国産家電メーカーの重鎮は未だに信じられず、目をそむけているのでしょう。
今後10年20年とメーカーとして生き残る意思があるのなら業態を完全に変える覚悟で、ユーザー個人個人と向き合って家庭内のITを高度にカストマイズし、その中に映像技術も融合させ、生活の楽しさを演出していくような「ホームITサービス業」の発想にシフトしていくのが、今までの企業価値を活かしながら世界に伍していく唯一の道ではないではないかと。その場合に閉鎖的なコピー制御のような小手先の囲い込みは、役に立たずユーザーの敵と見なされるものでしかないのは簡単にわかることだと思います。

恐らく、ですが、この記事でご紹介したようなTVTestやSpinel、TVRockなどの「フリーウェアとしては恐ろしく完成され、様々に組み合わせることで真価を発揮するTV活用ソフト」は、TV産業に関わったことがあって現状に飽き足らない技術者個人個人が、本来のデジタルTVはこうあってほしいという願いで作ったのではないかと想像できます。そうだとしたら、日本の技術者の底力は旧態依然とした産業構造に阻まれているだけで、まだまだ捨てたものじゃないと思いますし、そう願いたいですね。

(うっ、つい熱弁になってしまいました。。2012年初 追記です。)

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ということであとがきが長くなりましたが、これらの機器の設定、およびこの記事を書くにあたって、2chのPlex PX-W3U2板、ソフトウェア作者さんや各種Blogを多く参照させていただきました。いつもお世話になっていますが、改めてお礼を申し上げます。

2011年5月 7日 (土)

Fusionマシン

最近はプライベートなほうが忙しくて、ろくにPC自作の時間も取れなくなってしまい、このBlogの更新もすっかり滞っていました。
その間にFrozenCPUに発注しておいたMaximusⅣ Extreme用の水枕

Ekfb_m4e パッキンのウネウネ感がなかなかいい感じ

が米国から届いていたのですが、こちらの組み込みもいつになるのやら。。

最近は震災後の電力事情を反映してか、省電力の気運も高まってきましたね。今月号のパワレポにも省電力とかカーバッテリー駆動のマシン製作記がいくつか載ってました。
私も流行に逆らわず、看守の目を逃れつつ写真のような材料を使って

1_

原則ファンレスのFusion E350マシンを、取り急ぎ1台作ってみました。

原則、というのは、このFusion E350なら完全ファンレスでもほぼ動くのですが、念のためケース(Antec ISK-100)のサイドファンを、いざという時に回す仕様にしたためです。
ファンレスマシンを組んだことがある人なら判ると思いますが、積極的に冷やす術を全く持たないと、一度何かの理由で温度が上がったが最後、なかなか温度が下がらなくなってしまい、いつの間にかコア温度80℃を超える、というような、冷えにくさの印象があります。
そこでこのファンを使って、時々温度が上がりすぎたらファンをゆっくり回して熱い空気を取り払う、という"準ファンレスマシン"となりました。

実際、このマシンをCPU温度で制御しながら動かしてみると、Prime95などで高負荷・長時間で動かしたときに初めて、500rpm程度でそよそよケースファンが回る、という感じで、普通の使い方では全くファンの回らない静かなマシンです。
この辺はATOMを使ってもそうなると思いますが、超低電力型CPUの良いところですね。また、ISK-100は穴(メッシュ)だらけですが、こういうファンレス運用にいかにも適しています。

(ITX用ケースやベアボーンは意外と密閉度が高い「外見重視」のものが多く、ケース蓋を閉じてしまうとファンレス運用が困難になるものが多いです。)

1.震災の影響というより実際は、今回のこのマシンにはちょっとした目的がありました。

①常時稼働の地デジ(&BS)録画マシンが欲しかった。

今はサブ2号機で、PT2とTVRockを使って予約録画をしていますが、マシンはそれなりに電力食って、無音でもありませんので、常時電源ONというわけにはいきません。
予約録画のときには休止状態からタイマー起動で録画し、終了後、再度休止させる設定で使っているのですが、マシンを他の事に使っている間にいつの間にか録画終了して勝手に休止してしまうことがあり、また録画予約した筈が休止からの復帰に失敗して空振り、という事も多発していました。
そこで常時ONのままで予約録画でき、番組表も常に最新のものを反映しているような、お手軽な録画用マシンが1台欲しい、と思っていました。
そうこうしているうちにちょうどPLEXから、USB版PT2のような"モノ"が出て、PCIバスに拘る必要がなくなりましたので

Ts_tuner

早速これを小型マシンに組み込むことにしたわけです。

②屋外ラジエターのポンプ&ファン用電源供給&コントローラー
今は主にメイン機で使っている屋外ラジエター

Externalradi

とポンプ

Extpump

ですが、冷却能力にはまだ余裕がありますので、今後はサブ2号機なども数珠つなぎにして、まとめて冷やすようにしたいと思っています。ただその場合、屋外ラジエター&水冷系は、各PCとは独立して動くようにしたほうが使い勝手が良いですので、その駆動&制御用のコンパクトなマシンが欲しいと思っていました。今回の製作マシンはその役目も担う予定です。

③高速大容量のNASマシン
今まで家庭内常時接続のファイルサーバーとして、古いノートPC(PentiumMベース)をNASにして使っていました。
しかしノートPCはもともとI/O速度が遅く、インターフェースも少ないので拡張もままなりません。その点、このFusionマシンは多数のUSBポートやSATAポートを備えていて、またCPUが遅い割にはネットワーク越しのI/O速度も速いので、こういう用途に適しています。

④そういいつつ実は、最近ハイエンドマシンばかり作っているうちに目的を見失った感じがありましたので、ちょっと目先を変えてみた、という理由もあります。

2.製作
①ケースのAntec ISK-100は、Mini-ITX用ケースの中でも非常に小型にできています。また90WのAC電源とDC-DCコンバーターがセットになっています。
FusionとSSD(+ 2.5HDD)との組み合わせだけなら、CPUピーク(Prime95動作状態)でも写真のように

39watt 

39W(8インチTFTモニタ含む)の消費電力ですので、90W電源でも十分使えます。

しかし、1-②のようにポンプ(D5x2)や巨大ラジエターファンに電源供給しようとしたり、1-③のように後々大容量HDDを沢山ぶら下げる事を想定すると、この電源容量では心許なくなります。
そこで、電源を150WのAC電源に入れ替えることにしました。

余談ですが、このDC-DCコンバーターは150W・AC電源を2個に増設することができ、その場合300Wの容量に増強できます。
300w_ac_2 (実は追加分AC電源ももう買ってしまった。)

ただ、このDC-DCコンバーターはISK-100オリジナルのものよりかなり大きく、そのままではISK-100に収まりません。そこで、写真のように

2

ケース上面をくり抜いて、スペイサーとDC-DCコンバーターを取り付け周りをプラスチックケースで覆って、トサカにしました。

まあ、あまり見栄えは良くありませんが、いかにも一癖ありそうな改造機っぽくなりました^^

②ケースはMini-ITXのマザーがぎりぎり収まる大きさです。実際はその上に電源や各種ケーブル類を配線していきますので、ほとんどスペース的に余裕はありません。今回ばかりはスリーブ処理のような見栄えは度外視で、写真のように収めました。

3_

結構きれいに収まります。電源も強化したのでSAMUELクーラー*などを使えば、ゆくゆくはH67マザーでもいけるかも。。ただその場合は、ヒートシンクの面積が足りないので、ファンレス運用という訳にもいかないと思いますが。。

*後記:実際計測してみると、マザーからサイドパネルまでの距離は40mmちょっとしかありませんので、サイドパネルに穴をあけない限り45mmのSAMUEL17でも無理そうです。やるとすれば、40mmの小槌クーラーあたりになりますでしょうか。

ケース裏面には、2.5インチのSSD又はHDDを2個取り付ける場所があります。

Photo

今回はここに160GBのIntelSSDと、750GBのHDDを取り付けました。

HDDが付いている以上、純粋な静音マシンではないのですが、大容量の内蔵ストレージがあると何かと便利ですのでこれは許容することにします。アイドル時はHDDのモーターを止めれば良いわけですし。。

③水冷系の水温監視やファンの制御のために、ウチに1個余ってたBigNGを取り付けました。
BigNGはこのケースにはちょっと大きく、また冷却のためにも、内蔵にはせずケース裏面カバーにネジ留めしました。

4_bigng

まあ、BigNGは汎用性が高いので、これで何かと便利です。例えばケースファンも、これで制御しています。

制御曲線Oprcurve

CPU温度が55℃を上回ったら回転し始める設定です。

④モニターは、USBバスパワー駆動で、なおかつVGA(Dsub15pin)接続ができるモニターを接続しました。
http://www.century.co.jp/products/pc/monitor/lcd-8000v.html

Monitor_and_pc

こうするといっぱしのPCの格好をしていますが、メイン機と並べると、

5_

まるで恐竜と"にゃんこ"を並べたくらいの風格差があります。。

屋外ラジエター系への電力供給のために、後ろに電源ケーブルを何本か出しました。

Photo_2
マシンとしてはほぼ完成しましたので、PX-W3U2の設定と併せて、これからその辺の組み込みをゆっくりやっていこうと思っています。

3.で、性能は?
予め予防線を張っておくと^^; スモールマシンに全ての高性能を求めるのも酷ってもんです。まあ、これはお遊びとして。。

Exindexfusion_2 エクスペリエンスインデックス

CPUやGPU性能はアレですが、SSDのおかげでディスク速度は速いですね。

Cb115fusion Cinebench R11.5

・・・・

Superπ 1M 仕事用に使っているノートPCと比較してみます。

Superpifusion_3   

まあ、ノートPC(Core2Duo T7300 2.0GHz)よりかはマシですね。遅い、と思ってしまうのは、最近980XとかSandyのスコアを見慣れたせいと思いたいです。。^^;

次に3Dグラフィック関係。。

Ffxivwinbenchmark_20110505_04162088 FF14(LOW)

息も絶え絶えな感じですが、一応10fpsくらいは出てます。。

やはり無茶とは思いつつ3DMark11..

Fusion_3dmark11
1~2fpsとパラパラマンガ状態ですが、、DX11が動くだけでも大したものと納得しましょう。。

ここまではトホホな結果ですが、NASマシンとして重要なディスクI/O速度は
システム領域用のSSD(Intel X18-M 160GB)のCrystal Disk Mark

Cdmlocalssd

内蔵2.5インチHDD(HGST 2.5inch 5400rpm 750GB)の同じく。

Cdmlocalhdd

ほぼ、額面通りの性能を出しています。

一方ネットワーク実効速度は(GbE接続で)

Iperf

554Mbpsと、まずまず合格点です。
NASとしての速度は、2.5インチHDDをネットワーク越しに、サブ1号機からマウントした状態でこんな感じ。

Cdmremotehdd

まあ、十分じゃないでしょうか。少なくともNASやHD動画のメディアストリーム・サーバーとしても不足ありません。

以上、実際はちょっと衝動買いしてしまったマザー(ASUS E35M1-I DELUXE)の活用のために、気分転換も兼ねて作ったマシンですが、意外と重宝しそうな感じです。静音でコンパクトなマシンは1台あると便利なので、I/O性能と拡張性に優れたFusionマシンは、ニーズとして結構いい処を突いてるんじゃないでしょうか。

SATA3 6Gのポート6つ(うち1つeSATA)、USB3が2ポート、USB2ポートが(背面+ケース前面で)8ポートと、このサイズのマシンには十分すぎる拡張性を持っています。

ただ、ATOMより上という触れ込みの3Dグラフィック性能は所詮は、とりあえずDX11でもエラーしないおまけ機能という感じですね。マシン単体で使おうとすると、Blu-rayどころかDVDの再生でも時々カクカクして、実用性はいまいちです。*

*後記:その後コーデックとかWindows Updateとか更新していったら、Blu-rayもDVDもTSも、いつのまにかカクカク感もなく再生できるようになりました。私の環境設定の問題だったみたいで、Fusionはメディア再生マシンとしても十分実用的です。

I/O能力が高くてポート数も多く、24H365D稼働のメディアサーバー兼コントローラー用途として、ATOMより更に実用性を増した感じです。

2011年3月17日 (木)

T-Balancer bigNG、およびminiNGの設定について

当サイトは一応雑記系Blogですので、前置きが長いです。

その辺飛ばして、すぐにbigNGの設定方法を知りたい人はこちら、またminiNGについてはこちらへジャンプしてください。

さて、

今回の大地震は、なんでもない日常がいかに脆いものの上に成り立っていたかを、改めて思い知らされた感じですね。被災された方にはお掛けする言葉も見当たりませんが、まずは私も自分にできることを一歩一歩やっていく事が、同じ日本人としてのつとめなのかな、と思っています。
東京に住んでいる自分にとっては、通勤や日用品の心配とともに、福島原発のゆくえが最大の関心ごとですね。首都圏の多くの人もそうだと思います。

こちらはもう見ているひとも多いと思いますが、原子力資料情報室のHPです。
http://cnic.jp/

この研究機関は、反原発の活動団体の1つと見られることが多く、実際そういった面も否めませんが、私は大学の頃、この団体の発起人の1人である高木仁三郎氏のゼミを受けたことがあり、著書の“プルートーンの火”も読んでいました。決して感情的だったり、党利党派に組み込まれたりしない、科学者としての客観的な脱原発を主張されていたと思います。
その後私も卒業・就職して、仕事の顧客として電力会社を担当することも少なからずで、「今の社会ではそうも言ってられないよな」と、すっかりそういう視点を失っていました。
電力会社で接する大半の人は実直で責任感のある方ばかりで、まさに「黒部の太陽」の伝統を感じますが、原子力に関しては長い間、政治の道具として巻き込まれてしまってるんだろうと思います。
しかしこういう事態になると、(運よく事故がこれ以上拡大せず、日本という国が長期的に核汚染されずにすんだら)この観点での議論をもう1度、日本人全員が一緒になって考えるべきではないかと、本当にそう思います。

さて、心配ばかりしていてもいられないので閑話休題。
仕事が休みになって、何もしないのも手持ち無沙汰ですので、今日は趣向を変えて、サブ1号機のTwelveHundred

1200modinside

に、ファンコンとしてT-Balancer bigNG

Tbalancerbig

をセッティングしてみました。

写真の赤丸のところに組み込んで、各ファンやUSBと接続して、ドライバやソフトウェアのセッティングをしていきます。

Bigngin1200
しかし、なかなか単純にはいかず、マニュアルやネットを見てもよく解らないことが多かったので、備忘録兼ねて簡単に手順を書いてみます。

このT-Balancer bigNG は、次のような特徴があります。
① 大出力ファンコンとして使える。

1チャンネルあたり40Wが4チャンネル*。出力も安定している。

  *ただし電圧(アナログ)制御の場合は、全チャンネルの合計で20W
市販のファンコンは1チャンネル10W足らずで、しかも劣化や故障も多いですが、これは本格的で、多数のファンを使う水冷PCに適しています。
またさらにminiNGやFanAmpを組み合わせれば、もっと大出力(~100W)のFANやポンプ等も制御可能です。この辺は補足2に追記しました。

② ソフトウェア制御が可能で、SpeedFanが読み取るマザー&グラボの温度センサーとも連動可能。
私がbigNGを使おうと思った理由はこれが大きいです。

bigNGは多数のデジタル&アナログセンサーを持っていて、PC内部のいろいろな所に貼り付けることによって、それらの計測する温度とファンを連動させることができます。
こういう機能は、例えばKAZEサーバーなど、もっと安価なファンコンにもある機能ですが、実は私はこの"センサー貼り付け"というのが好きではありません。
昨今のCPUやGPUの発熱は凄いですので、その冷却を悪化させることがないよう、温度センサーはちょっと離れたヒートシンク等に貼るしかありませんが、正確さやタイムラグを考えると、CPUやGPUやチップセット、HDDが内部に持っている温度センサーをソフトから直接読み取ったほうが確実です。

フリーウェアのSpeedFanを使えば、これらをリアルタイムに読み取って、更に多くのマザーではオンボードのファン端子をそれに連動させて、ファンの回転数を制御することが可能です。

SpeedFanのホームページ
http://www.almico.com/sfdownload.php
SpeedFanの解りやすい解説
http://www.sakura-pc.jp/pc/contents/software/speedfan.html

http://www.sd-dream.com/pasocompass/020102eMachines14.html
SpeedFanは今でも頻繁にUpdateしており、新しいマザーやCPU、グラボにも積極的に対応しています。現在の最新版は4.45になります。

今まで私が使っていた空冷PCではこの機能で十分で、むしろそこらのファンコンよりも信頼性の高い制御ができましたので、もっぱらこちらを使っていました。

しかし、水冷PCになるとラジエター冷却のためのファンもぐんと増え、それらはいざという時には力強く回す必要がありますので、ファン端子に求められる出力も大きくなり、マザーボード搭載(さらにSpeedFanで制御できる範囲の)ファン端子の出力では、とても足りなくなります。

そこで、ソフトウェアファンコンとしてのSpeedFanの良さを生かしながら、SpeedFanの限界を取り払うものとして、bigNGに着目したわけです。

尤も、後でわかったのですが出力の増強や0V出力だけであれば、マザーの(電圧制御可能な)ファン端子にFanAmpを繋げるだけでも可能なことが判りました。bigNGの使いどころは、更に水温やVRMの温度など、SpeedFanでは検出不可能な温度も様々なセンサーで検出して、それらを使い分けながら、制御曲線を使ってきめ細かくファンやポンプを制御できるところにあると思います。

bigNGの制御プログラムであるT-Balancer Navigatorは、SpeedFanをソフトウェアセンサーとして利用することができます。つまり、SpeedFanはCPUやグラボの内部センサー温度を収集しますが、bigNGは自身のセンサー値に併せてそれらのデータも使って、配下のファンをリアルタイムに制御できるわけです。

この記事では、最初はそういった経緯から、bigNGでSpeedFanをソフトウェアセンサーとして使うやり方を主体に書いたのですが、後日より一般的な、bigNGの温度センサーを使う方法を主体にしました。実際の利用ではどちらか一方の方法を使うことも可能ですし、併用することも可能です。

私の使い方での決め打ち的な説明も多いですが(例えば温度制御にはCurve modeのみを使っている点など:ただしBigNGはこれで使うことが標準的だと決めつけてます^^)、流量計を使っていない点を除いては、基本的な使い方は概ねカバーしてあると思いますので、ご参考にしていただければ幸いです。

ただ最近は国内のOLIOSPECやCoolingLabではbigNG本体は売り切れていて、なかなか再入荷してきませんね。とはいえ円高もあって米国PerformancePCsから格安で購入できます。(掲載場所が判りにくいのですが、Fans & Accessories→Fan Controlのリストにあります。)

現状では高負荷時の安定性や、枯れてバグも少ない・それでいて機能豊富という点でこれを超えるファンコンは存在しないので、本格的な水冷システムを組むには、最もお勧めできます。

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1.T-Balancer Navigator 2.12の導入

添付されているドライバーはWinXP時代のものですので、Windows7でUSBデバイスとして認識させるために、Windows7の32bit、64bitに合わせたVCP(Virtual COM port)Driverをダウンロードし、導入します。(現在2.08.12)
http://www.ftdichip.com/Drivers/VCP.htm

ただし、導入といってもこれはドライバーファイルですので、解凍後、bigNGをUSBで接続して、デバイスマネージャーからそれらしいデバイスを見つけてダブルクリックし、ドライバー→ドライバーの更新で、解凍先のディレクトリーにあるドライバーを導入する形になります。

Windowsが自動認識してくれる場合もあります。デバイスマネージャーで図の状態になっていれば、改めてVCPDriverを入れる必要はありません。

Tban_vcp_2

次にリンクから、最新版ソフトウェアをダウンロードし、(msiファイルをダブルクリックして)導入します。(現在Ver 2.12)
http://www.hfx.at/ftp/software/tban-server.msi

ドイツ語でダイアログが進んでいきますが、">"の付いた、多分「次へ」「はい」だろうと予想される場所のボタンを押していけば、それで大丈夫です。

(ちなみに現在、旧mCubedはHFXという会社に買収されており、bigNG、miniNGなどの製品群のホームページもこちらに変更になっています。
http://www.hfx.at/index.php?option=com_content&view=article&id=151&Itemid=212
マニュアル類も上記リンクからダウンロードできます。)

導入が終わったら基本設定のために、T-Balancer Navigator 2.12を起動します。

1)言語の変更

まずは、デフォルトのドイツ語のままでは、操作自体がさっぱりわからない人が大半だと思いますので、言語をEnglishに変更します。
 Optionen→Sprachauswahl でEnglishを選択し、”Ubernehmen”

Photo_5

2)USBコネクションの確立

次に、USB経由で bigNGとのコネクションを確立します。
T-Balancer Navigatorを再起動し、USB connectionで、図の中央上のように選択し、”Update”

Photo_4   

3)常駐化

Windowsと同時に起動し、常駐するようにします。

図のGeneral settingsで、Start with WindowsとMinimize program at startupをチェックします。

Photo_6

4)Network Navigator Server起動の抑止

なお、Network Navigator Serverが同時に起動すると、T-Balancer Navigatorから操作ができなくなってしまうので、こちらは常駐しないようにします。

具体的には、Network Navigator Serverを一度起動し、図のOptions→Run Navigator Server with Windowsのチェックがついていたら外し、終了します。

Photo_7

5)再起動

以上で再起動すれば、操作できるようになるはずです。

なお、Windows起動時にはタスクバーに最小化されていますので、右クリックでRestoreを選ぶとT-Balancer Navigatorのメニューが表示されます。

Photo_11

(操作が終わったらPhoto_8 で最小化すること。Photo_9 を選ぶと終了してしまいます。)

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2.FAN回転数の制御について

さて、今回bigNGを使う最大の目的である、ファンの制御です。

1)制御モードを”Overview curves”にする。

センサーの温度に従って3種類ほどの制御モードがありますが、ここでは最も便利な、”Overview curves”で制御することにします。
これはASUSマザーのFan Xpertを使ったことがあれば、それに近い感覚と言えるかもしれません。温度とファン出力の"制御曲線"を作成することで、自動制御することができます。

Operation modes→Overview curves を選択します

Bigng_curvemode_2

真ん中上の1~4で対象の出力チャンネルを選び、TemperatureとControlに数値を入れていくことで、温度に合わせた出力%を設定していきます

入力が終わったらAcceptを押すことで、bigNGの動作に反映されます。

同じ操作を必要な出力チャンネルについて繰り返しますが、ExportとImportを使って、一回設定した制御曲線をほかのチャンネルにコピーしていくこともできます。

注) 後述するようなSpeedfanのソフトセンサーを使って制御している出力チャンネルに関しては、ここのAcceptをおこなうと、SpeedFanセンサーとの関連づけが一旦外れます。

したがって、該当のチャンネルで、ここの画面で何らかの変更を行ってAcceptの操作をした場合は、必ず後述の「active化」を再度おこなって、ソフトウェアセンサーとの関連づけを元に戻しておいてください。

ちなみにこれもbigNGがスグレモノな所ですが、ここの出力はほぼ電圧(V)値%ですので、0%にすれば、出力側も0Vになります。

その場合、もちろんファンは止まりますが、それだけではなく(中途半端な電圧で、通電しながらファンが回らない、という危険な状態ではなく)安全に止めることができるわけです。

そこからある温度に達したら、いきなり(例えば)7Vで回りだす、というようなセッティングが可能です。この辺簡単なようですが、そこらのファンコンではなかなかできない事です。

なお、T-Balancerはデフォルト値として、センサー温度で警告が出るしきい値が低め(60℃前後)に設定されていますので、ここをもう少し高めに設定しておくのがお勧めです。

Configuration→Fan channelsで各出力チャンネルを選んで、

Bigngfansetting

図の赤丸のうち、「Critical」と「Switch off deactivated」をクリックして、いずれも90℃以上に設定しておきます。(Switch off deactivatedが最も高くなければならないので、先に99℃くらいに設定します。) この温度を超えると警報音が鳴ってファン出力を強制的に100%にし、可能ならシステムのシャットダウンも試みたりするようなのですが、逆に言えばこの温度を超えるとbigNGは制御を放棄してしまうので、警報の機能を使いたい人以外は、ここを高い温度に設定したほうが使い易いと思います

またこの図の「Hysteresis」は履歴記憶の機能で、ここでは例えば2℃の幅で、温度が一旦上がってから下がる時のファン回転数の連動を、わざと遅らせるオプションです。ファンが神経質に動いたり止まったりすると耳障りですので、その辺に対応した機能になります。

もう1つ、Blockage recognitionのチェックボックスは、ファンが止まりそうになると自動的に出力を上げて止まらないようにする機能の選択です。bigNGの典型的な使い方を考えると、デフォルトのままで使わない(チェックしない=Blockoff)が良いようです。これについては、前後しますがminiNGのほうで説明してありますので、必要でしたら参照してみてください。

2)SpeedFanをソフトウェアセンサーに設定

次にこの”温度”のソースを、SpeedFanの温度センサーに設定する方法です。

なお、SpeedFanを使わず、bigNGのセンサーのみで制御したい方は、補足1を参照して設定したのち、ここと3)は飛ばして、4)に進んでください。

SpeedFanのソフトセンサーとbigNGのセンサーを併用したい場合は、補足1を参照したのち、ここに戻っていただければ良いです。出力チャンネル毎にどちらを使うかを、4)で選ぶことができます。

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さて、T-BalancerでSoftware Sensor→Speedfan Sensorsを選択し、参照するセンサーを選択します。

Photo_24

これだけだと、どれがどこの温度だかわかりませんので、同時にSpeedFanのConfigure→Temperaturesの画面を開いておくと良いと思います。

Photo_14

今回は、Temp1=GPU1の温度、Temp2=GPU2の温度、TEMP4="マザーが検知したCPUの温度"という、3つの温度をOR条件(3つのうちの最高温度)で、全部のラジエターファンを制御することにしました。

まあ、本当は例えばCPUだけが温度が高い場合と、CPUとグラボ2枚がすべて温度が高い場合の、冷却すべき熱量は異なるので、本当はメイン機のように水温にあわせて制御するのがBestなのですが、今のところサブ2号機には水温センサーを組み込んでいないので、どれか3つのうちの1つでも温度が上がってきたらそれに合わせて、ラジエターファンを増速する、という設定にしています。

(11/28追記: 後日ラジエターファンは、水温センサーを使った制御に変更しました。しかしHDD冷却ファンは、Speedfan経由でHDD温度を見て、「どれか1個でも制限温度を超えたらHDD冷却ファンを回し始める」という形で、Speedfanとの連携機能を活用しています。

HDDは大量に積んでいますので、個々にセンサーを貼り付けるよりこの方が効率的ですし、またSpeedfan経由のSMARTのデータのほうが信頼できます。)

3)(ソフトウェアセンサー版)制御Matrixの定義とActivate

次にこのTemp1、Temp2、Temp4と、各ファンの出力チャンネルを関連付けします。

Software Sensor → Sensor configuration を選びます

Photo_27 

(何の意味だかわかりませんがドイツ語の)SpeedFanのソフトセンサーに連動して制御したい出力チャンネルでTemp1、2、4の欄がチェックされていることを確認して、該当チャンネルの「not active」をクリックして、「active」にします。

Photo_26

(ここでは全部active にしていますが、一般的にはソフトセンサーと連動させたいチャンネルだけactive にします。)

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4)出力チャンネル毎の設定

次に、対象の出力チャンネル毎の制御方式を設定し、またPWM制御かanalogue(電圧)制御かを選択します。

Configuration→Fan channels→設定したい出力チャンネル
を選択し、

下図の真ん中下の黄色の部分で

-SpeenFanのセンサーで制御したいチャンネルでは「Software sensor」が、

-bigNGのセンサーで制御したいチャンネルでは「Response curves」が、

それぞれチェックされているかを確認し、そうでない場合はそこをクリックします。

「Software sensor」をクリックすれば前項2-3)の画面になるので該当チャンネルをactiveにし、また「Response curves」をクリックすれば2-1)の画面になるので、(1~4から)該当チャンネルを選んで、右下のAcceptを押します。

それでこの画面に戻れば、正しくチェックされた状態になっているはずです。

次にこの画面の右下で、PWMかanalogueかを、クリックして選択します。*注1)

Photo_17

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注1)ここをanalogueに設定すると、0Vから12Vの電圧でチャンネル出力を制御します。出力%に応じた電圧で正確な制御ができますが、bigNG1台でanalogue 20W(1.6A程度)が上限です。

ここをPWMに設定すると、電圧制御ではなく、12V出力の短時間のON-OFFで制御するようになり、大出力(bigNG1台で80W)までカバーします。 ただし一般的な4ピンPWMファンのように、12V電源入力と別に制御用パルス信号を入れて制御するのではなく、電源そのものをON-OFFして供給電力を制御しようとしますので、普通の3pinファンや水冷ポンプも制御できますが、どのように動くかはファンやポンプ次第です。

LaingのDDCやD5のようなポンプはPWMで制御可能です。PWMはもともとそちらを想定した機能に思えます。

うちのD5を例に取ると、出力設定60%で約2000rpm、80%で約3500rpm、100%で4600rpm、0%で完全停止、と、結構きめ細かな制御が可能です。

ファンも大量に(7個程度以上)ぶら下げる場合は、出力の関係上PWM制御になりますが、ファンの場合それほど数が多くなければ、analogue制御にした方が細かい調整が出来て、使い易いと思います。

(PWMでファンを制御すると、なかなか出力%に比例した動きにならないので、全開、中間で回す、止める、の3段階くらいの制御だと思った方が良いです。あまり出力%を下げてもFANの回転数とPWMの周期が共振してノイズが煩いこともありますし、LEDファンは発光がチカチカします。
一応T-Balancer のオプションに、このPWM信号をならして0~12Vの平坦な電圧に変換するAttenuator というユニットもあります。ただ1個あたり出力6W迄なので、PWMモードの大出力を活かすにはbigNGの出力を沢山分岐させてそれぞれに繋げる必要があり、FanAmpとどちらが使えるは微妙なところ。)

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以上でセッティングは終わりです。設定内容はプロファイルとして保存して、起動時に読み込まれるようにします。

Profiles→Load/Save の画面を開き、Save current profileをクリックして、適切なプロファイル名を入れてOK を押し、保存します。

*ただし、何かの原因でシステムが異常終了すると、再起起動時にデフォルトのプロファイル(Default)に切り替わってしまうことがあるようです。したがって特に理由がない限り、常用するプロファイル名は"Default"で上書きしてください。

Bigngsaveprof

次に起動時プロファイルとしてこれが読み込まれるように、Profiles→Changing profilesで、Start-up profile欄で、上で保存したプロファイル名を選択します。

*上の理由で、ここのプロファイル名も基本は"Default"を選んでください。

Bigngdefaultprof

これで一旦T-Balancer Navigatorを終了させた後、PCを再起動してみて、(起動直後に回転数が上下しますがその後)設定した回転数になるか、温度は正しく指定したセンサを読み取っているか、確認してください。

もちろんSpeedFanも連携させる場合、自動起動させる必要がありますが、その設定方法は割愛いたします。(Windowsでの一般的な自動起動の方法は、この辺もご参考に。)

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3.その他Tips

1)ファンの特性を測定する。

出力何%の時に回転数がどのくらい(rpm)になるかは、ファンによって変わります。

さらにせっかくの大出力ですので、私のように1つのチャンネルにファンを何個もぶら下げる場合も多いでしょう。

この場合、1つのチャンネルに同じような特性のファンをぶら下げた上で、いろいろ出力%を調整しながら、どのくらいの出力でどのくらいの回転数(騒音)になるかを耳とセンサーで測定しながら、2-1)の出力カーブを決めていくのが望ましいと思います。

出力をマニュアルで変えていくには、以下のようにします。

Configuration→Fan channelsで、一時的にマニュアル制御したい出力チャンネルを選び、図のように真ん中下の黄色いところにある「Manual mode」をクリックします。

Bigngmanumode_3

すると更に図の下のほうにあるようなダイアログが出てきますので、適当な%を入れて「OK」をクリックします。

これでこのチャンネルはマニュアルモードに移行しましたので、右上のダイアルをいろいろ変えながら、ファンの音と、真ん中上に表示されるrpmを確認し、出力%との関係を把握するようにします。*注2)

Photo_19

これに沿って、2-1)の出力カーブを再設定します。

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*注2) 2-4)でPWM制御を選んだ場合、ここで表示されるrpmはPWMのパルスを拾ってしまいますので、正しい値になりません。実際に音や動きを見て、回転数の傾向を判断してください。

以上で測定が終わったら2-4)の手順に従って、元の制御方式(Software sensorかResponse curve)に戻してください。

2)ファン出力値のモニター表示

Monitor → Monitor Fan Sensor をクリックすると、下の右側にあるような、小さなモニタ・ウィンドウに、各チャンネルの出力%と制御方式、制御温度が表示されるようになります。

Photo_21

他にもMonitor sensors bigNGだとアナログセンサー、Monitor sensors digitalだとデジタルセンサー、 Monitor SoftSensだと(SpeedFan経由の)ソフトセンサーの検出温度が表示されます。

また、Panelをクリックすると、各チャンネルの出力%が次の図のようにダイヤルで表示されます。タスクバーのT-Balancer Navigatorアイコンを右クリックして、「Show panel」を選んでおけば、PCを再起動してもデスクトップに常駐するようになります。

      Tbanpanel

ここでCUR(Management curveモード)やSWS(Software sensorモード)は、現状の各チャンネルの制御方式を示していますが、その前のチェックボックスをクリックすると、一時的にそのチャンネルを手動(マニュアル)モードに切り替え、ダイヤルで操作できるようになります。ファンを一時的に止めたい/全開にして急速冷却したい、ときなどに便利です。

チェックボックスをもう1回クリックすればチェックマークは消え、元のモードに戻るはずですが、SWSの場合は戻らず、CURになってしまうようです。SWSのチャンネルはいじらないか、いじる場合は操作後、Software Sensor → Sensor configurationで2-3)の画面を開き、該当チャンネルをActivateし直してSWSに戻しておいてください。

3)デジタルセンサー1個は接続しておく

マニュアルに書いてありますが、デジタルセンサーを全く使わない場合でも、最低限1個は接続しておかないと、バスのエラーが起きて再起動を繰り返してしまうことがあるようです。

したがって、最低限1個は繋げておきます。ただ繋げておくだけでは勿体ないですので、電源ユニットの側面やメモリーなど、通常温度を見る手段がないところに貼り付けておくと、何かの時に役立つかもしれません。

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補足1. bigNGの本体センサーによる制御について

まさかの応用編追記です。(2011/11/24)

というより、bigNGを使う方はSpeedFanとの連携よりも、本体センサーを使ったファンコントローラとして使う方が普通だと思いますので、こちらのほうを基本編とすべきかもしれませんね。

私の場合は経緯から、SpeedFanのソフトウェアセンサーのみを使った構成から始まりましたが、後日サブ1号機を改装した際に、水温センサーを取り付け、それをアナログセンサーとしてラジエターファンを制御する方式に変更しました。またZ68ITX機を制作した際には、新規にbigNGを取り付け、ケースファンはVRMにデジタルセンサーを付けて連動、4台のPCで共用している屋外ラジエターのポンプ(D5×2台)は水温に連動してPWM制御、HDDファンはSpeedFanをソフトウェアセンサーとしてHDD温度と連動という、両方式の併用の形にしました。

以下は、その辺で経験したことの備忘録です。

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1)センサー類の接続

写真のようにデジタルセンサー、およびアナログセンサーを接続します。
Connectngbigng

アナログセンサーは付属のものでも良いですし、別途購入した各ベンダー製の水温センサーも大抵は使えます。(多少誤差はありますがいずれにしろキャリブレーションで調整しますし、多くのベンダー製のものは互換性があります。ただしKoolance製は別で互換性がありません。)

向こう側がデジタルセンサーで、向きを間違えやすいのですが赤いケーブルが向こう側になるようにします。上下のどちらに挿してもデジタルセンサーの番号(0、1など)で区別されます。

また、真ん中に3本挿さっているのがアナログセンサーで、上下は問いませんが縦方向に接続します。向こう側から1,2,3,4番になります

2)温度センサーのキャリブレーション

デジタルセンサー、アナログセンサーとも、個々に特性が違いますので、できるだけ正しい温度で機器を制御したい場合は、キャリブレーション(補正)が重要です。

(尚、以前はここでデジタルセンサーは補正不要なので、そちらを基準にすれば良いという説明をしていましたが、デジタルセンサーもかなり補正が必要なことが判りました。それも併せて解説します。)

例えばアナログセンサーの場合、

T-Balancerにて、Configuration→Sensor Analogue→bigNG Analogx

にて、補正したいセンサーを選びます。(デジタルセンサーの場合はSensors Digitalを選んで、以降は同様です。)

Bigngsensorsetting_name_and_

余談ですが、図の赤丸のSensor nameで、センサー名称を変更できます。(測定対象によってCPUとかHDDなど、判りやすい名前が付けられます。)また、Celsiusは摂氏℃で表記することを意味します。

また、補正するためにはできるだけ正確な温度計と比較して補正値を決める必要がありますが、正確な温度計として「補正済みのセンサー」をほぼ同じところに貼り付けて(また、水温計の補正の際には、近くのフィッティングに補正済みセンサーを貼り付けて)、温度を比較していくと良いと思います。

広い温度範囲での比較のために、例えば水を入れたカップとお湯を入れたカップに貼り付けて測定する、というのもお勧めです。

*その基準になる「補正済みセンサー」のそもそもの補正方法ですが、私は写真のように、

Sensorcalib

リザーバーにワイン温度測定用の(昔ながらの)温度計を浸して、アナログの水温計を付けたりフィッティングにデジタルセンサーを貼り付けた上でポンプを回し、温度が安定するまでしばらく置いてからbigNGで測定し、それを氷水やお湯の何通りかで比較して、下にある補正値を決めました。)

次に、下図で赤丸で書いてある、relativ% とabsolut℃ を補正していきます。relativ% の補正値は真ん中付近にあるCalibraitonの%の枠内に入力、またabsolut の補正値は、absolut の文字をクリックすればダイアログが出てきますので、そこに入力します。

Bigngsensorsettingcalib

relativ%とabsolut℃の関係は以下の通りです。relativ%で目盛の倍率を、absolut℃で全体のオフセット(ずれ)を補正します。

Bigngsensorsettingcalibgraph_2

簡単な補正方法としては、補正したいセンサーで1℃上がる時に実際の温度(補正済みセンサーの温度)が何℃上がるかの比率から%を決め、それを入力した上で、補正済みセンサーの表記温度と比較して、absolut℃の補正値を温度が一致するように入れる、という方法で良いと思います。

次の図はアナログセンサー(水温計)の補正の例ですが、relativ%は100%と補正不要だったものの、absolut℃は-4.5℃の補正が必要でした。

Analogcalib

次の図はデジタルセンサーの補正の例ですが、relativ%は183%、absolut℃は-19.5℃と、いずれも大きな補正が必要でした。デジタルセンサーだから正確という訳ではない、という例です。

Digitalcalib_and_hikakub

ただデジタルセンサーは一種の赤外線センサー(のはず)で、劣化や取り付け方による違いが少ない点が利点になりますので、一旦補正してしまえば、良い基準温度計になると思います。

最も制御したい(ファンが回転を始める、などの)温度域でできるだけ正しく補正できれば、それでOKだと思います。

3)制御曲線とmatrixの設定

Curve modeの制御曲線の設定自体は、bigNGのセンサーでもソフトウェアセンサーでも、同じ方法で設定します。

違うのはセンサーと各出力チャンネルの関連づけで、これは図のように

Bigng_hwsensormatrix

Configuration→Assignment→Matrix でおこないます。

出力チャンネルごとに、制御のために温度を参照したいセンサーを指定します。

ここで1つのチャンネルに2つ以上のセンサーを指定することもできます。その場合、それらの中の最高温度が制御に使われます。

指定しおわったら「Transfer Assignment」のボタンを押し、指定内容をbigNGに反映します。

あとは本文2-4)以降を実施していけば、bigNGの本体センサーによって出力チャンネルが制御されるようになります。

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補足2.miniNGの設定、およびその他のbigNG周辺機器について

まさかの応用編その2 です。私の場合はFusion機を制作した後、一旦ケースをZ68ITX機に追い出されたため別のケースで完成させたのですがその際に、基本はファンレス運用としつつケースファンと外付けHDDファンを、それぞれの温度が安全な範囲を超えて上昇した時だけ回す制御が必要になり、そのためにminiNGを取り付けました。

bigNGを付けるほど大袈裟なシステムじゃない、でも必要な時以外はファンを止める制御が必要、という要件に対して、miniNGの機能は十分でした。
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1)miniNGの概要

miniNGはアナログ温度センサーを2系統、出力チャンネルを2系統持っており、bigNGの機能をかなり簡略化したものです。

とはいっても出力はbigNGがPWM80W/アナログ20Wなのに対して、miniNGはPWM100W/アナログ25Wですので、miniと言いながら兄貴分より出力は大きいです。

値段もbigNGより安く、一旦設定した後はブラックボックスとして安定して使えますので、bigNGを使うほどの規模ではないがきめ細かい制御をおこないたい場合、あるいはPC本体から離れたところに置いてあるラジエターボックス等の制御に向いていると思います。

なお、bigNGは周辺機器としてminiNGの他に、FanAmp、SensorHub、digital sensors Expansion setも使うことができます。このうちminiNG、FanAmpはbigNGなしでも使うことができますが、一緒に使うとより便利になるものです。これらの関係図は以下の通りです。

Tban

ここではminiNG以外の細かい説明は割愛します(私も使っていないので正直詳しくはわかりません)が、簡単に言うと、bigNGに繋ぐことでSensorHubはアナログセンサーを6個、digital sensors Extension setはデジタルセンサーを6個まで増やすことができ、全てbigNG本体のセンサーと同等に使うことができます。

またFanAmpはマザー等のファン端子に繋ぐこともできますが、bigNGのファン端子(出力チャンネル)に繋ぐことで、bigNGの制御下のまま大出力のアナログ(電圧)制御をおこなうことができます。(1個あたり25Wまで・出力チャンネルから分岐させて繋げれば何個でも接続可能)。bigNGが制御するチャンネル数は4個のまま変わりませんが、必要なだけ分岐させることにより、電圧制御でないとうまく動かないファン等を同時・大量にコントロールできるようになります。(尚、FanAmpはminiNGと組み合わせても使えます。)

後述のようにminiNGとbigNGは、接続しても連携して動くことはなく、単にT-Balancerから一括して管理できるようになるだけですので、bigNGの能力を単純に増強したい場合はminiNGを増設するのではなく、例えば利用できるセンサーを増やしたい場合はSensorHubやdigital sensorsを使う、またファン端子(出力チャンネル)毎の出力を増やしたい場合はFanAmpを使うのが、より適した組み合わせだと思います。

2)bigNGとの機能比較

さてminiNGの機能についてですが、bigNGにあってminiNGにはない機能は、(いろいろありますが重要なのは)以下の点です。これらがそれほど重要でなければ、miniNGが良い選択肢になります。

①デジタルセンサーの有無。

bigNGは劣化の少ないデジタルセンサーが使える。

ただし水路に埋め込むタイプの水温計は基本アナログセンサーなので、水冷PCで水温制御に使う限りはそれほど重要な差ではありません。使えるセンサーの絶対数が少ない、というのが、使い方によっては弱点になります。

②miniNGはPCから直接セッティングできない。

miniNG単独ではPCに接続することはできず、本体機能としてはジャンパピンとダイヤル(potimeter)2個でセッティングしていくことになりますが、これが結構大変で、センサー値や設定内容を画面で確認することができず手探りのセッティングとなり、個人的には実用性はないと思います。

bigNGを一時的にでも繋ぐことで、miniNGはPC側の制御ソフトであるT-Balancerから細かくセッティングして記憶させ、また稼働確認することが可能になり、実用性はぐっと上がります。したがって実質上、bigNGを1台でも持っている人向けの製品です。

③(同じく)PCから直接監視・操作できない。

miniNG単体では何の表示もされませんので、センサー温度が一体何℃なのか、あるいはファンは設定通りに回っているかなどを、一切監視することができません。実際にファンが回ったり止まったりしているのを見て、ああ制御してるんだなぁ、と気づくくらいです。(上限温度で警告音を出すことくらいはできますが。。)

この辺もbigNGに繋ぎっぱなしにしておけば、T-Balancerからセンサー測定値やファン出力の状況をリアルタイムに監視でき、また必要があればファンをマニュアルで調節することも可能です。

ただしこの使い方では、miniNGをbigNGの単なる拡張ユニットとして使うことになり、bigNGより安価でコンパクトな点がスポイルされますし、一方でbigNGの機能拡張ユニットとしても機能が不十分です。(下記④の通り)。

恐らくminiNGとbigNGの接続機能は、主にminiNGの設定や微調整の際に役立つものではないかと思います。

④miniNGのセンサーと出力チャンネルの関係は1対1で固定されている。bigNGと繋げてもこれは変わらない。

bigNGのように、出力チャンネル毎に複数の温度センサーを組み合わせて制御したり、個々に制御曲線を替えたり、SpeedFanをセンサーとして使ったりすることは一切できません。2個の出力チャンネルにはそれぞれ1個づつのアナログセンサーのみが割り当てられていて、その測定値のみで制御することになります。

また、2個の出力チャンネルの制御曲線は共通のものを使う必要があります。(端子毎に制御温度を変えたい時は、センサー毎のキャリブレーション値=補正値を意図的に変えるしかありません。)

これは、bigNGに接続しても同じです。bigNG側のファン制御のためにminiNGのセンサーを使うことはできませんし、また逆にminiNG側のファン制御も相変わらず、固定された1個のセンサーだけしか使えません。

つまりbigNGにminiNGを接続しても、独立した2台のファンコンを1つのT-Balancerで管理するようになるだけ、というイメージになります。

以上の制約はありますが、いずれにしろ監視よりもポンプの制御、ラジエターファンの一括制御などが目的なら、miniNGは非常にシンプルで便利です。以下では、これをT-Balancer Navigatorから設定する手順をご説明します。

3)miniNGの設定手順

T-Balancerのメニューについて。

Miningmainmenu

miniNGの設定には、T-BalancerのminiNGのメニューの中の、mNG sensors、mNG channels、mNG curve modeの3画面だけを使います。他にConfigurationの中にも同等の画面がありますが、そちらを使う意味はあまりありません。(bigNGと一括して管理する際の一覧性を良くするために、そちらにも同等の画面にアクセスできるようになっているんだろうと思います。)

①miniNGをbigNGに接続する。

miniNG付属のケーブルを使って、写真のようにbigNGとminiNGを接続します。(端子はそれぞれ上下2段ありますが、いずれもどちらに挿しても構いません。)

Bigngmining_connect

miniNGにも、PC本体から4pinペリフェラルケーブルを繋いで、電源を供給します。

②アナログセンサーとファンの接続

写真の②9、10番ピンのところにアナログセンサー、またIa、Ibのところにファンを接続します。

Mining_

アナログセンサーの9番(A)はIaのファン制御用、10番(B)はIbのファン制御用に固定されています。関連付けを変えることはできませんので、接続時に逆にならないように注意してください。

③温度センサーの補正(キャリブレーション)

さて、センサーは結構な誤差がありますので、bigNGの場合[補足1-2)]と同じように、キャリブレーションが必要になります。

T-Balancerの miniNG→mNG sensors にて、A,Bそれぞれのセンサーの計測値が表示されます。

Miningcalib

それぞれのrelative calibrationがbigNGのrelativ%、absolute calibrationがbigNGのabsolut℃ に相当し、それぞれクリックして補正値を入力していきます。

キャリブレーションの方法はbigNGの場合と同じく、信頼できる温度計を使って、水やお湯などの温度で比較しながら行うのがベストです。
一旦比較したセンサーを保管しておけば、以後はそのセンサーを基準に他のセンサーも補正できるようになります。この辺もbigNGと同じやり方になりますので、詳しくは[補足1-2)]を参照してください。これをセンサーA、Bのそれぞれでおこないます。

④出力チャンネル毎の特性の設定

出力チャンネルの各出力チャンネルは、図の画面から、

Miningfanchannels_2

赤丸のところをクリックすることで、チャンネル毎に以下の特性を設定することができます。(重要な順に並べてあります)

-Temperature limit

上限温度の設定で、クリックすれば変更できます。この温度を超えると自動的に100%出力になり、警告音が出ます。もともとデフォルトでは水温を想定してあるのか、これが低め(70℃)の設定になっていますが、CPUなどの場合瞬間的にはもっと高い温度になる場合もあるのに対し、ここで設定した温度以上には制御曲線が定義できなくなってしまうので、miniNGの警報機能を使いたい時以外は、ここは高い温度(99℃とか)に設定したほうが使い易いと思います。

-analogue/PWM

ファン制御の方法です。[詳細は本文2-4)の注1を参照してください。]ここをクリックするごとに相互に切り替わります。

analogueのほうが、きめ細かく正確な制御ができますので、それほど必要な出力が大きくなければ(~25W)analogueがお勧めです。ポンプなど出力の大きなデバイス制御には、PWMを使うことになります。(チャンネル毎に50Wまで

-Blockoff

出力電圧を下げていったときにファンの回転が止まったら、止まらない電圧まで自動的に上げるための機能です。クリックするたびにON/OFFが切り替わります。

私のように意図的にファンを止めたい場合や、ファンやポンプの回転数がうまく拾えない場合は、意図しない動作を防ぐためにもOFFにするのが良いと思います。

⑤Curve modeの設定

miniNG→mNG curve modeで、センサー温度とチャンネル出力の関係を定義します。

Miningcurve

制御曲線の設定方法は、bigNGと殆ど変りませんので、本文2-1)を参照してください。

設定後、下図赤丸部のそれぞれのcurve をクリックすればチェックマークが付いた状態になり、各チャンネルがこの制御曲線に合わせて制御されるようになります。

Miningcurvemark

このモードでは細かな出力制御や、ある温度以下ではファンの回転を完全に止めるような制御ができ、miniNGを使う大きなメリットになります。

ただしBigNGは出力チャンネル毎にこの制御曲線を定義できるのに対し、miniNGは共通の曲線を1個定義できるだけです。

制御の対象が同じような特性であればよいのですが、例えばCPUとHDDでは制御すべき温度がかなり違います。(CPUはせいぜいピーク60~70℃に収まれば良いのに対し、HDDは熱に弱いので、40℃~50℃で制御する必要がある、など)

それに対応するには、ちょっと変則的ですが、それぞれが使うアナログセンサーのオフセット値を意図的に変更する方法があります。

例えばCPU用センサー値に-20℃のオフセット値を使えば、同じ制御曲線を使いながら、HDDファンは40℃から50℃の間で制御、CPUファンは60℃から70℃の間で制御、という事もできます。

またこの画面から、Hysteresisの設定も可能です。これもbigNGの機能と同じですので、本文2-1)もご参照ください。ここに2℃と設定すれば、センサー温度がふらつく際に、温度が下がる局面では制御曲線を2℃シフトすることでファンの制御を意図的に鈍くして、例えばファンのON/OFFがカチカチと頻繁に起きることを防ぐことができます。

⑥miniNGへの保存と、poti meterの調整

Curve modeの設定を終わらせた後、⑤と同じ画面で、

Miningcurvemodeset

赤丸部のlocal control をそれぞれクリックすることで、設定値がminiNGに送られてlocal control モードに切り替わります。(local controlの文字がグレーアウトします。)

これを両方のチャンネルで行うことによって、ここまでの設定が全てminiNGに送られ保存されますので、以降はbigNGから切り離しても、単独で動作するようになります。(うまくいかない時は、もう1度「curve」の文字をクリックし、local controlの文字を浮き上がらせた上で、これをクリックしてください。)

ただし、もう1点だけ調整が必要です。

ここまでのminiNGの設定はT-Balancerから全ておこなっていましたが、この1点だけminiNGを直接操作する必要があります。操作対象は写真で赤丸のついている2つのPotimeterで、

Mining_potiab

目的はチャンネルA、Bそれぞれでグラフ赤丸部の「Curve offset」値を調整するためです。

Miningcurveoffset

この値だけは何故か、T-Balancerから調節することができず、local controlに切り替わる前は0なのですがlocal control に切り替わった途端に、(2個のPotimeterの未知の「ダイアル値」がそれぞれセットされ)ここに出現します。

これは後から動作温度にオフセットを設定して微調整するのに使えますが、これを使うとlocal controlに切り替える前と後で動作温度が変わってしまいますので、セッティングが安定するまでは0にしておいたほうが良いと思います。

具体的には、このCurve offsetがチャンネルA、Bそれぞれでゼロになるように、(miniNG付属の+ドライバーで)上の写真で対応するpotimeterを回して調整します。

図のT-Balancer画面から、まずチャンネルAをクリックした後、チャンネルA調整用のpotimeterを回してCurve offsetの数値が(ほぼ)0になるようにしてください。

Miningcurveoffseta

(potimeterのダイアル値は結構ふらつき、数値が反映されるまでのタイムラグもありますので、慌てずゆっくり回して調整してください。)

同じようにチャンネルBをクリックして、チャンネルB調整用のpotimeterで、Curve offsetの数値がほぼ0になるように調整してください。

Miningcurveoffsetb

以上でminiNGの設定は完了で、bigNGから切り離して単独で設定通りに動作するようになります。大きさも極めてコンパクトなので、ケースのちょっとした空きスペースに固定して使える点も良いですね。私はこんな感じでPCケース横のHDDボックス上に固定しています。

Mining_photo

.

まとめ

以上、最近はbigNGに並ぶ高機能水冷用ファン&ポンプコントローラーとしてaquaero 5も人気があり、こちらは後発だけあって5インチベイ取り付けのグラフィカルなディスプレイやリモコンなど、機能面だけでなく見て楽しむ・操作して楽しむ、という点も魅力的で、所有欲をかき立てられます。

それに比べるとT-Balancer bigNGはディスプレイもなく地味ですが、その分PC内で場所を取らず、それでいて出力は大きく発熱は小さく、価格も(比較的)安く、便利なオプションも豊富です。なにより現在ウチでは24時間365日稼働のサーバーで使っていますが、バグもなく常に思った通りの動きをする、という枯れ具合で、aquaero5はまだまだこれに遠く及ばないと思います。

必要になればマウスで画面上の手動ダイヤルを操作することも可能ですし、ソフトウェアセンサー(SpeedFan)と連携できるのも、現状bigNGの大きな優位点ですね。

値段も一般的なファンコンに比べれば安くはないですが、本格的で実用性の高い機能が豊富であることはもちろん、一度組み込めばシステムを変えても長く安定して使える信頼感があります。
私の場合ファンコンはPCケースの飾りとしては全く評価しないので(というより、5インチベイを1個も無駄に使いたくはない貧乏性です^^;)、本来は水冷システムに限らず普通のPCでも、そこらのファンコンよりずっと元の取れる買い物ではないかと思えます。

弱点としてはただですらドイツ語を基本とした情報が多く、英語や日本語でまとまった情報もなかなかないという点に加えて、仮に日本語マニュアルがあったとしても多分わかりにくいと思われるようなマニアックな造り、という点でしょうか。非常に取っ付きにくい製品なのですがそれだけに、使えば使うほど楽しくなる製品なので、私の解説が少しでもその手助けになればと思います。

.

残念ながらドイツ語で本国に伝えられないのですが^^;、今後の発展の方向性について欲を言えば、単に"温度"だけではなく、センサー間の"温度差"での制御や、更に気温計や湿度計とも連携できないものかと思います。

うちの現状では、(後日追加した)屋外ラジエター系のポンプにはD5を2個直列で使っているのですが、bigNGで制御して、水温が設定温度以下なら1個は止め、1個のみを最低出力で稼働させています。

水温が上がってくれば2個稼動にし、更に水温に合わせて出力を上げていく設定にしていますが、何℃でその辺を切り替えていくかは、(現状季節によって設定温度を変えていますが)本来は気温と水温の差がどれだけあるかで制御するのが理にかなっていますので、その辺の機能があれば、もっと便利になると思います。

今後もまた何かこの製品の使い方を”発見”したら、メモしていきたいと思っています。

2011年3月 5日 (土)

ディラック

今回製作した「3DサラウンドPC」で、自作PCの祭典2010のディラック賞をいただきました。
男子たるもの、コンテストに応募しようと思ったときから本当はグランプリを目指していたのですが、だんだん作ること自体に熱中しはじめ、ベンチマークとかどうでもよくなって、見栄えやギミックにばかり時間をかけていたのですが、そんなのを選定していただいたスポンサーの(株)ディラックのご担当コメントによれば
「ポイントとしては綺麗に配管されている点ですね。-中略- 製作日記も読ませていただいたのですが、チューブやフィッティングにもこだわられたその姿勢に、ただただ感服するばかりです。(発表ページより転載)」

とのこと。よく見ていただいて、こちらこそありがとうございます!
商品も送ってきました。何に使おうかなぁ。。いっそ今のPC A77F機の側面に這わせようかな。

Dirac

次はちゃんとグランプリ捕獲への戦略を立てて内容組み立てたいと思います。

ディラックさんへのお礼に、Lian Liらしいアルミ地を強調した写真を1枚。

Lianli

2011年2月25日 (金)

990Xに換装してみた

先週の土曜日に、Sandy Bridgeマシンを製作できないフラスト(と、Intelのせいにしてみる)から、先日発売された990Xを購入しましたので、換装してみました。ロットは3044B119 でした。

写真は換装中の1ショットです。

990x

水冷の場合、水枕の着脱は(配管を工夫してあれば)容易ですので、 換装も楽です。

ここではPCを移動、倒したりもぜず、置いてある場所のまま(もちろん電源は抜きます)で、980Xから換装しました。ただ、グリスの屑が回路にばら撒かれると良くないので、周りを簡易的に、ビニールシートで覆っています。 なんというズポラぷり。。。

換装後の写真。990x_2

まあ、当たり前ですが、見た目何ら変わりません。。

で、さっそく回してみました。

ここから先は、いろいろデータをお出ししたいのですが、その後ちょっと家を空けていることもあり、とりあえずは出張先からのメモ程度です。

私の980Xは初期ロットでしたが、石としては"並"で、常温水冷では27x165の4.45GHzが常用の限界でした。

今回のヒートエクスチェンジャを使った水冷の強化で、もっと上が使えるようになったのですが、本当の意味での常用設定は現在まで、27x168の4.53GHzに留まっています。 (27x169や27x170も、かなり安定はしていますが、Primeでは5,6時間でBSODが発生します。必要電圧の1.48Vが、ちょっと高すぎる模様。)

尚、私の場合は常用設定とは、"prime95 24時間、OCCT 1時間、TripcodeExplorer 1時間"が完走することを条件にしています。

で、今回の990Xですが、写真のように151x31の4.68GHz

Prime95_467b_4

で、常用3テストを完走しました。今まで持っていた980Xより、1段上まで行ける感じです。

ただ、BCLKが低めなのは、まだこの石の特性がよくわかっていない手さぐり状態なためです(980Xと全く同じ設定だと起動しなくなる)。この先もうちょっと詰めて、常用4.7GHzは超えたいですね。

ただ、990Xは980Xと(当たり前ですが)特性はほぼ同じですね。980Xの当たり石相当と言えるかもしれません。

当たり980Xを持っている人は、敢えて買い換えるほどのものでもないかもしれませんが、私の場合、新しい水冷環境の実力拝見の意味もありましたので、悪くない買い物だったかな、と思っています。

ちなみに外した980Xはサブ1号機に移植し、ちょっと耐性低めなサブ1号機の980Xを手放す予定です。

2011年2月15日 (火)

ブラックデビル

東京はまた雪です。
この間は日がさしはじめたころに降っていましたので夕方には溶けていましたが、今日は気温が下がる9時ごろから本降りでしたので、だいぶ積もってますね。明日は足下に気をつけましょう。
さて、このような日こそ、屋外ラジが本領発揮です。・・

2
と、きりがないので、今日はこの話はここまで。。

夕方は、雪を見越して早めに帰宅しましたので、オフ仲間のB.B.さんに作ってもらった、ブラックデビルのカッティングシートでPCをデコしてみました。
写真のようにカット済みの状態です。Photo
私の失敗を見越してか何セットか、色も何種類か作ってくれましたので、今回は白と擦りガラス調のものを内貼りで使いました。
この辺の素材らしい。。
http://www.nitie.co.jp/product/nc00.html
http://www.nitie.co.jp/product/sign_glass.html
現状は写真のように、コブラのエンブレムが貼ってあります。

Photo_2

これをこのように剥がしていきます。結構根気いる作業です。

Photo_3

剥がした後に写真のような粘着跡が残りますので

Photo_4

ライターオイルとOAクリーニングペーパーで綺麗に拭き取ります。

Photo_5

で、カッティングシートを貼り付け、均一に密着させ、裏貼りをはがします。

Photo_7 

擦りガラス調の部分は、もともと透明装甲にはってありましたので、剥がす手間よりも、別の透明装甲に貼って、取り替えることにしました。

Photo_8

これで完成です。

Photo_9

ブラックデビル2人、初代(高田純次)と二代目(さんま)です(実は絵柄同じ。。)

Photo_10

なんとなく黒とメタリックの世界に似合いますね^^ B.B.さん、良いものを有難うございました。

ご興味のある方は、このブログからリンクしてあるB.B.(BurningBlood)さんのブログにご相談してみるのも良いかも。(宣伝ではありません^^)
本来は仕事としてもう少し大規模なもの作りをやっておられるのですが、PCのナカマなら暇があるときにちょっとしたものを安くで作ってくれるかも(です、よね?B.B.さん)

2011年2月11日 (金)

雪の1日

今日は関東地方は雪の1日です。いまのところ積もってはいませんが、こういう日は出かける気にもなれず、家でPCを使ってる時間が長くなります。

しかし、屋外ラジエターは、こういう日にこそ真価を発揮するというもの。

寒そうですが。。Snowdayradi

おかげで水温は9℃で安定です。9

今までは4.6GHzではPrime95が30分も通らなかったうちのi7 980X でも、おかげで何時間でも安定、コア温度も60℃以下です。

Hwmon_460

Heaven Bench 2.1 1920x1080は、(580x3を980MHzに上げて)160FPSを超え、

Heavenbench1920x1080_2 

同じく3DMark11、3DMark Vantageもよく回ります。

P16630r_3

3dmv_460_980z_2   

いろいろやってみるまで効果が判らなかった屋外・車用ラジエターも、少なくとも寒い間はかなり役立つことがわかりました。

というか、普段はPCの上に手をかざすと生暖かい風が吹いてきていたのが、明確に冷たい風が吹いてきます。

ファンコンの自動制御がかなり効いて風量は少ないのですが、ちょっと冷やし過ぎなくらい冷えているみたいです。。

2011年2月 8日 (火)

ベンチマーク補足。

今回製作したのは、とにかくゲームが楽しくなるマシン、というコンセプトですので、個々のベンチマークのスコアはあまり気にしていませんでしたが、あまり無頓着すぎるのも、「ハイエンド構成なのに何も考えていないアフォ」のように見えてしまいますので、^^
一応ベンチ向けのセッティングで再度SSとってみました。
(ただし前にも書きましたが、ゲームを楽しむマシンには短時間のベンチ性能より、高い性能でいかに長時間安定動作させるか、のほうが重要です。ゲームに使うときも、それぞれのゲームの特性に合わせて、都度セッティングをおこなうのが普通で、今回はそのセッティングを楽にして自由度を広げるための、屋外ラジであり、電源強化なのです。え?そんな話聞いてない?失礼しました(^^ゞ

1.エクスペリエンス・インデックス
このマシンで使っているSSDのSamsung 470は、Write性能が高い最新世代ですが、ランダム性能が”そこそこ”なため、ここのスコアが低めになります。
ここでは比較対照の意味で、手持ちのOCZ Vertex Limited 100GBに換装してみました。

Ue46ocz_2   

結果、ストレージ性能は7.7と、いくらか向上しました。とはいえ、この部分は体感上もう殆ど差はないので、数字よりも使い勝手が重要だと思っています。
実運用上のSamsung470は、かなり実力上ですよ。

2.Performance Testも、構成の割には低め?という空耳が聞こえましたので、Build1019を手に入れて、導入して動かしてみました。

Pt46ocz_2   

デスクトップもパフォーマンス重視にしたところ、それだけでスコアはまともになってきました。SSDのスコアが悪かったり、そもそもSLIを解除したほうがスコアが上がるところをSLI ONのままにしていますので、Bestではありませんが、私の目的では十分です。

3.次の絵はHeaven Benchの撮り直しです。プロファイルが3xSLIに反映していなかったようなのでSLIプロファイルを最新版に再導入したところ、スコアはかなり上がりました。

Hbrslt46ocz_2 

尚、2以降では980Xは4.6GHz、GTX580はコア980MHz、屋外ラジエター稼働で、水温12~14℃で動いています。

2011年2月 5日 (土)

駄ネタ

Sandyのマザーのリコール騒ぎで、これの次にやりたかったものがなくなってしまった。Bulldozerが出るまでゲームやってゆっくり待とうかなぁ。。

さて、このメインPCのケースファン(およびラジエターファン)は、改装前と変わっていません。したがって、

(ノーマルモード)Nomal77

う~ん、Performance Testのスコアだけ出方がおかしいな。。Build1020でやったのがいけなかったのかな?でも1019なんてもうUPされてなかったし。。

よし、こうなったらモード反転!裏コード入力っMode_reverse 

                   *

                   *

ビースト・モード!

Beast_mode

駄ネタ、スミマセン!一度やってみたかったんです(^_^;)

ん?でも意外とイケてるかも。UVの蛍光も綺麗で判りやすいし。。

Beastii_2

無茶なOCベンチとかやるときは、この色モードで雰囲気を出すようにします。。

2011年2月 2日 (水)

3DサラウンドPC製作 その6 完成まで

さて、本当はコンテスト出稿の前に完成までの残りの作業と、検証、特に屋外ラジがちゃんと役に立つか、の回を書くつもりだったのですが、のんびりしているうちに期限になってしまいましたので、とりあえずコンテストのエントリーを先にやっておきました。

必要な工程やテストをこなしていき、全てが終わったのが昨日(1/31)の夜9時でしたので、ほとんどぎりぎり、まるで夏休みの宿題最終日か、バックトゥザフューチャーのマーティ・マクフライ状態でしたが、本来「ちゃんと計画通り動きました」というデータ取りと、「こんな事に気づきました」という報告があって、初めてモノ作りは完結します。
その辺、エントリー記事には書ききれませんでしたので、話が前後してしまいますが、"3DサラウンドPC"の仕上げについて、改めて報告いたします。

まずは完成した機の写真をいくつか。

内部写真。違ったアングルから撮っています。

01a 02b

サイドパネルを付けたところ。03

今回のコンテスト用内部写真は、ほとんどLEDの明かりのみの状態で撮ったもので、幻想的ですが、個人的にはこちらのように、カメラ用白色照明灯を使って撮った写真のほうがシステムの実装が判りやすく、好みですね^^

設置場所での典型的な写真です。「ゲームがオレを呼んでいる。。」って感じです。

04 05

6画面ともなると、背面のケーブルも壮観です。。

078

本当はこれをビデオセレクタに繋いで3台のPCで切り替えてます、と言いたいところですが、DualLinkDVI(3D Visionの前提)に対応したセレクタはバカ高くて、、、現状残念ながら手動で繋ぎかえです。

08

これは水冷3兄弟を入れた記念写真。

09

ちなみに米国のXtremeSystemsのフォーラムにも投稿してみました。

http://www.xtremesystems.org/forums/showthread.php?t=233842&page=153

以下には、今まで書いていなかった製作上のポイントをいくつか書いてみます。

1.補助電源と配線
いろいろな情報から、OCさせたGTX580の1枚あたりピーク消費電力は最大400W程度と予想いたしました。
リミッターをカットすれば更に電力食いになると思いますが、とりあえず性能上のメリットは限定的と思われるため、今回の製作の前提にはしていません。
他にCPU&マザー、HDDなどI/Oの消費電力が加わりますので、1500Wの出力は欲しいところです。
そこで、メインの1200W電源の他に、「その2」で書いた300W/ピーク450WのNLX電源を、以下の写真のように付けました。

クリアテープでケースカットの位置決め10

ジグソーでカットし、ヤスリで断面仕上げ11

緩衝材を(1200W電源との間に)挟んで固定12

背面から見たところ13

300Wの出力先はいろいろやってみたのですが結局、GTX580 1枚のPCIe電源のうちの半分(PCIe 8ピン)+HDD+ファンコン(全ファン+内蔵ポンプ)を受け持つのがバランスが良いとわかりました。
結果的に、3DMark11のピーク時のワットチェッカーは写真のようになりました。多大な電力ですが、うまい具合に能力に合わせて分担してくれてます。

14_watt

ただケーブルが2電源分あってかさばります。裏面配線もだいぶ苦労しました。

試運転中のカオス状態15

裏配線整理後

A77f 

他に、ちょっと細かい細工ですが、このシステムでは一番上のグラボの上にRAIDカードが挿してあり、そこからSATAケーブル5本が視界を横断してHDDのほうに伸びています。改装前のシステムでは、これを青いスパイラルチューブで覆っていました。

A77f_r_2 

が今回はデザイン上の統一感を持たせるため、これを黒チューブで覆いました。

Sata_bulk_cable

結果こんな感じで、見た目自然な感じの、謎のチューブが1本ある感じになりました。

Dummypipe

2.装飾
その3であったような紫外線LED、またカラーファンの他に、写真のようなLED付きスリーブを、内部をうまく照明するように、外周をぐるりと置いてみました。

17led

判りにくいですが、右上にLEDが見えます。

18led

おかげでクリスマスイルミネーションのようなPCになりました。^^

また、今回もB.B.さんに、構成変更分のステッカーを作ってもらいましたので、貼り付けしました。

Photo

他に機のデザインに合わせてブラックデビルのステッカー(^^;)も作ってもらいましたので、コブラから貼替えようと思っていますが、意外と手間がかかりますので、追い追いということで・・

3.冷却
完成後、早速屋外ラジを接続してみました。

補助冷却系チューブを屋外ラジに接続 Photo_6

昨日の夜は室温は25~26℃、外気温は4℃程度でした。
外ラジなしては、CPU直前の水温は33℃になります。

19

で、屋外機をとりつけたところ、同じ個所の水温は一気に約13℃となりました!

21

ノーマル状態から約20℃下がり、室温-12℃に冷えていることになります。
「その4」に従って温度湿度計を見ると、気温25.5℃&湿度26%で、「等高線」を辿ると7℃前後までは安全ですので、現状結露の心配はなさそうです。

Photo_4

グラボのコア温度は、3DMark11中でも22℃から28℃でした。

22gpu_2

内蔵ラジだけならグラボ#3はピーク時45℃前後まで温度上昇しますので、やはり20℃前後余分に冷えます。

また、スクリーンショットは取っていませんが、CPU(980X 4.52GHz Vcore1.46V)のPrime95では、一時間経過時のコア最高温度は50℃台にとどまります。
改装前システムでは1時間で最高70℃台中盤くらいになりましたので、これも20℃弱温度が下がったという事になります。

単に温度を下げた、という以上に、取り付け前はGTX580(コアクロック950MHzにOC)は、3DMark系は通るものの、FF14ベンチやLostPlanet2ベンチは途中で頻繁に落ちていたのですが、温度を下げた結果その辺が全くなくなり、安定して動作しています。
この辺はわかっていたつもりでしたが、実体験してみるとやはり驚きがありました。温度を下げるにしたがって、OC安定動作のマージンができるようです。液体窒素冷却は強烈ですが、20℃程度の過冷却でも効果はありますね。

ゲーム中のPCハングほど、脱力させるものはないので、ゲーム用PCであるほど、安定動作のマージンは必要だと思います。

以上、普通の水冷では、室温より下に冷やすことはできませんので、結構屋外ラジの実用性はありますね。今回、いつでも使える常設設備にしましたので、一斉エンコードなど、長時間高負荷状態でのシステム安定稼働にも貢献してくれそうです。

では完成記念に、6画面表示で記念写真など。

06_2

新中野から吉祥寺までの中央線沿線を、各戸シルエットが表示できる倍率で一挙表示してます。。 

2011年1月31日 (月)

Windows7&IE9杯・自作PCの祭典2010にエントリーします。

なぜ自作PCをつくるのか。

それは私にとって、「”無駄”なことに”本気”を出せる様々な要素がいっぱいある」というのが醍醐味です。
無駄って、悪い意味じゃありません。ほとんど週末に近所をドライブするだけなのに車買ったり、仕事のコミュニケーションなら飯食うだけでいいところを、夜の12時まで飲み歩いたり、、でもそんな事を切り捨てた人生は、なんてつまらないものになるんでしょう?
日本を元気にするのは、みんなが無駄を堂々と楽しむことじゃないかと。
あ、これはバブル世代のロジックですね。

さて、PC自作はDOS/V創世紀(バブルの終わるころ)にいろいろやって10年くらいブランクがあったのですが、一昨年くらいから再開してました。
今回は、その「様々な無駄遣い」の総決算として、ゴージャス&マニアックなPCを製作しましたので、人生初めて、自作の祭典にエントリーしてみたいと思います。
まあ、かなり自己満はいってるマシンですので、ネタ的要素も多いのですが、こういうコンテストがあると、製作の目標ができていいですね。

コンセプトは、「ハイエンドゲームをバリバリ楽しめるギミック満載、見た目も美麗なマシン」です。

では「Windows7&IE9杯・自作PCの祭典2010」のエントリー開始です。

■応募部門
ゲームPC部門

■エントリーマシンの構成パーツ

CPU: i7 980X
マザー: EVGA X58 3xSLI Classified E760
メモリ: GeIL Black Dragon 2GBx3
グラフィックボード: EVGA GTX580SuperClocked x3SLI
SSD: SAMSUNG MZ-5PA128HMCD-0A
HDD: HGST 2TBx9
RAIDボード: RocketRAID
サウンドユニット: SoundBlaaster Digital Music Premium HD(外付けUSB)
ケース: Lian Li PC-A77F
電源: Abee Supremer 1200W + SNE NLX450ROHS1U 300W

水冷パーツ類も一応リストにいたします。

CPUクーラー: EK-Supreme HF - Nickel
チップセットクーラー: Enzotech  EVGA X58 Classified&VRM用
GPUクーラー: Koolance x3
メモリークーラー: Koolance RAM-33x3
ラジエター: SR1 280(トップ) ザワード14cm3色ファン(1500rpm)x2
   SR1 360(フロント) ザワード12cm3色ファン(1600rpm)x6
外付ラジエター: 三菱車用互換ラジエター(CBA-H81W/82W A/T ファン付ラジエーター)
ヒートエクスチェンジャ―: Koolance HXP-193
内蔵ポンプ: Laing D5、XSPCリザーバー
外付けポンプ: Laing DDC 3.2 Koolanceリザーバー
ファンコン兼水温計: Koolance CTR-CD10BK5

ついでに5.1chサラウンド環境用に
ONKYO HTX-77HDX
も導入しました。、

■使用OS

Windows 7 Professional(64bit版)

■ベンチマーク結果の画面ショット

「CPU-Z 1.56」

起動直後のもの

Cpuz

「エクスペリエンスインデックス」

Exindex

「PerformanceTest V7.0 Build 1019」

Performance_test

「ロスト プラネット 2ベンチマーク」
一応、応募方法にあった通りの設定でやってみました。

Lp2dx11 Lp2dx11_2 Lp2dx11_3

また、ちょっとこのマシンならでは、ということで、3D Vision Surroundの環境でもやってみました。写真は手ブレではなく、アクティブシャッター式3Dになっています。

まあ、処理的にはだいぶ重いですが、一応30fps出してます。。

Lp2dx11b Lp2dx11b_2 Lp2dx11b_3 Lp2dx11bss

「FINAL FANTASY XIV OFFICIAL BENCHMARK」
一応指定通りのウインドウモードです。

Ffxivwinbenchmarka

ただ、どうもGTX580のSLIはこのモードでは今のところ効かないようなので、フルスクリーン化のパッチを当てたものもご参考まで。

Ffxivwinbenchmarkb

「Heaven Benchmark Version 2.1」

Heaven Heavenresult20110131_21543863

■エントリーマシンの外観写真

A77fnt_nightversion PhotoOutdoor_radi  A77fnt_withpanel Surroundsys

 

■エントリーマシンの内部写真

A77fnt_cpu_3 A77fnt_cabling

 

■解説文

制作コンセプトは冒頭に書いた通り、ハイエンドゲームをバリバリ楽しめるギミック満載、見た目も美麗なマシンです。
製作記はここのブログに、「3DサラウンドPC製作1~6」として書いてみましたので、ご興味あればぜひ見てみてください。
ポイントは、以下の通りです。

[1]3D Vision Surroundを楽しめる3画面+3画面の6画面モニター
3D Vision Surroundの楽しさはやった人にはわかると思いますが、加えて、6画面全部を部屋に無理なく並べたり別々に使えるように、モニタスタンドを2台製作しました。
横長6画面は動画やゲームは無理ですが、例えば写真のように中央線沿線の地図を新中野から吉祥寺まで表示可能です。

Photo
スタンドにはハンドルコントローラーやフライトスティックの取り付けが可能です。

[2]3D Vision Surroundの最大構成であるGTX580を3枚構成

[3]冷やせば冷やすほど性能を発揮するGTX580のために、屋外常設ラジエターを設置
取り外しは自由で、必要なときだけ冷却能力を付加できる。
室温より下がっても結露させないよう、目安となる特殊な湿度温度計を設置。ポンプの強さで水温を制御する。

[4]1400Wに達するピーク電力に対応するために、1200Wの電源に加え、ケース内蔵が容易な300WのNLX電源を設置。
実際、ピーク(3DMARK11)で、写真のワットチェッカーのように、消費電力合計が約1350Wに達していますが、安定稼働しています。

Watt

[5]水冷システムとしてのこだわり
ゲームマシンとしてだけではなく、ケーブル、配管、照明、装飾など、見ていて飽きない美麗な構成としました。

[6]以上を標準的なPC筐体に収め、可搬性、堅牢性を重視したこと。
重装備なシステムでありながら、外部ラジエターは取り外し自由で、外してしまえば写真のようにごく普通のPCとして部屋の間を移動して、メンテナンスすることができます。

Photo_2

■Windows 7&IE9を使って良かったと感じた点

XPまでしか対応していないH/Wはもう古くなってそろそろ処分しつつありますし、いろいろな最新の魅力的なソフトやハードがWindows7対応で出るので、個人的にはもう7しかないですね。
XPマシンは、昨年8月まで1台古いソフトの稼働のために置いてありましたが、代替ソフトが揃って使い慣れてきましたので、それも7の64bit版にリプレースしました。
また、意外?と、システムのエラーの修復が賢くなったのが、個人的には良いと思います。

IE9はまだ使い始めたばかりなのであまり判っていませんが、HTML5やSilverLightを綺麗に見せる作りだなぁ、と感じました。とりあえず私はIE以外はあまり使わない(以前はIEでうまく表示できない時のためにFireFoxも併用していましたが、今はほとんどその必要はないです)ので、今後常用していきたいと思います。

2011年1月26日 (水)

3DサラウンドPC製作 その5 黒とメタリックの世界

さて、いよいよ本体の水冷系の構築に入ります。
水冷対象はCPU、グラボ3枚のほか、チップセット&VRM、メモリーです。
ただし、チップセット&メモリー用の水枕、ケース内蔵のラジエター(SR1 360&280)は、昨年の夏に導入したものそのまま使います。
改装前と改装後の概要図は以下の通り。

改装前Photo

改装後2_2

今回の大きな変更点は、CPUブロックをSwiftech Apogee XTから、綺麗なアクリルカバーながら高性能な EK-Supreme HF-Nickelに替えたこと、ポンプをLAING DDC3.2からD5にしたこと(DDC3.2は補助冷却系に転用)、GTX580SCx3専用の水枕にしたことの他に、一番大きな点は全体を黒のフェルールレス化して、チューブもTygonの3/8-1/2黒チューブにした点です。
写真が改装前(左)と改装後(右)の写真です。

Photo_3

フェルールレス&黒チューブは海外では流行りでいつかやりたかった事ですので、ようやく念願叶った感じです。
ただ、黒のTygonは国内では扱いがなく、オリオスペックが扱っているKOOLANCEの黒いのも試してみましたが柔軟性の点で満足できませんでしたので、米国Performance PCs(PPCS)のサイトから購入しました。
http://www.performance-pcs.com/catalog/index.php?main_page=index
PPCSで買えるものは水冷機材が中心ですが、日本に直送してくれますので、ここに在庫しているものであれば転送会社を経由するよりも早く入手できますね。

しかし実際に使ってみると、黒チューブは格好いいのですが、手垢が非常に目立ってしまう(購入時既に汚れています)、という弱点があることがわかりました。
また、貴重な輸入品で無くなるとすぐには補充できませんので、対策を考えた結果、次の写真のような手順で組みこんでいくことにしました。

Tygon_2 

「(屋外機で使った安い)散水用チューブで、経路と長さを決める」→「同じ長さにTygonを切る」→「ライター用のオイルとデジタルクリーニングペーパーでTygonの汚れを拭き取る」→「組込み」 という基本手順です。
これに限りませんが、PCパーツ組込みの時は薄手の手袋をするのと良いですね。手垢汚れが付きませんし、鋭利なエッジなどで怪我をするのも防げます。

ちなみにチューブにプリントしてあるTYGONのロゴとパーツ番号は、オイルで拭くと消えてしまいますので、これを消したくない人はアルコールなどで拭くのもアリです。(ただ、手垢はオイルのほうが遙かに綺麗にとれます。)

今回はフィッティングも、基本はオリオで購入したEnzotechの黒いのを使っていますが、ロータリーコネクタやSLI用の透明コネクタはBitspowerのものが気に入ったので、これも一緒にPPCSで買いました。
写真のGPU間を連結している透明コネクタや、上方でマザー側に曲がっているロータリーコネクタがBitsのパーツです。組み合わせるとなかなか個性的でしょ?

Bits_3

他の注意点としては、黒のフィッティング、特に今回のようにペンチで挟んで締めるタイプのフィッティングは、ペンチの圧力で黒い塗料が簡単に剥げ、その部分の金属地が目立ってしまいます。
折角の黒のモノトーンにするつもりが台無し? と思ったのですが、いやここは逆に考えるんだ、剥げたものは塗れば良い、と思い、細い黒マジックで軽く塗ってみました。すると、全く目立たなくなりました。
こうなると逆に黒は有利です。(シルバー地のフィッティングだと挟んだ跡に光沢ムラができやすく、しかも補修は困難。)

組み終わった後は注水です。

ところが黒チューブ特有の問題がここにもあることが判りました。
チューブの途中に気泡があっても判らないのです。

普通、注水時にはあちこちに気泡ができ、そこが空気溜まりになりますが、柔らかいチューブであればそこをつまんで空気を追い出していくのが常套手段です。
しかし、黒チューブでは気泡があるのかないのかすら判らないので、この方法では対処できません。

そこでケースを写真のように横倒しにしたり、更には逆さまにしながら、泡の音がしなくなるまで根気よく追い出していきました。

Rr

力作業になりますが、A77Fがアルミ製のお蔭か、ケースそのものは思ったより軽く、少なくともTwelveHundredで同じような事(そちらはプラグインタイプなので、チューブは固くて変形困難)をやった時より、いくらか楽に作業できました。
注水完了B_2

クーラントは、透明のものにPrimoChillの黒いダイを混ぜてみました。墨汁みたいに真っ黒になると思ったのですが、写真のように、そうでもなかったですね。

Photo_4
ところが、紫外線を当てるとよく光るらしいです。

そこで、紫外線LED(UV LED)を5mmサイズ2個、3mmサイズ2個(CPU水枕用)の二種類を調達し、写真のようにスリーブ処理した後、

Uv_led_2

クーラントを通し、LEDを付けてみました

CPU水枕Uv1_2

リザーバーUv3

写真ではロングシャッターのお蔭でかなり蛍光発光しているように見えますが、生で見ると微かにボーっと見える程度で、控え目なものです。
しかしクーラントが波立っている様子がUVで照らされるのは、なかなか綺麗です。

Uv2

リザーバーは、ポンプ(D5)と一体化して使います。ただし、これはサブ1号機で同じものを使って経験したのですが、買ってきた状態だと以下の左の写真のように、IN側から長いパイプ状の構造が延びています。

このまま使うと、注水時に折角ここに運んできた気泡を、再度ポンプに吸い込ませて循環させてしまいやすいので、いつまでも気泡が抜けなくなりがちです。。

そこで右の写真のように、ドリルで中のパイプ構造を破壊して、取り除きました。これで問題はなくなります。

Reserdorill

他に、水温計を写真のように、グラボを全て通った後の地点、およびヒートエクスチェンジャからCPUに戻ってく地点の2箇所に置きました。

水温計#1.グラボ3枚を通った後Temp1

水温計#2.ヒートエクスチェンジャからCPU Tmp2

前者は主水冷系で最高水温になると想定される場所ですので、これで内蔵ラジのファン(フロント360用6個、天井280用2個)を制御します。

水温30℃までは最低回転数、40℃で最大になるよう、KOOLANCE製ファンコン兼水温計が自動制御してくれます。
また後者は、外部ラジとの熱交換直後ですので、系で最も水温が低い所になると想定されます。ここの水温が、結露防止のチェック対象になります。

以上で水冷系としては完成で、あとは配線の組み合わせを決めた後、ようやく本体の電源に火を入れる予定です。

Photo_5

2011年1月23日 (日)

3DサラウンドPC製作 その4 屋外用巨大ラジエター

今日は屋外用ラジ構築の報告です。

屋外にラジを置こうと思ったのは、今の無茶苦茶に寒い冬にふるえているだけでなく、この寒波を何か有効に使えないか、と思ったことが発端です。くだらない?
ただ、考えみると夏場も、部屋の中でクーラーをガンガンに効かしている時は、屋外機は意味がない、むしろ太陽熱温水器にしかならないのですが、クーラーを切って戸締りして出かけている間に長時間エンコードなどを回していると、部屋の中の温度は軽く40℃を超えます。
こうなるといくら水冷で作り込んでも、部屋の中に熱が溜まっていくだけなので、どうにもなりません。そういう時に屋外機を日陰に置いて排熱させれば、かなり状況は改善されるのではないかと思います。
 (まあもちろん、お金持ちならクーラーをつけっぱなしで外出すれば良いのですが、今やエコの時代ですので。)
ということで次の写真ような屋外機を製作しました。

Outdoor_radi_2

スタンドはドンキホーテで安売りしていた折り畳み式テーブルを使ってますが、耐候性と日よけを考えて、木製の天板を白いアクリル板に交換しました。
車用のラジにしたのは、安くて高性能ということもありますが、主に耐候性の観点です。

一時的なら良いのですが、永続的に使うとなると、外の雨や埃を想定していないPC用パーツだと厳しくなりますので、もともとそういう環境を想定している車用が適しているわけです。
そこで、オフ会ナカマで、昨年車用ラジでパワレポのコンテストでグランプリを獲得されたEricさんに、いろいろ教えてもらいました。車用ラジをPC用水冷機器と接続するにはいろいろノウハウがあるのですが、おかげで写真のように、すんなり出来上がりました。

Photo

この屋外機の効果で水温が30℃以下に下がると、水冷用ファンコン((KOOLANCE CTR-CD10)

_

の制御が効いてケースファンは最低回転数になりますので、自動的にかなりの静音マシンになります。
ただ、これだけファンを沢山(10個)積んでおきながら静音マシンを名乗ると、Ericさんにドツかれますので、、あくまで今回のマシンは「強力な冷却と割と静かな環境で、3Dサラウンドを楽しめるマシン」と名乗ることにします。ヽ(^o^)丿
注水完了Photo_2

その他、Tipsを3つほど。

1.ヒートエクスチェンジャ―
システムの概念図Photo_9

この概念図にあるヒートエクスチェンジャ―を使う事で、PCを動かしている最中でも、必要な時に必要なだけ(オンデマンドで)冷却能力を追加することができます。
モノはこれです。

Hyahoi
http://www.koolance.com/water-cooling/product_info.php?product_id=944
スペック表を見ると、4.0KWの熱交換能力という圧倒的な冷却性能で、実際ずしりと重く、銅とステンレスの固まりのようです。恐らく内部は、熱交換用の銅板と水路が交互に重なっている構造だと思われます。
まるでPC本体をチョバムアーマーで増加装甲したような形になりますので、敵の攻撃からも守ってくれそうですね^^

本来水冷でPCパーツを冷やす場合、できるだけ無駄な圧損を減らすことが重要で、またアルミ製のラジなどは水枕を傷める危険性があり、それなりの注意が必要です。その点、ヒートエクスチェンジャ―を使えば、そういう不安な要素を本体の水冷系と分離して、それでいながら冷却能力は十分に追加することができます。
もちろん、補助冷却系には長いチューブや着脱式のカップリングなど、いろいろ効率上問題のある構成になっていますが、そこは屋外機の巨大な冷却能力で補ってくれることを期待して、その心配よりも可搬性、構成の柔軟さなど、扱い易さに重点を置いています。

ただこのヒートエクスチェンジャ―、ネジ穴の位置など、一体どういう用途に作ったのか?疑問に思えるほど、独特の構造をしており、このままではケースへの取り付けができません。
Heatex

そこで、アルミ板を写真のように加工して、ラジの背負い用マウントに取り付けることにしました。
加工中Photo_3
取り付け後Heatexandpump
ちょっと取り付け部がごちゃごちゃしていますが、これでがっしりと固定されました。
また、補助冷却系やポンプリザとはカップリングで接続されますので、写真のように、PC本体だけを分離することができます。

A77f_2

これで本体の作業も非常に楽になります。

2.ラジエターファンについて
今回の車用ラジは、あくまでPCを積極的に冷やす用途ですので、ファンを使って効率よく冷たい空気を送り込む必要があります。
ただ、ラジエターに適した屋外用の電動ファンには、あまり手頃なものが見つからなかったので、いろいろ探したところ、ヤフオクで今回の電動ファン付きラジを見つけましたので、入手しました。オクとはいっても新品で、鹿児島にあるカー用品店が定常的に出品されているようです。

32cm100w
これは本来三菱車用互換ラジエター(CBA-H81W/82W A/T ファン付ラジエーター)で、ファンの直径は32cmあります。
このラジは日本車用なので、12V駆動には違いありません。ただ、どのくらいの消費電力でどのくらいの風量なのかスペック表もありませんでしたので、テストしてみました。

PC電源に繋いでみたところ、わわっ!物凄い勢いで風が吹き始めました!まさにグレートタイフーン、サスが車のエンジンを冷やすだけの事はあります。
しかしこれでは近所迷惑なので、電流値を測ってみたところ何と8A、、12Vなので、約100Wで回ってることになります。

8a_

かの山洋の超高速ファン、F12-HHHですら4Aですので、いかに強力なファンかがわかります。
こんな風は不要なので、ちょっと制御したいのですが、PC用ファンコンで8Aを制御できるものは見たことがありません。(水冷用ポンプの制御でもせいぜい3A程度)
そこで、電源を5V系に切り替えてみました。PC用ファンでは5Vで駆動できるものは少なく貴重な存在ですが、車用の機器は動作範囲が広いのではないかと思い。。
するとやはり、確実に扇風機の弱くらいの勢いで回りました。電流も2.5Aで、これなら電源にも負荷がかかりません。

25a_
なんとか形になりましたので、この形で使っていくことにします。

3.結露の防止方法について
今回、屋外ラジで水温を室温以下に下げますので、結露しないような制御が必要なのですが、そのために近くのホームセンターで、写真のツールを買ってきました。

Empex

この温度湿度計は、「空気中のインフルエンザウイルスの生存確率は、空気中の水蒸気量に反比例する。(低いほど長生きする)」という理論をもとに、色分けがされています。
写真で2本の針の交点が赤いエリアにあるときが、「インフルエンザが生存しやすい低い水蒸気量」ということになり、黄色がその次に用心すべきエリア、青のところにあればかなり安全と、説明書には書いてありました。

Photo_4
ここから科学の時間です^^
湿度は、その温度での飽和水蒸気量(これ以上増えると結露する水蒸気量)に対する、現在の水蒸気量を、%であらわしてます。
温度が高いと空気は沢山の水蒸気を含むことができ(=飽和水蒸気量が高くなり)、温度が低くなればこれが少なくなります。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A3%BD%E5%92%8C%E6%B0%B4%E8%92%B8%E6%B0%97%E9%87%8F

したがって、同じ水蒸気を含んだ空気でも、温度を下げていけば湿度が高くなり、ついに100%に到達すると(空気が水蒸気をそれ以上保持できませんので)結露が始まることになります。
逆に言えば、過冷却の水冷で結露させないようにするためには、室内の水蒸気量で湿度が100%を超えないように、水温を制御すれば良いわけです。

さて、この温度湿度計の真ん中に書いてある色分けの境界線は、水蒸気量の「等高線」です。

加湿、除湿を一切せずに空気を単に温めたり冷やしたりすれば、水蒸気量は変わりませんので、針の交点はこの等高線に沿って動くことになります。

ただこの等高線、3本しかありませんので、それ以外のところは目分量でたどる必要がありますが、針の交点を等高線に沿って左に延長していって、湿度100%のラインと交わるところの温度目盛が、「今の空気がそれ以下になると結露する」温度になります。
(実用上は湿度100%だと、ちょっと部屋で熱いお茶を飲んだだけで結露が発生しかねませんので若干のマージンをもって、湿度80%に赤いラインを引いて、警戒湿度とすることにしました。)
例えば次の写真は、

Photo_5
火にかけたやかんの湯気の先にこれを置いたものです。この場合、等高線で辿ってみると

Photo_6

14~15℃で湿度80%となることが判りますので、過冷却にはさすがに危険な環境です。まあ、こういう状況はなかなかないと思いますが、部屋でナベをすると、このくらいいくかもしれませんね。

次の写真は、普通の室内の状態です。

Photo_7

これだと0℃前後でも大丈夫そうですね。

ペルチェや液体窒素冷却と違って、外気での冷却はあくまで外気温以下にはなりませんので、屋内の空気が適度に外気と換気されて、大きな水蒸気発生源もなければ、水蒸気量はそれほど外と変わらないので、結露の危険性は低いです。(出かけている間はあまり心配は要らなそうです。)

ただ、部屋に人が何人もいたり料理しているときは、水蒸気量が増えてきますので、この温度湿度計を時々水温計と見比べながら、結露の可能性があるときはファンコンで屋外機用ポンプを弱めて、水温を少し上げる、という運用が良いです。

こうすることで、従来はOCチャレンジなど一時的な利用しかできなかった過冷却システムが十分、常用可能になります。

そういえば、屋外機、車用ラジの利用ってのは、DOS/V POWER REPORTの過去2回のコンテストのグランプリ作品に、結構インスピレーションされてますね。
ただパクリ、という事ではなく、折角の独創的なアイデアをよりこなれたものにして、更に応用して普通の技術として活用していくのが、過去に受賞した方々へのリスペクトになるのではないか、と、我ながら思っています。

2011年1月20日 (木)

3DサラウンドPC製作 その3 改装前棚卸し

さて、今回はメイン機の大規模な改修になるわけですが、ベースとなる構成を先にご紹介しておきます。これは昨年の7月に完成したものです。

A77foverview

パーツ構成
CPU i7 980X
マザー EVGA X58 3xSLI Classified E760
メモリ  GeIL Black Dragon 2GBx3
グラフィックボード HD5870 x3CFX
SSD OCZ Vertex Limited 100GB
HDD HGST 2TBx9
RAIDボード RocketRAID
ケース Lian Li PC-A77F
電源 Abee Supremer 1200W

内蔵ラジエター2個は写真のようにして入れてます。
A77f_radi

前面に360ラジを入れても内部スペースが実用上殆ど犠牲にならないのが、このケースの良いところですね。いろいろ工夫もしましたが、苦労話は割愛。

なかなか書く所がないので、水冷パーツ類も一応リストにいたします。
CPUクーラー Swiftech Apogee XT
チップセットクーラー Enzotech  EVGA X58 Classified&VRM用
GPUクーラー Koolance x2  Swiftech x1
メモリークーラー Koolance RAM-33x3
ラジエター SR1 280(トップ) ザワード14cm3色ファン(1500rpm)x2
 SR1 360(フロント) ザワード12cm3色ファン(1600rpm)x6
外付ラジエター XSPC RX480 シンルイリアン 12cmファン 1700rpm x6 (二重反転x3構成)
内蔵ポンプ Laing DDC 3.2 (チップセット・GPU・メモリ系) &XSPCリザーバー クーラント (青) チューブ PISCO 1080
外付ポンプ Laing D5(CPU系) 、Bitsリザーバー 、クーラント 自動車用スーパーサーモLLC (赤) チューブ TYGON 3603 1/2-3/4
ファンコン兼水温計 Koolance CTR-CD10BK

内部はともかく、外見上はカラフルさが特徴です。ファンにはザワードの三色切り替えが可能なもの

http://www.zaward.co.jp/globe-fan2_index.html#no10

を使い、気分で色が変えられるようにしています。
また、サイドパネルは(A77F用のアクリル窓付パネルが未だ存在しませんので)Lian Liの他のケース用のものを改造したサイドパネルを使って、さらにオフ会仲間のB.B.[JPN]さんに作ってもらったイラスト&文字入りステッカーで飾っています。

Sidepanelbbsan

今回はこれがベースになりますが、元が(我ながら)折角の力作ですし、特にCPU、マザー、メモリ、ケースなど、現状でも(SATA3やUSB3.0が使えないことを除けば)遜色はありませんので、極力流用する予定です。こうやって新しいニーズに応じて、必要な所だけを組み替えていけるのも自作の醍醐味ですね。

ただこの水冷システム、この頃は本格水冷の経験も浅かったこともあり、今から考えるとちょっとアンバランスで、無駄も多いです。
現構成の概念図Photo_3

例えば水冷の系統は2系統に分けていたのですが、CPUだけのために480ラジとD5ポンプを使うのは、実際使ってみると全く過剰でした。(その頃はCPUは冷やせば冷やすほど過激にオーバークロックできると思っていた。)
もう片方の水冷系も、グラボをFurmark等でブン回さない限りほとんど水温は変わらずFurmark回しても水温5℃程度の上昇に留まっていました。つまり通常の使い方なら(圧損での能力の低下がなければ)内蔵ラジだけの1系統で組んでも十分だったと思います。

ラジとポンプを外付けしたために簡単に持ち運びができず、またケースを横に倒してメンテナンスしたりも難しかったので、今回は内蔵1系統を基本に作り替える予定です。

ただそうは言っても、GTX580は発熱が更に大きくなりますし、夏場の閉め切った部屋で室温40℃を超えるような環境や、長時間負荷がかかる環境(特に将来的に、動画処理でCPUとGPUをぶん回すような環境)など、更なる冷却が必要になる場合も想定して、追加で冷やすための補助冷却系を、取り外し自由で組み込みたいと思っています。
新メイン機・水冷系概念図Photo_4

それから、水冷もだいぶ慣れてきたので、見栄えのよさにももっとこだわりたいですね。(実は個人的にはこの辺の動機が重要だったり。。)
プラグインは、見栄えも使い勝手も良いのですが、サブ1号機で使っているので、今回は新しいチャレンジの意味も込めて黒のフェルールレスでやってみようと思います。
米国サイトにはフェルールレスの作例が極めて多いのですが、確かに独特の格好よさがありますね。
http://www.xtremesystems.org/forums/showthread.php?t=233842&page=150
逆にプラグインは米国の作例にはほとんど見られないのですが、別にプラグインが劣っていることはないので、むしろ日本ではもともと家屋の配管や車用に結構使われていたり、CoolingLabさんなどの努力で広まった面もあると思います。
この辺が今回調達したフィッティング類の一部です。Enzofittings_2 

サブ2号機はバーブを使っているので、これで我が家に3種類の水冷機が揃います。
サブ2号機はこんな感じ。Cn690iioverciew_2  

ちょっとカラフルすぎ?今回は少し渋めを狙いたいですね。

2011年1月19日 (水)

3DサラウンドPC製作 その2 グラボにGTX580SCを3枚

さて、前投稿の6画面部屋を作ろうと思ったきっかけは、現在サブ1号機となっているTwelve Hundred
(こんな感じに作ってます。)1200

で、3D Visionを使い始めたのが発端でした。
GTX480を2枚入れてゲームやPowerDVDの2D→3D変換を使ってみるとこれが面白いっす!
3Dでレースゲー中。(カメラの手ブレではありません)3d_2 
すっかりハマってしまいました。。。

で、これを更に3画面にしたらもっと迫力あるだろうなぁ、と思ったのですが、3画面の3D Vision Surroundを使うには、同じ機種の3D Visionモニターを3台揃える必要がありますので、現在一番安い、Acerの23.6インチ

を3台入れることにしました。安いとはいっても3台で10万以上になってしまいますが、その時は勢いで。。

で、その3台と、もともとあったモニタ群もありますので合わせると、モニター6台体制となってしまいました。
増えてしまったものはしょうがない、いっそのことネルフ会議室か地球防衛軍っぽくキメてみよう、と思ったのが、この結果となりました。。
ネルフ音声会議状態Surround

3画面でのF1 2010の画面とかF1weak3d_2

Episode3の1場面とか。。Yodavspope

さて、メイン機のA77FB機のグラボは現状、HD5870 3枚の構成ですが、今回これを3D Visionに対応させるために、GTX580 3枚(3DVision Surroundの最大構成)に入れ換えることにしました。
余った5870はのちほどサブ2号機に使う予定です。
一度そう踏み出したら、
「折角グラボを入れ替えるんだったら水冷系を米国水冷廃人仕様の格好いいものに改装したいなぁ。。」
「サラウンドを楽しんでいる間はPCの音もできるだけ静かにしたいなぁ。。」
という順に超流動化した思考回路が働き、結局メイン機全体を殆ど作り直すことになりました。

で、GTX580の調達ですが、GTX480でツール類の良さとOC耐性で使い勝手の良かったEVGAのSuperClockedバージョンを買おうと思ったのですが、国内の流通量が非常に少ない(昨年12月時点)ことが判りました。

そこで、年末忙しい中でそうPCは弄れないだろう、正月休みまでにモノがあればいい、と思いましたので、やや時間がかかりますが、米国Amazonから購入することにしました。
米国Amazonも買い方は国内アマゾンとほぼ同じですが、書籍など一部を除いて、日本への配送は受け付けてくれません。

そういう場合、私はいつも、リンク先の転送サービスを使います。米国内の通販なら(あたりまえに輸入禁止の品目はダメですがPCパーツ類ならほぼ何でも)これで入手できます。
http://www.spearnet-us.com/move/index.html

基本は一回ここの転送サービスに会員登録(無料)して米国内の専用住所をもらい、そこを送り先住所にして通販で買い物をしてから、その情報をここの窓口にメールしておくと、到着後転送料を計算してメールで送ってきますので、それをカード(paypal)で支払えば、数日で日本の住所宛に転送してくれます。一回貰った住所は何度でも使えますので、会員登録は最初に一度やっておけばOKです。英語もほとんど必要ありません。(なお、たま~にクレジットカード登録の住所にしか送れなかったり、転送サービス用の(ちょっと長い識別IDが付いた)専用住所には送ってくれなかったりする通販サイトも存在しますが、その際は諦めて、別のサイトで同じものを売っていないか探せば良いと思います。米国は広いので。。)

今回はスーパー円高も貢献して、手数料や転送の送料、関税(1万円以上の買い物だと消費税相当の5%が、購入金額の6割程度に対してかかる)を入れても、結局国内価格より割安でした。

PCケースのような大きなものは転送料が1万円前後しますが、グラボはそれほど大きくもないので、転送料は全部で4,5千円と、程々リーズナブルです。

もっと小さく軽いものならそれに比例して転送料も安く、例えば以前CFX用のロングブリッジを数個eBayから仕入れた時は、転送料10ドル(8百円程度)でした。

納期はAmazonへの発注が12月7日、ウチへの到着が12月20日でしたので、転送の時間を含めて2週間でした。これだけ待てるのであれば、今は個人輸入もいい選択肢だと思います。
到着したGTX580SC580x3

ただし国外での購入ですので、初期不良があった場合、タイムラグも考えると速やかな交渉が必要です。そこでまずは、まな板環境で1枚ずつ動作テストすることにしました。

580sc

結果、3枚とも無事動作、900MHzのOCでも問題なく動作しました。

動作に問題ないことが判りましたので、せっかく組んだまな板設備をそのまま使って、次に予めオリオスペックで入手しておいた水枕の装着とテストをおこないました。
グラボ分解中580_

水枕装着前Photo

3枚とも装着したところ。Photo_2

水枕の装着はそれなりに動作不良を起こすタイミングですし、水冷で一旦組んでしまうとバラすのは大変ですので、私は事前にマナ板水冷環境でテストするようにしています。
この辺、サッと組んでベンチデータ出したい性格の人には不向きですが、まあガンプラをじっくり組む時と同じように、完成形をいろいろ考えながらじっくり手順を踏むのも、儀式の1つですね^^
これが水枕装着テストです。Photo_3

SLIにし、ついでに補助電源もテストしてます。
GTX580x3+もろもろだと、今メイン機で使っているAbeeの1200W電源でも不足気味ですので、NLX(1Uサーバーサイズ)電源を補助として使う予定で、ここでテストしてみました。

普通に考えると、この出力でこの価格は割に合いませんが、あくまで今使っているケースに電源を収めるための(はた目にはほぼ無意味な)こだわりです。。
ただ、デュアル電源の動作は確認したのですが、ちょっと注意点もあり、それぞれの電源供給先に工夫が必要なことが判りました。その辺は追い追い書いていきたいと思います。

これでグラボの準備は完了です。
水枕は写真の通りKOOLANCE製ですが、同じKOOLANCEでもGTX480版と違って、光り物のギミックもなく、落ち着いたメカっぽいところが良い感じですね。^^

Gpu

ただ後から考えると、もちょっと安いのでもよかったかな。。。

【2/2後記 SLI連結用チューブのトラブルについて】

メインマシンは無事完成しましたが、SLIの構築の際に、今回ほぼ唯一のトラブルがありましたので、メモしておきます。

私が今回SLI連結用に使ったチューブは、Bitspowerのこれです。(PPCSで購入)
http://www.performance-pcs.com/catalog/index.php?main_page=product_info&cPath=59_346_393_766&products_id=27587

Sli_transtube

アクリルの透明チューブを専用のフィッティングにはめて繋ぐ形で、一見頼りないのですが、きっちりはめ込むと固定され、グラボがスロットにネジ留めされている限りは、そう簡単には外れない感じです。

Transtube

ところが今回、最初グラボを挿した時は良かったのですが、いざSLIで動かそうとして3xSLI用のブリッジ
http://www.newegg.com/Product/Product.aspx?Item=N82E16814998401
を挿したところ、いきなり水漏れが始まりました。
その場で気づいてタオルで押さえたので、被害はなかったのですが、どうやら長さがうまく合っておらず、この硬いSLIブリッジに押し広げられる形で、外れかけてしまったようです。
この辺の長さの仕様も統一されていないところが、水冷の困ったところですね。完成間近の時だったので、結構ビビりました。

最初は3xSLIコネクタでもっと柔らかいものがないか、とか、リンクの写真にあるような繋ぎ方
http://forums.bit-tech.net/showthread.php?t=172584
で代用しようか、とも思ったのですが、そもそも3xSLIコネクタ自体がほとんど市販されておらず、また後者は美観的に劣ります。
セットの透明チューブの長さは14mm,19mm,30mmの三種類があり、このときは19mmのものを使っていましたが、長さを合わせるには22mmくらいが必要なようですので、30mmのタイプをこの長さに切って使うことにしました。
こういう時のためではなかったのですがたまたま持っていた、写真のダイヤモンドカッターが役立ちました。

Diamondcutting

これで無事、SLI化も完了です。

Sli

この問題はありましたがこのSLI連結チューブ、LEDの光で輝いて格好いいので、気に入ってます。ただ使うときはこの点のみ、ご注意を。

2011年1月11日 (火)

3DサラウンドPC製作 その1 部屋の改造など

この正月休みから、自作PCを使って、3Dゲームや映画を思い切り楽しめる環境を作りたいと考えて、3Dサラウンドシステムを製作中です。

しかしまずはPCより住環境ということで、先に部屋を改造しました。

部屋の元の状態はとても人に見せられない、”ケーブルが床を這いまわり、中身の不明な箱が並ぶ”という惨状だったのですが、年末大掃除を兼ねて、PC部屋を改造してしまいました。その結果がこれです。。^^
Surroundsys
写真のモニターは、"6画面+1モニター"で、左から4つが3D Vision対応、残り2つがIPS液晶です。

モニター・マウントは移動式で、天井から見ると次の写真のようになります。

Surroundsys_2

ケーブルは3面分のDVIと電源、USBなど、放っておくと収拾がつかなくなるので、スパイラルチューブでまとめて、アンビリカルケーブル的に1本にまとめています。

3D動画&ゲームを楽しむには、このうちの3画面を使います。

こんな感じ。Surround3d

現状は、グラボの機能の制約で、3画面ずつしか3D VisionやSLIを効かせることはできませんが、6画面あればサブ機と併せて3画面x2にもできますし、DirectXが不要な時は、全部つなげて超横長のデスクトップにすることもできます。これは例えば次の写真のように、画像編集の時に役立つかも、と思っています。

サムネイルを2画面表示したところ。And

もともと移動式のモニター台を使い始めた時は、写真のようにベッドでごろ寝しながらPCを使いたい、というズボラな発想でした^^

Photo

ところが使ってみると、ごろ寝用途だけではなくモニタを気楽に移動して好きな場所、好きな姿勢で使える、というのが、想像以上に便利でした。

ご参考までにモニター台とアームは、この辺を使ってます。

ちなみにこのモニター台のスペックには「薄型テレビ 20インチまで対応」のように書いてありますが、もっと大きなサイズでも問題ありません。スグレモノなのは耐荷重が大きいことで、15Kg程度まで対応できますので、それに収まっていれば30型前後でも大丈夫です。

さて、私の場合この辺から始まってだんだん進化(暴走?)して3連モニタとなり、さらにそれが2系統に増えて今に至ります。。まあ、これらを机の上に置こうとしたら、机だけで部屋が埋まってしまいます。。

モニターを3連結する際には、横向きに、以下のようなモニターアームとジョイントを付けました。モニターアームを横向きにすると、もともと縦向きに固定するようにできているだけに、なかなかモニターの重量を支えられるものは少ないのですが、いろいろ秋葉で検証した結果、この辺のが使えることが判りました。

可動部がたくさんあるので、写真のように凸型に並べながら全体を下向き(観るほうは見上げる向き)にしたり、水平にしたり、まちまちの方向にしたり、など、いろんな配置が可能で、高さの調整も、ある程度可能です。

3_3

まあ、アームと台だけでモニター何台分かの値段になってしまったので、周りにはアホ扱いされてますが(^^;

1系統のモニター台には、ハンドルコントローラーのマウントが取り付けてあります。

これはハンコンを取り外してフライトスティックも取り付け可能で、またマウントだけにすればトラックボール台としても使えます。邪魔になるときは右端のように、折り畳みも可能です。

Photo_9

もう1系統には普通に、マウス(トラックボール)台が付けてあります。

Photo_6

音のほうもサラウンドのセンターシステムを入れて、5.1chの環境にしました。

高級オーディオではありませんが、なかなか格好良く、私には充分です。
Surroundamp

以上が部屋の改装です。さくっとやってしまうつもりだったのですが意外な力仕事となり、正月休みをほとんど使ってしまいました。肝心のメインPCのほうはいつ完成することやら、、判りません。。。

2011年1月 2日 (日)

ブログ始めました

私のPC関連の徒然を綴っていきます。

今のメインマシンはこれ。

A77front

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